タイトル:【紅愛実虐】 雑木林外伝 後日談
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2579 レス数:2
初投稿日時:2009/10/14-20:44:11修正日時:2009/10/14-20:44:11
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雑木林外伝 後日談


引っ越して来たこの町は最悪だった。
条例のおかげで表立って駆除出来ないのを知った実装石からの被害が酷く仕事から帰ると鬱な気分になった。

しかしそんな中、家の縁側に実装紅親子が住み着いた、調べると以前この土地に建っていた家で飼われていた実装紅らしい。
その実装紅親子のおかげで林から来る野良実装被害を食い止めることが出来ていた。

だがそんな生活も長くは続かなかった。
「飼い実装には手を出すな」と言ったのが災いして侵入してきた飼い実装に実装紅親子が襲われてしまった、
その時に親のベニは殺され仔のコベニも重症を負ってしまった。

そしてその飼い実装を捕らえ改造し大型の実装石を産ませて事件を起こしその飼い主にも復讐をすることにした、
後にターミネーターと名付けた改造実装、しかし林に放す直前に会社から出張命令が出てしまった。

さすがに仕事を疎かには出来ない、仕方ないがターミネーターを放すのは親戚に留守番ついでに任せることにして出張に出る事にした。
その前にコベニの様子を見に行かないとな、電話で聞いたら状態は安定してるみたいだから大丈夫そうだが・・・


「コベニちゃんは元気ですよ、手足も再生しましたし命に関わる問題はありません」

実装医の言葉に胸を撫で下ろす、しかしこれからが問題だった

「あくまでも生命に関してだけです、問題は後遺症です」

助手がコベニを連れてきた、入院してる間に少し大きくなっていたがまだ仔実紅サイズだ。

破られて原型を止めてなかった服は処分され実装用の白衣を着せられている。

「コベニちゃん、[]さんだよ」

「チャワ!」

診察台に下ろされこちらに向ってくる・・・が、真っ直ぐ歩けてない、それだけでなく途中で転んでしまった。

「後遺症って・・・足が治りきってないんですか?」

「今はそうですがそれは時間が解決してくれます・・・問題は服と髪です」

実装医の話によると実装紅の髪は武器になるだけでなく狐の尾のようにバランサーの役割も果たしてるのだとか、
服も同じであのヒラヒラしてる構造で髪を振った時やジャンプした時でもバランスが取れているらしい。

「申し上げにくいのですが・・・服は市販の物で代用できますが残った髪を切って長さを合わせるしかありません」

そう、コベニの手足は元に戻ってるが髪だけはあの時のままだ、確かに転んだ時もテールの残ってる側に倒れてた。

「こればかりは[]さんに判断を委ねるだけでなく・・・[]さん自身に行なってもらわないといけません」

「お、俺がですか?」

「はい、下手に知らない人間に切られると精神的に悪影響を及ぼしてしまうので信頼されてる飼い主の方に説得をしてもらってから
なら全くとは言えませんが精神的なダメージは少なくなります、それでも飼い主との関係が悪化する場合もありますが・・・」

流石に言葉を失った、命は助かったとはいえコベニにこんな事をしなければいけないとは・・・

とりあえず出張中は預かってもらう事にして出発した。



最初は「販促用にこんなキャラを使う」程度のプレゼンかと思ったが妙にベニの評判が良くてあちこちで生前の話をする羽目になってしまい・・・
挙句にオマケに付けるストラップの監修にまで借り出されて数ヶ月間関連会社や海外の工場などを回る事になってしまった。

