タイトル:【虐・飼】 差し替え機能追加記念に、矛盾点&誤字などの修正版をアップ。
ファイル:『会長のお話 後編(改訂)』.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4133 レス数:0
初投稿日時:2007/02/01-00:47:06修正日時:2007/02/01-00:47:06
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(あらすじ)
ちょっと『アレ』な人物、『会長』。

虐待者でもある彼が拾った野良実装一家は、かって自分達家族を罵倒し、うち二匹を殺した飼い実装一家に
恨みを持っていた。

事情を聞いた彼は、野良実装に「望みをかなえてあげましょう」と宣言。部下を誘拐団に仕立て上げ、問題
の飼い実装一家を誘拐した。

しかし、飼い親実装の「仔供を助けてやってください」という嘆願に、あっさりと「良いですよ」と即答。
手始めに飼い仔実装のなかの一匹、『ヒア』を飼い主の元に送り返した。

わざわざ手間を掛けて誘拐しておいて何故?

会長の真意やいかに?


    *            *            *            *


…
……
………

…目が醒めたときは、狭いダンボールの中に押し込められていたテチ。

ここは…どこテチ? なんでワタチはこんなところにいるテチ…。
…思い出したテチ!! ワタチはママ達と一緒に悪いニンゲンにさらわれたテチ!!

そして、悪いニンゲンに摘み上げられた後、何か「すぷれー」をしゅっ、とされたら、急に眠くなって眠っ
てしまったテチ。

周りを見渡してもダンボールばかりテチ。 小汚い野良どもの「ダンボールハウス」とかいうやつみたいで
不愉快テチ。飼い実装石の「ぷらいど」が傷つくテチ。

身体を調べて見るテチが、髪も服も何もされていないテチ。とりあえずホッとしたテチ。

ダンボールは…何か揺れてるテチ。たぶん、クルマに乗せられているテチ。

上が閉められて中は良く見えないテチが、物に触れたときの感触と隙間からの光で、なにがあるのか大体分
かるテチ。 ダンボールの中は千切って丸めたシンブンシで一杯テチ。 その他には、ビニールの袋に包ま
れて何かあるテチ。 一つは二つに折った紙切れで、もう一つは紙の筒…フウトウとか言う奴テチ。
フウトウの中にも何かあるテチが、フウトウはビニールの袋の中なので、調べられないテチ。

とりあえず、調べ物は後回しテチ。
どうにかして、おうちに戻らなきゃいけないテチ…。クルマに乗っている、ということは近くにニンゲンが
いるはずテチ。

『ニンゲンッ!! ここからワタチを出せテチ!! ワタチをおうちに返せテチ!! さもないとやっつけ
 てやるテチ!!』
ワタチはいるはずのニンゲンに命令したテチ。 すると…

「…あ〜、テチテチ五月蠅い。家に送ってやってるんだから、喚くな。」

…テテッ? …チププ、どうやらワタチの強さに驚いて、降参したらしいテチ。もうおうちに向かっている
とは、なかなか気が利くヤツテチ。 これなら、すぐにご主人様にも会えるテチ。 ご主人様に会えたら、
ママ達を助けてもらうテチ。 ご主人様は優しくて強いから、きっと簡単に『ママ』や『メル』や『タチ』
や『テス』を助けてくれるテチ。

あの悪いニンゲンもやっつけてもらうテチ。ドゲサさせてウンチまみれにしてやるテチ。

あの野良たちも許さないテチ。 心の広い、カンダイなワタチだから、特別に見逃してやったのに、逆恨み
するとは信じられない恩知らずテチ。 『メル』や『タチ』や『テス』と一緒に、一匹ずつ殴り倒して蹴り
飛ばして、100回謝らせた上でコロシてやるテチ。

みんなを助けて悪い奴らをやっつけたらお祝いをしてご馳走を食べるテチ。 みんなでまたステーキやお寿
司をオナカ一杯になるまで食べるテチ。

…テチ?
ゆれが止まったテチ…(ドン)…テェ〜、高いところから落とされた感じがするテチ!! きっとダンボー
ルごと放り投げられたテチ! …シンブンシのおかげで、どうにかケガはしなかったテチ。

ブロロロロ〜!!

クルマが走っていく音がするテチ。音が遠くに消えていったテチ。

! ダンボールの上が開くテチ!

ダンボールから身を乗り出すテチと…

!! おうちテチ〜!!  おうちに帰ってきたテチ〜!! あの悪いニンゲンのところから無事ダッシュ
ツできたテチ〜!! やっぱりワタチは優秀な飼い実装石テチ〜!!
(脳内変換:家まで送って貰って開放された ⇒ 悪いニンゲンを出し抜き、自力で家まで脱出してきた)

おうちの扉の脇にある、実装専用の入り口から中に入ると、ご主人様をすぐ探したテチ。ご主人様はテレビ
のある部屋で、何か本を読んでいたテチ。

『テチ〜♪(ご主人様〜♪)』
ご主人様はすぐ気が付いてくれたテチ♪

「ヒアちゃん!? あなた戻ってこれたの? ママや他の仔たちは?」
『テチテチ〜。テテッチ〜。(ママもみんなも悪いニンゲンに捕まっちゃったテチ〜。ご主人様、みんなを助
 けて欲しいテチ〜。)』
「助けてっていっても…、みんながどこにいるとか、悪いニンゲンが誰だとか分かる?」
『テ〜..テチチ!テチ!(う〜、分からないテチ…そうテチ! あのダンボールの中に何かあったテチ!)』
「ダンボール?」
『テッチュ!テテチュ!チュウウ!!(そうテチ!おうちの前に、ワタチが入れられていたダンボールがあ
 るテチ!! その中に何か入っていたテチ!!)』

ワタチはご主人様を家の前にあるダンボールのところに案内したテチ。大急ぎだったテチ。 ご主人様は本
を持ったまま、ダンボールのところまで来たテチ。

おうちの前に出ると、ダンボールはまだそこにそのままあったテチ。

「このダンボールね…。 中に何かあるわ…。」

さっきの紙切れとフウトウが入ったビニール袋テチ。紙切れを開いて中を見ているテチ…あれは「手紙」と
いうものだったテチね。

!ご主人様が「手紙」を閉じたテチ。それからフウトウの中を確かめたテチ。
…? フウトウの中には紙切れの束が入っているテチ。

それから…テェ?
何で私の服を脱がすテチ? ヒャ、な、何で身体中をまさぐるテチ? テェェエ、変なところを押さえられ
たら痛いテチ〜!! テヒテヒ〜、散々身体中を調べられたテチ〜、何も出てくるわけ無いテチ〜。

「…確かに無いわね…。でもこれだけあれば我慢してもいいわ…。」
何かご主人様が言っているテチ?それより早くママたちを助けにいくテチ!!

