タイトル:【馬紅虐】 実装のいる風景3 初夏の思い出
ファイル:実装のいる風景3 初夏の思い出.txt
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初投稿日時:2007/06/02-21:35:52修正日時:2007/06/02-21:35:52
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実装のいる風景3 初夏の思い出


 初夏になると、小学校の理科の授業で蚕の飼育をする。
 オレも小学生の時に蚕を繭になるまで育てたことを覚えている。
 今年は息子のジュンが理科の授業で蚕の飼育をする年だ。
 毎年ならこの時期に近所の小学生の誰かが、家の敷地に生えている桑の葉っぱを貰いに来る。
 昔はどこの家も茶畑や桑畑を持っていた。今も竹藪のそばに残っている茶や桑の木はその頃の名残だ。

 春頃からその竹藪に一匹の実装紅が来るようになった。
 どこに棲んでいるかは知らないが、よく家の敷地のお茶の木から茶葉をとっていく。
 茶葉など取っていかれても損にならないので黙認してやっている。
 たまにジュンが実装紅と遊んでいる姿を見かける。
 息子はその実紅に「クリムゾン」という名前をつけたようだ。
 だが「クリムゾン」と呼んでいたのは最初だけで、じきに呼びやすい「クリ」になった。


 ジュンと一緒に蚕の飼育で使う桑の葉を取りに行くことにした。
 ジュンは例の実装紅が来ているかもしれないので、鎌のほかにリンガルも持っていそいそと出かけていった。
 裏口で長靴を履いていたら、竹薮の方からジュンの叫び声が聞えてきた。
 続けて聞こえる悲鳴にあせってかけつける。

 そこで目にたものは、手にした鎌で実装石に切りかかる息子の姿だった。




  クリは今日も来てるかな?

  なにかいる? なんだあれ?  

  もともと薄汚い前掛けが赤く汚れている
  赤く汚れた手をベチャベチャと下品に舐めている
  涎をたらしながら赤黒く染まった締まりのない口をニチャニチャと動かしている

  ……コイツらは  汚い生き物だ   畑の害蟲だ   糞蟲だ


 「なにをしてるんだオマエら」

  血が冷えるような嫌な感じがする

 「チビニンゲン 赤いのは喰ったデス 高貴なワタシたちに喰ってもらえて光栄デス」

  ク ッ タ ?  ナ ニ ヲ ? 

 「クリを… … 喰ったのか? お前ら… クリを喰ったのかっ?!」

  かわいらしい ちっちゃな レディー …… 

 「デぇー あの赤いのはクリというデスか? 初めて食べたデス」

  ボクだけの ヒミツの トモダチ ……
 
 「とってもオイシかったデスゥ でもぜんぜん喰いたりないデス 仔達も腹が減ってるデス もっと欲しいデスゥ」

  コ ロ シ テ ヤ ル

 「よくもクリを! 糞蟲め ぜったいに ぜ っ た い に 許 さ な い ぞ! 」


  

 何はともあれ悲鳴をあげているのが実装石なのでほっとする。
 幼稚園児ならともかく、小学3年生にもなれば実装石相手に怪我の心配などいらない。
 こっちに向かって仔実装が一匹 テェェェェン テェェェエンと鳴きながらやってくるので、ついでに踏み潰しておく。
 別の仔実装が一匹、竹薮の中へ駆け込もうとしているのを見つけた。見失わないうちにまずそいつを潰すことにする。
 ジュンの側でパンコンしているやつや、チププと嘲笑っているバカは後回しだ。
 そいつは竹薮の折れた竹の下をくぐり、保護色の効く藪の陰に隠れて逃げようとしていた。
 この仔実装は判断力のある小賢しいやつなんだろう。
 こういうやつが生き残って田畑を荒らされたたら迷惑だ。確実に殺しておかなければならない。
 仔実装のくせに案外素早かったが、人間に本気で追われて逃げきれる生き物ではない。
 履いているのが長靴でなくサンダルだったら手こずったかもしれないが、踏みつけてしっかり頭を潰しておいた。




