タイトル:【虐他】 実翠石との生活Ⅲ 短編まとめ17
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:341 レス数:2
初投稿日時:2026/01/01-21:11:45修正日時:2026/01/01-21:11:45
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実翠石との生活Ⅲ 短編まとめ17
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10月4日は天使の日


秋人が娘の松葉を膝に乗せて絵本を読んでやっていた時の事。
気付けば松葉はすーすーと小さく寝息を立てていた。
退屈だったかな、と小さく苦笑していると、実翠石の裏葉が隣に座って身体を寄せてきた。
「かわいい寝顔です♪」
そう言って、松葉の頬に指先でそっと触れる裏葉。
愛らしい天使達がじゃれ合っているかのような光景を見て、秋人は思った。
いや、まさに俺にとっては天使なんだよな。
元妻である敏代との、控えめに言っても冷めきった、悪く言えば寄生されるだけだった日々を思い出す。 
裏葉はそんな生活から抜け出す切っ掛けを作ってくれた救いの天使だったのかもしれない。 
膝の上で幸せそうに眠っている松葉については言わずもがなだ。 
そんな秋人の内心を知ってか知らずか、裏葉はいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「松葉が寝ているうちに、パパとたくさん、いちゃいちゃしちゃいます、です♥」 
そう言って裏葉が顔中にキスの雨を降らせるのを受け止めながら、
うちの天使様は愛情に満ち溢れてるなぁ、などと呑気に考える秋人だった。


『テ、テチュ〜ン♪ママ、かわいいお洋服、ありがとうテチュ〜ン♪』
震えながらも嬉しそうな鳴き声を上げる仔実装のテチヨを、敏代は暗く冷たく濁った目で見つめていた。
もう何代目かも分からないテチヨは敏代の虐待により、片目が潰れ、髪を半ば抜かれ、頭巾を失い、
全身切り傷刺し傷痣まみれと、ひどく痛々しい有様だった。 
そんなテチヨに敏代から与えられた、テッシュを何枚か適当に重ねて首が通るように穴を開けただけの、服とも呼べないような代物。 
今日は天使の日だから、白っぽいものを着させれば天使っぽく見えるんじゃないか、
そんなしょうもない思い付きで与えられた代物。
それでもテチヨは喜んで見せた。いや、実際に喜んでいた。
ペットショップで処分価格で売られていたところを飼い実装にしてくれた敏代を、テチヨは慕っていた。
日々気まぐれに叩かれ殴られ、満足に餌を与えられなくても、テチヨは敏代に縋る以外に生きる術を持たなかったから。 
これまで痛い事をするだけだったママが、初めて自分に素敵なお洋服をプレゼントしてくれた。 
これまで痛いことばかりされてきたのはワタチが悪い仔だったからなんだ。
いい仔にすれば今みたいにママは優しくしてくれるんだ。
そんな儚く淡い期待ごと、敏代はテチヨを平手で叩き潰した。
『ヂッ!?』
手の中に広がる、生暖かい血肉と糞の混合物の気色悪い感触に、敏代は舌打ちした 
叩き潰したのは、大して可愛くなかったから、という些末な理由からだった。
思ったとおりに上手くいかないからと、衝動的に振るわれたあまりに稚拙で幼稚な暴力により、
テチヨの小さな命は奪われた訳である。 
またやってしまった、またうまくいかなかった、と敏代は後悔するが、それは自責ではなく他責に変換された。 
全ては忌々しい肉オナホの実翠石、裏葉のせいだ。 
天使のような顔をして、自分の夫だった秋人を寝取った卑猥な媚び穴人形。
あのダッチワイフのせいで、私は今もこんな惨めな生活を強いられている。
「・・・いつか殺してやる」 
憎悪に満ちた言葉が現実のものとなるかは、まだ誰にも分からない。


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10月8日は頭髮記念日


「ママに髪をとかしてもらうの、大好きです〜♪」
「ママも同じ気持ちです♪」
出勤する秋人を見送った後。
実翠石の裏葉は、娘の松葉の髪を梳かしながら優しい笑みを浮かべていた。
松葉の美しい黒髪を見るたびに、裏葉は主人の秋人からこんなにも愛されているのだと実感する。
実装種にとって、娘の黒髪は飼い主と心の奥底から結ばれた証拠にほかならない。
それ故に、愛しく、そして誇らしく思う反面、秋人との夜の生活を思うと、
どこか気恥ずかしさを覚えてしまう裏葉だった。
「ママ?どうしたんです?」
「な、なんでもないです。さあ、今日は何をして遊ぶんです?」
「おままごとがしたいです!パパとママみたいに、らぶらぶ〜な感じでしたいです!」
子供は親をよく見ているようで、思わず赤面する裏葉だった。