…その前に服を着させて欲しいテチ。 服を手にとって着ようとしたときテチ。

バシッ!! ダァアアアン!! 
な、何かに突き飛ばされたテチ!? 痛いテチ〜!!い、一体何に突き飛ばされたテチ!?

「だめよ、ヒアちゃん。これ、もうあなたの服じゃないの。次の仔にあげるから。」
テェ?ご主人様?ご主人様の手に突き飛ばされたテチ!? どうして?どうしてテチ?

『テチ!テチチ…(ご、ご主人様、どうしてこんなことをするテチ? 早くママ達を助けに…)』
「もういいの。とりあえず決着は付いたから。あとは、ヒアちゃんを片付けたらおしまい。」

ご主人様はおうちの扉に鍵を掛けながら、なんだか分からないことを言っているテチ。

ヒャ?何でワタチをまたダンボールに押し込めるテチ? テェェエエ、上を閉じたら真っ暗になるテチ!! 
そのままどこかに歩き出したテチ! 一体どこへ行くテチ…。


…
どこかについたテチ。 ダンボールの上が開かれたテチ。身を乗り出して辺りを見回すテチ…。 ここは…
よく散歩に来る公園テチ!? ご主人様、何でこんな所に来たのテチ?

「じゃあね、ヒアちゃん。 もう私の家に戻ってこないでね〜。」

そう言ってご主人様が立ち去ってゆくテチ!? ご主人様、待ってくださいテチ、ここから一匹だけじゃ帰
り道が分からないテチ!! ご主人様かママがいないと帰れないテチ!!それにママやみんなを早く助けな
いと、あの悪いニンゲンや野良たちにきっとヒドイ目に会わされてしまうテチ!

『テェエ、ご主人様、待ってくださいテ…』

テェ!? 足元が揺れるテチ!? ダ、ダンボールがひっくり返されたテチ!地面に投げ出されたテチィ!!

『テヒャ!? 誰テチ、こんなことをするヤツはテチ!! ワタチを誰と思っているテチ!!』

『デププ…』
『チプププ』
『テフテフ♪』
『ヒァ〜♪』
『テチテチテチ〜♪』
『デププ、デププ♪』

テチ? 薄汚い野良実装達が集まっているテチ?

『お前達はなにテチ!! 汚くて醜い野良実装の分際で、高貴でカワイイ、『血統書付き飼い実装』のワタチ
 を笑うとは何事テチ!! ドゲザして謝れテチ!!』
『デププ♪このガキは馬鹿デスね、まだ気が付いていないデスか。』
『の、野良の分際で飼い実装のワタチを馬鹿と呼んだテチか!? もう許さないテチ!!』

頭に来たテチ!! この汚らしい野良実装を叩きのめしてやるテチ!!

バギァン!! デシャ!! バキ!!

テェ!? ぎゃ、逆に殴られたテチ? どうしてテチ? 今までこいつらはワタチに黙って殴られていたく
せに、何で逆らうテチ!!

『お、オマエ、野良のクセに飼い実装のワタチに逆らって良いと思っているテチか!!』
『ほんとにこいつは馬鹿デスね。いいかげん気が付くデス。オマエはもう『飼い実装』では無いデス。
 飼い主に捨てられたんデス。 『捨てられ実装』デスゥ。デププ、いい気味デスゥ♪』

…?

『捨てられ』?



『捨てられ実装』? …捨てられた?


 誰に?  ご主人様に? …捨てられた? …捨てられた?


 …捨てられた? 『捨てられ実装』? 



.
..
……
………
………デェエエエ!?

そ、そんなハズ無いテチ!! ワタチは生まれてからずっと、ご主人様に愛されつづけてきた『血統書付き
飼い実装』テチ!! 捨てられたりするハズ無いテチ!!ありえないテチ、ありえないテチ…。


『う、嘘を言うなテ…』
デシャ!! バキ!!

い、痛いテチ!? き、汚らしい野良たちがワタチに手を上げたテチ!!

『お、オマエ達何するテチ!! ワタチにこんなことして良いと思って…』

『黙れ糞ガキデスゥ!!』 ドガッ!!
『よくも今まで好き勝手しやがったデスゥ!!』 ベキッ!!
『見せつけるようにコンペイトウ食べやがってテチ!!』 ぺチッ!!

テェェエエエ……

『ウラミハラサデオクベキカデスゥ!!』 メラメラメラッ!!
『家族の恨み、喰らえテチ!!』 ブシッ!!
『レフレフ〜!!レッフィ〜!!』 ぷにぷに!!

テェギャギャギャ……

『身体を押さえつけろデス!!』 ドンドン!!
『「髪を抜いてやるデスゥ!!』 プチプチ!!

『テチャァア、か、髪を抜くなテチ〜!!』
その声は無視され、あっという間に禿にされる仔実装。服はもとより無いので禿裸だ。

『…か、髪が無くなってしまったテチィ…服も無いテチィ…   テスン、テスン、これじゃもう恥ずかし
 くてママ達に顔向けできないテチィ…テェエ〜ン、テェエ〜ン。』」

『ほんとにオマエは馬鹿デス!そんな心配する意味無いデス!!』
『な、なにを言うテチ!!オマエ達のせいでワタチが髪を失ったのに、どういうつも…』

ガブリ!!成体の野良実装が、捨てられ仔実装『ヒア』の右腕を喰いちぎる。

『ギャアァァァアアァァアアアチヤァアアァァァ〜!!!!!』
捨てられ仔実装が絶叫する。

『クッチャ、クッチャ… ここで死んでしまうのにママに会うこととか考えても意味無いデス!!』
『ヒィ? し、死ぬテチ? 何でワタチが死ななきゃいけないテチ!!』
『今までニンゲンのところでいい思いをしてきた罰デスゥ!!』

ガブッ!!次のヤツは欲張りだったらしく、『ヒア』は頭と左腕、そしてそれを繋ぐ皮一枚残して喰いちぎら
れた。でもなぜか、まだ生きていた。 そのまま傍の木の根元に放り投げられる。

『ァァアアアテチャァテァア…!!!!!』

…ひ、ヒドイテチ。何でワタチがこんな目に会わなきゃいけないテチ。 わ、ワタチは『血統書付き飼い実
装』テチ。い、一生幸せに生きる権利と義務があるはずテチ。 こんな野良実装なんかとはワケが違うはず
テチ。 こんな野良実装なんか、触ることも許されない筈テチ。