そんな状態だったので家に帰るのが遅くなってしまったが戻った時にはコベニはほぼ完治してあの時に負った傷は完全に癒えて
手足も思い通りに動くようになっていた。

問題の髪だが、やはりその悪影響が出ていた。

一応元気だが白衣から露出してる部分で変色してる箇所がある、どうも何回も転ぶせいで慢性的に痣が出来てしまうらしい。

しかもこの痣を放って置くと大変な事になってしまうらしい、聞くと

「実装石ほど再生力は高くないのでこの状態を放置しておくと痣から壊死して・・・」

と、髪の問題はどうやら迷ってる間も無いらしいな。

「切ったとしてもコベニちゃんなら成長過程である程度伸びてきます、それでも完全に元には戻りませんが・・・」

やっぱそこは実装種か・・・他の注意事項を聞いて退院手続きをしてコベニと家に帰った。



「・・・いいか、こういう事だから残った髪を少し切らないといけないんだ」

「・・・チャワ〜」

早速説明したのはいいがやはり理解出来てないみたいだ、しかし髪を切る事に対して恐れてる様子は無い。

ならば・・・

「という事なのでしょうがないんだ、許せコベニ」

 ヂョキン  ヂョキヂョキ  チョキチョキチョキ・・・

「チャワ?」

流石に痣だらけの体も見てられないので切ってしまった。
しかし幸いにも髪の残り具合がちょうどよかったのでバランスも見た目も調整出来た。

「ホラ、短くなったけどキレイに・・・ぶふっ・・・ぶははははははははははははははっ!」

「チャァ・・・チャワ?・・・ワッ!?!?・・・ヂャワオワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

しまった、我慢できずに笑ってしまった・・・

「チャワァ・・・チャワワァ・・・オロロ〜ン」

う、実装紅も悲しい時オロロ〜ンって泣くんだ、それに単純に話を理解してなかっただけだったんだ・・・
やっぱ髪を切られるのは実装種として悲しいんだな。

コベニは左右の髪のバランスを保つために千切られた方に長さを合わせた結果おかっぱ頭になってしまった、
俺がしてしまったのだが・・・

「チャワ〜オロロ〜ンオロロ〜ン・・・」

このままではマズイな・・・俺に心を開いてくれなくなる前に偽石が崩壊してしまいそうだ。

「あ、あ〜大丈夫だよコベニ、カワイイからだいじょう・・・ぶふっ・・・っ!!!」

笑いを堪えるのに必死になってしまった、それでも実際にカワイイから多分問題は無いはず。
しかし本人からしてみれば一大事なので悲しむコベニをこのままにする訳にもいかない。

う〜ん困ったな・・・しかしその笑いが込み上げてくる髪型を見てひらめいた。

「・・・そうだ、コベニちょっと待ってろ!」

泣くコベニをそのままに急いで車を飛ばした、向うは一般的な実装ショップ。


・・・。


「コベニこれを着てみろ!」

買ってきたのは服だ、実装服が無い今どの道買わなければいけなかったのだが今回買ったのは・・・

「どうだコベニ!似合って・・・ぶふっ!、ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!・・・はぁ、いやカワイイぞコベニ!」

買って来たのは着物だ、それを着せたら何と言うか・・・
金髪で青い目をしたおかっぱ頭が着物を着てて違和感が無いようであったりで余計笑ってしまったが見た目はまともになった。
実装紅としてはまともでは無いが・・・

しかし思わぬ利点があった、振袖の和服の構造のせいか以前と変わらない感覚で動けるようだ、コベニ自身もその事に気付いたらしく
和服だけは進んで着るようになった。

今ではおかっぱ頭や和服での生活にも慣れ本当の意味で完治した。



ある夏祭りの時だった。

退院してから一度も家から出してなかったので外出のリハビリついでに人の多いところに出かける事にした。

すっかり和服が気に入ったコベニに実装用の浴衣を着せて歩いていると妙に視線を感じる、それだけでなく携帯カメラの撮影音も聞こえる
それもこちらに向けて・・・皆コベニに注目していたのだ、外見が普通の実装紅とは違うからだろうか。

「これはちょっと自慢出来そうだな」

上機嫌になったがその時[]は気付いてなかった、コベニが実装石を見たときの目に。



それから数日後、コベニと外を散歩してると見知らぬ男に声をかけられた。

「着物実装紅ちゃんの飼い主の方ですか?」

着物実装紅、まぁコベニだってことは確実だな。

「ええ、そうですけど」

「あ〜やっぱこの辺りに住んでたんですね・・・あ、申し遅れました私は実装雑誌の・・・」

話を聞くと実装雑誌の記者で祭りの時に撮られたコベニの写真が読者投稿コーナーに送られてきてそれを載せたら反響が多く取材をするために
投稿者から聞いてこの一帯でコベニを探してたらしい。

