タイトル:いかれ女の実装石1
ファイル:いかれ女の実装石1.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3021 レス数:0
初投稿日時:2007/06/17-17:00:40修正日時:2007/06/17-17:00:40
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                 「いかれ女の実装石1」






「ハァハァ、ハァハァ・・急ぐデス」
「ハァハァハッハッ・・遅れるとまた殴られるデス」

ワタシの名前はミミ、この名前はご主人様が付けてくれた大切な名前。
ママに捨てられ泣いている所を、今のご主人様に拾われた。
それ以来ミミは、このご主人様の家でずっとお世話になっています。

今年で二十歳になるご主人様は働いていて、キュウリョウと言う物を貰いミミにご飯を食べさせてくれる。
普段は優しい女の人だけど、機嫌が悪い日はとても怖い人間になる、そして今日はとても機嫌が悪い・・

機嫌が悪い日のご主人様は虐待派です、何か理由を付けてはミミを殴りすぐに苛める・・
今も10分以内に新しく出たコーラと言う飲み物を買って来いと言われた。
コーラなんて分からない、それに10分って言われてもミミには分からない、とにかく短い時間だって事以外は・・
ワタシはコンビニで多分これだと思うコーラらしき物を買って、抱えて今走っている。

店員さんは実装石のミミを見て嫌な顔をしたけど、お金を渡すと渋々袋にも入れず床に投げてよこした。
床に転がるお釣りとコーラを拾い、ワタシは一目散にそこから逃げ出した。
実装石がお金を持ってるなんて見られたら、そこら中にいる虐待派に殺されるから。
背中から店員さんの笑い声が聞こえる。

ペットボトルが冷たく重い、水滴で滑り落ちそう。

「早く・・早く行かなきゃ・・また前みたいに苛め抜かれるデス」

あと少しで家に着く所にゴミ箱があった、その蓋から何か足のような物が垂れている。
ワタシは走るのをやめると、そのゴミ箱を見つめゴミ箱の前まで来た。

「蓋から飛び出てる足はお人形さんデス・・・欲しいデス・・でも・・」

人形なんて拾って帰ったら、きっとご主人様は許してくれないに決まっている。
でも・・・でも・・・そうだ、パンツの後ろに挟んで服で隠せばバレナイ・・うふふ。

ミミのご主人様はミミの自由を一切許してくれない。
ミミが喜ぶ姿が気に入らないんだ、だから人形なんて絶対に買ってくれない。

背伸びをして手を伸ばすと、人形の足を掴んで下ろした。
少し汚れてるけど、どこもおかしい所は無い。

「か、可愛いデスゥ、柔らかい金髪のお人形さんデス」
「パンツの中に隠せば、きっと分からないデス」
「ご主人様もあれで随分と抜けてる所があるデス」

パンツに挟み服で隠すと人形は完全に隠れた、ワタシはまた家路へ向かう。
ワタシは自然と笑顔になる、嬉しい・・・この人形はミミの妹にするんだ。



             △


家に着くとご主人様がベッドに腰掛けて、無言でミミを睨みつけている。
10分・・・きっと間に合わなかったんだ、ワタシはコーラを目の前に置くとご主人様に謝った。

「ご主人様!ミミ頑張ったデス」
「だから、だから痛い事は勘弁してデス」

土下座をして頭を擦り付けると、ご主人様が話し出した。

『テンメー・・・俺はゼロコーク買って来いって言ったよな、
 なんだこりゃ、ネクスじゃねーか!!』

どうやら買って来た物が違うらしい、でもミミには種類なんて分からない。

「ミミ分からないデス、コーラ買って来たデスゥ」

ご主人様は振り上げた拳をいったん下ろすと、ワタシにゆっくりと説明をした。

『ミミちゃ〜ん、私はゼロが飲みたいの、分かる〜これよこれ!!』

雑誌を広げるとミミの顔に押し付けた、これが欲しかった物なんて見せてくれなかった癖に。

『それと・・制限時間も過ぎてるわね』

ワタシは恐怖で体が凍りついた、ご主人様の口調はミミを苛める気が満々だ。


『あぁ!聞こえたのーミミ!!』

いきなり乱暴な口調に変わると、ご主人様の拳がワタシの左頬を襲った。

ボグ!!

『デェ!!』

ワタシは引っくり返ると左頬を押さえてうずくまった、左頬が熱い。

『ん?おいミミ、背中のそりゃなんだ?』

ヒョイ

あっ人形が・・ご主人様にばれちゃう。

「途中で拾ったんデスゥ・・ミミの妹デス」

『ケッ!妹ってこの薄汚れたこれがか?』
『ギャハハ!笑わせるぜ、ミミの妹ね〜・・ククク・・ギャハハハ』

ご主人様がミミの事を笑っている、ワタシは体中が熱くなって恥ずかしさで真っ赤になった。

『人形なんて生意気!奴隷は奴隷らしくしてなさい』

ご主人様は人形をミミの目の前で千切り始めた、ワタシは耐えられずご主人様にすがりつく。

「デチャァ・・やめてデス!返してデス!ミミのお人形さんデス!!」
「壊しちゃいやデス!ミミ良い仔にしてるデス、お願いデス、お願いデスゥ・・デェェ」

ビリビリ、ブチチ!!ベシャッ!