こ、この間だって、ワタチのコンペイトウに触れた薄汚い野良に、身の程を教えてやったテチ。 そいつは、
ワタチのコンペイトウを台無しにした罰に、ご主人様がやっつけてくれたテチ。それなのに、それなのに…
何でこんな野良どもに高貴でカワイイ、血統書付きのワタチがこんな目に会わされるテチか…。

『仕上げはこの国宝級のワタシがするデッスゥ〜ン♪』
な、何テチ、この醜い、裸で肉だぶだぶの野良実装は…

捨てられ仔実装の前に現れたのは『国宝石』。
誰もが敬遠する肉だぶだぶの醜いその姿と、凄まじい勢いで糞を放出する特殊攻撃『糞ビーム』の破壊力を
恐れ、いつでも裸なのに他の実装石から襲われないという、ある意味実力派の実装石だ。

『デププゥ〜♪ そ〜れ、クソ喰らえデスゥ!!』

ブババババ…。
『糞ビーム』が炸裂。 大量の糞が凄まじい勢いで捨てられ仔実装を襲う。


『ウ、ウンチテチ!! 汚くて臭いウンチテチ!!』

な、何でこいつはトイレ以外のところでウンチするテチか〜!?
ヒィィイイ、か、顔の周りにウンチが山盛りになってきたテチ!!

鼻と口が塞がれるテチ!!  は、鼻も口もウンチだらけテチ!!
 …息が、息ができな…ウンチが…口の… 鼻の… 中に… ゲェ…  ママ…  ゴシュジ… 助けて…
…駄目テチ… ウンチが… 目にも…  鼻にも…  口にも… …ああ、もう駄目…. 駄… 目…
  テ…チ….。

『チブッ…』

ぱたん。


『デププ、クソ実装が糞まみれになってくたばったデス♪』
『テッテレ〜♪ ざまぁ見ろテチ!』
『レフレフ〜♪』
『デッスゥ〜ン♪』
………
……
…
.
.


    *            *            *            *


パリン。

モニターの中で、『ヒア』とかいう仔実装が死ぬと同時に、モニターの前に置いておいた『ヒア』の偽石が軽
妙な音を立てて割れます。

あの『ヒア』という仔実装を飼い主の家の前に置いてから、公園で野良どもに殺されるまでの一部始終は、
部下に隠し撮りさせてあり、リアルタイムでこのモニターに表示させてありました。

モニターの前に置いた、特殊耐熱ガラス製の水槽の中から両極端の反応が聞こえてきます。

一方は野良実装達。
『あの仔実装め、ざまぁ見ろデスゥ、デプププ♪』
『チプププ♪ ニンゲンサマ、ありがとうテチィ。』
『テチテチテチ〜♪ おねぇちゃんのカタキが取れたテチィ♪』
『チップ〜♪ や〜い、これでオマエ達は『捨てられ実装石』テチ♪』

一方、同じ水槽の反対側、透明な板で区画され、野良達と直接接することができない場所に入れておいた飼
い実装石達は紅と翠の涙を流しながら、絶望のうめき声を上げています。

『デェエエ〜ン! 『ヒア』〜、『ヒア』〜 ワタシの娘〜、何で死んでしまったデスゥ〜!!』
『テチャァ〜! 『ヒア』お姉ちゃんが死んじゃったテチ〜!』
『テ?テェエエ? なんで?なんで『ヒアちゃん』が死ななきゃいけないテチ?』
『テン〜! なんでご主人様は『ヒアちゃん』を見捨てたのテチ〜!』

何とも言えない楽しい絶叫です。

少なくとも一匹は飼い主の下に返され、身の安全が確保できた。上手くすれば、いや、私の言葉を信じるな
ら、確実に自分達も助け出してもらえると思っていたのに、開放された一匹は、飼い主に見放されたあげく、
これまで見下していた野良実装に散々な目に会わされて死んでしまった、とあってはこれはもう、絶望する
しかないでしょう。

う〜ん、飼い実装をもっとも絶望させられるのは飼い主、という訳ですねぇ。 

『幸せな実装石』から『不幸な実装石』に急転直下、素晴らしい。

『い、一体どうなったのデスゥ〜!! ニンゲン、ご主人様に一体何をしたのデス!!』

「ニンゲン」呼ばわりがちと気に掛かりますが(「サマ」をつけなさい)、まぁ、とりあえずいいでしょう。
説明するとしましょう。

「貴方達の飼い主はね、別に貴方達実装石に愛情があるわけじゃなかったんですよ。 単に支配欲、または
 物欲が強いだけの人間だったんです。ブランド品を持ったり、高級品を使ったり、プレミアのあるものを
 集めたり…。 そういった『高価な自分の所持品』で、物欲や自尊心を満足させるのが彼女の楽しみなん
 です。
 
 貴方達『血統書付きの実装石』を購入したのも、その延長にすぎません。 実装石はリンガルによって、
 直接意思の疎通ができますからねぇ。

 『所有物が、自分が所有物であることを喜んで受け入れてくれる』というところが、彼女の物欲を特に満
 足させていたのでしょうね。

 加えて『生殺与奪』の権利を自分が持っている、というところも彼女の物欲、支配欲を満足させていたの
 でしょう。『自分の意志一つで、いつでも殺してかまわない存在』というのが根底にあったからこぞ、彼女
 は貴方達を可愛がったのです。」

『そ、そんな事は無いデス!ご、ご主人様はいつだってワタシ達に優しくしてくれたデス!  ワタシ達を
 愛してくれたデス!! 『いつでも殺してかまわない』なんて思っているはず無いデス!!』

「本当の意味で実装石という生き物が好きだったなら、たとえ野良でも簡単には殺したりしない筈ですよ。
 ビジネスならともかく、自分で飼うペットに「血統書付き」だの「野良」だのと言っている人間は、
 良くも悪くも多少は物欲を満足させるためにその動物を飼っています。」

実際、彼女の身辺調査では、ブランド、プレミア、高級品…彼女の物欲全開の生き様が記されていましたか
らねぇ。

「つまり、貴方達の飼い主はね、別に貴方達自身のことなんか愛していなかったんですよ。
 彼女が愛していたのは『彼女の所有物』なんです。あくまで『彼女の所有物』としての『血統書付きの実
 装石』ですね。」

『た、たとえそうだとしても、だ、だからどうだと言うのデス? 『ヒア』だって、『ワタシ達』だって、今
でも『ご主人様の所有する実装石』デス!!』
「いいえ、あの『ヒア』とか言う仔実装は『彼女の所有する実装石』の資格を失ったんです。 …「それ」
 のせいでね。」

