タイトル:【虐】 入れ歯洗浄器
ファイル:入れ歯洗浄器.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:6254 レス数:0
初投稿日時:2007/07/01-20:51:01修正日時:2007/07/01-20:51:01
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入れ歯洗浄器


 100円ショップをのぞいたら入れ歯洗浄器とやらを売っていた。
 洗浄器といっても電器屋で売っている上等の超音波洗浄器ではない。
 乾電池を電源にモーターで振動するだけのオモチャだ。
 水槽部に水と入れ歯を入れて蓋を閉める。スイッチを押したら水槽部がブルブル振動する。
 蓋があるので振動しても水がこぼれない、ただそれだけ。

 安物買いの銭失いという感じだが、100円ショップで大枚をはたいて購入する。
 (入れ歯洗浄器300円 アルカリ乾電池2本パック100円)
 もちろんこの年でオレが入れ歯をしているわけではない。
 最近部屋で飼っている蛆ちゃんにプレゼントしてやろうと思う。

 ある晩、コンビニの実装回収ボックスの側でそいつがレフレフ泣いていた。
 緑と赤の染みがその辺に散らばっていたので、おおかた客か店員が親を叩き殺したんだろう。
 気まぐれに拾ってやったものの、オレも仕事で忙しいからあまり相手をしてやれない。
 その代わりといってはなんだがオモチャを買ってやった。

 ついでに実装活性剤も買った。これ昔は高かったんだよなぁ。
 今は花と緑の活性剤の隣に注射針つきアンプル(8本セットで100円)が並んでいる。
 いくら安物とはいえ時代が変わったものだ。



 部屋に入るとプラ水槽で寝ていた蛆ちゃんが目を覚ました。


 「ゴシュジンさまおかえりレフー ウジちゃんサミシかったレフ ずっとタイクツだったレフー」


 こうして帰宅すると、嬉しそうにシッポというか体の後ろ半分をピョコピョコふってくれる。
 オレの蛆ちゃんは拾いものの野良のわりにずいぶん素直で賢い仔だ。
 なんというか無邪気な蛆ちゃんの姿を見ていると心が和む。


 「ウジちゃんイイコにオルスバンしてたレフ ごほうびにプニプニしてほしいレフ」

 
 ああ蛆ちゃんは本当にイイコだね。そんなイイコの蛆ちゃんに今日はおみやげがあるんだ。


 「レフッ!おみやげレフか ウジちゃんとってもうれしいレフッ!」


 蛆ちゃんをさっそく入れ歯洗浄器の水槽に入れてスイッチをONにする。
 

 「ウジちゃんプルプルするレフッ しんかんかくレフッ すっごくキモチいいレフーン♪」 


 もし糞をたらしても蓋があるから飛びはねないのでちょうどいい。
 蛆ちゃんは初めてのプルプルに大喜びだ。
 ところが問題があった。
 5分ほどプルプルしてやるとだんだん電池が減ってきたのだ。
 アルカリ乾電池なのに根性なさすぎっ。


 「なんかプルプルかんがたりないレフー ウジちゃんかなしいレフン」


 蛆ちゃんが悲しそうな顔をするので、デジカメ用に買っていたオキシライド乾電池を入れてみる。


 「これはいままでにないキョーレツなプルプルレフッ ウジちゃんもうたまんないレフーーッ!」


 喜んでくれてよかった。
 メーカー品の乾電池ならしばらくほっといてもいいだろう。
 オレはちょっとトイレにいってくる。

 「レプー ー ー ー ッ!!!!」 パキッ


 トイレの水を流して出てくると、蛆ちゃんは興奮のあまり洩らした糞に埋もれて窒息していた。
 急いで糞の中から助け出したが、もうピクリとも動かなくなっていた。
 最後の希望をこめて、さっき100円ショップで買った実装活性剤を注射してみた。
 しかし偽石が割れてしまった蛆ちゃんには全く無駄だった。
 蛆ちゃんの死に顔は悦んでいるのか苦しんでいるのかわからない表情をしていた。
 こんなことならずっと自分でプニプニしてやればよかったと思う。


