『ひとりぼっちの彼女』 デッデロゲー♪ デッデロゲー♪ デッデロゲッゲー♪ デロデッゲー♪ 部屋の中に、一匹の実装石の歌声が響いていた。 その歌は、部屋の中に置かれていた木箱の中から聞こえてくる。 木箱の中に、お腹を大きくした、両目が緑色の実装石が座っている。歌はその実装石のものだった。 少し実装石に詳しい者が聴けば、それが実装石の胎教の歌という事に気が付くだろう。 歌い終わると、優しく、愛おしそうに腹を撫でさする。 母の声が届いているのか、お腹の中で、ぴくん、ぴくん、と仔供が反応する。 その感触に妊婦実装は嬉しくなり、優しく優しく腹をさすりながら、更に大きな声で歌い出した。 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達のママになれて幸せデス〜♪) 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達に会える日を楽しみにしているデス〜♪) 『デッデロゲッゲー♪』 (お前達はママの宝デス、この世で一番の宝デス〜♪) 『デロデッゲー♪』 (みんなで仲良く暮らすデス、楽しいことをして暮らすデス〜♪) 実装石の胎教の歌、俗に『しあわせの唄』と呼ばれる歌は、どんな実装石が歌おうと酷く音程が外れており、 人間が聴けば不快感を催すという。 実際、この実装石が歌う『しあわせの唄』も酷く音程が外れていた。 しかし、それでもこの実装石の歌う姿を見れば、この妊婦実装がとてもお腹の仔供達を愛していることに気が 付くだろう。 この妊婦実装は、産まれてすぐこの木箱に入れられた。それからただの一度も出たことがなかった。 …彼女は、ずっと孤独だった。 * * * * 彼女が自己を得たのは母親の胎内の中であった。 (レチ… 暖かい… 暖かいレチ… ふわふわするレチ…) 母親の温もり。 それが、彼女が初めて自己に目覚めたとき感じたものだった。 彼女はその温もりが大好きになった。 母親がお腹越しに優しく自分をなでさする。 『みんなみんな大好きデス♪ みんな元気に産まれてくるデス♪』 全身に響く母親の言葉。彼女はその声を聴き、早くママに逢いたい、逢って甘えたい、そう思った。 * * * * しばらくすると、近くに自分と同じような存在が居ることに気が付いた。 彼女の姉妹達だった。 (レチュレチュ…♪) (アナタは誰レチ…?) (レチ… オネェチャンレチ?) (チュウ? イモウトチャンレチュ?) (レチュウ♪ 違うレチ…♪) (まだワタチ達は産まれて無いレチ…♪) (『オネェチャン』も『イモウトチャン』も、産まれるとき決まるレチュ♪) (じゃあ、ワタチが一番のオネェチャンになるレチュ♪) (ずるいレチュ、ワタチがオネェチャンになるレチ♪) (レチュレチュ…♪) (レチレチ…♪) 産まれる前から、彼女達は仲良しになった。 彼女は幸せだった。早く外の世界に出て、早く優しい母親や姉妹達と生を謳歌したい、そう思った。 * * * * …何日かの日が過ぎていった。 母親の温もりに抱かれ、母親の胎内で彼女と姉妹達は少しずつ成長していった。 そして、ついに『誕生の日』が来た。 * * * * (先に行くレチュ♪) (お外で待ってるレリュ♪) (アナタがイモウトレチュから、可愛がってあげるレチ♪) (ミンナで遊ぶレチュ♪) (ミンナの家族に産まれることができて幸せレチュ♪) (ミンナミンナ大好きレチュ♪) ……………… ……… … そして彼女の番が来た。彼女は最後だった。 * * * * 母親の仔として産まれたことに。 姉妹達の妹として産まれたことに。 彼女が持てる、全ての力を振り絞って幸せを表現する。 『テッテレ〜!!』 ぽちゃん。 水面に落下する。 しばらくして、母親の舌の感触。 全身を覆っていた粘膜は母親の舌によって取り除かれる。それと同時に、粘膜に押さえつけられていた手足が ムクムクと成長してゆく。彼女は一人前の仔実装になった。 『…ママ、初めましてテチ♪』 『ミンナ、逢いたかったテチュ〜♪』 『ママの仔供に産まれて幸せテチュ♪』 『家族が一杯で嬉しいテチュ♪』 『末っ仔チャンテチ〜♪』 『全員揃ったテチ!』 『嬉しいテチュ〜』 先に生まれた姉妹達の声が聞こえる。自分も早く目を開いて、姉妹達に挨拶したかった。 『さ、もう大丈夫デス。目を開けても良いデスよ。』 初めて外の世界で聴いた、母親の声。母親のお腹に居たときとは違う、鮮明なその声に応えて、目を開き、逢 いたかった母の、姉妹達の姿を確かめようとしたその瞬間… * * * * 「お、最後でようやく当たりが出たぞ。」 「どれどれ…、うん、確かに偽石サーチャーの反応が頭にあるな。」 「じゃ、こいつだけ回収するぜ。」 「おう、頼むわ。こっちの後はやっとく。」 「うん、任せた。さて…」 むぐっ。 『テェエエ…!!??』 乱暴に自分を掴みあげる巨大な手。その締め付けに呼吸ができなくなる。目からは涙が溢れてきた。 そのまま、上に持ち上げられる。 『!!!??? デズゥゥウ!! ニンゲンッ!! ワタシの仔供に何をするデス!! 今すぐ仔供を返せ デジャアアッ!!』 母親の絶叫が響く。 『駄目テチ!! イモウトチャンを奪っちゃ駄目テチ!!』 『放すテチィ!! 早くその仔を放すテチィ!!』 『ワタチのイモウトテチ!! ワタチのイモウトテチ!!』 『早く返すテチュ!! さもないと許さないテチュ!!』 姉達の叫びも聞こえる。そのうちの2匹の影が、自分を掴みあげる『ニンゲン』の手に飛びかかった。 『テチャァアア!!?? 末っ仔チャンを返せテチィ!!』 『ワタチのイモウトに何するテチィ!!』 そのまま『ニンゲン』の手にしがみつく。