『なんでワタチは黒髪じゃないのテチィィィッ!?』
そう言って糞を漏らしながら癇癪を起こす娘のミドリコに、飼い実装のミドリは手を焼いていた。 
先日散歩の途中で偶然実翠石の母娘(しかも娘のほうは黒髪だった)を見て以来、ミドリコはずっとこんな調子だ。
『ワタチは愛されてるんだから黒髪で産まれるべきだったのテチ!』
『ワタチが黒髪じゃないのはママのせいテチ!』
『ママがご主人サマに愛されてないからこんな事になったのテチ!
『高貴で美しいワタチが黒髪じゃないのはおまえがクソママのせいテチャァッ!』
ミドリを罵倒し泣き喚き続けるミドリコに、ミドリの焦燥は募るばかりだ。
糞蟲は全てを台無しにする。
かつてブリーダーから受けた教えが脳裏をよぎる。
何より自分を飼ってくれているご主人サマに申し訳が立たない。
元々意図せぬ妊娠だったのを、飼い主の温情で産むことを許された仔だったのだが、
ミドリと違って元からあまり賢くなかった上に、糞蟲じみた言動が目立つようになってはもう手に負えなかった。

「なあミドリ。ミドリコはもう・・・」
『ご主人サマ、ごめんなさいデス。ワタシには無理だったデス・・・』 
泣きながら頭を下げるミドリの頭を、飼い主はそっと撫でると、ミドリコを手に乗せて部屋の外に出た。
ミドリコに金平糖を一粒渡したのは、きっと餞別代わりなのだろう。あるいは三途の川の渡し賃代わりか。 
『チププ!ワタチはご主人サマにいい仔いい仔してもらうのテチ!クソママはそこで大人しくしてろテチ!』
先ほどまで泣き喚いていたのが嘘のように、ミドリコは金平糖を舐めながら嘲笑を浮かべる。
そんな不出来な娘を、ミドリは悲し気な瞳で見送った。
『ヂッ!?』
部屋の外から、小さい悲鳴と水が流れる音が聞こえてきた。
おそらくミドリコは首を捻られた後トイレに流されたのだろう。
デスンデスンと静かに泣くミドリを、戻ってきた飼い主が頭を撫でて慰める。
糞蟲が処分された事で、飼い主とミドリには平和な日常が戻ってきた。
ミドリの心の傷が癒えるには、今しばらく時間が必要だったけれども。


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10月11日は国際ガールズ・デー


秋人がちょっとした用事で近所の商店街に足を運んでいた時の事だった。
『助けて下さいデス〜!』
『お願いデス〜!ワタシの仔が死にそうなんデス〜!』 
商店街の一角で、良く言ってもみすぼらしい風体の、悪く言えば臭くて汚い実装石が哀れっぽく鳴いていた。
腕に抱いた仔実装は既にぐったりとしており、このまま放っておけば確実に死ぬだろう。
その足元にも何匹かへたり込んでいる仔実装がいるが、状態は似たりよったりだ。
実装石の首元に千切れかかった首輪があることから、おそらく元々は飼い実装だったのだろう。
糞蟲化して捨てられたか、勝手に仔を産んで捨てられたか、あるいはその両方か。
いずれにしても、敢えて声をかけたり、食べ物を与えようなどという人間は誰一人としていなかった。
秋人の反応も同様だ。
実装石に良い思い出がないので仕方ないとも言えるが。
そういえば、今日は国際ガールズ・デーだとニュースでやっていたな、と秋人は思い出した。
一部の過激な女性団体が、雌しかいない実装石を象徴のように扱おうとしているとかなんとか言っていたな。
控えめに言っても狂っているとしか思えない、というのが実装石に思うところがある秋人の感想だった。
ふと、実装石を飼っていた元妻の事を思い出しかけて嫌な気分になる。
魂を汚されるような思いを抱いた秋人は、足早にその場を後にした。
実装石の鳴き声は、いつの間にか聞こえなくなっていた。
最期まで、権利や擁護とは縁が無かったようだ。


