デスー

デスゥ？

仔実装達は完全に親実装の言いつけを忘れ久しぶりに味わう美味に酔いしれていた・・・
親実装は作戦が失敗した怒りとゴチソウが食べられない事で激怒して透明な壁を叩きながら叫んでいた。
「デジャァァァァァァァ！！
なんで高貴で美しいアタシの言う事が聞けないデス！
この糞蟲どもデジャアアアアアア！！！
ママの言いつけを守れない仔はみんな糞蟲でジャァァァァァァァァァァァァァ！」

叫び怒り狂う親実装はいきなり後に気配を感じた。
全身が震え顔の血の気が引き脂汗がドッと吹き出る。
ブリブリブリ
汚らしい排泄音とともにパンツがゆっくりと膨らんでゆく・・・

『残念でございました。ゲーム失敗です。』
「いいいまのは、ノ、ノーカンデデデス・・・・」
『申し訳ございません。ノーカンはございません。』
「も、もう一度や、やらせるデス。今度はし、しっぱ・・・」
『申し訳ございません。もう一度はございません。』
「デデデデデデデ・・・・」

親実装が振り向くと黒い服に身を包んだ変ね顔のニンゲンが覗き込んでいた。黒い服の変な顔のニンゲンは襟を正すと震える親実装を見下ろしながら説明を始めた。
『貴方はゲームに敗北しました。残念ながら貴方はこれより罰ゲームの時間になります。
しかしながら、御主人様は只今着替え中でございます。したがって、僭越ながら御主人様がいらっしゃるまでわたくしが進行を行うよう御主人様より仰せ付かっております。』
「デ・・・デ・・・タ、タスケテ・・・デス。」
『申し訳ございません。そのご要望にはお応え致しかねます。
わたくしは、あくまで執事ですから。』
「デ！！」

しかし・・・親実装の作戦には重大なミスがあった。
それは・・・

「あ！あまいテチュ〜〜ン☆」
ケーキのある部屋に入った仔実装は久しぶりに空腹状態で食べるケーキの美味さに理性が吹っ飛んでしまった。
「デ！やめるです！バカニンゲンに見えない所を食べるんデス！そこを食べたらバカニンゲンに分かってしまうデス！？」
「美味いテチューン☆甘露テチューン☆ウマウマテチャーーー☆」
「こら！ママの話を聞くデス！」
「五月蝿いテチャーー！高貴で美しいアタクチの優雅なセレブ食事中テチャーーー」
「デ！？！？」

「デププププ☆」
「「「チププププ☆」」」

変な顔のニンゲンがドアを閉め部屋の外に出るのを確認した実装石の親子は勝ち誇り声に出して笑った。
一通り勝利に酔った後、親実装は仔実装達に命令した。

「今デス、他の部屋にはママは行けないけどオマエタチならこの小さな入り口から入れるデス。
馬鹿ニンゲンが帰ってくる前に向こうから見えない部分を取ってくるデス」
「さすがママはあたまいいテチー！」
「ママてんさいテチャーー！」
「サンゴクいちの策士テチー！」

仔実装たちは涎を垂らし「チププ」と笑いながらそれぞれの部屋に１匹ずつ入っていった。
親実装は自分の策の成功とこれから味わうゴチソウに涎を垂らしながら「デププププ☆」と笑った。

踊りを止めて説明を聞いた実装石の親子はしばらく考えて休憩を始めた。

「ママ〜おなかへったテチャ〜〜」
「おなかぺッコペコテチー」
「あそこのゴチソウ食べていいテチ？」
「待つデス、セレブな実装石は卑しい事はしないデス」

しかし、１時間踊り続けて親も空腹だ・・・親実装はしばらく思案した後、子供たちにこう言った。

「いいデスか、よく聞くデス。
あの変な顔のニンゲンもそのうち飽きて何処かに行くはずデス、そのスキにみつからないよう頂けばいいんデス。向こうから見えない所を食べてしまえば、あの馬鹿ニンゲンは気が付かないハズデス。」
「「「テチャーー！ママ頭いいテチ！」」」

