タイトル:【馬・虐】 最初から最後までクライマックスだぜ!
ファイル:お前の望みを叶えよう.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3572 レス数:0
初投稿日時:2007/02/18-22:01:20修正日時:2007/02/18-22:01:20
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これはある公園で起こった小さな出来事。



                       〜〜お前の望みを叶えよう〜〜



それはいつもと変わらない毎日、公園を我が物顔で居座る実装石やそれを始末しに現れる虐待派。
どこにでもある光景が広がっているはずだった……その一匹の実装石を除いて。

 「デスゥ?お空に砂が舞っているデスゥ」

その実装石が空を見上げたら何故か砂が舞っていた。それは人間の目でもかなり多い量だという事が容易に分かる。
普通それ程の砂が空を舞っていれば嫌でも気づくはずだがそれに気がついた実装石はその一匹だけだった。

 「皆見てみるデス!お空に沢山の砂が舞っているデスー!!」

公園にいる同属達に呼びかけるが全く相手にされてない。
他の同属達には見えていない為ただの勘違いだと言われ馬鹿にされるのがオチであった。

散々馬鹿にされた実装石は落ち込みながら餌を求めゴミ捨て場に行く。
しかしおかしな事に体中にあの空に舞っていた砂が付着しているのだ。

 「なんでデスゥ?取っても取っても落ちないデスゥ?」

しかしそこは実装石、その行為が無駄だと分かると無視して歩き出した、あまり頭の良くない個体のようである。


 《…………ぉぃ……》

どこからか声がする、小さいながらその声は実装石にもはっきりと聞こえた。

 「ワタシを呼ぶのは誰デス!?姿を現すデス!!」

声はするけど姿は見えず、いくら実装石が叫ぼうとも声の主は一向に姿を現さない。

 「高貴なワタシをからかうなんていい度胸デス!次やったらぶっ殺してやるデスゥ!!!」
 《無視すんじゃねぇよ!》
 「デギャァァァァ!!?すすす砂のオバケデスゥゥゥ!!!!」

歩き出そうとした実装石の前に先ほどの砂が立ちふさがった。
だがそれはなんとも不気味な姿をかたどっている。

上半身が地面から、下半身から空中から生えそのままずるずると近づいてくる。
さすがにこの光景は恐ろしかったのか、すさまじい量のパンコンをして後ずさりをする実装石。

 「よよよ寄るなデスゥ!!あっち行けデジャァァァ!!!」
 《俺の話を聞け……お前の望みを叶えよう……》
 「いい今ならコンペイトウで許してやるデス!だから早く消えろデス!!!」

砂の化け物が話しかけているがパニックを起こした実装石は聞く耳を持っていない。
さすがに痺れを切らしたのか砂の化け物は声を荒げて叫んだ。

 《今すぐ黙れ!!黙らないならここでお前を八つ裂きにしてやるぞオラァァ!!!!》
 「デヒッ!!!!?」

その面妖な姿とドスのきいた声を聞いて瞬時に黙る実装石、頭は悪くても自分の命が危ないと感じたのだろう。
そして落ち着きつつある実装石を見て砂の化け物は咳払いをしてから本題に入る。

 《あー……お前の望みを言え……どんな望みでも一つ叶えてやろう……》
 「デ?……望み……デス?」
 《そうだ……どんな望みでも叶えてやる、そしてお前が払う代償はただ一つ……お前の過去だ》
 「過去……ってよく分からないデス……」

この実装石には理解できないのだろう、頭から「?」マークが浮かんでいる。
言葉を選びできるだけ分かりやすく説明したつもりだったがそれも無駄なようだ。

 《あー!とにかく叶えてほしい願いを言え!何がいい!?》
 「デ……た、食べ物デス!沢山沢山死ぬほど沢山の食べ物を食べたいデスゥ!!」
 《そうか……『死ぬほど沢山の食べ物が食べたい』か……分かった……》

実装石の願いを聞いた砂の化け物は次の瞬間姿が変わった。
正確には今まで上半身と下半身が逆の位置にあったのが普通の人間のような姿となったのだ。

 《契約成立だ……しかしお前のイメージってのはこんななのか?俺は男なんだぞ?》
 「デッ!?ニンゲンになったデス!?」

腰くらいまである薄い茶色がかった髪、すらりとした長い足、その存在を強調するように揺れる大きな胸、スカートは超ミニ。
先ほどまでの砂の化け物とはうってかわって今のその姿は人間の美少女そのもの。
声まで綺麗で透き通るような声となっているが言葉使いは男のものである。

 《この姿はお前のイメージした俺の姿だ、まったくなんて姿を想像するんだお前は……》
 「デス……ワタシは将来この姿になるデス、いつかきっとなるはずデス!」


どうやら実装石は将来この美少女と同じ姿になれると思い込んでいるようである。
というのも、元・飼い実装だったこの実装石は糞蟲的な性格がたたって公園に捨てられた。
(その実装石も捨てられる少し前までは愛護派の飼い実装として不自由の無い生活をしていたのだが)

