※このお話はフィクションです。実在する作家さんなどとは一切関係ありません。 最近、うちで飼ってる実装石の様子がおかしい。ボーっと天井を見つめたりしてはニヤニヤしている。 「……壊れたのか?」 その行動を見ると壊れてしまったようにも思えるが、こいつへの完全な虐待はまだしていない。……まあ、躾程度で軽く折檻する事があるが。 実際、天井を見つめている最中以外は至って普通の糞蟲だ。やれいい飯を持って来いだの、やれシャンプーはこれじゃなきゃ嫌だだの。 躾の期間が遅かったせいで、一時的には言う事を聞くが三日もすれば忘れる馬鹿になってしまった。 おまけに、ボーっとしている最中に俺が声をかけると…… 「おい、何やってるんだ?」 『……ッデシャァァァ!私の優雅な瞑想タイムを邪魔するんじゃないデス!』 とか怒鳴られる。……瞑想じゃなくて痴呆にしか見えんぞ?涎垂らして焦点の合ってない瞳で上を見つづけられると正直怖い。 『まったく、お前のせいで私のゴウジャスかつハイソサエティなイメージが吹っ飛んでしまったデスゥ!罰として今日は特上カルビ丼を食わせエベェッ』 調子に乗るんじゃねぇ糞蟲。 *** デスゥ *** そういえば。ネットサーフィンをしながら俺はふと思い出した。最近俺のPCに糞臭が付いてた事もあった。 頻度は少ないが、俺が仕事に行ってる間によく糞臭が臭うようになる。……原因は奴しかいないだろう。 「おいコラ糞蟲、俺のPCに触ったか?」 『何を言ってるデスか、お前みたいなクズニンゲンにそんな高貴なものは触れないデス。触ることが出来るのはこの選ばれた私だけデス!』 ……要約すれば『ああ、触ったが何か?』か。 『って、何で私の物に勝手に触ってるデベァ』 「阿呆か!これは俺のだ。アカウントも俺ので入ってるだろ?むしろ勝手に触ってるのはお前だろうが!」 ずかずかと走って(歩いて)来た実装石に蹴りをお見舞いし、俺は怒鳴った。 『五月蝿いデス!私の物に触れるお前が悪ジィッ』 「そんな事を言うのはこの口か?あ?」 なおもデギャデギャとやかましい実装石の頭を踏みつけ、ぐりぐりと踏みにじる。しばらくすると窒息か圧迫で仮死状態になっていた。 「ったく、この糞蟲が……」 ホムペを続けて見る気にはならなかったのでIEを閉じた。……デスクトップに戻った時、俺は一つのフォルダを発見した。 元々デスクトップにフォルダは置かない主義だったので、そのフォルダがもの凄く怪しく見える。 「なんだこりゃ」 フォルダを開くとフォルダが中に一つ。それを開くとまたフォルダが一つ。……マトリョーシカかよ。 初心者がよくやりそうなフォルダ隠蔽法を地で行くそれは、15回目でようやくファイルに辿り着けた。 中身はテキストファイルが数個。それを開くと…… 「ゴフッ」 血を吐きそうになってしまった。ショートストーリーのようだが、かなりの香ばしさがある。かつての自分の過ちを見せられているかのような、そんな気分になった。 「……胃薬胃薬……」 胃がキリキリと痛み出したのですぐに薬箱を探す。 一旦薬を飲んで落ち着いた後、改めて覚悟を決めた後にもう一度読みなおす。 ……うんごめん、これきついわ。何回か休憩を取りながら、何とかそのテキストを読み終えた。 「つーか、これ書いたの俺じゃないし……」 自分で書いたものなら余計に胃が痛み出すが、しかし俺にはこんな文を書いた記憶が無い。 「ていうか何だよレナって……」 そいつ(便宜上こう呼ぶ)はHNをレナと名乗り、あとがきの言動すらもかなり痛い。 ……レナ?そういえば、とあるホムペでそんな奴がいたな……BBSにも痛い書き込みしてたし…… そいつもこんな風な作品を公開してたな……って、いやこれが生原稿だろう。ファイルを全てちら見したら書きかけの奴があったし。 「……あ」 今更だが気付いた。レナはうちの実装石だ。あの糞蟲がこんな痛い作品を書いてうpってたんだ。 『デギャァァ!何してるデスか!私の最高傑作に触るんじゃないデス!』 ……やっぱり。後ろで復活した実装石が喚いていた。 「お前か、このSS書いてたのは」 『……デス?私の作品、読んだデスか?』 「ああ、十分堪能させてもらったよ」 『デプププ。掲示板でもお前らニンゲンの書いた駄作よりも素晴らしいって誉めてやがったデスゥ』 ああ、あの書き込みね。 「アレは『文豪の作品を読んで一から勉強しなおせ』って皮肉だ」 『ニンゲンどもは私の作品にレスをくれてるデスゥ』 「哀れみの声をかけたり突っ込みを入れてるだけだ」 『デシャァァァ!何で素直に私の作品が最高だって受け入れないデスか!』 地団太を踏んで暴れまわる実装石。……そうは言ったってな。 「みんな呆れてるぜ。挿絵も要求したりと図々しいにもほどがある」 ため息をつき、俺は本心を語ってやった。……しかしそこは糞蟲。思いもよらない返しをしてきた。 『……まったく、このニンゲンはひねくれ者デス』 ……この一言で切れました。はい。 「お前は百回死んで来いこのド糞蟲がぁぁぁ!」 *** あとがきデスゥ *** えー、こんな物書いてすいません。やばかったら言ってください。すぐに消します。 (6/18追記) どうやら思ったよりは悪い評価は少なかったようで安心しました。 別に私は『駄スクを書くな』とは言ってません。単にちょっと痛いスク作者を実装石に例えたら、といういたずら心で書いたスクです。 最初はある一文を加えようかと思いましたがちょっとアレなのでやめました。……でも一応乗せておきます。 『某同人作家−HN=?』 わかる人にはわかるため(わかりにくくはしたけれど)没に。……これはアウトですよね。