 翌朝早く、きれいに洗った蛆ちゃんを入れ歯洗浄器の空箱に入れて公園に持っていく。
 最後までイイコだった蛆ちゃんを花壇の片隅に埋めてやった。




−− 続く −−


 いつものコンビニに立ち寄って帰ったら、袋の中に仔実装が入っていた。
 薄汚い仔実装が必死な顔でサンドイッチの包装に噛みついている。

 話には聞いていたが初めてあった。これが託児というものか。
 昨日蛆ちゃんが死んでしまってずいぶん上の空だったからな。
 ぜんぜん気づかなかった。

 死んだ蛆ちゃんは野良の仔だったがとてもイイコだった。
 蛆ちゃんを拾ったのもあのコンビニの前だ。
 この仔はどうだろう。蛆ちゃんの代わりになってくれるだろうか。


 仔実装をつまんで、昨日まで蛆ちゃんがいたプラ水槽に入れてやろうとする。
 だが仔実装はサンドイッチにしがみついてテチャーテチャー泣き喚く。
 腹は減ってるんだろうが、その意地汚い姿にかなり不安を感じる。
 
 最初からあまり手荒なことはしたくない。プラ水槽の中で袋をひっくり返すことにする。
 サンドイッチごと仔実装が転がって出てきた。サンドイッチが仔実装の涎でベトベトだ。
 包装が破れていないので中身は汚れてないかもしれないが、もう心理的に食いたくないな。


 蛆ちゃんのために買っていた蛆用栄養ゼリーがたくさん残っている。
 仔実装にゼリーを見せると、とたんにサンドイッチを放してテチューンテチューンとしきりに媚びはじめた。
 かん高い鳴き声がうざったるい。
 蛆ちゃんはそんなマネをしなかったぞ。蛆実装だからしようとしてもできなったかもしれんが。
 一つゼリーの封をあけて仔実装に渡してやる。

 仔実装はチププと笑ってひったくるようにパックを受け取る。おい…
 ゼリーに頭を突っ込んでガツガツと犬喰いをはじめると思いきや、一口食べて吐き出した。
 蛆ちゃんは喜んで食べていたのに変だ。リンガルを起動して尋ねてみる。


 「こんなマズイもん喰えるかテチ アマアマプルプルのプリンよこすテチ」

 
 オレが首をかしげていると、仔実装はゼリーのカップを投げつけてきた。
 仔実装の力ではプラ水槽の上まで届きもしなかったが。


 「こんなカワイイアタチがきてやったキネンビテチ カンゲイカイくらいひらくのがジョーシキテチ」

 
 それはどこのジョーシキかね。


 「ハラいっぱいプリン食わせるテチ クリームたっぷりのケーキもテチ イチゴもいっぱいつけるテチ」


 イイコだった蛆ちゃんとはえらい違いだ。
 いいかげんにしろ、と怒鳴ると今度は自分の糞を握りしめて威嚇してきた。
 死んだ蛆ちゃんを思い出すにつれ、ぜんぜん可愛げのないクソ生意気な仔実装に腹がたってくる。


 「ゴチソーがないならそのサンカクさっさとあけろグズドレー カイショーなしのビンボーニン」 


 お前はもともと人の晩飯をかすめた泥棒だろうが。
 ずいぶん舐められたものだな。
 蛆ちゃんを見ていると心が和んだ。だがこいつを見ているとイライラする。
 お前は仔実装のくせして蛆実装以下の礼儀知らずだ。
 だが私は寛大だ。
 だからお前にはキサマの程度に合わせた教育をうけるチャンスをやろう。


 「ドレイのブンザイでナマイキテチ アタチのウンチくらうテチ ぶっコロちてやるテチ」


 仔実装はプラ水槽の中で手に糞を握りしめてこちらを威嚇している。
 オレが近づいたら顔に糞をぶつけてやるとでも思っているのだろう。
 だがその作戦はプラ水槽を持ち上げてしまえば意味はない。
 横向きに何度かシェイクしてやる。
 仔実装が壁に何度か衝突して動かなくなった。
 まず糞を握ったお行儀の悪い手を引きちぎる。


 「チャー?! アタチのオテテが! オテテがァーーッ! 」


 外見が少し蛆ちゃんに近づいた。
 これでお前の中身も少しは蛆ちゃんに近づけばいいが。


 「イタイテチ イタイテチ! ママ ママー たすけテェー」


 何度も噛みつこうとしたチーチー鳴く口も迷惑だ。
 お前は仔実装のくせして蛆ちゃんほどにも躾ができていない。
 そんなお前に蛆ちゃんにもなかった歯があるのはおこがましい。
 だからペンチで全部抜き取って少しでも蛆ちゃんに近づけてやる。