涙でぼやけてはっきりと見えないが、そこには母親の胎内で出会っ た、大好きな姉妹達の姿が、息づかいがあった。しかし… 「なんだ、お前らには用は無いんだよ。」 『ニンゲン』がもう一方の手で姉妹を引き剥がし、床に叩きつける。 『ギャァアアアアチャァ〜〜〜!!』 『テキャァアアアアァアァァ!!??』 叩きつけられた姉達の絶叫が聞こえる。地面に広がる紅と翠の染み。酷い怪我を負ったようだ。 『デァアアア〜!?』 それを見て、母親の注意が怪我を負った2匹に移る。 『テェエエ… い、痛いテチュウ〜…』 『た、助けてテチュ… し、死ンジャウチュァ…ア…』 『デギャアア、し、しっかりするデスゥ!!』 『ひ、酷い怪我テチャァ…』 『た、大変テチュ…!!』 『チャァア〜!! す、末っ仔チャンが連れて行かれてしまうテチュ〜!!』 『でも、オネェチャン達も大怪我テチュ〜…』 『ど、どうすればいいテチュ〜??』 『テスン、テスン、なんでこんな事になっちゃうテチィ…』 『助けテチィ… 誰か助けてテチィ… ニンゲンをやっつけてテチィ…』 『テェエエ〜ン、テェエエ〜ン』 『エッ、エッ… ウェエェ〜ン、ウェエェ〜ン…』 『スン…、スン…、テスン… テスン… エ〜ン、ウェ〜ン…』 『テヒャアア…』 母親の、姉妹達の絶叫と鳴き声が響く。 末っ仔実装は『ニンゲン』に掴まれながら、必死に首を曲げて声の方を振り向く。 そこには逢いたかった母と姉妹の姿があるはずだった。 だが涙で視界は曇り、ぼんやりとした姿しか見えない。 両腕は『ニンゲン』に押さえつけられており、涙を拭うことはできなかった。 ぽい。 『…チュベ!!』 次の瞬間、人間の持っていたケースの中に放り込まれる。 ケースの高さは末っ仔仔実装の背より遙かに高く、不透明なプラスチックでできたケースの中からは外の様子 をうかがい知ることはできなかった。 『…………デス!! …………デス!!』 『…………テチ!! …………テチュ!!』 『………チュ!! ………ュ!!』 『…………!!』 『……!!』 『…!!』 家族が自分の為、必死に叫んでいる声が聞こえる。だが、その母親や姉妹達の声はどんどん遠ざかってゆく。 ぎぃ。 彼女の入ったケースを抱えた『ニンゲン』が扉を通り過ぎる。 彼女は知らなかったが、今まで居たのは人間の建物の部屋の中だった。部屋を出て、廊下に移る。 ぱたん。 扉が閉ざされた。 もう母親の姿も見えない。姉妹の声も聞こえない。 それが、彼女が知る、母親や姉妹達の全てだった。 だから彼女は、母親の顔も、姉妹達の顔も、正確には知らない。 涙越しに見た、ぼやけた姿しか知らない。 * * * * 母親や姉妹達から引き離された末っ仔仔実装は、そのまま別の部屋の木箱に移された。 幅180cm、奥行と高さは90cm。長手方向の側面の一つと底面は金網になっていた。 底の面の金網は目が細かく、末っ仔仔実装の小さな足でも踏み外す心配はなかった。 側面の金網には扉が有ったが、南京錠が外から掛けられており、末っ仔仔実装に開くことはできなかった。 あとは、餌箱と水箱。それから、毛布代わりらしいボロ布。 それだけだった。 成体実装であればともかく、産まれたばかりの仔実装には孤独を感じさせる、広すぎる場所だった。 金網から見える風景も、たいした物はなかった。同じような木箱がもう一つあるだけ。他は、白い壁が見える だけの部屋。窓さえも無かった。 たぶん他にも同じような木箱が部屋の中には幾つかあるのだろう、他の実装石の声や気配がする。だが末っ仔 仔実装の場所からは見えないし、声もはっきりとは聞こえない。お互いの存在を認識できない以上、居ないの も同じだった。 優しい母親は、木箱の中には居なかった。 笑顔を交わす姉妹も、部屋の中には居なかった。 …彼女は、孤独だった。 * * * * 『テェエエエ〜ン、テェエエエ〜ン!!』 『帰してテチィ!! ママの処に帰してテチィ!!』 『ママの処に帰してテチィ!! オネェチャン達の処に帰してテチィ!!』 『テェエエエ〜ン、テェエエエ〜ン!!』 末っ仔仔実装は泣き続けた。ずっと泣き続けた。 時折、『ニンゲン』が来て、木箱の中を洗ってゆく。 洗うと言っても乱暴なもので、単に木箱の中に水をぶちまけるだけ。それで、汚れや糞は底面の金網から溶け て流れる。仔実装自身の洗浄も、単に水をぶちまけるだけだ。 『テチャァアア〜〜〜ッ!!!』 水を叩き付けられた衝撃と、呼吸器に入った水に苦しんでいる間に、人間がエサと水を補給してゆく。 作業が済むと、いつもそのまま人間は部屋を出てゆく。 『待ってテチィ!! 帰してテチィ!! ママの処に帰してテチィ!! オネェチャン達の処に帰してテチィ!! ミンナの処に帰してテチィ!!』 後ろ姿の人間に必死で声を掛ける末っ仔仔実装。無論人間は取り合わない。 『テェエエ…!! …テスン、テスン… テェエエエ〜ン、テェエエエ〜ン!!』 遂には泣き出す末っ仔仔実装。 『あらあら、どうしたデスゥ? 良い仔だから泣きやむデスゥ。』 『テェエエン、テェエエン、…テェ…?』 向かいの木箱から、声を掛けてくる者があった。 その中には大きなお腹をした、一匹の成体実装石がいた。その両目は緑色だった。 『良し良し、いい仔デスゥ、泣きやんだデスゥ。』 『オバチャン、だれテチィ!?』 『だれといわれると困るデスね、オバチャンは産まれた時からここにいるデスゥ。』 そう言ってその成体実装石は簡単に身の上を話し始めた。 3ヶ月ほど前に産まれたこと。ニンゲンによって産まれてすぐ母親とは引き離され、自分を含めた合計8匹の 姉妹達と一緒にこの木箱の中に入れられた事。何回かに分けて姉妹達は木箱から取り出され、最後には自分だ けになった事。 