今度の号でコベニが見つかったら特集(見開き2ページ程だが)を組む事にしてるので取材をしたいので撮影スタジオに来て欲しいとのことだ。
本来は自尊心の強い実装紅だ、人に見られて評価されるならコベニにとっても良いだろうと思って快く取材に応じた。



そして事件は起きた。

特集のある号の表紙にコベニを使いたいのでその写真を撮るために撮影スタジオに向った。

一通りの取材を終えて表紙の撮影をしようとした時にカメラマンからもう一匹写す実装が増えた事を知らされた。
そのもう一匹はピンク色の服を着て着飾っている仔実装だ。



コベニが仔実装を見た途端に[]の手を離れ叫びながら仔実装に襲い掛かった。
「テエェ!?なにするテチィ!・・・テチャァァァァァァァ!!!」

仔実装に飛び掛り噛み付き髪を引き千切り馬乗りになって何度も顔を殴りつけた。

そこに居た人間達も一瞬何が起こったか理解出来なかった、我に返った[]と一部のスタッフが二匹を離した。

「コベニ!一体何をやってるんだ!?」
「ジャ!ジャワァァァァァァァ!!!」

抱き上げたコベニが吼えながら[]の手にも噛み付く、そして何度も仔実装の方へ身を乗り出し飛び掛ろうとした。

仔実装は鼻と口から血を流し両目が少し飛び出てた、前髪と後ろ髪の片方が無くなってとても撮影出来る外見ではない。

「テチッ!?かみの毛がぁ!?!?テチョアァァァァァァァァァ!!!!!!」

「わあぁぁぁ・・・すいません!本当にすいません!!」

迂闊だった、以前から少し気になっていたがコベニは外やテレビで実装石を見ると騒ぐのだ。

野良を見ると睨みつけたりする程度だがピンク色の服を着た実装石にはテレビ映ったのに対しても涙を流しながら威嚇して暴れるのだ、
それも恐怖ではなく怒りで。

一種のトラウマなのだろう、だが雑誌にも載るので他の実装種とも顔を会わせる事も多くなるだろう、このまま放って置くと何か問題が起きそうだ・・・

そして数日後、コベニが載った実装雑誌が送られてきた。

大きな茶封筒を開けて取り出した雑誌の表紙は・・・やはりコベニだけが写っていた。
結局あの後にコベニが落ち着いてから撮影したのだ。

運が良いのか悪いのか入手経路は知らされなかったが急遽追加することになった怪我をしても誰かに迷惑が掛かる立場の実装石では無かったので
お咎めは無かったがコベニの行動はどう見ても普通ではない。

悪い条件が重なりすぎた、その仔実装の服はベニとコベニを襲撃した親子が着ていたのと全く同じデザインだった。

「共演者をボコボコにしてこの笑顔とは・・・もしかして糞蟲が入ってるのか?」

と独り言を言って雑誌を開こうとした時に手に違和感を感じた、どうやら雑誌と一緒に紙切れを持っていたようだ。

その紙には「実装紅ちゃんの事でお困りでしたら」と書いてあり名刺がホチキスで止められていた。

名刺には「実り会」と代表者名が書いてあった、日時と住所が書いてあるがコベニで困ってるならこの日に来いってことか?