 「ヤ メル テェ ェ ェ ピャー ア ァ ァァ ィ ヤ チ ヒャァ ァァ…」


 全部歯が抜けてだらしなく空いた口を蛇口につっこむ。
 水を流し込むと、風船のように一度腹が膨れた後、ドバドバと汚物を垂れ流した。
 プラ水槽をクソだらけにしておいてまだ出るか。

 ついでに汚いパンツも服も前掛けも靴も取り上げる。
 後ろ髪も邪魔だ、さっき歯を抜いたペンチで念入りに毟り抜く。
 前髪は蛆ちゃんにもあった。だから残しておいてやる。
 汚れたシンクとプラ水槽は食器洗い用洗剤(クエン酸入りですすぎキュキュ)で洗っておく。
 スポンジを使うと不衛生極まりないので、掃除には取り上げたこいつの服を使う。
 汚い服とパンツは生ゴミバケツに放り込む。前掛けと靴は燃えるゴミの袋に捨てる。
 それを見た仔実装が歯のない口で「ウェー ウー」喚いている。
 蛆ちゃんはお腹が空いても大声で泣き喚いたりしなかった。
 食い物が気に入らない、贅沢させろという声なら今後も聞く必要は一切ない。
 口からストローを挿して総排泄孔まで通してやる。
 まだ多少呻いているが、これで大声は出せなくなった。

 バタバタする足が目障りだったので竹の串を何本か横に刺し通して動けなくする。
 うまく縛って整形すれば蛆ちゃんのシッポに近くなるだろう。

 不自然な赤緑の液体を流す目をどうしてやろうかと思ったが、蛆ちゃんもオレの帰りが遅いときには
レーレー泣いていたので色の違い程度は許してやろう。

 総排泄孔から突き出したストローを引っ張って声がだせるようにしてやる。

 「エォフゥエアァァァー シュヒャフェハァアァァァァ」

 まったく意味不明で口の利き方がなっていない。
 歯がないのは蛆ちゃんも同じ。理由にならんぞ。
 どういう教育を親から受けてきたんだ。

 だが私は寛容だ。
 オレがお前のいたらぬ親に代わって教育してやろう。
 安心しろ。授業料はオレには何の価値もないお前の命だけだ。
 どうだ安いだろう。よかったな。


 オレは高校のころ生物部だった。
 あのころは同級生のとしあきが実装石の扱いについて、いつもいつも熱弁を振るっていた。
 としあきみたいに芸術的なことはできまいが、オレも基礎的なことは知っている。


 台所に置いてある掃除用エタノール(お茶の葉エキス配合)を口に吹きかける。

 「アウアフョヒョヘェェェ? キョプッピュッペェェェーーッ?!」 

 すぐエタノールがまわって真っ赤になった仔実装は昏倒した。

 指で仔実装の体を押して偽石の位置を探る。こいつのは頭か。
 キッチンバサミで頭を切り裂いて偽石を取り出す。

 脳らしきグズグズがかなり出てしまった。
 だがもともとこれ以上ないほど中身がないヤツだ。
 これから再教育する分には関係ない。

 偽石は洗って蛆用栄養ゼリーの空きカップに入れておく。
 それから冷蔵庫から栄養ドリンク(タウリン1000mg)を取り出す。
 偽石を入れた実装ゼリーの空きカップに栄養ドリンクを満たす。
 器が小さいのでたいした分量は使わない。

 以前100円ショップで買ったドライバーセットを出してくる。
 マイナスドライバーの先をガスレンジで熱する。
 お行儀の悪い手はいらない。いらないものが二度と生えてこないよう焼き潰す。
 次にドリルの先をガスレンジで焼く。
 歯もいらない。お前には過ぎたものだ。歯を抜いた痕の穴を念入りに一つずつ焼き潰しておく。

 竹串で固定していた両足だが、いったん竹串は抜く。
 足を開いて内股側の肉をハサミでそぎ落とす。
 両足を揃えたとき、足先が蛆実装のシッポのような形になるように整形する。
 それから両足の傷口同士がうまく癒着するように輪ゴムとサランラップできつく巻いておく。
 足が股から閉じてしまったが、総排泄孔からストローが外へ突き出しているので用便に不自由はすまい。

 これで内外相応の整形処置が完了した。
 仔実装から蛆へクラスチェンジした蛆蟲をプラ水槽に戻す。
 まだ7本残っている実装活性剤のアンプルを蛆蟲に注射してやる。

 じきに元仔実装だった蛆蟲が目を覚ます。
 しばらくアヒャアヒャいっていたが、自分がもはや体をくねらせる以上のことがまったくできない
ことに気づくとまた「ウェーェー」泣き出した。