「ただいま」
「おかえりなさいです」
「パパ、おかえりなさいです!」
帰宅した秋人を、実翠石の裏葉と娘の松葉が出迎える。
秋人は二人をぎゅっと、少し強めに抱き締めた。
今ある幸せを確かめるように。
元妻との思い出を上書きするように。
裏葉も松葉も、嬉しそうに抱き締め返してくれていた。


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10月14日は美味しいすっぽんの日


「ふむ・・・」
娘の松葉を寝かしつけた後の事。
秋人が買い物の際に試供品として貰ったスッポン入りのサプリを見ていると、
実翠石の裏葉が心配そうな表情を浮かべた。
「パパ、それ、お薬です?どこか具合が悪かったりするです?」
「ああ、違うよ、大丈夫。これはね・・・」
いわゆる精力剤のようなものであることを説明すると、ぽっ、と裏葉の顔が赤く染まる。
 「こ、これ以上激しくされたら、わたし、こわれちゃうかも、です・・・♥」 
羞恥に頬を染めながらも、どこか誘うような上目遣いをする裏葉を、秋人はやや強めに抱き締める。 
「あっ・・・♥」
裏葉の漏らした吐息は、どこか熱く、期待に満ちていた。
二人の夜は、これからが本番だった。


『テボォォッ!?溺れちゃうテチ!助けテチ!』
『テチャッ!?何かいるテチ!?』
『テヒィィィィッ!?来るなテチ!』
『ワタチタチはご飯じゃないテチ!食べちゃいやテチィ!』
スッポンを養殖している水槽に、無数の仔実装がぽちゃぽちゃと放り込まれた。
悲鳴を上げて逃げようとする仔実装達だが、泳げないためあっさりと捕食されてゆく。
スッポンは人工飼料に慣れていないうちは生餌から徐々に切り替えるのが良いとされている。
このため、泳げない仔実装が捕食の容易さを買われて生餌として選ばれたというわけだった。
仔実装のコストがペットショップの売れ残りやそもそも飼い実装としての適性を欠いた生まれつきの糞蟲といった廃物の利用であるため、
非常に安価だったという点も大きい。
『ママァ!助けテチ、助けテチッ!』
『テチャアアアァッ!?足、足が食べられてたテチィィィ!』
仔実装達は次々とスッポンの強力な顎の餌食になって散っていった。 
即死できれば苦しみや恐怖も短くて済むのだが、大抵の場合は身体の一ぶを食い千切られる激痛をたっぷりと味わってから絶命することとなった。


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10月19日はイクメンの日


秋人が娘の松葉を昼寝させている時のこと。
「ふふっ♪」
松葉を寝かしつけるつもりが、一緒になって眠ってしまった秋人を見て、実翠石の裏葉は小さく微笑んだ。
「いつもありがとうです、パパ」
仕事で疲れているのに、自分と松葉のために極力時間を使ってくれる秋人に、裏葉はいつも感謝していた。
「んっ、ちゅっ・・・♥」
秋人の寝顔に感謝を込めて、裏葉はそっと頬に口づけする。
二、三回ほどで済ませるつもりだったのが、興が乗ってしまい、
唇に、さらには舌を入れてとエスカレートしてゆく。
松葉が起きたらどうしよう?
パパが目を覚ましたら、怒られるかしら?
それとも、愛してくれるかしら?
期待に胸を高鳴らせながら、裏葉はいけない遊びに没頭していった。


実装石は本能的に仔を産み育てる事を望むが、だからといってそれが母性本能の強さに繋がるかというと、必ずしもそうではない。
『・・・・・・』
就寝中の我が仔達を前に、とある野良母実装は悩んでいた。
夏の終わりに初めて産んだ九匹もの我が仔達。
だが、揃いも揃ってさして賢くもないし、口を開けば我儘ばかりだ。
今日も餌取りの最中に何匹かが巣を抜け出して遊んでいた。
幸い他の野良に襲われたりすることはなかったが、いくら叱っても危険性をよく理解出来ていないようだった。
これから秋、冬籠りをするための大事な季節を迎える事になる。
一家総出で準備に努めねばならないのだが、我が仔達はおそらく戦力にならないだろう。
厳しい冬をこの仔達と共に越えられるか・・・。
答えはもちろん否だった。