「困ってるのは本当だからなぁ・・・って実り会ってなんだ?」

このままだとコベニのためにもならない、その日時まで時間があったのでずっとその事が頭に残ってた。



結局コベニの事を考えた末にその日時にその住所の所に来てしまった。

地図を見ると公園だった、しかしその公園に近付くとあの不快な臭いが鼻を突いた・・・実装石の臭いだ。

「コベニを連れてこなくて正解だったか・・・」

あの後ついゲンコツを食らわせてしまったのでそれ以来塞ぎ込んでしまったので今日は一人で来たのだ。

近付くと入り口は柵で閉ざされ看板が立てられている、そして看板にはこう書いてあった

[本日公園の清掃作業のため一般の方の入園を禁止します]

そんな看板を眺めてると声を掛けられた。

「ホッホッホッ、あなたが[]さんですか?」

振り返ると白髪の小柄な老人が立っていた、顔つきから沖縄出身の方だろうか。

「初めまして、私が実り会の会長をさせてもらっている者です、コベニちゃんの事は聞きましたぞ」

「コベニって・・・もしかしてあの雑誌の関係者ですか?」

「いえ、あの撮影現場に実り会の会員がいてお話を聞いたのですよ、もしかしたらお力になれるかと思いまして」

どうやらあの事件を知っているらしい、そこでコベニに起こった事を全て話した。

「ふむ・・・やはりそうでしたか、あくまでも実装種ですからその感情のコントロールは無理です、見境無く飼い実装に攻撃してしまうなら
最悪の場合飼い主さんが責任を持って処分するしかないでしょう」

「そんな・・・」

会長の言葉に最悪の結果を思い浮かべてしまい言葉を失った。

「ですがその感情を向ける対象を変えることは可能です、それにコベニちゃんならまだ・・・アスカさん、こっちへ来なさい」

話しをしてる間に他の会員も集まっていた、飼われている実装種も一緒だ。

会長に呼ばれて実装達の中から出てきたのは真っ赤な道着を来た実装紅、よく見るとポニーテールでコベニと同じで髪が本来より短い。

「ダワッ!もう演舞が始まるんですか師匠」

そのアスカさんと呼ばれる実装紅が会長の前に出てきて押忍と言わんばかりに声を張って返事をし礼をした。

「ホッホッホッ・・・アスカさん、まだ演舞は始まらないからそんなに力まなくてもいいですよ」

そう言われると構えを解いて会長の横に並んだ。

「この子はコベニちゃんよりも酷かったんですよ、実装石と見ると見境無しで・・・」

話しを聞くとこのアスカは闘実装トレーナーの下でかませ犬ならぬ「かませ実紅」として飼われていたのを保護された。

本来は試合前の闘実装に自信を付けるために少し弱めの実装石を痛めつけさせるのだがアスカの居た所では実装紅を使ってそれをやっていた、
実装石よりも強い実装紅を使う事によってその効果を高めたのか思い込みの強い実装石には効果があったらしい。

もちろん実装石なので優越感に溺れてやりすぎるうえに戦闘訓練を受けた強化された実装石の力なので実装紅を殺してしまうのは当然で
アスカは親姉妹を目の前で嬲殺しにされるのを見て自分自身もうそうなりかけた過程で服と髪を失い保護した当初は人間にも攻撃的だった。

その後も危害を加えないと理解して人間に慣れたが実装石を見ると飼いでも野良でも構わず襲い掛かっていたらしい。

「話を聞く限りではここでも暴れそうですが・・・その様子は無いですね」

「ホッホッホッ・・・コレが対象を変えた結果ですよ」
「ダワッ」

「単純に実装石に対しての恨みが大きくそれが根付いてしまい何かと未熟な実装種だとどうしても抑えきれないんですよ、だからその感情を誘導・・・
刷り込みをするんですよ”どんな実装石”が”姉妹を殺した”のかと、それでその感情を満たすための物を与えてやるんですよ。」

「それは一体?」

「コレですよ、こう見えて昔は道場を持っていたので・・・」

と言って会長が拳を突き出した、一見すると年相応の手だがまるで岩で出来た手袋を着けてるようだ。

「空手です、髪を失ったので代わりの武器となる空手を教えて自信を取り戻させました、そして刷り込んだ条件の実装石に感情をぶつけさせたんです」
「師匠からクロオビも貰ってるナノダワ!」

