今日も公園はクソ暑い。 暑いというか熱い。 そのせいか実装石ちゃんたちも出てくる気配がない。 否。もしかしたら既に熱中症で動けないのかもしれない。 それはいけない。こんな場所で人知れず熱中症なんぞになってはひとたまりも無いだろう。 「可愛い実装石ちゃんたちを助けてあげなきゃ…」 俺は使命に燃えてダンボールハウスを探し始めた。 「暑いデス~…」 「暑いテチ~…」 ダンボールハウスの中で仔供達と共にダレていた。 3匹いる仔供達とワタシはそれぞれハウスの四隅に座り込み、舌を出してじっとしている。 このハウスは風はないが入り口側も日陰になっているだけまだマシだ。 もし入り口の向きを間違えていればさんさんと照りつけるお日様にハウスの中まで焼かれていただろう。 「ママ~。お水がもう無いテチー…」 家族それぞれの皿に分けた水はその殆どがなくなっている。 ペットボトルに貯めていたものも残り少なくもう底が見えていた。 しかしここでケチっていても結果はたいして変わらないだろう。 最後の給水として仔供達それぞれの皿に最後の水を分け与えた。 「まだ飲んじゃ駄目デスッ!」 だが施すのはそこまででひとつ言っておかねばならないことがあった。 突然の剣幕に仔供達も一様に固まってワタシを見る。 「いいデス?これが今ある最後の水デス。お日様が傾いて水を取りに行けるようになるのはまだまだ先デス。それをよく考えて飲むデス!」 「…分かったテチ!」 「もう少し我慢してから飲むテチ!」 「ケーカク的に飲むテチ!」 3匹とも私の言うことに従って即座の給水は避けるらしい。 「でもお水飲みたいテチ~…」 「サンジョチャにはワタチのお水をあげるテチ!」 「そうしたらチョウジョオネチャのが無くなるテチ!まだ我慢するテチ!」 「お日様の様子を見ながら決めるテチ~」 姉妹の様子をウンウンと頷きながら眺める。 喧嘩することもなく。奪い合うこともなく。相手を気遣いすくすくと育っていく我が仔たち。 この光景こそが自分が求め、作り上げた宝だった。 「こんな生活がずっと続けば良いデス~」 つい目頭を熱くしながらそんな言葉が漏れた。 「オウイエェェェイ!」 そんなよく分からない無い奇声の直後、ワタシたちのハウスを激震が襲った。 背後の壁下辺りから衝撃が伝わり、一瞬にしてハウス全体が持ち上がったかと思うと中の家具もろともワタシや仔供達は外へと放り出された。 「デェェェェェェ!?」 「「「テチャァァァァァァァ!!」」」 家財一式と共に外へと放り出される。 誰も怪我をしていないのは奇跡だった。 「無事だったかい実装石ちゃんたち!」 振り返るとそこには見知らぬ人間 なにやらとっても楽しそうな笑顔だが経験からそれは危険な笑顔なのが分かった。 「な、なにをするデスッ!?ワタシ達はなにもしてないデス!」 「うんうん元気で結構!まだ熱中症にはなっていないようだね!」 話を無視して人間が一歩を踏み出す。その足元にはワタシ達のダンボールハウスが転がっていた。 「ま、待つデ」 ワタシの言葉よりもはやくグシャッという音と共にダンボールハウスがぺったんこになった。 元々痛んでいたダンボールは所々が裂けて潰れ、もう二度と使い物にならないことがすぐにわかった。 「お水返せテチャァァァ!」 ダンボールよりも目先の水を台無しにされた事に腹をたてた次女がニンゲンの足首目掛けてポフポフと腕を振り下ろす。 「おぉう!人を殴るなんてなんて悪いお手手さんだ!だが俺は実装石と争うつもりはない!仲直りの握手をしよう!」 ブチュベキッ! 人間が屈んみ次女の腕を摘まむと水っぽい音と何かが砕ける音が響いた。 腕を潰され、骨が砕けたのだ。 「テギャァァァァァァァァ!」 「これで僕と君はな~かよし!そうだろう!」 言いながら人間が手首を振ると次女が宙を舞った。 「ブベチャッ!?」 自身の背丈の三倍程の高さから後頭部から地面に落着。 血涙を流したままピクピクと痙攣する次女の右腕は根本から無くなっていた。 「むむむ~?」 人間が不思議そうに千切れた腕を凝視する。 「駄目じゃないか忘れ物しちゃ。そこのお母さん。これを彼女に返しておいてくれ」 そう言って人間がワタシを捕まえると口を開けさせ次女の腕を放り込んだ。 「ベギャァァァ!?」 誤って噛んだり飲み込まないようにしながら悲鳴をあげる。 千切れたとはいえ娘の腕。食べるわけにはいかないし、次女人間が食べさせれば栄養となり少しは回復の足しになるはずだ。 しかし人間はもうひとつの手でワタシの下顎を掴んだ。 「叫ばない叫ばない。落とし物が落ちてしまうかもしれないじゃないか。