『テェ?ここどこテチ?』
朝になり、目を覚ました仔実装が見慣れぬ風景に困惑する。
いつも寝起きしている巣ではなく、白いビニール袋に包まれており、地面は冷たく硬かった。
『クソママがいないテチ?』
『お腹空いたテチ!』
『ご飯よこせテチャァッ!』
同じく目を覚ました姉妹がテチテチ騒ぐが、相変わらずママは見当たらない。
それもそのはず、仔実装達はビニール袋に入れられて、ゴミ捨て場に捨てられていたのだから。
育てられないと思ったものの、さすがに我が仔を手に掛けるのは躊躇われたのだろう。
代わりに、いつも野良母実装が利用している餌場のゴミ捨て場に、それこそゴミのように捨てていく事にしたようだった。
そんな事情を知らない仔実装達は口々に文句を垂れるが、そうした行為は仔実装達の寿命を縮める結果となった。

『デェ?捨て仔デス?』
ビニール袋の口が開けられ、見知らぬ野良実装が顔を覗かせる。
『オバチャン誰テチ?』
『ちょうどいいテチ!お前がご飯よこせテチ!』
『クソママの代わりになるテチ?』
『早くしろテチ!このクソババア!』
口々に碌でもない事をほざく仔実装達を見て、野良実装は嘆息した。
『揃いも揃って糞蟲デス。捨てられて当然デス』
捨てられた、の一言に、さすがに仔実装達は静かになる。『でもちょうどいいデス。お前達は今日のワタシのご飯デス』
『テ、テヂャァァァァァァァッッ!?』
野良実装による仔実装の踊り食いが始まった。
仔実装達は次々とその場で食い殺され、その命を散らしてゆく。
母性が強い野良実装相手ならば、あるいは拾われて庇護を受ける事が出来たかもしれない。
だが、大抵の野良実装にとっては自分以外の仔など食料も同然である。
捨てられた時点で、この仔実装達の運命は決まっていたようなものだった。


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10月25日はリクエストの日


とある日の夜。
秋人と実翠石の裏葉はキッチンに並んで料理を作っていた。
今日の夕飯のメニューは、娘の松葉のリクエストに従いハンバーグだった。
「よし、これで後は焼き上がりを待つだけだな」
「はいです」
「今日は松葉のリクエストだったけど、裏葉も好きなものがあれば言ってくれていいんだぞ?」
最近は松葉のリクエストばかり聞いていて、裏葉の好物を作っていなかった事を内心反省しつつ、秋人は言った。
「そ、それなら・・・」
松葉が大人しく本を眺めているのを横目で確認して、裏葉は頬を染めながら秋人に抱きついた。
「今夜は、ちょっと激しめに、愛してほしい、です・・・♥」
そう言って秋人の股間をそっと撫で擦る裏葉を、秋人は苦笑しつつ抱き締め返す。
こんな可愛らしいリクエストなら、いつでも聞いてやりたくなるな、と思う秋人だった。


実装石を飼う場合、安易にその要求に応じるべきではない。
下手に要求を聞いてやるとと際限なく求め続ける上に、拒否されれば癇癪を起こすという糞蟲化を誘発しかねないからだ。
『なんで今日はお肉じゃないのテヂィィィッッ!?もうまずいフードなんて嫌テチャァァァッ!』
歯を剥いて耳障りな鳴き声を上げる飼い実装のメロンに、飼い主の少女もその両親も辟易していた。
数日前、メロンがハンバーグを一口食べてみたいと言った際に、飼い主の少女が戯れに与えたのが原因だったのだが・・・。
さすがに糞まで漏らして駄々をこねるメロンは、飼い主一家には手に余る存在に成り下がっていた。
とはいえ、良識ある飼い主一家としては、メロンを捨てたり殺処分するのは流石にためらわれる。
そこで飼い主一家は、メロンを実装石用の再教育施設に送る事にした。
依頼主のリクエストに応じてどんな躾でも致します、という謳い文句を掲げていた再教育施設に、メロンは送り出された。
『嫌テチィィィ!行きたくないテチャァァ!』
泣いて嫌がるメロンを送り出した一家は、少しばかりかわいそうに思いながらも、平穏な日常が戻ってきた事を喜んだ。
数日後、メロンが「事故死」したとの知らせが施設からあったが、飼い主一家は形ばかり悲しんだだけでそれ以上のアクションは起こさなかった。
両親が娘に内緒で再教育施設にどんなリクエストをしたかについては、推して知るべしといったところだった。