「それでその条件の実装石とは?」

「その条件ですが・・・そろそろ始めますのでそこでお見せしますよ」

柵をどけて一団が公園へ入っていく、すると公園のあちこちからデスデスと実装石の鳴き声が聞こえてきた。
    
全員が入ったところでまた柵を置いて公園の入り口を閉じた。

「会長これは・・・?」

「まあ見てなされ・・・では皆さん、リンガルを起動して各自始めて下さい」

会長の言葉と同時に他実装達が植え込みや公衆トイレなど公園内に散っていった。

するとあちこちから実装石の悲鳴が上がってワラワラと実装石が出てきた。

「「デギャァァァァァ!」」
「「テチィィィィィィ!」」
「「オロロ〜ン!」」

一家全員頭に何本も実装燈の剣が刺さり頭から血を流してるもの、実装蒼の鋏で追いやられ体の何所かが欠損してるもの、
出産中だったのか仔をひり出しながら逃げ回るものなど・・・実装石にとっては地獄絵図であった。

「我々がやっているのは”掃除”です、町の対策が遅れてる地域からあの雑誌を通じて実り会に知らされるのですよ、そこで我々が
”地域の人間の直接対応”という名目で実装石達を抑えるのです、ちゃんと許可を取ったので町の職員が柵を張ってくれますから」

つまり実際の駆除は自分達でやるので町は公園の封鎖と処理業者の手配をするだけなんだとか。

他実装達が殺さない程度に実装石を痛めつけながら何かを喋っている、中にはやりすぎて殺してしまってるのも居るが・・・

リンガルのログを見てみると

「この公園で一番強いヤツは誰ボクゥ?」 
「ボスは誰なのカシラ〜」

どうやら公園の実装石のボスを探してるみたいだ。

「ボスって・・・会長、公園の掃除ってもしかして?」

会長が何か言おうとしたその時、一匹の実蒼石が大きめの実装石を鋏で突きながら会長の足元に連れてきた。

「やっと見つけたボク、コイツがここのボスみたいボクゥ!」

「デギャァ!いきなり大勢で押しかけてきて・・・しかも高貴なワタシに何しやがるデスゥ!」

野良にしては大きめなだけでなく肥ってもいてよく見ると色褪せたビニール製の首輪をしている、元飼いか飼いを襲って奪ったのかは知らないが。

会長が実装石に近付き「あなたがこの公園の実装石達のボスですか?」と話しかけた。

「だったらどうしたデシャァァァァァ!」

この気の強さと体格から確かにここのボスだと思われる、そう確認したのか会長が話を続けた。

「ではここの実装石達に近くのゴミ捨て場を漁らせたり公園を汚したり人間に糞を投げつけたりしましたね?」

「だからどうしたデズャァァァァァ!他のドレイにこの強くて美しいワタシに貢物を持ってこさせるのが当然デズゥ!」

その時アスカがボス実装に向っていこうとしたが会長がそれを止めた。

「それはわかりますがせめてゴミを荒らしたり公園を汚したり人間に攻撃するのは止めさせてもらえまえんか?一部のエサをくれる
人間が来ないだけでなくもこのままだと公園の実装石が駆除されますよ」

会長の口調、こんなので糞蟲を説き伏せるとは思えないが・・・

「黙るデシャァァァァァァッ!ココはワタシの世界でドレイニンゲンの話しを聞く理由は無いデズゥゥゥゥゥッ!!!」

それ以前に会話が成り立たない、糞蟲なので当然だが。

「この最強のワタシがオマエ達をブッコロシテやるデズァァァァァァァ!!!!」

「最強という事は他の実装石より強いのですね・・・アスカさん、演舞を!」
「ダワッッッ!!!」

会長の言葉、それに応えたアスカの行動は早かった。

ボス実装の腹に正拳突きを入れ顔に裏拳と肘打ち、頭部への回し蹴りの連発、両膝への蹴りで姿勢が崩れたと同時に蹴り飛ばした、
目に見えた動作がこれだけで実際にはもっと打撃を与えていた。