そう言って、『ヒア』が眠っていた間に、『ヒア』自身にも気が付かないよう取り出したもの…
…ヒアの『偽石』を指さします。


「あのダンボールの中に入れた手紙には、こんな内容のことを書いておきました。

『…親実装石が泣いて頼み込むので、一匹だけ仔実装をお返しします。 ただし、偽石は抜かさせていただ
 きました。なるべく割らないつもりですが、当方虐待者ゆえ、気まぐれを起こしてもご容赦いただきたい。

 代わりというのも変ですが、今後、貴方が他の実装石を飼っても一切手出しはしないことをお約束します。
 同封させていただいた封筒のお金は迷惑料です。お納めください。では失礼。』

 …手紙を見た後、『ヒア』を裸にして身体中をまさぐっていたでしょう?
 あれは偽石の有無を確かめていたんですよ。で、確かに抜き取られていたと。偽石を抜き取られたことで、
 『生殺与奪』の権利は飼い主である自分から、『誰とも分からない誘拐犯』のものになってしまいました。
 少なくともその一部、『好きなときに殺す権利』はね。別な言い方をすれば、この先、この仔実装にどれだ
 け手間やお金や愛情を注いでも、ある日突見ず知らずの虐待派に偽石を破壊され、

  『チブッ!!』

 と叫んで死んでしまうようになった訳です。

 …それでも愛情のある飼い主なら、『残された日々を、大切に生きてゆこう』とでもなるんでしょうが、
 あなた方の飼い主は、そうじゃありませんでした。そうして死んでしまうようになった事は、単なる
『欠陥』でしかなかったんです。」
 
その上で、今後は一切手を出さない、と約束した上で、血統書とやらを確認して、飼育費込みで、同じ頭数
なら貴方達より2グレードは上の超高級実装石を買える金額を『迷惑料』に入れておきましたからね。

「で、彼女は『生死が他人に決められてしまうなら、自分の物じゃないからもういらない。今後は一切手出
 ししないと言っているし、充分納得のいく『迷惑料』も手に入った。もっと高級品の実装を新しく買って
 この件は終わりにしよう。』という結論に至った訳です。 こうして『ヒア』は『不要品』として公園に置
 き去りにされ、貴方達は見捨てられた、という結果となりました。
 この先、仮に貴方達があの家に行くことがあったとしても、その時には、貴方達よりもっと高級な『飼い
 実装』達があの家で飼われているはずです。 つまり、あの家に、もう貴方達の居場所は無いのですよ。
 というわけで、判ったことは『貴方達の飼い主が貴方達を必要としていないこと』ですから、貴方達を飼
 い主に戻す、という話も無しです。」

…実際、『ヒア』に連れられてダンボールのところに戻ってきた飼い主は、実装のカタログを持っていました
からねぇ。あれは多分『次の実装石』を物色してたんでしょうね。私の手紙は『渡りに船』だったはずです。

「…私的な意見としては、公園に『生ゴミ』を不法投棄するのはいかがなものか、ちゃんと生ゴミの日に集
 積場に出すべき、と思いますがね。」
『…『生ゴミ』? 何のことデスゥ?』
「決まっているじゃないですか、あの『ヒア』とか言う『生ゴミ』です。」
『!! …デジャァアアア!!私の娘は、『ヒア』はゴミじゃないデスゥ….あんまりデス、あんまりデス…
 何でワタシ達ばかりこんなヒドイ目に会うのデス…  いままでずっと幸せに暮らしていたのに…あんま
 りデス…。  何でわざわざこんなことまでしてワタシ達を不幸にするのデス…。』

…血統書付とか言っていましたが、野良とたいして変わらないリアクションですねぇ。


『テシュン、テチ。』

おや、野良仔実装の一匹がくしゃみをしました。最後のイベントのため、この部屋は今、少々温度を低めに
設定してありますからねぇ。

…さて、それじゃ仕上げに掛かりますか。

『に、ニンゲンサマ、ちょっと寒すぎデスゥ。 少し暖かくして欲しいデス。』

仔供を気遣った野良親実装が、私にお願いを立ててきます。 ん〜、計画どおりですねぇ。

「そうですねぇ、その水槽の中で、貴方達が暖を取る方法は二通りあります。」
『デス?』
「一つ目は、貴方達が協力して身体を温めあう方法です。八匹で抱きあえばかなり暖かくなるはずですよ。」

そう言いながら野良実装達と飼い実装達を区切っていた透明なアクリル板を水槽から引き上げました。
これで、両者が直接触れ合うことが可能になりました。

『デ、こんな奴らと暖めあうなんていやデスゥ!!』
『こんな奴ら、何の役にも立たないテチィ』
『こいつらは威張るだけで何の役にも立たない奴らテチ!!』
『こいつらは血の通っていないレイケツカンだから冷たいテチ!!』
と、野良達。

一方、飼い実装達は、
『いやデスゥ、それはさすがに耐えられないデスゥ…』
『臭いニオイが移るテチ〜! 絶対いやテチ!!』
『こんな薄汚い野良に触られたら病気になっちゃうテチ!! 絶対いやテチ!!』
『何で飼い実装のワタチ達が寒さに震えなきゃいけないテチ!! 毛布もって来いテチ!!』

お互いを醜くののしりあう実装達。全く、糞蟲と呼ぶのがふさわしいですねぇ。 さて、板を外した後、水
槽の上に特製のヒーターをセットします。

「じゃあ二つ目の方法です。今、上にセットしたものは特製の発熱ヒーターです。温度レベルは現在の停止
 状態の0から、最大温度の8まで9段階があります。レベル3だとちょうど春ぐらいの暖かさでしょうか。
 しかし、それを超えてレベル4になると、砂漠の温度さえ超える高温になり、即死とまでは行きませんが、
 貴方達実装石なら半日ほどで干乾びて死んでしまうでしょうねぇ。」

『テェェエエエ〜!!』
野良仔実装の一匹が恐怖におびえた声を上げます。

「それよりも温度を上げると、レベル7辺りで実装服が燃え出すでしょう。 まあ、レベル3よりも熱くし
 なければ問題はないですが、ね。」

『デ、恐ろしいデス。』
『絶対3より熱くしないテチ。』
『分からないテチよ、あいつら馬鹿だから何をするか分からないテチ…』
『デスデス…』
『テチテチ…』

双方、まだなにやらまだぶつぶつ言っていますねぇ。これから頑張って私を楽しませて暮れないと困るのに。

『…それで、スイッチはどこにあるテチか?』
お、『テス』とか言う飼い仔実装がようやくそのことに気が付きましたね、よしよし。

「スイッチは、貴方達です。」

『『デ?』』
『『『『『『テチ?』』』』』』

「その水槽の中で、実装石が一匹死ぬたび、ヒーターが一段階アップします。分かりますか?貴方達の誰か
 が一匹死ぬたび、水槽の中が少しづつ暖かくなるんですよ。」
『デ、い、一体何でそんなことになっているデスゥ?』

