タイトル:【馬?】 ある市の復興記 長い上に訳分らなくてスミマセン
ファイル:ある市の復興記.txt
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初投稿日時:2007/02/17-21:34:39修正日時:2007/02/17-21:34:39
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「ええ、それは酷かったですね。自分の住んでる所が○○市だなんて恥ずかしくて言えま
せんでした。ああ、今は違いますよ。逆に自慢したいぐらいですね」
----------40代専業主婦

「ああ、まさかって。1年ぐらいかな、もうチョッと経ったぐらいにか?」 
----------40代会社員

 その市に住む住民は、2度の失敗を犯してしまった。
無知故の過ち。その過ちの代償は大きく、気がついた時には遅すぎた。
それは4年前。あの市長選挙から始まったのだ。



■ある市の復興記■



 選挙カーが候補の氏名をしつこく繰り返す。
何台も何台も。幾度も言ったりきたり。一週間後に控えた市長選挙に向けて、候補者が
名前を覚えてもらおうと努力中。およそ350km^2の面積に、人口がわずか二万五千人しか
いない過疎が進む○○市。今回、立候補者は4名。現職市長の病死により、新人達の争い。
誰が市長になってもおかしくないと思われていた・・・・・・。

 投票率8.7%過去最低の記録を更新する選挙ではあったが、ある候補がダントツの投票
数を誇り、華々しく当選した。今思えば、この時気づいていれば。
彼の名は猪落 護。その道では実装石愛護者として、割と有名な人物であった。

「あれっと、思ったのは・・・・・・そうだね。あの条例ができたときだね」
----------50代会社員

 そうだ4年前と言えば、今とは違い実装石の大部分が謎に包まれていた。姿も、まだま
ばらで目撃数も少なく。何より稀代の大発明、実装リンガルも無い時代。容姿と媚びてく
る姿に、人々は犬や猫と同じ感覚で餌をやり、それなりの対処をしていたものだ。

 彼は、その姿に魅了され愛護者となった。そして、この選挙戦で勝った暁には実行した
い願いがあった。新市長 猪落氏が当選を果たした日から1年2ヶ月後、それは実行され
た。

『自然動物愛護条例』


 この条例は、掻い摘んだ話・・・・・・自然に生きる動物に対して、愛情を持って接し保護を
行いなさいと言う条例である。森林が多く、山には多種の野生動物が住む地域が多いなら
ではの条例。無論、この条例案は満場一致で議会通過。翌年4月から施行される事となっ
た。

 これが、2度目の過ち。市議会員10名は、これの意味を正確に理解せぬまま案を通し
たのである。そこに、あったのだ。自然動物として、リストに記載されている動物名一覧
に。・・・・・・実装石と。

「そんな、ねぇ。まぁ、動物を大事にっちゅうのは間違っとらんからのぉ?」
----------70代年金生活者

 条例が施行されて3ヶ月も経つと、実装石についての悪評が噂される様になっていた。
やれ、ゴミを漁るだの、公園で子供が襲われただの。汚い臭いは当たり前。酷い所では、
家宅侵入をされた家まであるという。・・・・・・にも拘らず。

 自然動物愛護条例の違反者は10万円以下罰金もしくは懲役1年。市の特別公務員を随所
に派遣、逐次巡回する事で違反者取締まりを強化すると条例に決められている。
故に・・・・・・暴力行為はもちろん、殺害もダメという事だ。

 ゴミを漁ってい実装石に出くわしても、追い払うときに殴ったりけったりできない。
音と光で対応するが、慣れてしまっては、カラスよりたちが悪い。
ネットで覆う事も、鉄製のゴミ入れも設置はしてはダメ。実装石のために。

 またある時は、子供を護る為に実装石を蹴り払った親が、市の特別公務員に見つり、
即座に豚箱入り。問答無用で懲役刑になった話まで聞く。

 ほら、あれだ。あの悪名高い『生類憐れみの令』の再来である。


「リコール?ダメだダメだ、話になんねぇ」
----------50代自営業


 過疎化した市。市民はほぼ老人で占められていた。市長は、あまり孫に相手にされない
この市民や、市議会員達に飼い実装を与え、彼らに実装石の愛らしさをもって洗脳した。
「実装石はこんなに可愛いんですよ。無害なんですよ」と。

 結果、さびしい高齢者には十分すぎる洗脳材料であったらしく、不信任決議などは、
曖昧のうちに否決。無論、市民も黙ってはいない。条例から実装石の名を抹消してもらう
事を、署名活動などをで訴えたが市長はこれを黙殺。

 条例施行から2年。市内の公園は、その全てを実装石に占領されていた。市民の血税で
作られた人間の為の公園には誰も近寄らなくなったし、公園近くに住宅を構えていた
人々は他市他県への引越しを余儀なくされた。家宅侵入が相次ぎ、住んでいられる状況で
はないのだ。