飼い主に『可愛いこの子(実装石)はいつかもっと綺麗になる』と言われ自分で想像した姿がその美少女の姿だ。
捨てられた今であってもその妄想は捨てずに残っていたようだが……


 《ふん、まぁいい……契約は契約だ》

そう言い放つと美少女はどこかへと跳んで行ってしまった、その可憐は姿からは想像もつかないほどの跳躍力で『跳んで』。

 「デス……いったいなんだったデス………?」






数時間後、あの美少女が実装石の住みかであるダンボールに帰ってきた。
彼女は抱え込んでいた袋を逆さにすると実装石の望み通りの大量の食料が詰め込まれていた。

 《まだ少ないが一応持ってきたぞ》
 「デプゥ〜〜ン♪食べ物デスゥー!これは全て美しいワタシの物デスゥーーー!!」

そう言いながら目の前の食料を手当たり次第に食べていく実装石。
ただでさえ目立つ程大量の食料と公園中に漂う匂いは当然他の野良実装をも引き寄せる。

 「デス!?なんデスお前達は!これは全部ワタシだけの物デス!薄汚いお前達は近寄る事すら大罪デスゥ!!」
 「デプププ、その沢山の食べ物は高貴なワタシが食べてこそ相応しいデス」
 「テチュウ、早くその食べ物をわたすテチュー!!」

追い払おうとする実装石だが全く効果は無い、目の前にある物を見れば当然の反応だろう。

 「お前何してるデス!早くこいつらを追い払うデス!!」

実装石は美少女に向かって言うと彼女はその言葉通り他の実装石を排除し始めた。

 《これは俺の契約者の物だ、こいつが全て『食べる』まで誰も近づく事は許さん》
 「デプププ、なかなか聞き分けがいい奴隷デス!その薄汚い連中を追い払ったらもっと食べ物を持ってくるデス!」

外見上普通の人間である彼女をこの実装石は奴隷とでも思ったのか、自分の言う事を聞く美少女を見て卑しい笑いを見せた。
そして彼女がこの公園に住む全ての実装石を皆殺しにするまで数分、その後は再び実装石の為に食料を求め跳んで行った。


それから更に数時間、公園のダンボールがあった一角には数え切れない量の食料が詰め込まれている。
中には調理済みの料理から生の魚や野菜まで様々な種類と数である。

この食料が運び込まれてからずっと食べ続けていた実装石がついに食べすぎによって動けなくなった。

 「も、もう食べられないデスゥ……もう持ってこなくていいデスゥ……」

食べ続けた為その体は真ん丸く太り傍目には実装石だとは分からない程まで変わっている。

 《まだだ……まだお前の望みは全て叶っていない》
 「なに言ってるデデボファ……!?」
 《お前の望みは死ぬほど沢山の食べ物を『食べたい』だったな……まだ残っているぞ?》

美少女は淡々とした口ぶりで残りの食料を実装石の口へ詰め込んでいく、当の実装石は口が詰まっている為喋る事が出来ない。
だがそんな事はお構いなしといったように彼女の手は止まらない。

 《面倒だ……》

さすがにこれだけの量を詰め込むのは大変なのか一度手を止める。
次に彼女は指先を軽く回すとそれまで積まれていた食料が勝手に動き出し独りでに実装石の口へと入っていく。

 「デフォァ……ヘフゥ…………」

言葉にならない言葉を発するもまるで意味が無い、なにせ食料を詰め込んでいるのは彼女ではないからだ。

 《まだ契約は全て叶った訳ではないが仕方がない……お前の過去をもらうぞ……》

彼女は実装石に近づき手をかざす、すると実装石が真ん中から真っ二つに割れてその割れた空間へと消えていってしまった。
体が割れたのに少しも血を流していない実装石、依然食料を詰め込まれている状態である。

 「(何で美しいワタシがこんな目に合わないといけないデス!?あの奴隷ワタシの命令を聞かないなんてお仕置きデス!!!)」

こんな状態にされてもまだ彼女が自分の奴隷となったと思い込んでいる。
しかし次第に限界を超えた量の食料を詰め込まれたせいだろう、実装石の偽石は過度の負荷がかかっていた。
そして腹が破裂すると同時に偽石も乾いた音とともにあえなく割れてしまった。

目から光を失い微塵も動かなくなった実装石。

そこには中身を全てぶちまけかつて実装石『だったもの』があった。



あの美少女は別に虐待するつもりでこんな事をしていた訳じゃない。
だが結果的に彼女が行った行為は実装石を苦しみ殺す事となった。

実装石はある意味で幸せだっただろう……望み通り死ぬほど食べる事が出来たのだから。


だがこの実装石の最大の過ちは望みを言い間違えた事だろう。
『沢山の食べ物が欲しい』と願っていれば強制的に食べさせられる事もなかった。

そう願って実装石が本当に幸せとなったかは別だが…………







そして実装石の過去を通じて消えていったあの美少女が今後どうなったかはまた別の話…………









〜〜最後に〜〜
ちょっとタイムリーなネタを思いついて書きました。
こんな馬鹿スクでも読んでくれてありがとうございます。

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