ほーらよく噛んでよく噛んで~ 」 「ベヒッ!ベブッ!デチャ!」 無理矢理口を明け閉めさせられる。 顎にヒビでも入ったのか喋れないくらい痛い 「よーしよしよし、ふんっ!」 掛け声と共に真上を向かされる 口内と食道が一直線になりミンチになった次女の腕はワタシの胃袋へと落ちていった。 「プォ、プヒャァァァァァ…」 「よしよしこれで絶対なくさないね!出てくるときはウンコになってるだろうけど!」 人間の言葉に話せないので代わりにジタバタと手足を動かして抗議する。 ふざけるな!ワタシの仔供の腕を返せ!そしてダンボールを元通りにしろ!そしてワタシ達を最高級飼い実装として崇め称えろ!そしたら糞を食わせながら飼ってやる! 「ウンコは嫌かい?大丈夫!僕はいいものを持ってるからね!」 そう言ってズボンのポケットから出てきたのは赤い小瓶だった。 「僕は餃子が大好きでねぇ。この激辛辣油君はいつも持ち歩いてるんだ!君にも味わってもらおうか!」 そう言って眼前で小瓶のボタンを押すと赤い液体がポタポタと滴ってきた。 逃げることもできないワタシの目にその液体が直撃する。 「ホギョワァァァァ!? 目が!痛い!熱い!染みる!なのに首を動かせない! そしてお腹が、お股が猛烈に痛い! 「が、我慢できないデフゥゥゥゥ!!」 「テッテレベチャァ!?」 「レフベッ!」 「レェーン!」 「ママー!」 「ジッ!」 次々生まれ落ちるワタシの仔供達は一匹残らず地面へと落ちていった。 「さあこれで君の娘の腕はウンコじゃなくて新しい娘になったよ!生憎全部潰れちゃったけどね!」 「フェ…ペヒャァァァ……」 叫びたいが全身の痛みと疲労で悲鳴すら満足に上げられない。 今のワタシには血涙を流すのが精一杯だった。 「あれれぇ?お母さん少しやつれたかい?服がブカブカだよ?」 急激な妊娠と出産で脂肪や栄養素を持っていかれ一気に痩せ細ってしまった。最早抵抗はおろか歩くことすら困難だ。 「そうか!家族のためにスペースを開けてるんだね!泣かせる家族愛じゃないか感動したよ!」 勝手に話を進める人間はそう言って腰が抜けて動けなくなっている長女と三女を無理矢理ワタシの服の中に入れ、首元から顔を出して見せた。 「暑いテチィ!」 「動けないテチ!苦しいテチ!」 ただでさえ灼熱の公園でぎっちりとくっついているのだからより暑くなる。 しかし暴れるスペースも無いので拘束を解くこともできない。 「うんうん仲良し家族だねぇ。しかしもう一匹が入るスペースが無いぞぉ?」 もう首元はギチギチで、ワタシ達が首を振る余裕もない。 これではどうあってももう一匹入れるのは無理だろう。 「片腕ちゃんは…糞穴にでも入ってもらおう!お母さんの中に帰れるなんて幸せだねっ!」 「ジッ…ヒッ…」 腕がもげ、首が折れているのだろう次女はか細い声をあげるだけでワタシのお股へと入っていった。 「うんうん。出産直後だから楽々入るねぇ!しかし傷口が雑菌まみれの糞袋に入ってしまうが問題ないだろう!何せ君達は糞蟲だからね!糞同士仲良く出来るさきっと!」 意味のわからない理論を展開していくが本当に意味もわからないし言い返す体力もないので黙っている。 「これだけ近くにいれば誰かが熱中症になってもすぐ気付くだろう!君達の家族愛なら適切な行動がとれると信じているよ!ではっ!僕は他の実装石ちゃん達を助けに行くから!」 そう言って人間は私達を公園のど真ん中に放置し別のダンボールハウスを襲撃しに行った。 次の家族がどうなったのかを見届ける暇もなくワタシ達は太陽に焼かれ死んだ。

| 1 Re: Name:匿名石 2023/07/30-14:47:37 No:00007664[申告] |
| シンプルな悪意に晒される王道虐待スクでした。
テンポがいいのにやってることが結構えぐい。 これお皿の水をお利口に我慢する未来でも蒸発してしまって一家全滅してそうだなとは思ってしまった。 |
| 2 Re: Name:匿名石 2023/07/30-15:10:16 No:00007665[申告] |
| ニンゲンが狂人だけど親実装も最高級飼い実装にしろとか言ってるおかげで悲壮感なく読めていいですね。 |
| 3 Re: Name:匿名石 2023/07/31-06:17:42 No:00007669[申告] |
| 猛暑の中、元気でよろしい |
| 4 Re: Name:匿名石 2026/03/21-23:56:01 No:00009901[申告] |
| 延々と増長する糞蟲は悪い糞蟲
人間に迷惑かけずに死ぬ糞蟲だけがいい糞蟲だ |