ご主人様は目の前でビリビリに千切り、ミミの人形を床に投げつけた。
ワタシは悲しくなってその前にうずくまると、泣き出してしまう。

「なんで・・なんでデス!デェェン、デェェン・・ミミの妹ビリビリデス・・」
「ひどいデズゥ、デスゥゥン・・少し位ミミの事も考えて欲しいデス・・」
「お人形さん返してデス!元通りにしてデスゥ・・デ・デ・デァァァァ」

『おいっ!!』

ご主人様の鋭く甲高い声がワタシの背中から聞こえた。
この声はミミを叱る時の声・・・・
恐る恐る振り返ると、ご主人様が仁王立ちで腰に手を当てて見下ろし睨みつけていた。
で、でも・・謝りたくない・・悪いのはミミじゃない・・
ワタシは勇気を振り絞ると、せめてもの抵抗をしてみた。

「ミ・・ミミは悪くないデス・・怒られる事してないデス・・」

『言い訳は良いんだよ!!』

そう言うとご主人様は、手に持ったコーラをミミに投げつけた。

ゴシャァァァ!!

コーラは鼻に当たると目が眩む、ワタシはえび反り仰向けに倒れた。
鼻の穴から血がドクドク出てる、それに目の前がチカチカして星の様な物が見える。
コーラの当たった所がジンジンと疼く。

「ギャァァァ!!痛い!痛いデスッ!!」

顔を押さえて転がっていると、ご主人様がミミの上に馬なりで押さえつけた。

『うふ♪聞き分けの無い仔にはお仕置きよ、覚悟しなさい!!』

ワタシは恐怖で鼻の痛みも忘れ、ご主人様の顔を見つめ声も出ない。
ご主人様は平手を高く上げると、そのまま勢い良くミミの顔を引っぱたいた。

パッシィィィンと張りのある音がすると、ミミの左頬が熱くなる。

殴られた・・・また始まったんだ、ご主人様のお仕置きが。

「デ・・デ・・・デ・・・デァァァァ!!」

熱くなった頬は次第に痛みへと変わる。
痛みが全身に伝わるとワタシは恐怖で叫び声を上げた。
怖い・・・またあの時間が始まる・・

ご主人様は私の顔を覗き込むとニヤリと笑い、今度は叩いた手で右頬を打ち据えた。

ピシャァァァン!!

返した右手が今度は左頬を叩くと、左頬は熱くなりやがて痛みに変わった。
鼻血が叩かれる度に吹き出て、床を血で濡らした。

「ヤメテー!!やめてデス!!」

ワタシはこれ以上殴られたくないからお願いした、でもご主人様は全然聞いてくれない。
何だか言えば言うほどエスカレートする気がする。

バッシーン!
ピシャャッァ!

痛い、痛い、イタイ、イタイ、イタイ・・ミミの顔が腫れていく。
ワタシは短い手を広げて顔を庇ったけど、ミミの手は小さ過ぎてどこも庇えない。

「勘弁してぇぇ!!ご主人様ぁぁ!痛いデス、痛いデス!!」

『うるさい!まだ始まったばかりでしょ!』
『ミミが言う事聞かないから!ミミが悪い仔だから!』

見上げるご主人様の顔がとても怖い、まるで頭に角がある様な気がした。
ミミご主人様の言う事聞いてる!ミミご主人様の前では良い仔にしてる!何で?何で?
ワタシは心の中で何度も自分に聞いて見た・・でも怒られる理由は分からない。

『良い仔にして無いからこうなるのよ』

バッシィィィィ!!

『悪い仔にはお仕置きだからね』

パァァァァッン!!

『何とか言いなさい』

パッチィィィッ!!

『この!言えって言ってるでしょ!!』

バチコォォォン!!

