タイトル:【ホラー】 念心合体まっすぐGoレフ
ファイル:最後の一匹.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2286 レス数:0
初投稿日時:2007/06/04-06:17:08修正日時:2007/06/04-06:17:08
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親指実装の目の前には成体実装石がいた。
そこには豆粒ほどの大きさをした蛆実装が無数にたかっている。
眼窩は蛆の塊で埋まり、鼻腔や耳道からはボロボロと蛆が溢れ出す。
さながら蛆実装の湧き出る源泉であった。

「蛆チャンいっぱいデチ」

親指はそう呟いて蛆実装を呆然と眺める。
その目は見慣れた光景として蛆実装による母体の侵食を眺めていた。

「蛆チャン美味しいデチか?」

「レフレフ、ママオイチイレフ」

蛆実装の一匹が答えると再び肉塊に頭を突っ込んだ。
親指の問いに答える程度の知能をもつのは成体の表面に点在する比較的大きな蛆だけだった。
無数に蠢く小さな蛆は本能のまま肉を貪るより他に能はない。
ただ、体格の大小に関わらず貪欲であるところは変わりない。

親指は大きな蛆実装の一匹を両手で母体から引き剥がす。
蛆実装は腕の中で不快げに身をクネクネとよじった。

「イヤイヤレフ、オニクホシイレフ、オナカペコペコレフ」

「蛆チャン、お腹プニプニほしくないデチか?」

「プニプニイラナイレフ、オニクホシイレフ」

親指はそんな蛆実装を頭から齧りついた。

「レピュ」

口の中で潰れた蛆の新鮮な肉汁、その味は口から広がり体中を震わせるほど美味だった。
クチャクチャと赤緑の肉汁を零しながら咀嚼し、尻尾の先まで食べ尽くす。
そんな光景に対して、蛆実装たちは全くの無反応だった。
親指は無雑作に蛆を掴みとると、再びその肉に舌鼓を打った。





「レフレフ、ママナクナッチャッタレフ」

満腹でまどろんでいた親指、足元で蛆実装の一匹が見上げていた。
親指は寝ぼけ眼を擦ると、声の主を認め、成体実装の姿を確かめた。
そこには蛆実装をこねてかためて形作ったような、ひとまわり小さな実装石の形代があった。
うねうねと表面を波立たせるそれは、今にもその足で立ち上がりそうだ。

親指は物憂げな顔をして立ち上がると、足元の蛆実装に語りかける。

「一緒にくるデチか?」

「オニククレルレフ?」

「ここにはもう肉はないデチ」

「オニクホシイレフ」

親指は蛆実装を脇に挟むと、蛆実装の塊を背に歩きはじめる。
蛆実装は尻尾の先をピコピコと揺らしながら、遠ざかっていく同胞を
名残惜しそうに振り返っていた。

「しばらくは二人きりで生きてくデチ」

そう言って親指は蛆実装をたしなめる。
蛆実装の尻尾はシュンと垂れ下がる。
そしてグルグルと腹を鳴らして空腹をうったえる。

「レフレフ、ゴハンマダレフ?」

「しばらくしたらお弁当にするデチ」

「レフレフ、ゴハンタノシミレフー」

しばらくして正午過ぎ、親指は蛆実装を頭からかぶりついていた。
肥えた蛆実装からは溢れるほどの肉汁がほとばしる。
親指は前かけを肉汁で汚しながら頭半分かじられてもピコピコと尻尾を
振りつづける蛆実装を、時間をかけて欠片も残さず食べ尽くした。

「またひとりきりデチ」

カエルのように腹をぷっくり膨らませた親指は、満足げなゲップを漏らす。
消化の終わるまで歩くことも困難だった。
腹をさすりながら休憩をする。
便意を催すと、片手に下げた小袋の口をひろげ、股に通して排泄した。

「またしばらくはウンチしか食べられないデチ」





親指は歩き続けた。
途中、またも蛆実装たちの鳴き声に出くわす。

「蛆チャンいっぱいデチ」

親指が覗きこんだのは破棄された野良実装の共同便所だった。
その所有者であった野良実装たちの姿も気配もどこにもない。
浅く掘られた穴の底、へばりついた糞に蛆たちは夢中でむしゃぶりついている。
その蛆たちの数は穴の底を覆い尽くして無数だった。
それが押し合い圧し合い互いの隙間に潜りあって蠢く。

「レフレフ、ウンチホシイレフ、ウンチシテクレフ」

覗きこむ視線に気がついた蛆実装が、親指に向かってそう呼びかける。

「ウンチがほしかったらここまでくるデチ」

そう答えた親指の元に、蛆実装はもぞもぞと身体を動かして懸命に穴を這い登る。
無数の蛆実装たちが逆流する雪崩のように穴の底から親指の元へ殺到する。

「そんなにいっぱいいらないデチ、みんな巣に帰るデチ」

「ウンチホシイレフ」

「ウンチクレルレフカ?」

「ミンナドコイクレフカ?」

「オソトハウンチデイッパイレフ」

「ウンチイッパイオナカイッパイレフ」

ぞろぞろと押し寄せる蛆実装たちに恐れをなして、親指はそこから逃げ出した。
茂みの暗がりで気付かなかったが、そこはまだ多くの共同便所が隠されていた。
まるで落とし穴かアリ地獄、そのひとつに親指は転げ落ちる。

「オッキイオネエサンレフ」

「ウンチシテホシイレフ」

「ココカラウンチデルレフ」

「ウンチアナニトツニュウレフ」

体中を蛆実装に包まれて、親指は這い出そうと穴の側面を攀じ登ろうした。
だが、手をかけた先には必ず蛆実装がのたくっている。

「レピャ」

潰れた蛆実装の体液で手が滑り、再び転げて穴底まで戻される。
股座には何匹もの蛆実装がぶら下っている。
下着の隙間から排泄孔へ潜り込もうと身をよじっている。
いきんで無理やり糞をひり出し、侵入する蛆たちを押し戻した。

「ウンチレフー」

「ウンチオイシイレフー」

「モットウンチイッパイホシイレフー」

だが、ひり出した糞は蛆実装を余計に招き寄せる呼び水となった。
ひりたての強い糞の臭いは他の穴にまで届いた。
体中蛆実装にまとわりつかれ、僅かに覗いた視界で、親指は穴の縁からここへ
なだれ込む蛆たちの姿を認めた。
気がつけば親指は蛆実装の海の中にいた。
穴という穴から侵入する蛆たち。
親指は負けじと口の中の蛆を噛み潰し、糞をひって押し戻す。
もちろん詮無い抵抗でしかなく、内から外から親指は侵食される。

こうして親指は跡形もなく姿を消した。





それは体表を覆い尽くした無数の襞を小波のようにふるわせ、目を覚ました。

「蛆チャンいっぱいデチ」

辺りを見回したあと、奇妙な生き物はそう呟く。
穴の縁を軽々と踏み越え、狭苦しい茂みを掻き分け、ひらけた場所を求める。

光を頼りに抜け出した先にあったのは、公園だった。
視界は広く、遊具は小さく見える。
地面を見おろすと、その落差に恐怖し、叫び声をあげる。
新たな仲間の産声に、公園の隅の暗がりからそれらは姿を現した。
蛆実装をこねてかためて形作ったような、実装石の形代たち。




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