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10月27日はテディベアズ・デー


玩具屋からの帰り道。
「えへへ〜♪」
娘の松葉が熊のぬいぐるみを抱き締めて満面の笑みを浮かべる様子を、秋人と実翠石の裏葉は優しく見守っていた。
「裏葉も遠慮しなくて良かったんだぞ?」
立派な母親として振舞おうとしてか、最近自己主張が控え気味になっている感のある裏葉に、秋人は水を向ける。
「私は・・・」
裏葉は頬を染めながら、秋人にそっと身体を寄せた。
「・・・パパが抱いてくれるなら、それだけで幸せ、です♥」
秋人にだけ聞こえるようにそっと、そしてうっとりと告げる裏葉に、今夜も頑張るか、と思う秋人だった。


『テヂィィ・・・!』
そんな松葉達の様子を、飼い仔実装のキウイはキャリーケースの中から憎々し気に睨みつけていた。
デキソコナイのヒトモドキ共がクソニンゲンに愛されている様子も。
飼い主の少女が熊のぬいぐるみを抱き締めて嬉しそうにしている様子も。
小さいヒトモドキがご主人サマの持っているものと同じ熊のぬいぐるみを持っていることも 。 
何もかもが気に入らなかった。
そして最も気に入らなかったのは、ご主人サマの関心が自分ではなく熊のぬいぐるみに移ってしまったことだった。 
実装種は出来損ないの人形が命を得たもの、という都市伝説があるが、それ故だろうか。
それとも忌み嫌う実翠石に触発されたためだろうか。
いずれにしろ、キウイの内心はぬいぐるみに対する嫉妬でどす黒く塗りつぶされていた。

家に帰ってからも、飼い主の少女は熊のぬいぐるみにかかりっきりだった。
『ご主人サマ、こっち見テチ!ワタチのほうがかわいいテチ!』
『ワタチはそんな不細工なぬいぐるみと違ってダンスができるのテチ!だからワタチを見テチ!』
『ワタチはお歌だって歌えるテチ!テッテロチェ〜♪』
キウイはあの手この手で飼い主の少女の気を惹こうとするが、テチテチ騒がしくしたのが良くなかったのだろう。 
「この子が怖がっちゃうでしょ!あっち行ってて!」
と追い払われてしまった。

元よりプライドが分不相応に高い実装石にこのような扱いが我慢できるはずもない。
キウイは自分から飼い主の寵愛を奪った熊のぬいぐるみに、復讐することを決意した。
幸か不幸か、復讐のチャンスは意外なほどすぐに訪れた。
夕食の準備を整えている母親を手伝うため、飼い主の少女はぬいぐるみをリビングに置いてキッチンへと向かう。
千載一遇のチャンスをキウイは見逃さなかった。
『お前なんかこうしてやるテチ!』
キウイが糞を手に取り、熊のぬいぐるみに何度も投げ付ける。
その度に、新品の熊のぬいぐるみに汚らしい緑の染みと臭いがへばり付いた。 
『チププ!ざまあみろテチ!』 
キウイは糞まみれになった熊のぬいぐるみを見て嘲笑を浮かべた。 
こんな汚いぬいぐるみはきっとすぐに捨てられてしまうだろう。
そうすればご主人サマはワタチをまたいい仔いい仔してくれるに違いない!
そんなキウイの幻想は、糞まみれになったぬいぐるみを見て悲鳴を上げた飼い主とその両親によって、
粉々に打ち砕かれた。


