タイトル:【愛】 賢かった蛆実装
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4806 レス数:2
初投稿日時:2007/06/24-20:56:21修正日時:2007/06/24-20:56:21
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【賢かった蛆実装】

「デッデロゲ〜デッデロゲ〜♪」

うちのミドリが妊娠した。実装医で見てもらうと5匹の仔実装と1匹の蛆を妊娠しているらしい。

ミドリは仔実装の時に友人から貰った実装石で、性格はとても良く聞き分けも良い。ペットとして
イヌやネコに勝るとも劣らない飼い実装だ。

ただ、一つだけだけ問題がある。大した問題ではないのだが、実装石としてみてもオツムが少々弱い。

例えばテレビを悪戯するような事はしないが、「6chつけて」と頼んでも概念的な考えが出来ないのか、
そこで「テェ・・・?」と固まってしまう。

そこで中実装になった辺りから冗談半分で餌に沢山の化学調味料を混ぜて見ることにした。

一昔前は、化学調味料はグルタミン酸なので脳の発育に良いなんて巷間で言われていた事もある。

だが、成体になる頃になっても相変わらずのオツムの弱さは改善されず、まぁそれでも良いかと諦めてる。

しかしミドリ自身は化学調味料が入った餌の味をすっかり気に入ったらしく、頭を良くする事を諦めた
今でも餌には毎日たっぷりかけてやっている。

「デェェェー!」「テッテレー!」「テッテレー!」「テッテレー!」「テッテレー!」「テッテレー!」「テッテレー!」

やがてミドリは元気な仔実装5匹と蛆実装1匹を産んだ。

実は毎日化学調味料をたっぷり食べていたので、頭の良い仔が生まれるかと期待していたのだが、
仔実装達はどの仔も親と同程度のオツムの出来だった。

幸い5匹とも性格は親に似ていたので、ネットの里親募集ですぐに引き取り先が見つかった。

「デェェェーン!デェェェーン!」

仔供と別れる日は流石にオツムの弱いミドリも泣き叫んだ。

「みんな親切な人間の家に貰われて幸せになるんだから」。

そう説得しても、「幸せ」という抽象概念を理解できないミドリにはなんの慰めにもならない。

蛆実装は死に易いし、飼育の手間がかかるので里子には出さなかった。しかし、ミドリにとっては手元に
仔供が一匹だけ残っただけでも心の支えになったらしく、オツムが弱いなりに一生懸命育てている。

そんなある日、コミドリと名づけた蛆実装とリンガルを介して会話してみて、その知能の高さに驚いた。
化学調味料が効いたのか、あるいは姉妹の知能が全てコミドリに集中したのかは定かではないが、
親のミドリよりもかなり賢い事は確かだ。

面白がって平仮名、数字、アルファベットを教えると数日で理解できるようになった。

やがて簡単な漢字も読めるようになり、最近ではページを開いた本をスタンドで立てかけておいてやると
難しい顔をして読みふけっている。

親のミドリはコミドリを遊ばせようとしても相手にされないので最近寂しがっている。

そこでコミドリに意見してみた。

「なぁ、コミドリ。そうやって難しい本を読むのも良いがたまにはママと一緒に遊んでみたらどうだ?」

「ニンゲンママ、コミドリはもっと賢くなりたいレフ。遊んでる暇は無いレフ。ママは好きだけど何も学ぶ物が無いレフ」

なるほど、賢すぎるのも問題かもなぁと思いながら、その日はミドリの遊び相手をしてやった。

そんな毎日を繰り返しているうちにコミドリも段々成長し、今では仔実装ほどの大きさの蛆実装になっている。

ミドリを譲り受けた友人の話では、ここまで大きく育つと後は繭化して手足が生えた仔実装に羽化するらしい。

仔実装になったら今度は自分で本も読めるしネットも検索できるからコミドリはもっともっと賢くなるかもなと
思っていたある日、コミドリが深刻な顔をして話しかけてきた。

「ニンゲンママ。コミドリは間もなく繭になるレフ。繭になると体は一旦バラバラのドロドロになって完全に
作り変えられるレフ。そうなるともう今の知識も知能も失ってしまうレフ」。

驚きながらコミドリの話を聞いた。

「ニンゲンママ。お願いレフ。繭になったらコミドリを殺して欲しいレフ。コミドリはママみたいな愚かな実装石として
生きていくのはイヤレフ」。

「なぁコミドリ、まだ羽化したらオツムが弱くなると決まった訳じゃない。早まらずに時期を待ってはどうだ?
それに失った知識はまた勉強すれば済む事じゃないか」。

「違うレフ。もっと根本的な問題レフ。脳そのものも完全にゼロから作り変えられるレフ。そして今のコミドリの脳は
実装石としてありえないほど高い知能を持っているレフ。確率論的に再現はありえないレフ」。

「何を悲観的になっているんだ。たとえオツムが弱くなっても、俺もミドリもオマエが好きなんだ!殺してなんて
言うんじゃない!」

「ニンゲンママは優しいレフー・・・もう眠くなってきたレフ・・・繭になんかなりたくないレフ・・・お願いレフ・・・きっと殺して
欲しいレフ・・・死んだら裏庭に埋めて欲しい・・・」

そう言い切るか言い切らないうちに、コミドリの鼻から薄緑に輝く糸が出てきて間もなくコミドリの全身を包み込んだ。

コミドリの繭を見つめながら考えにふける数日が過ぎた。

親のミドリは本能で知っているのか繭を見ながら「デッテロケ〜デッデロケェ〜♪」と歌っている。

あるいはコミドリの望みどおりにするべきか、それとも・・・










結局、コミドリを殺すことはしなかった。

いま目の前には転んでウンチを漏らしながら「テェェェン!テェェェン!」と無く仔実装のコミドリが居る。
ミドリはコミドリを抱くとパンツを脱がせてウンチを舐め取っている。微笑ましい親子の風景だ。

コミドリはやはり羽化した時には全ての記憶と高かった知能の大部分を失い、親のミドリと同程度の知能の
仔実装になってしまった。

蛆実装のコミドリは自分の高い知能の喪失を恐れて殺される事を望んだ。しかし、その望みの根拠となった
価値観は、目の前にいるコミドリにとってはなんの意味もない。

蛆実装のコミドリは確かに賢かった。しかし身のほどを超えた才能に裏打ちされた価値観は、むしろ不幸の種と
なりかねない。

目の前の親仔、ミドリとコミドリは実装石としてみても少々オツムが弱い。それはそれで困ったものではある。

しかしこの愚かな親仔はどんな親仔よりも幸せだと思った。

「デッスーン!デスデス?」
「テチー!テチテチテッチー!」

おしまい

鍋屋 ◆dh4a8ve0HI 

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1 Re: Name:匿名石 2023/06/19-06:31:35 No:00007327[申告]
出る繭の糸を巻き取って巨ウジ設定のままにしてやれれば・・・
2 Re: Name:匿名石 2023/07/19-05:53:09 No:00007559[申告]
実装ってほんと個体差がありすぎて笑えんなぁ
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