『…オバチャン、一人で寂しく無かったテチ…?』 『最後の姉妹が連れ出されて、一人っきりになったときは、それは寂しかったデス。でも、暫くして、いつの 間にかワタシは身籠もっていたデス。それからは寂しくなくなったデス。ワタシの中の仔供達が、産まれた い、産まれたいと声を掛けてくるデス。だから、寂しくなくなったデス♪ それで、アナタはどうしてここ にいるデス?』 『…テチュ。 ワタチは…』 末っ仔仔実装は自分の身の上を、その成体実装石に説明した。最後の方は涙声になっていた。 『…それで、ママやミンナと引き離されて、ここに入れられたテチュ…。』 『…デェエエ…。 可哀相デス… 可哀相デス…。 分かったデス。 きっと仔実装ちゃんはママやお姉ちゃ ん達に逢えるデス。 それまで、ワタシがママの代わりをして上げるデス♪』 …そうして、末っ仔仔実装と成体実装石の日々が始まった。向かい合わせの木箱の中、お互いに触れあう事も できなかったが、そこには確かに親仔の持つ愛があった。 * * * * 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達のママになれて幸せデス〜♪) 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達に会える日を楽しみにしているデス〜♪) 『デッデロゲッゲー♪』 (お前達はママの宝デス、この世で一番の宝デス〜♪) 『デロデッゲー♪』 (みんなで仲良く暮らすデス、楽しいことをして暮らすデス〜♪) 成体実装石は末っ仔仔実装の前で胎教の歌を歌った。お腹の中の仔供達に感謝する内容だった。 その歌を聴くと、なぜか末っ仔仔実装は心がうきうきしてきた。末っ仔仔実装は成体実装石に訪ねた。 『オバチャン、その歌は何テチィ?』 成体実装石は微笑みながら答えた。 『これは『しあわせの唄』デス。こうやっていろいろな事を教えながらお腹の仔供を育てるのデス。 ママになる幸せ、姉がいる幸せ、妹がいる幸せ、実装石として産まれる幸せ、この世に産まれる幸せ、 そう言ったこの世界の『しあわせ』を、仔供達に教えて上げるのデス。』 『テェ〜♪ なんだか暖かい気持ちになるテチュ…♪』 『デスゥ♪ もうじき仔供達が産まれてくるデスゥ。アナタはワタシの仔供だから、仔供達のお姉ちゃんに なるデス♪』 『…テチ!! ワタチ、オネェチャンになるテチ!?』 『そうデス♪ もうじきお姉ちゃんデスよ♪』 『テチィ!! 嬉しいテチ♪ 嬉しいテチ♪』 * * * * それから2週間ほどが経った。 末っ仔仔実装は、この母代わりの成体実装石にすっかり懐いていた。 その成体実装石の両目が真っ赤になり、とうとう出産の時が来る。人間の用意した、水を溜めた容器の上に成 体実装石は跨り、出産の為苦しそうに声を上げ始めた。末っ仔仔実装はそれを心配そうに見つめる。 『デェエエ… く、苦しいデス、辛いデス… で、でもママは頑張るデス… だからお前達も元気で産まれて くるデス… デゥウウウ!!!』 ぽちゃん。 『テッテレ〜♪』 ぽちゃん。 『テッチィ〜♪』 ぽちゃん。 『テッチュ〜♪』 ぽちゃん。 『レッチュ〜♪』 ぽちゃん。 『リッチュ〜♪』 ぽちゃん。 『レッフン〜♪』 ……… …… … 長い苦闘の末、成体実装石から、粘膜に包まれた蛆状態の仔実装が産まれた。 『デェ、デェ、デェ… デッスウゥゥゥ〜ン♪ 産まれたデスゥ♪ ワタシの仔供… ワタシの仔供デスゥ♪』 喜ぶ成体実装石。そのまま、蛆状態の仔実装から粘膜を舐め取ってやる。 5分ほどもすると、12匹の仔実装が元気よく立ち上がった。全員無事産まれたようだ。 『テチィ♪ 良かったテチィ♪』 安堵の声を上げる末っ仔仔実装。その声を聞いて、産まれたばかりの仔実装の一匹が反応した。 『テチ? ママ、この人はだれテチュ?』 末っ仔仔実装を指し示しながら、成体実装石に訪ねる、産まれたばかりの赤ちゃん実装石。 その問いに、母親になったばかりの成体実装石が答える。 『あの仔実装はママの仔供デス。お前達のお姉ちゃんデス♪』 そう言って赤ちゃん実装達に末っ仔仔実装を紹介する成体実装石。末っ仔仔実装も、赤ちゃん実装石達に笑顔 で答えた。 『初めましてテチ。 ワタチはアナタ達のオネェチャンテチ。 ミンナ、宜しくテチ♪』 『テチ〜!! オネェチャンテチ?』 『オネェチャン、初めましてテチ♪』 『こちらこそ、宜しくテチ♪』 末っ仔仔実装と、産まれてきた赤ちゃん実装石達、そしてそれを見守る成体実装石。和やかな雰囲気が辺りに 広がった。しかし… がちゃん。 部屋の扉が開く。そして、部屋の中に人間がやってきた。自然と緊張する仔実装。一方の人間はそんな事を気 にも掛けない。 「お〜、産まれてる、産まれてる。数もぴったりだ。」 「薬使って少々多めに妊娠させたからな。あんまり薬とか使うの、教授は嫌がるんだけどな。」 「んじゃ、早速回収すっか。」 そう言って、人間は成体実装石のケージに近づき、中に手を伸ばす。そして、成体実装石と、赤ちゃん実装石 達の中の一匹… 一番小さかった個体を取り上げた。 『デギャ!? な、何をするデス!? は、放すデス!! 放すデス!!』 『テチャァ〜!! た、助けてテチ〜!! 助けてテチ〜!! ママ〜!! オネェチャ〜ン!!』 過去の自分が体験した出来事さながらの光景に、酷く狼狽する末っ仔仔実装。 そのまま、必死で人間に抗議の声を上げる。 『テチャァアァアア!! 何をするテチ!! ママを、イモウトを放せテチュ!!』 檻を掴み、必死で声を上げる末っ仔仔実装だが、木箱の中では結局何もできなかった。 