飼い実装達の親、『ルク』が叫びます。荒事とは無縁の世界に住んでいた飼い実装石だけに、こんな『虐待』
は理解できないできないのでしょうねぇ。

『…つまり、実装石が三匹死ねば良い、ということデスね?』
一方、野良実装の親は理解が早い。厳しい野良の世界で生きていただけあって、生死が掛かった荒事にも充
分慣れているようです。

「別にそんなことは言いませんよ。ただ『実装石が三匹死ねば、ちょうどいい暖かさになる』と言っている
 だけです。」
『…分かったデスゥ♪』

ふふっ、もの分かりが良いですねぇ。 こちらの期待通りに動いてくれる。 本当に助かりますよ。 一方、
その話を聞いて、飼い仔実装達が、野良実装達のところに近づいてゆきます。 実装石というのは、どうに
も自分の都合だけしか考えられないみたいですねぇ。この飼い実装も、それから…。

『そういうことなら、オマエ達野良の中から三匹死ねテチ。』
『オマエ達、薄汚くて何の役にも立たない野良が、ワタシ達の役に立てるテチ。光栄に思えテチ』
『残った一匹はワタチ達の奴隷にしてやるテチ。ワタチ達の奴隷には役者不足テチが、仕方なく使ってやる
 から感謝しろテ…テェエエ!?』

のこのこと近づいていった飼い仔実装達の一匹が野良の親実装に掴み上げられました。
飼い親実装は悲鳴を聞いて声のする方向を向きましたが、何が起こっているのか、瞬間把握できていません。

『な、何をするテチ!!汚らしい野良がワタチに触る…』
ガブリ!!

『テギャ!!』

ブチャ!!  ぷらり…だらん。

野良の親実装が、掴み上げていた飼い仔実装の頭を食いちぎりました。そのまま「ボリボリ」と咀嚼してい
ます…。

『ペッ、不味くて喰えないデスゥ。』
仔実装の頭…散々噛まれてグチャグチャになったそれを吐き出したかと思うと、足でグリグリと踏み潰しま
した。 二匹の飼い仔実装は、目の前の現実の凄惨さに心のブレーカーが落ちたのか、硬直していますねぇ。

『良いものを食べていても、心が腐っているからロクな味にならないデスゥ。』
ほう、言いますねぇ。直接復讐できるとなると、鬼気迫るものがありますね。 と、ヒーターがレベル1ま
で入りました。

『? 少し暖かくなったデス!?』
『きっとそいつをやっつけたからテチ!』
『あと二匹やつつけたら良いのテチね!!』

それを聞いて、飼い実装の親が危機に気づきました。
『デ、こ、仔供達、こ、こっちに戻ってくるデス!! は、早く戻るデスゥ!!』

大急ぎで仔供達に戻るように悲鳴をあげますが…だめでしたねぇ。一匹は野良の親に、もう一匹は野良仔実
装三匹に取り押さえられました。

『テチ〜、な、何をするテチ!! 触るなテチ〜!! 汚れるテチ〜!!』
『は、離せテチ〜!! 野良の分際でワタチに何をするテチ〜!!』

『デ、や、止めてくださいデスゥ、こ、仔供を離してくださいデスゥ!!』
飼い親実装が近づこうとしますが…

『よるなデス!! 近づいたらコイツらも喰いちぎって殺すデス!! もっと離れろデス!!』
『デ、デスゥ…。』

手に捕らえた飼い仔実装を盾に、飼い親実装を遠ざける野良実装達。 ほう、このパターンですか。バトル
ロイヤルになるかと思っていましたが。 ま、いいでしょう。

『オマエ達、そのクソガキを裸にして髪も抜いてやれデスゥ!! 殺された姉妹達のうらみを晴らすデス
ゥ!!』

『分かったテチ!!』
『こんな服破いてやるテチ!!』ビリビリ…
『ヒ〜、何をするテチィ!! わ、ワタチの大事な服が台無しテチィ!!』

三匹の野良仔実装に押さえつけられていた、飼い仔実装の高級実装服がビリビリに破かれました。

『髪も全部抜いてやるテチ〜!!』 プチ、プチ!!
『テギャアア、や、やめ、止めるテチ〜、や、止めてくださいテチ〜!!』
『もう手遅れテチ。ぜ〜んぶ抜いてやったテチ♪』 
『ヒャアアァア、そ、そんな、あんまりテチィ…。ママ〜、ママ〜、た、助けてテチ〜!!』

『デ〜!! こ、仔供!! ワタシの仔供!! 仔供を返してくださいデスゥ!!』
飼い親実装は泣きながら訴えるが、野良たちは聞く耳を持ちませんねぇ。 そのありさまを見て、もう一匹
の飼い仔実装、野良親実装に捕まえられている方の飼い仔実装が声を上げました。

『オマエ達! 野良の分際で、ワタチの妹に、『タチちゃん』に何をするテチ!!もう許さないテチ!!
 全員踏み潰してコロシてやるテチ!! そこにドゲザして並べテチ〜!!』

『…馬鹿デスか、オマエは』 
野良親実装は、手中の仔実装を、握り締めたまま水槽の外壁のガラスに叩きつけました。

バシ〜ン!!!
『テギャ!! な、何をするテチ、身の程をわきまえろテ…』

バシ〜ン!!! もう一度叩きつけました
『ヒギャ!! よ、よくも二回も、もう許さな…』

バシ〜ン!!! 更に叩きつけるますね…
『グギャ!! や、止めろテ…』

バシ〜ン!!!
『バギャ!! ゆ、許し…』

バシ〜ン!!!
『ギギャ!! ヒェェエ…も、もう許してくださいテチ……』

『…オマエ、あの時自分達がなんて言ったか覚えてるデスか…?』
『テ、テチ…!?』
『『テプ!ブサイクな奴らテチ!!』
 『チプ!!やっぱり野良は駄目テチ!!』
 『ヘプ!!飼い実装石のワタチ達とはウンデイの差があるテチ!!』
 『テププ!家族を殺されて平然としているなんてサイテイな奴らテチ!!』
 …そう言っていたデスね…』

『テ? わ、ワタチは『ブサイク』しか言ってないテ…』

『何が『ブサイク』デスか!!  (ドガ!!)
 何が『駄目』デスか!!    (ベキ!!)
 何が『ウンデイの差』デスか!!(バキ!!)』
 
『ゲェエエェェ …モ…モウ…ヤメ… ユルシテ… クダサ… 』

『家族を殺されて平然としていられる訳があるデスか!!(ボキ!!)
 ずっとずっとこうしてやりたかったデス!!(ガギ!!)