 イイコの蛆ちゃんが死んだのに、この蛆蟲は生きている。なんたる不条理。
 鬱陶しい泣き声を聞いているとますます腹がたってきた。
 お前が生きている今日は、昨日死んだ蛆ちゃんに生きていて欲しかった明日なんだ。
 生きていることを素直に喜べんとはけしからん。
 入れ歯洗浄器の水槽部に100円ショップで買った押しピン1ケースを入れる。
 偽石を入れてスイッチをONにすると、振動で適度に押しピンの針が偽石をひっかく。

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 入れ歯洗浄器の振動に合わせるように元仔実装の蛆蟲がプラ水槽の中を跳ね回る。
 実装ダンスらしきものをピョコピョコ踊っているように見える。
 まったく元気なやつだ。
 踊れ。生きているって素晴らしかろう。
 だがオレはそろそろ疲れた。
 使い残しの栄養ドリンクを飲んだが眠い。
 お前の教育は明日にからにする。
 覚悟しておくがいい。

 入れ歯洗浄器のスイッチをOFFにして止める。
 蛆蟲のダンスもスイッチが切れたように停止する。
 水槽部から偽石をピンセットで取り出して栄養ドリンクに戻す。
 今日は遅いのでもう寝ることにする。







 さて、これから教育をはじめる。
 これは蛆実装の蛆ちゃんにできたことばかりだ。
 仮にも元仔実装のキサマにできんとはいわせん。
 お前のレベルに配慮してやった私に感謝するがいい。
 
 おい、オレが帰ってきたらまずどうするんだ。

 「オネガイヘヒ ココカラダヒヘェー コウエンニカエヒヘェー 」

 『おかえりなさい』だろ。
  オレが教えたわけでもないのに蛆ちゃんは最初からしたぞ、このクズ。
  スイッチオン

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 「アジノナイプルプルイヤヘヒィー ナマゴミノホウガマシヘヒィー 」

  まずご飯の前は『いただきます』だ、アホウ。 
  スイッチオン

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 「オカヒイヘヒ ゼンゼンオナカフクレナイヘヒッ 」

  喰いおわったら『ごちそうさま』はどうした、このボケッ
  スイッチョン

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 「オマタノクダカラナンカデテクルヘヒッ トマラナイヘヒッ コレウンチジャナイヘヒッ」

  クソはトイレでしろと言っただろ、このクソがぁっ
  スイッチオーーンッ

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




 そんなこんなで一週間が過ぎた。


 オレの忍耐の限りを尽くしたが、糞蟲の相手は疲れただけだ。
 これが最終試験だ。
 合格したらこれからも飼ってやることを考えてやろう。
 慈悲深い私に感謝するがいい。
 これが最後のチャンスだ。やってみろ。

 おい蛆蟲、オレが帰ってきたらまずどうするんだ。


 「…モウイキテルノイヤヘヒ… ハヤク ヒナヘヘェ……」


 そうか。
 入れ歯洗浄器のスイッチをONにする。
 振動に合わせるように蛆蟲がいつもの実装ダンスらしきものをピョコピョコ踊りだす。

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」

 ピョコピョコ踊り続ける蛆蟲をほうって、オレはシャワーをあびることにする。
 蛆ちゃんと出逢ったコンビニで託児されたから、蛆ちゃんの代わりになってくれるかと期待したが、
とんだ無駄骨だった。


 パキン「ヘヒャアーーーー!」


 風呂から出てきたときには蛆蟲は動かなくなっていた。
 さすがオキシライド乾電池というべきか入れ歯洗浄器は動いているというのに根性のないやつだ。

 蛆蟲の死に顔は引き攣っていたが妙に嬉しそうでもあった。


 ビールを一本空けた後、袋につめたゴミをコンビニの実装回収ボックスに放り込みにいく。
 自分が使うあてのない入れ歯洗浄器は見ているだけで悲しくなる。
 だから蛆ちゃんと出逢った実装回収ボックスの上に置いておく。


 薄曇りの月を見上げながらぼんやりと家路につく。
 シャワーを浴びた体と高ぶっていた感情が夜風に冷やされていく。
 それとともに急に空しくなってきた。


 もう実装を飼うのはやめよう。


 実装石は人を狂わせる。

 実装石に関わると人間が変わる。

 仲のよい同級生だったとしあきに起こったことがそうだった。
 としあきは成績優秀で医学部は確実、そう将来を嘱望されていた。
 明るく友人も多く、スポーツもそれなりにできたやつだった。
 生物部に入ったのも実装石を解剖したのも、世のため人のためになることをしたいからだといっていた。