そのまま、成体実装石と、取り上げられた赤ちゃん実装石はケースに入れられ、部屋から連れ出されてゆく。 『デスゥ〜!! あ、アナタはお姉ちゃんデスゥ〜!! こ、仔供達を、仔供達を頼むデスゥ〜!!』 成体実装石は、連れ出される瞬間、末っ仔仔実装に必死で声を掛け、仔供達の事を頼んだ。 『…テッ!! 任せるテチュ!! オネェチャンとして、きちんとこの仔達の面倒を見るテチュ〜!!』 末っ仔仔実装は、あらん限りの力を振り絞って成体実装石に声を掛けた。それが成体実装石に届いたかどうか は分からないが、それは同時に末っ仔仔実装の誓いになった。 * * * * 『テェエエエ〜ン…』 『テスン、テスン…』 『テェェェエエエエエ…』 『クスン… クスン…』 『レェェェエ…』 ケージの中で、母親と引き離されたことを悲しみ、泣き続けている赤ちゃん実装達。 その赤ちゃん達に、かって成体実装石が自分にしてくれたように、向かいのケージから優しく声を掛ける。 『泣かないテチ、泣かないテチ。 良い仔だから泣きやむテチィ。』 『テェエエン、テェエエン、…テェ…?』 『…テチィ?』 『…テェ…』 『…テチュ…』 『…だれ…テチュ?』 『…オネェチャン…テチ?』 『そうテチ、オネェチャンテチ。きっと、ママにも、あの仔にもまた逢えるテチ。だから泣きやむテチ。』 『テェエエエ〜ン、オネェチャ〜ン』 『テェエエエ〜ン』 『オネェチャ〜ン、オネェチャ〜ン、オネェチャ〜ン…』 * * * * 末っ仔仔実装はその日から、何匹もの赤ちゃん実装石の『姉』になった。 向かい合わせの木箱の中、お互いに触れあう事のかなわない身の上だったが、末っ仔仔実装は赤ちゃん実装石 達に良く話しかけ、いろんな事を教えていった。 ママの事。 自分の事。 実装石の事。 この世界の事。 産まれてきた喜び、幸せ。 赤ちゃん仔実装達も、末っ仔仔実装にすっかり懐いていた。 『テチュ〜ン♪ オネェチャァアン♪』 『お話してテチュ♪ もっとお話してテチュ♪』 『オネェチャンのお話 ダイスキテチュ♪』 『テチ、それじゃあ、次のお話をしてあげるテチュ♪ 昔、昔…』 数週間が過ぎ、赤ちゃん仔実装達は既に普通の仔実装にまで成長していた。 末っ仔仔実装も、既に中実装だ。 再び幸せな時が流れていった。 それでも、時に別れがあった。 * * * * 『テチ〜!! は、放せテチィ!! 放せテチィ!! オネェチャァア〜ン!! オネェチャン、助けテチィ!!』 『テシャァアアァァア!! その仔を放せテス、クソニンゲン!!』 乱暴に仔実装姉妹の一匹をつまみ上げた『ニンゲン』に、末っ仔実装石が吠える。 時折、人間はこの部屋にやってきた。来る目的はまちまちで、単に餌をくれるだけの場合が多かったが、部屋 の他の実装石達に何かしている場合もあるようだった。そして、時には仔実装姉妹の中から一匹を連れて行く 場合もあった。 摘み上げられ、泣き叫けび、暴れ回る仔実装に、何かの機械を通して人間が声を掛ける。 「おいおい、これからお前をママや連れてった姉妹達の処に運んでやろう、って言うんだぜ? そんなに嫌がるなよ。」 『テチ? 本当テチ? 本当にママの処に連れて行ってくれるテチ?』 「本当だとも。だから、そんなに暴れるなよ。」 『…テェ〜』 おとなしくなる仔実装。姉である中実装や姉妹達と離れるのは悲しい。しかし、産まれてすぐ離ればなれにな った『ママ』や、これまでに連れて行かれた『姉妹達』にも逢いたい。 結局、おとなしくなった仔実装は、そのまま部屋から連れ出されていった。 後に残された姉妹達は、連れ出された後で『ママ』に逢えると知って喜びを隠さなかった。 『テチ? ママに… ママに逢えるテチ?』 『テチ? 本当テチ? 』 『ママ? ママ? 逢いたいテチュ、逢いたいテチュ〜!!』 一方の末っ仔中実装はそれを見て寂しくなった。 自分もいつか、産まれてすぐに離ればなれになった本当の母親や姉妹達に逢えるだろうか。 それとも、自分はこのままなのだろうか。いつか、仔実装姉妹が全て連れていかれたら、またひとりぼっちに 戻ってしまうのだろうか。 際限の無い不安感が彼女を襲った。 * * * * 更に時間が流れた。 仔実装姉妹は一匹、また一匹と連れられていった。 いまや、残っているのは成体になった末っ仔実装石と、成体間際まで育った、実装石姉妹の最後の一匹の二匹 だけだった。 そして、ついに『ニンゲン』がやってきた。 * * * * 「よ〜し、今日はお前の番だぞ〜。すぐママ達の処に連れて行ってやるからな。」 とうとうこの日が来てしまった。 末っ仔実装石は覚悟を決めていた。せめて、母親や姉妹達に逢えるこの『妹』を祝福してやろう。 例え自分がひとりぼっちになっても、『妹』が幸せになれるなら、その方が大切だ。 『よ、良かったデス… と、とうとうアナタもママやみんなに逢えるデス。 ママ達に逢ったら、ワタシも 立派な成体実装石になった、ママのおかげデス、と伝えておいて欲しいデス…。』 本心を気取られないよう、必死に涙をこらえ、笑顔を作る末っ仔実装石。 しかし… 『嫌テス!! ワタシはココに残るテス!! ワタシがいなくなったら、オネェチャンはひとりぼっちになってしまうテス!! だから、 ワタシはココに残るテス!!』 実装姉妹の最後の一匹は、末っ仔実装石の本心に気づいていた。そして、『姉』を思う心も持ち合わせていた。 彼女は人間から逃れようとケージの中を必死に暴れるが、結局人間に捕らえられた。 それでもじたばたと暴れる彼女に、人間はうんざりした視線を送る。 「おいおい、コイツは一匹だけでもいいんだよ。もうじき、ママになるんだからな。 見てみな。 両目とも緑色だろ。」 『テッ!? 