『ヒィィイイ… ..マ …ママ… タ… タスケ…』
『デ、や、止めてくださいデスゥ、『メル』が、こ、仔供が死んじゃうデスゥ!!』

『ぅぉおおお思い知れデス!!!(ドギィ!!)』
『ギャァアア〜!!!!』

ビチャ!!
ぷちゅ…。


…野良親実装が全力で仔実装『メル』を外壁に叩きつけました。 で、『メル』は『仔実装』から『水槽の外
壁に浮かぶ紅と翠の汚物』にレベルアップしました、と。 これでヒーターもレベル2にアップ、更に暖か
くなりました。

『デギャァアァァアア、こ、仔供が〜、『テス』に続いて『メル』まで、『メル』まで死んじゃったデスゥ
〜!!!!』

『デププ…いい気味デスゥ。あと一匹コロさないと充分暖かくならないデスね…。』

野良の親実装が、禿裸にされた、最後の飼い仔実装のほうに視線を向けます。おや、野良仔実装三匹にリン
チされていたんですね、顔面が腫れ上がってボロボロです。

『テ、テフィィ… マ、ママ、助けテェ…』
『うるさいテチ!』ドガッ!!
『ヒギャ!!』

最後の飼い仔実装はぶるぶる震えています。 オマケに殴られたショックで脱糞しましたねぇ(パンツは無
いのでパンコンじゃないです)。

『ヒェエエ〜、『タチ』! ああ、なんてことデスゥ!! は、離して!! 仔供を離してくださいデス!!』

『ダ ・ メ ・ デ ・ ス !!!   オマエら『捨てられ実装』は、野良実装以下デス!!
 何でそんな糞なヤツの頼みを聞かなきゃいけないデス!!  …ん? ….そうデス♪ 糞デス♪』

おや? 野良親実装が何か思いつきましたね… 『タチ』の糞を掬って…飼い親実装の方に投げましたが…?

『そのウンコ喰えデス。』

ほ〜、そうきますか。

『デえェエェエエエ!? こんなもの食べられないデス!!』
飼い親実装が絶叫しますが…

『ワタシ達野良実装は、本当にエサが無い時はそれを喰うデス。 それを喰わない内は、まだ自分の方が
 ワタシ達より偉いと思っているということデス。そんな思い上がった糞蟲なヤツには、罰を与えてやる
 デス!!』

野良親実装はそう言って、『タチ』の上に片足を乗せて加重を加えてゆきます。
『テヒャァァアア、 ま、ママァ!!! 助けてテチィ!! お、重いテチ〜!!』
『ヒェ〜、わ、分かったデス!! た、食べるから許してくださいデス!!』

そういって、飼い親実装は糞に近づいて行きました。
そして…

『デ…  ぅうう…. チラッ(仔供を見る) …(『タチ』)…ぅううう (パクゥ)  …
 むぐ!! …うげ!! ゲ! ゲホ… ククゥ…(ゴクン!)  …ウグググ… 
 た、食べたデスゥ、ゲホゲホ…。』

これまで生ゴミさえ食べたことの無い生粋の飼い実装には、この糞喰いはきつかったでしょうねぇ。
母の愛の成せる行為ですねぇ。感動ものですよ、全く。 ククッ。

『デププ、『捨てられ実装』が『糞喰い実装』になったデスゥ〜♪ オマエ達、『サイテイ』デスゥ〜♪』
『糞喰いテチ〜♪』
『オマエのママは糞喰いテチ〜♪』
『何が高貴な『飼い実装』テチ!! 下衆な『ウンコ喰い実装』テチ!!』
『テスン、テスン…ママ、ごめんなさいテチィ…』

『さ、さぁ、ちゃんと食べたデス。 約束デス、仔供を還して欲しいデス…。』
両目から紅と翠の涙を流しつつ、飼い親実装が野良親実装に嘆願しますが…

『何を言っているデス? 何で野良以下の糞喰い実装の頼みなんか聞かなきゃいけないデスゥ? ププ…
 大体、あと一匹コロさないと寒いままデスゥ〜♪』

『デ〜!? や、約束が違うデスゥ!! 食べたら殺さない約束だったはずデスゥ!!』
『そ、そうテチ!! 早く離せテチ!! その汚い足をどけろテチ!!』

『喰わなきゃ罰を与えてやる』と言っただけデス、『喰ったら助ける』なんて約束してないデス〜!!
 大体、オマエは糞喰いの仔供のブンザイで、ワタシの足を『汚い』とか言うなんて生意気デス!! 
 罰を与えるデスゥ♪』

…それなりに賢い野良だったはずなんですがねぇ。復讐の喜びですっかり糞化してますねぇ。

『テテェ!? ひ〜、お、重いテチ、重いテチ、お、オモ…テチャアアァァアアァアアアアウアウアウアウ
アァァァアアアアアアアア…..!!!!」

『デジャァアア!? や、止めてデスゥ〜!!』
飼い親実装が必死で走り寄りますが….。

『デピゥ〜!!』

プチッ!!
べっとり…

『デ…ェェ…ェエエ…エェェェェァェェァエアアァァァアァァァァアアアーーーーーー!!!!!!!!』
飼い親実装が絶叫します。まぁ、これで自分の仔供は全滅ですからねぇ。無理もありません。

一方、野良達の方は…..
『デッス〜ン♪これで仔供のカタキが討てたデ〜ス♪ これでスッキリしたデスゥ♪ ニンゲンサマ、あり
 がとうデスゥ♪』
『テッチュ〜ン♪ お部屋もちょうどいい暖かさになったテチ〜♪』
『テッチ〜♪、テッチ〜♪ 春みたいテチ〜♪』
『テッテレ〜♪ ぽかぽかするテチ〜♪』

これで、ヒーターはレベル3。水槽の中は春の暖かさ。野良実装達は大満足のようですねぇ。調子に乗って、
野良仔実装達が飼い親実装のところにちょっかいを掛けに行きます。これ以上ヒーターが熱くなれば、飼い
親実装も死んでしまう。だから何も手出しはできない。そう思って安心しているのでしょう。

本当に、実装石というのは、どうにも自分の都合だけしか考えられないみたいですねぇ。死んでしまった
飼い子実装達に限らず、それから、この野良実装どもも…。

『テッチ、テッチ、これでも喰らえテチ♪』ぴちぴち。 最後に死んだ『タチ』の残骸を見つめて硬直して
いる飼い親実装を殴る。

『テッタ、テッタ、これもどうだテチ♪』ぷちぷち。 まだ硬直している飼い親実装を蹴る。
『テッチュ、テッチュ、ワタチもやるテチ♪』ぺちぺち。 まだ硬直している飼い親実装を…  いや?