  ある朝 目を覚ましたら箱の中レチた

  「ニンゲンドレイはどこデスー? 早く迎えに来るデスー?!」
  ママがずっと叫んでいたけれど 誰も来てくれませんレチた

  夕方になりまチタ
  黒いバサバサが飛んできて オネエチャンが バラバラにされまチタ

  ここにいたら危ないから ママと一緒にみんなで逃げまチタ

  夜になりまチタ 
  長いニョロニョロがきて オネエチャンが 丸呑みにされまチタ

  朝になりまチタ
  ニンゲンドレイさんがゴハンをくれないので おなかがすきまチタ

  一番大きいオネエチャンが ウジちゃんを齧ろうとしまチタ
  乱暴ものの一番大きいオネエチャンは ママにしかられまチタ

  おなかがとってもすきまチタ

  みんなで歩いていたら ママが赤いのを見つけてとってくれまチタ
  とってもオイチイので もっと欲しくなりまチタ

  ママがわけてくれたのに 乱暴もので意地汚い一番大きいオネエチャンが横取りしてしまいまチタ

  そこにニンゲンさんが来まチタ
  ニンゲンドレイさんより小さいチビニンゲンさんレチた

  ママが おなかがすいたから 赤いのをもっと欲しいとお願いしまチタ

  チビニンゲンさんが怒りまチタ

  ママがザクザクされまチタ

  オネエチャンがウンチもらしまチタ
  別のオネエチャンはチビニンゲンさんより弱いママを笑ってまチタ
  すごく怖かったから アタチはウジちゃんと一緒に大きな葉っぱの下に隠れまチタ

  ママの悲鳴を聞いて ニンゲンドレイさんと同じくらい大きいニンゲンさんが走ってきまチタ

  乱暴もので意地汚い一番大きいオネエチャンは ママを見捨てて逃げ出しまチタ
  「これは転進テチ ニトーヘイは賢くて美しいエリートのアタチのために敵を足止めするテチィー 」

  二番目に大きいオネエチャンは 走ってきたニンゲンさんに 助けてとお願いしまチタ
  「ニンゲン ママを助けるテチー さっさとチビニンゲンをやっつけるテベッ!」

  二番目に大きいオネエチャンはプッチンされまチタ

  大きなニンゲンさんは 乱暴もので意地汚くて卑怯者の一番大きいオネエチャンを追いかけていきまチタ
  「テェェ? どうチテこっちにくるんテチか?! 殺すならノロマでバカでブチャーーーーッ!」  

  大きなニンゲンさんが乱暴もので意地汚くて卑怯者でノロマな一番大きいオネエチャンに天罰をくだチマチタ

  チビニンゲンさんは動かなくなったママをプスプスしてまチタ

  乱暴もので意地汚くて卑怯者のノロマをペチャンコにチタ大きなニンゲンさんがこっちに来まチタ

  ウンチもらしたオネエチャンがプッチンされまチタ
  「殺されるテチィィ 逃げるテチなのに立てないテチぜんぜん動けないテチ ウンチ止まらなグギョッ!」

  ママより強いチビニンゲンさんをほめたたえていたオネエチャンもプッチンされまチタ
  「チププ クソババアをやっつけるなんて見どころあるテチ 家来にしてやるテブビュォッ!」



 鎌を親実装に突き刺して喚いているジュンの傍に戻る。
 パンコンして腰を抜かしている仔実装と媚びている仔実装を潰しておく。

 落ちていたジュンのリンガルを拾い上げて、記録をチェックする。
 記録されていた仔実装の鳴き声を調べると、どうやら小さいのがまだ残っているようだ。
 蛆か親指ならそう遠くへは行っていまい。
 周りを見渡すと、風もないのに地面で不自然に動いている桑の葉っぱが落ちていた。




  きっとチビニンゲンさんと大きなニンゲンさんも赤いのが大好きだったレチ
  ぜんぶ食べちゃったからニンゲンさんがカンカンに怒ってるレチ

   蛆ちゃん ニンゲンさんにプニプニしてもらいたいレフ

   ウジちゃん あのニンゲンさん怒ってるレチ 見つかったら殺されてしまうレチ


  ここでじっとしてたら見つからないレチ 早くどっかにいってレチ




 桑の葉を持ち上げると蛆を抱えた親指実装が頭を抱えてブルブル震えていた。
 隠れている葉っぱがなくなったことに気づいた親指が頭を上げる。
 こちらを見つめて「レチィィィ」と鳴いた。




  どうしてレチ? 見つかっちゃったレチーッ!