「進入されて追い出すまでにどれだけ時間がかかるもんか、あんたに分かるか?そうや。
条例のおかげでな、つぶれへんように、大事に持ってやな、泥棒を逃がすねんで?
うちの家内は、精神をやってしもて、今入院しとるわ。食いもん泥棒されて、
さらに仕返ししたったら罰金てっ!あほ見たいやろ?」
----------20代会社員 

 被害は、物損だけではなく精神面で多く見受けられた。入院者激増。
市の公共事業費で実装石用施設の建設が始まったり、餌を購入し公園でばら撒いたり。
市の財政が傾きかけたのを知ると、住民はどんどん転出して減っていた。
住民の数は半数にまでなった。



 何時からだったか・・・・・・市に留まっている人々の間で、話されるようになった
ことがある。もうなんじゃないか?まだ告知されないのか?

『任期満了に伴う市長選挙』

 村は、町は、市は揺れに揺れていた。
誰だ? 誰が? 過ちを繰り返さない為に、市長立候補者と予測される人物への
過剰なプライバシー侵害が問題として、新聞を賑わせる事もあった。
誰かに、では無く自分がと名乗りを上げる若者の姿もあった。



 そしてそれは、告知された。市長選挙、立候補者数32名。現職vs新人無所属31名。
異例の立候補者数に、市役所の職員は準備に追われていた。選挙戦で使う候補者ポスター
掲示板の数が足りない事を筆頭に、様々な問題が山積み。だがこの努力で、市が変わるなら。
疲れてフラフラの体を尚も動かし続ける職員の姿がそこにあった。

 市営として建設され、実装石ふれあいデスデスランド(総工費約2億円)開業された
本日から一週間後は選挙当日である。選挙カーからは、相変わらず大音量で候補者の名前と、
宜しくお願いしますの大合唱である。だが、今回は誰も耳障りに思ってはいない。
誰にしようか? どうしようか? 誰なんだ、この地獄から解放してくれる人物は。
皆はこぞって演説を聴きに出向いた。そして、噂を手繰り寄せ正確な情報を読み取ろうとする。
これ以上、過ちを起こさぬ為に。


 そして、運命の日。

 投票率、実に85%。市 始まって以来の数値が飛び出した。即日開票後、結果はテレビで、
ラジオで、有線放送で知らされる事となっていた。

この時、市の総人口は約三万人。2位以下に一万票差をつけ圧倒的に、双葉 利明(無所属新人
)新市長の誕生が決定した。
その時、歴史が動いたのである。

「新市長は、ええ人や。あの汚らしいナマモンも駆除を率先してやってくれる」
----------40代会社員

「TVで散々『愛護』の見本や言われとったけどな。いまら、実装石のいないモデル市。
いや、いい気分だね」
----------20代会社員



 双葉 利明。彼は出馬を1年前から決めていた。現状を見て、頭を抱えた。

『何だこれは』

 変えなければ、この町を。願いは一つ。実装石駆除、全殺・・・・・・。

 そう彼は、虐待派だ。彼も、実装石に家宅侵入された事がある。恨み辛みから他市へ
行っては公園で虐待を繰り返し、精神崩壊を逃れた一人だ。

 市長選を聞き及び、出馬する事を決めた。だが選挙には金がかかる。
32歳の貧乏アルバイターには資金がない。諦めかけたとき、この話を聞きつけた虐待紳士と
名乗る男が彼の前に現れた。
 彼の頼みを聞けば、全額援助をしてくれると。その話に飛びついた。頼みは、些細な事
だった。さらに、その紳士の呼びかけで・・・・・・他府県、他市町村からの虐待師が転入届出を、
市役所に毎日のよう願い出ていた。

 投票数が不安なら、自分に投票する人ごと用意すればいい。談合?取りまとめ?
分からないように、ばれないように。密かに、しかし着実に彼の基盤は固められていった
のだ。巧く、それとなく市民に虐待派である事を、噂として自己発信することも忘れない。
それは勝利をもぎ取る為の作戦。他候補はそこに触れていない。だからこそ。

・・・・・・今ココに作戦は実を結んだのだ。



「おーい。コロリ、あっちの奥まった方にも巻いたかー?」
「は〜い、先輩。っと、今日も来てますよ。あの市長」

 程なくして、市議会員も次々に入れ替わり(原因は不明のままだが)新市長の元 あの
悪条例は改正された。愛護動物リストから実装石は名を消され、逆に飼い実装も含めて、
全ての実装石は害獣として認定された。

 知らなかった。市長になって初めて知った。実装石にかかる費用で、市の財政が傾きか
けていた事を。餌を定期的に公園にまく金も、飼い実装の病院使用量の100%援助も野良実
装保護施設なんてのがあったのも。全て無くした。徹底的に。