本当テス、オネェチャン、お腹に仔供がいるテス!!』 『デッ!? わ、ワタシのお腹に仔供がいるデス? ワタシ、ママになったデス?』 自身、妊娠に気が付いていなかった末っ仔実装石。驚愕の事実に唖然とする間に、姉妹達の最後の一匹が連れ て行かれる。 『テェエエエ、オネェチャン、きっとまた逢えるテス!! ママやみんなにもきっと逢えるテス!! たくさん、たくさん仔供を産ん で下さいテス!! いつかきっと、オネェチャンの家族と一緒に、たのし…』 『デッ…!! 分かったデス!! きっと、たくさん仔供達を産んで、また逢うデス〜!! きっとみんなで 幸せになるデス〜!!』 精一杯の大声で、遠くに去ってゆく『妹』に声を掛ける。 いつかまた、きっと再会する事を誓って。そのときには、自分もまた母となって、素敵な一家を築くと、そう 去りゆく『妹』に約束を立てた。 ……… …… … . . かくして、末っ仔実装石は、妊婦実装になった。 * * * * デッデロゲー♪ デッデロゲー♪ デッデロゲッゲー♪ デロデッゲー♪ 部屋の中に、妊婦実装の歌声が響いていた。 その歌は、部屋の中に置かれていた木箱の中から聞こえてくる。 その中には、お腹を大きくした妊婦実装。 相変わらず木箱に閉じこめられたまま、視界には他の実装石はいない。 それでも彼女はひとりぼっちではなかった。 『しあわせの唄』を歌い終わると、優しく、愛おしそうに腹を撫でさする。 母の声が届いているのか、お腹の中で、ぴくん、ぴくん、と仔供が反応する。 その感触に妊婦実装は嬉しくなり、優しく優しく腹をさすりながら、義母に教わった歌を、更に大きな声で歌 い出した。 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達のママになれて幸せデス〜♪) 『デッデロゲー♪』 (ママはお前達に会える日を楽しみにしているデス〜♪) 『デッデロゲッゲー♪』 (お前達はママの宝デス、この世で一番の宝デス〜♪) 『デロデッゲー♪』 (みんなで仲良く暮らすデス、楽しいことをして暮らすデス〜♪) ぴくん。 ぴくん。 彼女の歌に、お腹の仔供達が応える。 聞こえるハズは無いのに、お腹の仔供達の声がはっきりと聞こえる。 (…ママ…) (…ママ ワタチ、ママの仔供で幸せテチュ…) (…ママァ… 早く会いたいテチュ…) (…ママ …ママ… …大好きテチュ…) (…ママ…) (…ママァ…) (………) (……) (…) もうじき、もうじきだ。 彼女は自分の仔供達がもう充分に育っている事を感じていた。 明日か、明後日には自分の両目は真っ紅に染まる事だろう。そうしたら、仔供達に逢える。 仔供達が産まれたら、優しく粘膜を舐め取ってやろう。楽しく話しかけてやろう。家族みんなで笑い合おう。 自分が味わったような、辛い思いは絶対にさせない。今度こそ、今度こそ本当の家族を手に入れる。 そしていつか、別れた実母や姉妹達、義母やその家族達と仲良く暮らしてゆける日が来る。 自分と仔供達と、そしてみんなとで、幸せな暮らしを送るのだ。 彼女は、そう信じていた。 そのまま、幾度となく仔供達に優しい歌を歌い続けるうち、いつの間にか彼女は眠りに就いた。 可愛い仔供達との幸せな生活を夢見て… * * * * 『…デス?』 目覚めた時、彼女は自分が木箱の外にいる事に気付いた。 起きたときに必ずあった、木箱の木目の天井ではない。 白い綺麗な壁だ。所々出っ張りがあって、そこに光る棒が何本か、規則的に並んでいる。 『…ここは…、 ここは、一体何処デス? ワタシはなんでこんな処に… デデッ!?』 起きあがろうとして、身動きできないことに気付いた。 マジックテープを利用した拘束台によって、彼女の四肢は固定されていた。 それだけではない。服も無く、全裸だった。 『デッ、い、一体なにがどうなっているデス?』 辺りを見渡す妊婦実装。 周囲は白い壁に覆われ、その中には幾つかの白いデスクと組み合わせた椅子。壁際には棚があり、その中には ガラス器具があった。自分の脇にはなにやら機械のようなものが置かれているが、それが何なのかさっぱり分 からなかった。 『デェエ…?』 首をひねる妊婦実装。何とか起きあがろうとするが、貧弱な実装石の腕力では、マジックテープを剥がす、そ れしきの事さえできなかった。 ガラガラガラ… そのとき、妊婦実装の死角にあった扉が開き、『ニンゲン』が何人もやってきた。 「じゃあ、皆に説明を頼むよ。」 「はい、教授。 …よ〜し、んじゃ説明するからな、全員『検体』の傍に集まれ。」 『ニンゲン』が自分の周りに寄ってくる。 『…な、何事デスゥ? わ、ワタシになにをするつもりデス!?』 妊婦実装は声を上げるが、リンガルを持たない人間には『デスデス』という意味のない鳴き声にしか聞こえな い。 「まずこれだ。電源を入れて、それから…」 一人の人間が、他のもう少し若そうな人間に身振り手振りを加えながら何事か説明している。 と、妊婦実装の脇の平らな板に明かりが灯った。 「…とまぁ、これで起動完了。 これが『超音波検査機』の立ち上げ方だ。で、使い方だが…」 そう言って、説明をしていた人間が機械から伸びているコードの先端の端末を、妊婦実装の腹部に当てる。 『デデッ?』 何をされるのか、と思った妊婦実装。突然腹に当てられた機械に不安を覚えるが、次の瞬間、もっと驚くべき ことが起こった。妊婦実装の脇に有った、平らな板の中に、彼女の胎内の様子が… 彼女の胎内に漂う、蛆状 態の仔供達の様子が映し出されたのだ。 『仔供… わ、ワタシの仔供…? ワタシの仔供!! ワタシの仔供達デスゥ〜♪♪♪』 彼女の脇に有ったのは超音波検査機であった。