  ニンゲンさん 許してレチ 殺さないでレチィィィ

  アレ?また暗くなったレチ? 葉っぱを返してくれたレチ
  きっと ちゃんと謝ったから許してくれたレチ 怖かったレチィーン

   ウジちゃん アタチたちたすかっ

  「オネーチャ 早くプニプニしてほ




 桑の葉を戻してかけてやる。「レチィーン」「プニプニー」と鳴き声が聞えた。
 葉っぱの上から踏みつけて念入りに潰しておく。


 振り返ると、ジュンが鎌で親実装をズタズタに引き裂いていた。
 興奮しているジュンから鎌を取り上げて、何があったのか聞くことにする。

 「糞蟲にクリを殺されたんだ、クリのカタキをとったんだ、ボクは悪くない」、とジュンは泣きじゃくりながら訴えた。

 理由はどうあれ、無分別に刃物を振り回したことは問題があったので、この場でちゃんと教育しておくことにする。
 躾というものはその時その場で行うことが大切だ。

 成体実装石の実装服は野菜の苗を植えるとき被せておく苗カバーにちょうど具合がいい。
 だから大きな実装石を殺すときは、なるべく実装服を傷めないようにうまく叩き殺せと教えていたはずだろう。
 使えるものを使えなくすることはものの命を殺すこと。常に『もったいない』の心を忘れてはいけない、と注意した。


 ズタズタにされた親実装と潰れた仔実装どもは、野菜クズを積んだ堆肥の上に投げ捨てた。
 生ゴミも肥料になれば役に立ってくれる。

 その時、藪の奥からガサゴソと音がした。
 生き残りがまだいたかと思って振り返ると、何故か殺されたはずの実装紅がひょっこりと出てきた。
 わけがわからなかったものの、ジュンは大喜びで無事だった実装紅を抱きあげる。
 泣きじゃくっている息子にだっこされて、実装紅は「ダワ? ダワ?」と困惑している。

 一方的な感動の再会を尻目に、リンガルの会話記録を一通り見直した。
 ため息をつきながら、鎌で親実装の胃を引き裂いて中身を確認する。

 赤黒い粒々が見えた。


 毎年この時期になると桑の葉を毟ってしまうので、ジュンが生まれてからここの桑の木が実をつけたことはない。
 だが今年の冬は全く雪のない暖冬だった。例年にない異常気象が原因で、桑の木が早くも実を実らせていたのだ。
 熟した桑の実は実装石にとって確かに『初めて食べる赤くてオイシイ』ものだっただろう。

 実装石の手が届かない上の方には桑の実が残っていた。
 摘み取ってジュンに渡してやる。
 これを食べると口の中まで赤黒くなる。これをツマミ食いしたら色ですぐばれる。
 昔はこれを『お歯黒』と称してオヤツに食べていたことを教えてやる。


 バカ息子はばつの悪そうな顔をして桑の実を噛み潰していた。
 だっこされてる実装紅はまだ不思議そうな顔をしていた。



−− 終わり −−

春の味                  初スク
春の味2 実竹煮             2スク
春の味3 身近な野草の天婦羅       3スク
実装のいる風景1 春の思い出       4スク
実装のいる風景2 春の災難        5スク
実装ストーンステーキ           6スク
川辺の蛆実装               7スク
蚊取り実装                                8スク
海実装の食べ方              9スク
実装のいる風景2 初夏の思い出     10スク


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