熊のぬいぐるみを糞まみれにされた飼い主の少女は当然キウイのことを嫌いになったし、 
少女の両親は最近ワガママが目立つようになってきたキウイを目障りに思っていたから、 処分する好機だと考えた。
『テチャァァァァァッ!?止めてテヂィィィィィッ!?』
キウイは両親の手により禿裸にされた上で、近所の公園に捨てられた。
そこに少なからず野良実装が生息していることを知ったうえで。
そして、キウイが散歩の度にそこに住まう野良実装達を嘲笑していたことを、笑われた側は決して忘れてはいなかった。 
『テベェ!? チヒィィッ!?痛いテチ!止めてテチャァッ!?』
『ワタチはご飯じゃないテチィィィ!食べるなテチャァァァァァァッッ!?』
『死んじゃうテチ!ワタチ死んじゃうテチ!』
『ご主人サマァァァッ!助けてチャァァァァッ!』
キウイは野良実装達に散々殴られ、蹴られ、少しずつ齧られながらその生涯を終えた。 
なお、キウイの痛々しい悲鳴は、ずいぶん長い間響いていたという。


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11月23日は勤労感謝の日


秋人が実翠石の裏葉と娘の松葉を連れて、商店街に買い物に来ている時の事。
「ママ、きんろーかんしゃの日、ってなんです?」
「お仕事を頑張ってくれているパパに、いつもありがとうって感謝を伝える日です」
だから、と裏葉は松葉ににっこりと微笑む。
「お家に帰ったら、私達でパパをたくさん癒してあげましょうです♪」
「はーいです!」
そんな二人の会話を、当の秋人は照れくさそうに笑って耳を傾けていた。


『デギギギギッ・・・!』
そんな秋人一家を、一匹の野良実装が歯軋りしながら睨み付けていた。
短すぎる秋の内に冬籠りの備えをしなければ、冬には一家揃って餓死か凍死するしかない。
実装石がそんな過酷な生活を強いられる傍らで、あの忌々しい肉穴人形の実翠石共は上手いことクソニンゲンに媚びて贅沢な暮らしを享受している。
そんな理不尽な現実に、怒りを覚えるなというほうが無理な相談だった。
だが、野良実装は怒りに任せて突撃することなく踏み止まった。
我が家では、仔供達が腹を空かせて待っているからだ。
数日ぶりに何とか手に入れた食料を持ち帰れば、きっと仔供達は喜んでくれるだろう。
そう思う事で何とか怒りを収め、野良実装は帰途に着いた。
きっと仔供達は口々にお礼を言って労ってくれるだろう、そんな期待すら抱いて。


『このクソママ!遅いテチ!』
『お腹空き過ぎテチ!早くご飯よこせテチャァ!』
『使えないクソママテチ!だからワタチは不幸なのテヂィィィ!』
野良実装の期待はあっさりと裏切られた。
巣に帰った野良実装を迎えたのは、仔供達の心ない罵声だった。
一部の仔は罵声どころか糞を投げつけてさえいる。
そして、野良実装の苦労を労る声は一つとして無かった。
『・・・・・・』
野良実装の中で何かが切れた。
ただでさえ忌まわしい媚び穴人形の実翠石共を見た事で忍耐力が尽きかけていたところに、
感謝どころか罵詈雑言を叩き付けられれば無理もないと言えた。
『ヂッ!?』
野良実装はおもむろに仔の一匹を抱き上げると、その頭に齧り付いた。
頭の上半分を失った仔実装はビクビクと痙攣してたっぷりと糞を漏らすと、それっきり動かなくなる。
グチャグチャと噛み締めるたびに口の中に広がる血と肉の味に、野良実装は何故もっと早くこうしなかったのかと思った。
『・・・親に感謝出来ない、肉穴人形以下の糞蟲は間引くに限るデス・・・!』
腰を抜かして糞を漏らす仔実装達に、野良実装はそう言って死刑判決を下した。
『ゆ、許しテチ!いい仔にするテヂャァッ!?』
『テ、テチュ〜ン♪カワイイワタチを食べるなんてそんなのダメなのテチュ〜ン♪』
仔実装達は命乞いし、媚びてみせたが、その甲斐もなくあっさり喰い殺された。
糞蟲達には似合いの末路と言えたが、そもそも感謝の心などという高尚な精神活動を実装石に求める事自体が誤りなのかもしれない。

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1 Re: Name:匿名石 2026/01/02-18:45:49 No:00009862[申告]
最後の野良以外間引きを他者に押し付けてるな無責任というかなんというか…
フェミと糞蟲とかいう最強顰蹙タッグ
2 Re: Name:匿名石 2026/01/04-09:08:32 No:00009863[申告]
あけましておめデギィィィィィィ…ッ!!
ワタシも自分専用の肉穴実翠がほしいデッシャアアアア!!
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