「デッ〜♪ ・・・・・・・・・デデデッェ!? ・・・・・・デグェロォォォ」
「・・・・・・テェスン?・・・デッェ!?」
「デププッ♪ ・・・デッデ〜デッ!   ・・・・・・・・・・・・デジャアアアァァー!!」
「デッフゥン♪・・・・・・デジャッ?デェェェジャッデボァァ!!」」
「・・・・・・・・・レチ? レェ!レェロ!!」

 金平糖に良く似ているが、その実は猛毒である。が、故に当然そこには地獄絵図が広
がる。口から、総排泄口から、穴という穴から体液が、血が、汗が、涙が溢れ出す。
最初に食べた個体の姿が目に入っていても、毒を奪い合い口に含み死んで行く。
瞬く間に、30匹ほどが偽石を崩壊させて息絶えた。

 その様子を遠巻きに見ていた実装石達は、パンコンして逃げ出すか、邪魔者が居なく
なった隙に落ちていた猛毒を探して食べるかの行動をとり始めた。

「お、始まりましたね。市長。でも、いいんですか?即死で」
「・・・助役も好きですねぇ」
「市長ほどでないにせよ、一応私も・・・「」ですから」

 長い間放置された公園。50人体制で一つ一つ公園を正常化していく。丁寧にしつこく、
実装達の楽園を破壊する。

「あ、そうだ助役。蒼い子の予算はどうでした?」
「え?ああ、すいません。真剣に見入っていたもので」
「蒼い子の購入予算ですよ」
「ああ、満場一致。スピード解決。予定通り、1公園に2匹の常駐配置できそうです」

 そして無駄な金を、有意義な金に換える。実装施設の取り壊し、土地の売却で市の
破産は回避された。そして、有意義な実装排除への資金も確保した。

「ああ、よかった。あ、それで配置するとき・・・・・・」
「大丈夫、分かってます。ワザと1つの公園だけ、放置ですね」
「分かってらっしゃる、さて300匹前後でしたっけココは」ニヤリ

 車から、バールのような物を取り出しながら、生息予測数を確認する利明。
スーツの上着を脱ぎ、軽くスイングして握り具合を確かめた。そして彼愛用のグローブを
手にはめ、もう一度スイングしてうなずく。

「では、ちょっと行ってきます」

 動かなくなった親実装を揺すって起こそうとする子実装を見つけると、履いている
スパイクシューズで踏みつけて潰し、シミに変える。念入りに、グリッとひねって次の
獲物を探す。

「・・・くっくっく」

 この狭い公園によくも300匹も住めるもんだ。ひょいと手を伸ばし掴み上げれば簡単に
捕まえる事ができる実装石。殺す。その前に、必ず髪を引きちぎり、服を剥ぎ取ってから
いたぶる。リンガル?必要ない。それは、もっと数が減った時。賢いといわれる個体と、
交渉という遊びの時までいらない。

「ほ〜ら、逃げないと、死んじゃうぞー」

 楽しいなぁ。こうでなくては。実装石とはこういう物なんだよ。

「市長〜。目が怖いっすよー」
「んぁ〜。そうかー」

 ぐちゃりっ・・・・・・びき、びちぅびぎびびぎ・・・
実装の口に両手を突っ込み、正中線に沿って真っ二つに引き裂いた。ポロリと落ちる偽石を
バールのようなもので粉々に潰し、汚い体液を浴びながら「へへッ」と笑った。

 彼の努力の成果で、この町は非常に人間が暮らしやすい町に戻ってきている。
支持率も上場。実装用施設は人間用に改築指示済み。この先、任期満了まで堂々と虐待、
虐殺ができるな。利明市長はそんなことを考えながら、さっきからなっている携帯電話に出た。

「あ、これはどうも。はい、その件ですね、えっと実はもう準備できてまして、明日でも?
はい分りました。準備、はい、はい宜しくどうぞ。はい」

 前市長は今、内々で警察署の留置所にいる。ぶっちゃけ、でっち上げの偽の罪で入って
もらっている。表向き、身の安全を守る為と説明して納得して入ってもらっているだ。
あんな令状作った人間が、権力をなくして一人歩いていては殺人事件になりかねないから。

 そして本音は、虐待紳士に彼を引き渡す為。これが、例の頼みだ。彼はこれから、
実装石の本性を永遠と見せ付けられるのだ。愛護派を、虐待派に改宗させる。その為に。
利明は、次の獲物に手を伸ばしながら仲間が増えるか、精神患者が増えるか楽しみだと思った。

-終-

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この選挙に係わる物事は、うろ覚えで書いたモノなので実際の物とは異なります。
初スクです。えーなんでしょう。これ。
実装愛護の町ってこんな風にできるんじゃないかと思って書きました。

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