こちらに背を向けしばらく何か相談を始め、しばらく何か話し合った後、こちらをチラチラ見ながらまるで周りのゴチソウが無いかのようにまったり休憩を始め、仔実装達はこちらをチラチラ見ながら好き勝手に動き始めた。
赤頭巾の仔実装は親にしきりにどうでもいい事を話し始め、黄頭巾の仔実装は親の足の間で「ニンゲンいなくなれ〜♪」と歌い始め、青頭巾の仔実装はこちら側のガラスを挑発するように舐める遊びを始めた。

３０分ぐらい経ち実装石親子が焦り始めた時、変な顔のニンゲンは椅子を立ち部屋から出て行った。

それを確認した実装石親子の目がギラギラと光った。

くしけずるという行為そのものにある種の呪を感じました

実装石の親子は変な顔の人間が眺めているのを確認すると綺麗に整列して、抜群の笑顔でオアイソを始めた。
（デププ・・・私達のコレでメロメロにならないニンゲンなんていないデス。ゲームなんて止めてあたしたちのドレイになるはずデス。デププププ・・・）

親実装の意図が分かった仔実装達もオアイソのポーズや踊りでニンゲンをメロメロにしようとする。


しかし・・・・・・・

変な顔のニンゲンは表情一つ変えずメロメロにならない。それどころか実装石親子の４８のメロメロ技にもリアクション一つしないで眺めている・・・・・
（・・・おかしいデス。なんでメロメロにならないんデス？ニセモノの人形じゃないのはたしかデス、たまに横にあるジュースを飲んだりしてるからニンゲンのはずデス？なんで表情一つ変えないんデス？あたしたちのコレを見てメロメロにならなかったドレイニンゲンなんていなかったデス？・・・おかしいデス？こんな事は無いはずデス？）

１時間後・・・疲れ果て、涙目で倒れ込み実装石親子の姿があった・・・・
「テハーッ、テハーッ、ママーあのバカニンゲンおかしいテチーーおなかペコペコテチュアーー？」
「なんでメロメロにならないテチャー・・・のどがカラカラテチャーーー？」
「なんで・・テハーッ、ドレイにならないテチ？」
「・・・お・・・おかしいデス・・・・・」

変な顔のニンゲンは表情一つ変えず、疲れきったのを確認すると側にあった置き時計を取り、箱の前に置く。
『さて・・・この針が重なるまでがタイムリミットです。この針が重なるまでガマンできれば貴方達は幸せになれます。』

そう言うと、変な顔の人間はまた席に戻り眺め始めた・・・・

突然、実装石親子が入っている部屋の壁が上にスライドし、仔実装が通れる穴の開いた透明な壁で仕切られた明るい部屋が現れた。
それぞれの部屋の中には美味しそうなゴチソウが入っていた。
ゴチソウの美味しそうな匂いが部屋の中に流れ込みゴチソウに見入ってしまう実装石の親子。

『ルールは簡単です。
　制限時間までゴチソウを食べてはいけません。
　食べた場合、ペナルティが起きます。』

「デ？この高貴で美しい選ばれたセレブのアタシ達には簡単な事デス。お前馬鹿デス。」
「「「あたしたちはおりこうさんテチー」」」

『そうですね、高貴な実装石である貴方たちなら簡単でしょうね。それではゲームを始めましょう。』

そう言うと変な顔の人間は椅子に座り実装石の親子を眺め始めた・・・

透明な壁の向こうの暗闇の中から人影が現れる。

『クックック・・・ようこそ・・・』

その奇妙な扮装をした人を見かけると実装石の親子は言葉にならない叫び声で威嚇して抗議を始める。
「クソニンゲン！ここｋｒ○＆＃デギャ＊”＋＆￥！！」
「ク▼＆ン％｜〜＋＊＞テチャーーー！！」
「＆｜＊＞＄＃テヂャーーーーーー！！！」
「’＆＃”！｜￥デチャーーーーー！」

『・・・・元気があって大いに結構・・・
　早速で済まないが、現状を説明させていただこう。
　君達は捨てられました。理由は簡単、家の主の様に粗暴に振る舞い家主の子供のクリスマスプレゼントに手を出し、あろうことかマーキングまでしてしまったからだ。
　しかし、君達は運が良い。
　もう一度飼い実装になれるチャンスを手に入れる事ができたのだから。』

リンガルを通して奇妙な格好の人間の説明を聞いた実装石の親だけは事態が飲み込めた様で硬直する。
「デ？」
「「「テチャーーー！！」」」

『それではゲームを始めよう・・・』