平らな板と思ったのはそのモニターで、モニター映像には胎内 にいる彼女の仔供達の様子が映し出されていた。実装石である彼女には、原理も理屈も分からなかったが、そ こに映し出されているのが自らの仔供達である事が直感的にわかった。 もうじき逢えるとは知っていた。だが、実際にその姿を一足早く見れるとは思わなかった。 『デスゥ〜♪ 初めまして、ワタシの仔供達デスゥ♪ ワタシがアナタ達のママデスぅ♪』 画面の中の仔供達に挨拶する。本来、声が届くはずはないのだが、姿が見えるせいか、なぜか彼女の声は胎内 の仔供達に届いた。 (…レチュ?) (…ママ、レチ?) (…ママを感じるレチ…) (…ママ、いつもおうたをアリガトウレチュ♪) (…ママ〜♪ ワタチ、ママのおうた、だいすきレチュ♪) (…ママ…♪) (……♪) (…) 『…デ、デスッ。 う、うれしいデスゥ〜♪ これでもうひとりぼっちじゃ無いデス。 これから皆で楽しく 暮らすデスゥ…♪』 仔供達との初めての対面。感極まった彼女は、泣きながら全身でその喜びを表現していた。 * * * * 「先輩〜、なんか『検体』がデスデス五月蠅いんですが。」 「ほっとけ。どいつも最初は喚くんだ。2回目からはおとなしくなるから。それより、続けて説明するぞ。 次にコイツの使い方だが…」 人間達は、そんな彼女の機微には無関心だった。そのまま、説明役の人間が、別の機械を持って作業を始める。 再び、妊婦実装の腹に別の端末を当てた。 『…デッ?』 彼女がそれに気が付いた瞬間… − キィイイイイイィィィ…ン − * * * * (…レ? …レギャアァァア!? い、痛いレチュ? お、オテテが…ッ からだ、イタイ… レ… ゲ… グゲ…ッ!!) 画面の中の仔供の一匹が突然苦しみだした。苦悶の表情を浮かべ、じたばたとのたうちまわる。 『デェェエエエ? な、なにごとデスゥ? い、一体何が起きたデス!!???』 困惑する妊婦実装。だが、四肢を拘束された彼女にできる事はなかった。 (…い、痛いレチュ、 苦しいレチュ… …ママ… た、助け… レ… レギャ!? い、命が… ワタチの… 『命』が… 砕け… レギャァアアァァ…!! ワタチの『命の石』が砕けるレチュゥゥウウウウウゥ… レグベェエエエェェ…! …!) ぶちゃ!! 画面の中で、苦しんでいた彼女の仔供が一匹、全身を包んでいた粘膜ごと吹き飛んで胎内に四散した。 粘膜の保護を失って、そのまま、その胎児実装の残骸は強力な胃液によりどろどろに溶かされていった。 『デ、デデ、デデデ… デギャァアアアアァァァァァァアアア〜〜〜〜〜〜!!!??? 死んだデス!? なぜ? なぜデス!? なんでワタシの仔供が死んだデジャァァァァァアアアア!!!!』 * * * * 絶叫する彼女をよそに、人間はまた話を続けていた。 「これが、『超音波結石破砕装置』の使い方だ。 こうやって、結石の代わりに、『偽石』を破壊するのが、 今日の実習だ。 手本は今見せたとおり。 じゃ、双葉、お前からやってみろ。」 「…うまくできるかな… 先輩、この『検体』の偽石を破壊してしまうようなことは…?」 「心配するな。コイツの偽石は頭にある。体にはないから滅多なことじゃ失敗しない。思い切ってやれ。」 * * * * − キィイイイイイィィィ…ン − 再び超音波の振動が、彼女の胎内にいる仔供の一匹を襲った。だが、未熟な学生の腕では、先の指導係の院生 のように、的確な作業はできなかった。彼女の仔供は、じわじわと苦しめられてゆく。 (…ギョギィィ〜!!? …ギョギィィ〜!! …ギョギィィ〜!! …ギョギィィ〜!! ゲッ、ゲッ、ゲッ、ゲッ、ゲェエエエ〜!! い、痛いレチ、痛いレチ、痛いレチ〜!! だ、だれか、たちゅけてレチュ〜!! ギゥ!!? ゲハァ、ゲッゲッゲッ…) 激痛に襲われ、のたうち回る胎児実装。苦しみ悶えるその声は、妊婦実装に届いていた。 『デジャア!! 仔供! ワタシの仔供!? しっかりするデスゥ〜!! ママが、ママが守るデスゥ!!』 そう言って必死でもがく妊婦実装だが、全身を固定されて実際にはなにもできない。仮に拘束が外せても、胎 内の出来事には手の出しようがないだろう。 「くそ、上手くいかないな…。 出力を上げてみるか。」 破砕装置の出力を上げたその瞬間。偶然、端末の方向と標的の胎児実装とがピタリと一致した。 過剰なエネルギーは、砕け散る前に、偽石を強力に発振させ、エネルギーは熱量に変換し… (レペ…?) ぼんっ!! 一瞬で胎児実装は煮えたぎり、沸騰してはじけ飛んだ。 (レギャァアア〜!!) (な、なにがおこっているレチュ〜!!) (ミ、ミンナがしんでゆくレチュ!) (い、いやレチ! 産まれる前にちにたくないレチ!!) (レェエエ… ミ、ミンナ、落ち着くレチュ!!) パニックに陥る寸前の胎児実装達。しかし、一匹の胎児実装が、姉妹達に落ち着くよう声を掛ける。 もしこの世に生を受ければ、きっと『賢い実装石』と呼ばれたであろうこの胎児実装は、姉妹達の為、勇気を 出して皆の先頭に飛び出した。 胎外にいる、姉妹達を惨殺した存在 …それが何者か分からないまでも、その存在だけは感じ取った… に怯 えながらも交渉を持ちかける。 (レチュ…。 も、もうコウサンするレチュ、お、おねがいレチュ…、みんなをもうこれ以上コロさないでレチュ… ワタチ たちは産まれても悪いことはしませんレチュ、ママの言うことは素直に聞きますレチュ、みんなで仲良くしますレチュ、 だ、だから、もうこれ以上ひどい事を…) しかし、胎外にいる人間はそんな胎児実装の切なる声に全く気が付いていなかった。いや、それ以前に、気が 付いても何ら対応を変えることはなかっただろう。 