 そのはずっだたのに…

 それなのに実装石の昏い魅力に憑かれてから、としあきは急に人が変わってしまった。

 だんだん学校に出てこなくなった。
 オレが授業のプリントを持って会いに行くとガリガリに痩せていた。
 まるで幽鬼のような目をしていた。
 次に会った時にはピザデブになっていた。
 しまりのない空ろな顔がヘラヘラ笑っていた。
 そんなとしあきが怖くなって、それきり会わなくなった。 
 友情を裏切ったような気がして後ろめたかった。

 今どうしているのか。
 としあきは同窓会に顔を出さないのでそれもわからない。


 オレも何かが狂っていた。
 あの憎たらしい仔実装も最初は可愛がってやれないかと思っていたはずだ。
 いくら期待はずれだったからといって、さっさと放り出すか一思いに殺してしまえばそれで済んだ。
 この一週間あそこまで憎悪にかられて熱くなることはなかった。
 熱病にうかされたようにオレも実装石の狂気に染まっていた。

 ふと公園を眺めると、蛆ちゃんを埋めた公園の花壇が街灯に照らされていた。
 青白い光に照らされる花が綺麗だ。まるでオレの蛆ちゃんを弔うように。

 オレの蛆ちゃんは思い出の中だけで充分だ。


 もう実装を飼うのはやめよう。


 「レフレフー」


 蛆ちゃんの笑い声が聞えたような気がした。





−− おまけ −−


 今夜も闇にまぎれて公園の汚物を狩ってきた。

 熟練の実装石ハンターの俺から逃げられる糞蟲はいねーぜ。

 どいつもこいつも人間様のふりして哀れっぽく泣き喚くが、そんな三文芝居に騙される俺様ではなぁぁぁあい。

 今夜もダンボールで寝ていた糞蟲一家に正義の裁きを下してやった。

 罪状は生きてること。弁護人なし、検察俺、裁判官俺の即決裁判で判決は火刑。

 被告は判決後も惰眠を貪っていたので控訴なしと認めすみやかに刑を執行する。

 汚い体と穢れた魂を炎で浄化。これでこの世が少しきれいになったね。

 人知れず世のため人のためになることをする俺ってホントにいい人。

 死んだ婆さんも草葉の陰からこんなに立派に育った俺を喜んでるにちがいねー。

 子供のころ坊さんが言ってた。『汝陰徳を積め』ってな。

 陰で善い事をすれば必ずイイコトがある。

 なのに内定も彼女もきてくれないのはどういうことなんだろうな。

 きっと徳がまだまだ足らないってことかな。

 もっともっと励まねば果報はこないってことだ。明日も頑張るぞ。


 さてと、そろそろコンビニによって帰ることにしよう。

 ここではよく託児をしている糞蟲親仔を店員さんに代わって始末してやってる。

 しょっちゅう無償奉仕をしてやってる俺が入ると、いつも店員さんが遠慮がちに目をそらしやがる。

 恩着せがましくする気はないから安心しなよ。俺は聖人君子なんだぜ。

 梅オニギリを買ってコンビニを出たら用心深く周囲を警戒する。

 オニギリをさっとポケットに移す。代わりに消費者金融のティッシュペーパーをコンビニ袋に入れておく。
 
 聖戦士の俺に実装石ごときがつけいる隙は無い。

 コンビニ袋の口をわざと広げて駐車場の植え込みの周りをブラブラ歩いてやる。

 さぁどっからでもかかってこい。おいでおいで仔 蟲 ち ゅ わ ぁ 〜 ん ♪


  …   …  … … ・・ ・

    
 だが残念なことに今夜の獲物はいなかった。

 ちっ ……  …おっ なんか見慣れんもんがあるぞ。

 実装回収ボックスの上に妙なブツがある。これは調査が必要だな。

 蓋を開けると中に押しピンと砕けた偽石が入ってる。ふむ、偽石の大きさからすると仔実装だな。

 実装ショップの新アイテムか? 電池も入ってるし、いらないなら俺がもらっておこう。

 Newアイテムゲットだぜ。


 闇に生きる俺に友はいない。

 正義を貫く俺に世間の風は無理解だ。

 だけど明日も頑張るぞ。ファイトだ俺。



−− 終わり −−

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