「!?・・・すげぇ!」

そう声を上げたのは蹴り飛ばされて植え込みのレンガの囲いに叩きつけられた後だった。

アスカが止めを刺さんばかりに飛び蹴りを喰らわそうと飛び掛った。

「アスカさん!」

喰らわす直前に会長がそれを制した、顔面を潰すつもりだったがその足先はボスの顔を逸れレンガを蹴っていた。

「演舞と言うより実フルコンタクトか・・・?」

眼球が潰れたのか片目は陥没し血が流れ下顎が無くなっていた、右腕も肘の辺りから千切れ両膝も折れていた、
アスカはボス実装の糞蟲発言から10秒も経たない間にボロ雑巾のようにしてしまった。

そんなボロ雑巾同然のボスに会長が近付き話しかけた。

「いいですか?あなた達が公園を汚したりゴミを漁っても散らかさなければいいだけなんですよ、分かりましたか?」

しかしボスは何も答えない、むしろ答えられないのだろうか。

「それと人間にも・・・っと、分かって頂けないですか・・・アスカさん」

会長の言葉と同時に構えたアスカを見たボスはゴボゴボと血を滝の様に吐きながら何度も頷いた。

「ふむ・・・よろしい、ではアスカさんも後片付けを始めましょうか」
「わかりましたナノダワ師匠!」

そのボスとのやりとりの間に公園のあちこちに実装石の死体が転がっていた。

「それで会長、その条件とは?」

アスカの衝撃で忘れかけてたが実装石の死体を片付けながら会長に聞いた。

「アスカは闘実装から虐待を受けてたので憎しみをぶつける対象を”他よりも強い実装石”に誘導したのですよ、空手を教えながら・・・そして名目上は
野良実装を説得して応じなかったので駆除したと言う事にするのですよ、飼い実装を襲うよりはマシですのでアスカにとっては良いでしょう」

それで今回の様な「掃除」の時に襲って来たり糞蟲発言(強いやお前を殺す)をした実装石を撃退か殺傷させて感情を抑えるついでに
被害を出してる地域の実装石のボスを説得か駆除をするのだ。

駆除とは言っても絶滅させるのではなく集団の頭を潰したり個体数を減らして活動を一時的に抑制させる程度だが。

「コベニちゃんも同じ様な境遇ですから上手く行きますよ、それに[]さんを信頼してるみたいですし」

「しかし今日は生かすにしては少しやり過ぎましたな・・・孫のやってるゲームの真似をしたのか私から見ても凄い動きをしましたしな!」
会長がホッホッホッとアスカを見ながら大声で笑った。

振り返ると這いずりながら巣に戻ろうとしたボスと目が合いうとビクッと痙攣し思い出したかのように大量の糞を漏らした。



それから時は流れてコベニもすっかり成長し成体実装紅になった。

今ではアスカ達と一緒に「掃除」に参加している、会ってからアスカの事を「オネエサマ」と呼んで慕うほど仲が良くなり
「掃除」の時は常にコンビを組んでいる。

今回の会場は家の隣の雑木林。

髪は肩の辺りまで伸びてはいるがツーテールを作れるほどではない、髪の代わりに振り回してるのは・・・

「デ・・・デヒィ!」

ヒュッと風を切る音がして実装石の両腕が飛んだ

「オマエみたいな糞蟲は他の実装石だけでなく・・・ワタクシ達にも迷惑をかけてるナノダワ!」

「デギャァァァァァァッ!・・・ハヒッ!?」

コベニが軽くジャンプし空中でブォンブォンと音を立てて何度も回転すると実装石が輪切りになった。

コベニが髪の代わりに振り回してるのは薙刀、着物と見た目の相性も良いというので会の人が作ってくれたのだ。
長い物を振り回す感覚がいいのか気に入ってずっと使っている。

そして感情の誘導は「糞蟲」に向けることにした、あの飼い実装が真性の糞蟲だったので会長の言ったとおり早い段階で刷り込みに
成功しおかげで条件も幅広く適応されるので対象を絞るにも困らなかった。