医学部の教授や学生達にとって、彼女達実装石はお手軽な『実験動物』であり『検体』でしかない。 彼らは、実装石に『意見を口にする権利』どころか、『考える権利』すら認めていなかった。 * * * * (お、おねがいレチュ… もうひどいことを… レピィ!? レピレピレピィイイイェウアア… ァアアァァァアアアペェエエ〜〜〜!!) べちょ!! 姉妹達を守るため、必死に『何か』に交渉を行った胎児実装が、やはりバラバラに四散して殺されると、残っ た者達はパニックになった。最早、逃げるしか助かる道はない。 …しかし、何処へ? (レピィ、レピィ… こ、こわいレチ、こわいレチ、ちにたくないレチュ… だれか、だれかたちゅけてレチュァ〜!!) 胎児の一匹が、がむしゃらに走り出した。逃げる宛も無かったが、じっとしていても殺される、という思いが 彼女にそのような行動を取らせた。 胃液の海の中を、粘膜に守られつつ駆けめぐり、どうにか胃壁にたどり 着く。『壁』の存在が、彼女に安心感を与えた。 (…レピィ、こ、これでもうあんしんレチュ。 もう怖いことはおこらないレチュ♪) もちろん、そんなものは、『幸せ回路』が産んだ幻想に過ぎない。 * * * * 「はは、先輩、向こうから来てくれましたよ」 「どうせ媚びでも売っているつもりなんだろう。全く、実装石は馬鹿だな。」 双方共に意思の疎通など成立してはいなかった。最もそんなものに意味はなかった。 あるのは、単に立場の違いだけだ。 …潰す側と、潰される側と。 * * * * (レ゛ェエェヘベェェエエエェエエ〜!! な、なんでレチュ!? こ、ここはダイジョウブな場所のはずレチュ!! エエ、い、痛いいたいイタイイタイィィ…ィイイ…イイィイイイィ…ィイイィイィィィ …ボヒャァア!!) ちべっ!! 根拠のない安全への保証はあっけなく失われ、胎児実装は先の姉妹同様四散して果てた。 * * * * 『…!! ワ、ワタシの仔供!! ワタシの仔供達…!! 死ぬ… 死んでしま… アァァァアアア…!! の、残った仔供達だけでも… 残った仔だけでも助けるデスゥ…!!』 理由は分からないが、胎内にいる仔供達が次々に殺されてゆく。その姿を見て、妊婦実装は最後の手段に出た。 下半身に力を込め、胎内の器官の活動を活発化さる。仔供達を外に『脱出』させる。そう、無理矢理子供達を 出産しようと考えたのだ。元々、今日明日中にも産まれようという状態だったから、決して不可能な事ではな かった。翠色だった両眼が、真紅に変色する。 『デスゥ…! う、産まれてくるデス、お前達ッ!! そ、そこは危険デス!! 外に… 外に逃げさえすれ ばきっとみんな助かるデス…!! ママが… ママがきっと守るデス!!』 胎児達に脱出への道を示したつもりだった。だが、パニック状態の胎児達は、その事実を理解できなかった。 * * * * (…レピィ? ヒィ、な、流されるレピャァアアア〜〜!!) 一匹の胎児実装が『下流』に流されてゆく。それは正しい出産の課程を経ており、本来なら他の胎児実装達も その流れに逆らうことはなかったのだが、パニックに陥っている残り二匹の胎児達は、その流れがまるで魔物 の口に吸い込まれていくように感じ、必死に抗っていた。 胎児の一匹は、胃の内壁に噛みつくことで、どうにか流される事から耐えていた。だが、もぞもぞと動き回る 内壁は、その胎児実装を下流に押し流そう、押し流そうと蠢動する。結果、胃壁に洗われるようにして、その 胎児実装の体表面から、胃液から彼女を守る『粘膜』が失われていった。 (レピレピレピ… は、はやく止まってレチ、な、流されちゃうレ… レェエエ!!? な、なんだか身体がヒリヒリ するレチュ? ペペ…? ヒャァアア!! と、溶けてくレチュ!! か、からだが、ワタチのからだが溶け… ヒアァア!! ギャアァア〜〜!! お、おめめ痛いレチュ〜!!) 生きたまま全身が強力な胃液で溶かされてゆく胎児実装。噛みついていた顎も溶かされると、彼女はそのまま 胃の中に投げ出され、胃の内壁…本来なら彼女を生み出すために行われている収斂活動…によってもみくちゃ にされた。元々胃液に溶かされ脆くなっていた胎児実装の肉体はそれに耐えきれず、… (レェエ… ワ、ワタチが… ワタチが… 無くなってゆくレチ…! か、からだが… からだが… 粉々に… 砕け… 無くなって… 嫌レチュ… ちぬのは… き、消えるのは… 嫌… チュゥゥウウ… ) どろり。 そのまま、その胎児実装は溶けてこの世から消え去った。 …そのころ、胎内に留まったもう一匹の胎児実装は、別の場所に逃げていた。 * * * * 「ありゃ? なんか、三匹いたハズが、全部見失ってしまったような?」 「そんなハズはずはないだろ。良く探してみろ。」 「っても、偽石サーチャーには偽石の反応が二匹分しか… あ、いたいた。一匹、こんな処にいやがった。」 * * * * (レリュレリュ… 臭いし、ヘンな感じがするレリュけど、こ、ここならあんしんレリュ…。 ) 胎児実装が逃げ込んだのは、妊婦実装の胎内にある『糞塊』の中だった。そこに首だけをつっこんで隠れたつ もりになっていた。『超音波検査機』では色が付かないから、糞に紛れてしまうと分かりにくいのだ。 しかし、それも発見されてしまえば、何ら胎児実装を護る役には立たなかった。 − キィイイイイイィィィ…ン − (…レピ!!? ゲ、ゲ、ゲ、ゲゲェエ… お、おかしいレリュ、からだが痛いレリュ…!! こんなハズ無いレリュ… こ、こんなの間違っているレリュ!! ァァアアアァァァアァァアアアア〜〜〜〜〜!!!) もがきまくる胎児実装。苦しみながら息を吐き、そして吸う。だが、その頭は糞塊につっこんだまま。 