ゆらり。

ゆっくりと飼い親実装が動き出しました。 そして、そのまま、周りの野良仔実装を一匹掴み上げます。
そのまま、右手で仔実装の右足を、左手で仔実装の左足を、それぞれ掴みました。 逆さ釣りです。
でも仔実装はずいぶん余裕ですねぇ。

『テッテ〜♪ 怖がらせようとしても無駄テチ〜♪ ワタチに何かあれば、熱くなりすぎてオマエも死ぬテ
 チ〜♪ だから… チュベ!?』

ブチン!!
そのまま飼い親実装は、容赦なく手を左右に広げ、野良仔実装を引き裂きました。


『テ!?』
『テヒャ!?』

予想外の出来事に、唖然とする野良仔実装達。 ま、私としては大体予想通り、ですが…。

ブーーーーーン。
音を立ててヒーターが働き始めます。

これでヒーターはレベル4。 砂漠の熱さです。

『テ、あ、熱いテチ〜!!』
『ヒ〜、お、オマエは何を考えているテチ〜!!』

『デ、な、何をするデス!! こ、この糞喰い実装が〜…グギャ!?』
バシィ!! 野良親実装が、飼い親実装に掴みかかろうとしましたが、逆に飼い親実装に殴り倒されました。
血統も、食生活も、飼い実装のほうが野良より圧倒的に上ですからねぇ。

親対仔とか、三対一とか、人質…いや実装質とか、そういうアドバンテージがないと、本気になった飼い実
装には、腕力ではかなわないでしょうねぇ。 そのまま飼い親実装は野良親実装に殴りかかります。

『『メル』も!! (ドス!!)
 『タチ』も!! (バス!!)
 『ヒア』も!! (ギス!!)
 『テス』も!! (グス!!)
 ワタシの仔供達はみんな死んでしまったデス!! (ベス!!)
 ご主人様にも見捨てられてしまったデス!! (ゴス!!)

 もう生きていても仕方が無いデス!! (ボス!!)
 死んでやるデス!! (ジス!!)

でもッ!! オマエ達は許さないデス!! (ポス!!)
仔供のカタキデス!! (ジス!!)
やつつけてやるデシャァアア!!! (ダス!!)』

『デ、デスゥ〜…』
どさっ。

飼い親実装に殴られ、息も絶え絶えになった野良親実装。とりあえず生きていますが、ボロボロです。
一方、殴りすぎで飼い親実装の両手もズタズタになっているんですが、気にしていない様子。水槽の中も
結構な熱さになっているはずなんですがねぇ。見事なぶちキレぶりです。


『デスゥゥウウウゥゥゥゥ…』
鼻息荒く、立ち上がった飼い親実装。次なる標的、野良仔実装を探します。


野良仔実装達は水槽の反対側にいました。凄まじい熱さなのに、恐怖でガタガタ震えています。そこに
ノッシ、ノッシと近づいてゆく飼い親実装。

『テ、た、助けてテチ〜!!』
『ヒ〜、は、離せテチィ〜!!』

叫ぶ野良仔実装を無視して、両手に一匹づつ掴み上げました。 そうして野良親実装の元に戻ると…

『デ…な、何を… わ、ワタシの…仔供に何を… する気  …デスゥ…』
『『テス』は『不味くて喰えない』…そう言っていたデスね… じゃあ、さぞやオマエの仔供は旨いのでしょ
うデスね。 …味を見てやるデス!!!』

『ギャビ!?』
ガブリ!!

頭から片方の野良仔実装を親の目の前で丸かじり。 そのまま、ボリボリと咀嚼したかと思うと…

『ペッ!! 恐ろしく不味いデス!! さっき喰った『タチ』のウンコのほうが数倍旨かったデス!!』
そう言って、野良仔実装の頭の残骸を、親である野良親実装の顔に吐き出しました。


『お、おま、オマエ、許さないデ…  デェェエエ、あ、熱い、熱いテス〜!!』
野良親実装が、飼い親実装に話し掛けている途中で、ヒーターが更に1段階上がりました。
これでレベル5。汗が直ぐに蒸発する熱さです。 しかし、飼い親実装はまだ平然としていますねぇ。

『あ、熱いテチ、苦しいテチ、マ、ママ助けてテチ… グギャ!?』
飼い親実装は、最後の野良仔実装の手足をもぎ、髪も抜いてしまいましたね。 達磨仔実装ですか。

『ギャァァァァアア、い、痛いテチ〜!! た、助け…』
『こ、仔供!! わ、ワタシの仔供に何を… ム、ムグ?』

達磨仔実装を野良親実装の口に放り込みました。ちょうど仔実装は頭だけ出ている状態です。

『オマエの仔供、不味すぎデッス!! どれほど不味いか、一度味わって見ろデスゥ!!』

そう言って飼い親実装は、左手で野良親実装の髪を、右手で野良親実装の下あごを押すように持つと、
そのままガラスの壁…ちょうど私が居るほうに突っ走ってきました。

『デデデ…』
『ムッグ、ムッグ!!』
『テチャァアア〜!!』

三者三様の声を上げながら、ガラスの方に近づいてゆき….

ドン!!

『チュベ!?』
ガブリ!!

頭頂をたたきつけられ、且つ下あごを押さえつけられていたせいで、野良親実装は自分の仔を噛み千切って
しまいました。 仔実装の頭が千切れて野良親実装の目の前を落下してゆきます。

『デ!? …デェエエ〜ン、デェエエ〜ン』

これでお互い仔実装は全滅、親達も時間の問題、ですね。何しろヒーターは更に上がってレベル6。大体熱
したフライパンくらいの温度でしょうか。 どちらの親もばったりと倒れ、なにやらブツブツとつぶやいて
います。

『『メル』… 『タチ』… 『ヒア』… 『テス』… もうじきママも行くデス…あの世でみんな仲良く暮
 らすデス…』
飼い親実装のほうは、死んでしまった仔供達に話し掛けていますね。

一方、野良親実装のほうは…
『な、なぜデス…? どうして…どうしてワタシ達は幸せになれないデス…? どうして不幸のまま死なな
ければならないデスゥ…』

なぜ自分は不幸なのか、誰にともなく問い掛けています。 折角です。答えを教えてあげるとしますか。


    *            *            *            *


「決まっているじゃないですか。貴方達が愚かだからですよ。」
『…デス?』
『…デェ?』

熱さとショックで死にかけの野良親実装石と飼い親実装が、不思議そうな顔をしてこちらに顔を向けます。
野良は無論、飼い実装のほうも、野良のつぶやきは聞こえていたのでしょうね。

「だって考えて御覧なさい。貴方達の本当の敵は一体だれですか?
 誰か、要らないちょっかいを掛けた者がいませんでしたか?
 そいつが居なければ、公園なり飼い主の家なりで、今でも仔供に囲まれて幸せに暮らしていたはずじゃ無
 いですか?