それに表立っての駆除が出来るようになったおかげで「掃除」の時は一番活躍するようになった、ボスはアスカに譲っているが。

それでも実装石の侵入はまだある、普段はベニと同じ様に縁側に座り庭を見守っている。

「デジャァァァァァァァ食い物よこs・・・ヒッ!?」

庭に侵入してきた実装石の首が飛び制御を失った胴体がその場に倒れた。

「・・・やっぱり殺さない方が難しいナノダワ」

ふぅとため息をつく、昔から庭を汚さないように撃退で止めようとしてるが上手く行かないのだ。

「一撃とは凄いなコベニ、我流でそこまで出来れば大したものだぞ」

「まだオカアサマとオネエサマには及ばないのダワ」

「あ〜あとコベニ、前にも話したが・・・」

コベニにはベニの事を全て話してある、それなのにいつも縁側から林の方を眺めてるのだ。

「わかっているダワ、ここに居るのはそれだけではないナノダワ」

「実装だから肝心な所で話を理解してなかったのかと思ってたが・・・」

「バカにして欲しくないダワ、オカアサマの眠っているこの庭を守るためでもあるナノダワ」

ふむ・・・コベニも結構考えてることがあるんだな。

・・・だが。

「仔はちゃんと家に入れてやろうな、ここは色々とあるからな」

「!?ッ・・・ダ、ダワッ!!」

驚いたのかコベニがピョンと飛び上がった、すると縁側の下から二匹の仔実紅が出てきた。

「「チャワ!」」

「お、オマエ達・・・出てきてはだめナノダワワワワ・・・」

かなり前から知ってたがコベニの慌て様、飼い実装の無断出産に関してあまり良い印象を持ってなかったんか?

「実装石とは違うから勝手に仔を産んだからって追い出したりしないから安心しろよ”お母さん”」
「「とっくにバレてるのチャワ!」」

「べ、別に黙ってたわけじゃない・・・ナノダワ!」


縁側でこんなやりとりが何回かあった、そしていつも最後にコベニはリンガルで拾えない程の小声でこう言ってた。


「ここを見守っているのはオカアサマやコドモが居るだけでなく、[]・・・あなたもいるからナノダワ」



完





愛護スクは難しい・・・、仕事の関係もありましたが全然進みませんでした、最後なのに内容も無理やり書いた感じで申し訳ないです(;´Д`)

これで雑木林シリーズは終わります、数々の応援とご指摘、誠にありがとうございましたm(_ _)m


「林」

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1 Re: Name:匿名石 2014/09/14-12:59:59 No:00001344[申告]
それから時は流れてコベニもすっかり成長し成体実装紅になった。

今ではアスカ達と一緒に「掃除」に参加している、会ってからアスカの事を「オネエサマ」と呼んで慕うほど仲が良くなり
「掃除」の時は常にコンビを組んでいる。

今回の会場は家の隣の雑木林。

髪は肩の辺りまで伸びてはいるがツーテールを作れるほどではない、髪の代わりに振り回してるのは・・・

「デ・・・デヒィ!」

ヒュッと風を切る音がして実装石の両腕が飛んだ

「オマエみたいな糞蟲は他の実装石だけでなく・・・ワタクシ達にも迷惑をかけてるナノダワ!」

「デギャァァァァァァッ!・・・ハヒッ!?」

コベニが軽くジャンプし空中でブォンブォンと音を立てて何度も回転すると実装石が輪切りになった。

コベニが髪の代わりに振り回してるのは薙刀、着物と見た目の相性も良いというので会の人が作ってくれたのだ。
長い物を振り回す感覚がいいのか気に入ってずっと使っている。

■この画像に関連するリンク[画像掲示板 ]■
2 Re: Name:匿名石 2017/01/20-01:33:19 No:00003941[申告]
実装石駆除には他実装がベストだな
世界が上手く回ってる感じがする

本編主人公の親戚がどこにいるのか気になったが
無事に再就職して出て行ったと思っておこう
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