性悪実翠石の妃翠ちゃん ⑪ お肌の染み ----------------------------------------------------------------------- 「ほら、今日は水浴びの日です。しっかりきれいにするです」 そう言って、実翠石の妃翠は水の入った洗面器を庭飼いされている実装石のミドリの前に置く。 以前、風呂の時間の際に主人の前で怒り狂って以降、罰として風呂抜きにされていたのだが、 さすがに悪臭がひどくなってきたので、最低限の水浴びだけは許される事となったのだ。 と言っても、まだ春先のこの時期に屋外で水浴びなどすれば風邪をひきかねない。 このため、水に浸したボロ布で身体を拭くのがせいぜいだった。 なお、主人は顔を見せてさえくれなくなった。 『テヒャッ!?つ、つめたいテチ・・・!』 『・・・我慢するデス』 水の冷たさと気温の低さに耐えながら、まずは仔の身体を拭いてやり、自分の身体も丹念に拭う。 だが、こびり付いた垢や染みは容易には取れなかった。 「しっかり洗うです。臭いでご主人さまに迷惑かけるなです」 妃翠の小言を努めて無視して、ミドリは脱いだ服を洗面器に浸した。 揉み洗いするだけで、洗面器の水が汚い緑色に染まってゆく。 「うわあ・・・。こんなに汚いと病気になっちゃいそうです・・・」 妃翠の上げる嫌悪と嘲笑が入り混じった声に、ミドリは怒りで顔を皺だらけにして妃翠を睨みつける。 怒りに任せて反応しても、このオナホ人形を喜ばせるだけ。 そう頭では分かっていても、 こんなデキソコナイの媚び穴人形に馬鹿にされるのは我慢ならなかった。 ふとミドリは、妃翠の首筋に赤い染みがぽつぽつと浮かんでいるのに気付く。 『偉そうに言っておきながら、お前だって首に変な染みがあるデス! お風呂が使えるのにまともに身体も洗えないんデス!? やっぱりお前達ジッスイはしょうもないデキソコナイデスゥ!』 ミドリの罵声に妃翠はきょとんとして首筋に手を当て、すぐに頬を赤らめ始めた。 「・・・これは、ご主人さまにつけてもらった、キスマーク、です♥ ご主人さまに愛されて、可愛がってもらった証拠、です・・・♥」 妃翠はうっとりとした表情を浮かべ、愛おしげに首筋を撫でさする。 「まあ、お前には縁の無い話です。わからなくてもしょうがないです」 鼻先で笑われ、とうとう堪忍袋の緒が切れたミドリは洗面器をひっくり返した。 『ふっざけんなデシャァァァァ!』 親子共々全身に汚水を被り、水洗いしていた服が泥まみれになるが、そんな事に構ってなどいられない。 今すぐに目の前の卑猥な媚び肉穴を殴り殺さねば、という思いに駆られ、ミドリは暴れ狂った。 もっとも、それで鎖が解けることも、拳が妃翠に届くことも無かったが。 なお、ミドリは暴れ狂った罰として、再びエサ抜きと風呂抜きが命じられることとなった。