 ヒーターのスイッチにしてもそうです。『実装石が死ぬごとに暖かくなる』なんて、どう考えても貴方達を
 陥れるものとしか考えられないじゃないですか。そんなことを考えた者が、明らかに貴方達の本当の敵で
 す。

 レベル3が適温、というのもそうです。
 適温になるレベルの数値が偶数なら手打ちの可能性もあったでしょう。適温になるレベルが4ならどちら
 かだけが全滅して安定する、という場合もあったでしょう。
 そうならないように、争いの種が残るように『レベル3』で適温、なんてだれが設定したと思います?」


ま、だからこそ、バトルロイヤルの予想が外れて、実装質による飼い仔実装皆殺し、になっても全然気にな
らなかった訳ですが。ふふ、どういうルートを辿ろうと、最終的には全滅することが目に見えていたんです
よ。


「そいつが、本当の敵がずっと目の前に居たのに、そいつのことはそっちのけで、目先の争いに終始してい
 たことが、貴方達が幸せになれない理由ですよ。本当の敵がわからない、生きるために協力することもで
 きない。その愚かさが幸せになれない真の理由です。」

『…! そうデス!! お、オマエが!! オマエが居なければ!!』
『…! オマエのせいで… オマエのせいで、ワタシは何もかも失っ…』

息も絶え絶えだった二匹が幽鬼のように立ち上がり、水槽の外壁を力なくたたき始めました。しかし…

「…教えたはずですが、ね。

 『実装石ごときが、人間を『オマエ』呼ばわりとはなんですか。 私を含め、『人間』のことは『ニンゲン
  サマ』と呼びなさい。 ペナルティです』」

少々芝居がかってそう言い放つと、指を鳴らして合図を送りました。 ヒーターは一気にレベル8。実装服
に火がつく温度を一気に超え、脂肪分など、実装石の肉体自身が発火する超高温です。特殊耐熱ガラスでな
ければ溶け出しています。


『デギャァアアアーーー、ぁああ熱い熱い熱いデスゥーー!!!!! ヒィ、火がぁああーーー!!!!!』
『ギヒィィイイイィィーーー、も、燃える燃える、か、身体がぁああ燃えてしまうデスゥーーーー!!!!!』

ほっ。
「指を鳴らしたら一気にレベル8に」と事前に言っておいたことが無駄にならずにすみました。他の「指パ
ッチンで合図」の人たちも、こんな打ち合わせを事前にやっているんですかねぇ?

「一応、チャンスは与えたんですよ? 最初に、
 『一つ目は、貴方達が協力して身体を温めあう方法です。八匹で抱きあえばかなり暖かくなるはずですよ。』
 そう言ったでしょう? そうやって、人間以上の自制心を見せて協力することができたなら、
 『賢明なる者、生きる資格あり』と認めて、貴方達を逃がすなり、この屋敷で飼ってやるなりしてやって
 も良かったんですが。まぁ、そうならないように誘導していったんですがねぇ….クスクス。」

でもまぁ、両方の希望に応えましたよ?
飼い親実装の「仔供達だけは助けてくださいデス」に応えて飼い主のところに戻してあげたり、そのチャン
スは与えてあげました。その後のことは飼い主の問題ですし。
野良のほうも、「こんなことなら、あの飼い実装どもと刺し違えた方が良かったデス」の希望どおり、「刺し
違えて」仲良く全滅、ノープロブレムですね。

なんて優しい私。愛護派も顔負けです。


『ギギ…』
『ギャア…』

最早実装石自身が発火し、生きた「炎の柱」となった二匹。お互いにもたれるようにしながら、なにやら喚
きだしました。 最後の言葉、ですか。

『デ… お、オマエは …お、鬼…  デ… ス……。』
『あ、悪魔…  悪… 魔… デ…ス… オ… マ…エ…は…。』


ふふっ。

「よく言われますよ。実装にも… 人間にもね。」

『チベッ!!』  ぱたん。
『デヒャッ!!』 だらん。

断末魔のうめきを上げて、野良親実装と飼い親実装が倒れました。生前は憎しみあった二匹ですが、今では
何とも仲良しのようで、まるで親友同士のように仲良く折り重なって倒れています。

う〜ん、何ともいいことをしたような、清々しい気分ですねぇ。

ヒーターを止めると指示を出します。

「このあいだの下らない、ブリーダーから回ってきた実装はまだ生きていますか?」
「はぁ、なるべく長く苦しませるように、とのことだったので、手足を落とし、髪を抜いて、庭に放置して
 おります。『邪魔になったなら一言『死ね』と命令して下さいまし』と懇願しておりましたが…」

「いいでしょう。ならヒーターを5に設定して、この中にヤツを放りこんでおきなさい。
 『このゴミどもを喰らって綺麗に掃除しろ』と命令を出してね。必死にこなそうとするでしょうが、命令
 を完遂するまでに息絶えるでしょう。やっと与えられた命令が達成できない苦悩を抱えてくたばるのが、
 無能な実装にはお似合いです。」
「はい、かしこまりました。」

…実を言えば、そうやって絶望して死んでゆくことこそが、貴方が唯一私を満足させる方法な訳です。良か
ったですね? この愚かな野良や飼い実装ほどでないにしろ、本当は貴方は主人を喜ばせて死んでゆくんで
すよ。ククッ。

「さて、それでは仕事に戻りますか。少々遊び過ぎました


    *            *            *            *


私ですか?
そうですね、私のことは『会長』、
とでも呼んで下さい。

私のことは、色々な連中が、色々な呼び方をします。

若いくせに頂点に立ったおかげで、
『総帥』とか、『社長』とか、『旦那さま』とか、『ご主人さま』とか呼ばれたりします。

ちょっと変わったところでは、
『お前』と呼ぶ人が一人と、あとは『兄様』と呼ぶ牝が一人。

他には『鬼』とか『悪魔』、と言う連中もいますねぇ。

実装とか、人間とかにもね….。

ふふっ。




























−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
旧虐保に3本ほどスクを投下していたんですが、それらを読み返してみると
「これ…虐待じゃなくて、単に実装が酷い目に会って死ぬだけだろ?」
という事実に気づきました。

それで一度ガチ虐待を書いてみたつもりですが…どうだったでしょうか?

でも虐待は疲れますね、心理的にも。やっぱり自分には「単に実装が酷い目に会って死ぬだけ」が限界みた
いです…。

追記。
今回も最後のほうで、スクに「結構」という単語を入れてしまいました。
どうしても使ってしまうなぁ…。

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