「やめて!やめてデス・・も、もう!人形いらないデス!いもうといらないデス!」
「痛いのやめてデス!叩いちゃいやデスゥゥ!!」

『今更遅いのよねぇ、今後の為にミミには体に教えてあげなくちゃ♪』

「同じデス、いつもと一緒デス!ご主人様ミミを殴りたいだけデス」

『あらあら♪ミミったら・・私ねぇ賢過ぎる仔も嫌いなのよ』



延々とご主人様のお仕置きは続いて、ミミは動けなくなってしまう。
ご主人様のお仕置きは、ミミの顔を叩き過ぎて自分の手が痛くなるとやっと終わった。
どの位叩かれたのか分からない、でも・・今は終わった。
叩かれた頬に窓からの風が当たると、ひんやりと気持ちが良い。

ご主人様は満足すると外に出て行った、暫くは機嫌が良いと思う。
手を頬に当てると熱くなってる体中も痛い、ワタシは横になると体を丸めた。
お仕置きの後はいつもそうだ、なぜだか分からないけど惨めな気持ちになると泣いてしまう。
声を押し殺して我慢しようとすればする程、涙が後から沸いてきた。

「エグ・・エグ・・エゥゥ・・ミミのお人形さん無くなったデスゥ」
「もういやデス・・・ご主人様きらいデス・・エグゥ・・」





              
               △





ワタシのご主人様の名前はエミ、ミミがエミ様なんて名前で言うととても怒る。
実装石ごときが名前で呼ぶなんて生意気だと、許してくれない。
ミミが仔実装の時は許してくれたのに・・

ミミが大きくなると、ご主人様は変わってしまった。
小さい時は優しくて優しくて、ミミはご主人様が大好きだった。
いつもご主人様のベッドで、お話をして一緒に寝てくれた・・
今では小さなダンボールがミミのベッド、ご主人様は二度と一緒に寝てくれない。

仕事から帰って来るご主人様がミミはとても怖い。
機嫌の良い時はミミも嬉しいけど、機嫌が悪い時は理由を付けてお仕置きされる。
最近は機嫌の悪い日が殆どで、ミミの体はいつも傷だらけ・・

でも・・・たまに機嫌が良いとミミも嬉しくなる。
その時だけはご主人様優しいから・・・
前もミミを抱いて頬摺りしてくれた、その感触は今でも憶えてる。

機嫌が悪い時はミミのご飯を出してくれない。
お腹が減っても自分から言っちゃ駄目、言ったらお仕置きが待っている。
もう三日も水しか口にしていない・・
でも今日はお仕置きしたから、ご飯が食べられる。
ミミをお仕置きした後は機嫌が直るから。

今日はグウじゃなくて良かった、傷もすぐ治る。
泣きつかれて寝転がると色々考えてしまう。

千切られた人形を見て思った、・・どうせミミにはここしか帰る場所は無い。
いつかご主人様も変わるかも知れない、昔の様に優しいご主人様に・・


『ミミィ!!』

ご主人様が呼んでる!早く行かなきゃ。

『ご飯よ!早く来なさい』

ご飯だ!やっと食べられる、ワタシは大きな声で返事をした。

「いま!今行くデス!」
「ご主人さまぁぁぁぁ」

ミミは機嫌の良いご主人様が大好き。





             △





ある日ご主人様が歌を口ずさんで何か仕事をしている。
歌を口ずさんでいる時は機嫌の良い証拠だ。

するとご主人様がミミに話しかけてきた。

『ミミ〜♪今ねぇ、あなたのお人形を造ってるのよ』
『ほら、この前壊しちゃったでしょ、それの代わり』

恥ずかしそうに話すご主人様の顔は、昔の優しい顔だった。
ミミは嬉しくなるとご主人様の回りを、嬉しくて踊ってしまう。

「嬉しい、嬉しいデス、ご主人様大好きです」
「ミミ大事にするデス、ずっと宝物デス」

ドキドキしながら待っていると、ご主人様がミミを呼んだ。

『んー、あんまり上手くないけど手作りよ』

手渡された人形はこの前ビリビリに破いた金髪人形。
それを縫って作り直している。

人形の顔には縫い目が幾つもある、何だか可愛くない。
可愛くないと言うか怖いと言うか不気味に見えた。

こんなのミミが欲しい物じゃない、ミミは振り返ってご主人様に不満を言おうと思った。
でもご主人様の目はそれを許さない、目の奥が変に濁っている。
何か異様な雰囲気がててる、言えばスイッチが入る気がする
不満でも言おう物ならきっとミミは殺される。

不自然に笑い顔を作ると「あ、ありがとデス、ミミの一生の宝物にするデス」と、言うしか無かった。

ご主人様はニヤリと笑い『チッ』っと一言投げ捨てた。
その意味はこの時ミミも分からなかった。




             △



ダンボールに入って醜い人形を抱きしめていると、
なんだかその人形が可愛く見えた。

ご主人様が造ってくれた人形だし悪い気はしない。
一生の宝物は嘘じゃない、ミミは人形を抱きしめていると幸せな気分になる。

この人形があれば、優しかった時のご主人様を思い出せる。

ミミは夢の中でならいつでも優しいご主人様に逢いに行ける。








続く


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情緒豊かな実装石は不自然に映るでしょうか?
でも案外犬猫もそんな事を思ってたりしてね。




 

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