だから、鼻と口から、気管に吸いこんだものは… (ゲェェエエ!! く、臭いレリュ!? 苦いレリュ!? なんで、なんでこんなものが来るレリュ…! 苦しいレリュ… グヒ… 痛いレリュ… な、なんでこんなことになるレリュ…? ワタチは、ワタチはいっぱい、一杯、おいちいものを、 たくさん食べて、ちあわせになるはずレ… たちゅけ… …ベヒャ!!) べきん!! 最後の瞬間まで、激痛と悪臭と糞の味に苦しみながら、『超音波結石破砕装置』に偽石を砕かれて、その胎児 実装は死んだ。 * * * * (逃げるレチ…!! こっちならダイジョウブレチ…!! このまま行けばママに逢えるレチ… ママはきっとワタチ達を 護ってくれるレチュ…!! ママ…!! ママ…!!) 最後の胎児実装… 出産の流れに乗って『下流』に流されていった胎児実装は、少し落ち着きを取り戻すと、 これが本来の流れであり、自分が『外』の世界に向かって進んでいることに気が付いた。だから、そのまま 素直に下流に流され、総排泄孔の近くにたどり着いていた。 このままゆけば、『外』に出られると、そして 『母』に逢えると信じて。 …しかし。 …本来、実装石の出産は水場の上で屈むか、あるいは完全に腰を水中に沈めた状態で行われる。 主な理由は、胃液に溶かされないよう胎児の全身を包んでいる粘膜が、外気に触れて乾燥し固まってしまうと、 もうその個体からは手足が生えなくなるため、少しでも粘膜の乾燥を遅らせる、ということであるが、他にも 理由は有った。元々、さほど頑強ではない実装石だが、特に生まれたての蛆実装や仔実装は脆い。母の胎内から 生まれ落ちる、ただそれだけで致命傷を負う場合も多い。だから、水場を利用し、出産の際の落下衝撃から仔供 を護ってやらなければならないのだ。 この胎児実装の場合、母親も本人も、必死に胎外へ脱出させよう、脱出しようとの思いが強すぎた。 必要以上に勢いづいた胎児実装は、まるで水平方向に飛ぶロケットのように総排泄孔から飛び出し… 『テッ〜テ… ベヒャ!?』 ピキ。 …そのまま、放物線を描いて床に激突した。全身の組織がずたずたに裂け、更に偽石にも致命の傷が走った。 『…デェエエエ!!』 産まれたばかりの仔実装は、全身を覆う怪我に加え、落下の衝撃で両目も完全に潰れていた。何も見えない 暗黒の中、必死に自分を護ってくれる唯一の存在 …『母親』に救いを求める。 『…マ、ママ… どこレフ… い、痛いレフ… たちゅけて… たちゅけてレフ…』 『しっかりするデス!! ママは此処に居るデス!! 駄目デス!! 死んじゃあ駄目デスッ!! すぐに助けるデス!! だからしっかりするデス!!』 『…ママ…? …ママ… たちゅけて… 死んじゃうレフ… 死んじゃうレ… 』 もちろん四肢を架台に固定されている妊婦実装… いや、『元』妊婦実装には、床に落下した仔供の姿は見 えない。それでも、その声を聞き、必死に『ニンゲン』に懇願する。 『ニンゲンさん!! あの仔を助けてあげてくださいデス!! 最後の仔供なんデス!! このままじゃ 死んでしまうデス!! ケガを治してあげてくださいデス!! 粘膜を取ってあげて下さいデス… お願いデス、お願いデス… お願い… デス… 』 一人の学生が、その言葉に応えた。 「うわっ、汚ねぇ!!」 そう言って足を振り下ろす。 …ぶちゃ。 『…デッ?』 「あ〜ぁ、床を汚すなよ、全く。」院生の一人がキムワイプを取って身をかがめ、床面を拭き取る。 立ち上がったその手には、紅と翠の染みが付いたキムワイプが有った。それは架台に固定された、元妊婦実装 にもはっきりと見えた。それは、最後の仔供の命が弾けた証だった。 デッ…? デッ、デッデッ…? ワタシの仔供…? ワタシのこども…? みんな… みんな死んでしま…? しま、…!? 『 ワ タ シ ノ コ ド モ ハ 、 ミ ン ナ 、 死 ン デ 、 シ マ ッ タ ? 』 . . . . . . 『…ッツギャァアァァァァアァァァッァ〜〜〜ァァアア〜〜ェェェェエアァァァェエエガァァアア…!!!』 絶叫する元妊婦実装。それに対する人間の反応は冷ややかだった。 「…五月蠅い。」 そう言って床を拭いた院生が、その手に有った、紅翠の染みのついたキムワイプを彼女の口に突っ込む。 『…ムグ!? ムグ、ムグ、ムッグ、…!! ムッ、ムッ…!!』 血と肉の味が口内に広がる。本来なら実装石にとって美味なるハズのそれは、彼女に吐き気を催させた。 かくして、彼女は涙を流す以外に、その悲しみを表現する手段さえ奪われた。 * * * * 「偽石サーチャーの反応は全部消滅か。 一匹行方不明のままじゃが、どうやら死んでしまったようじゃな…。 とりあえず実習は終わりにするか。 キミ、次回の準備と、後始末を頼むよ。」 「分かりました。やっときます。」院生の一人が返事をすると、教授は部屋を出ていった。 てきぱきと院生や学生達が後始末をする中、二人組の院生が、架台に拘束されたままの『元』妊婦実装の元に 近付いてきた。 「結局、準備した腹の中の仔供の内、二匹は無駄になった訳か。結構無駄になったな。オイ、次からは一匹も 無駄にするんじゃないぞ。」 …次…? 仔供が全て死んでしまった事、更に最後の仔供のあまりに無惨な死に様を見て、放心していた『元』妊婦実装 に人間の一人が話しかけた。話の内容が最初彼女には分からなかったが、次の瞬間、その意味は理解できた。 院生の一人は花を手に持っていた。そのまま彼女に近付き、総排泄孔にそれを突っ込む。程なくして彼女は また両目が翠に変わり、妊娠した。 「うわっ、生々し…」 「いいだろ、前の時みたいに餌に花粉混ぜるより、この方が確実で簡単なんだよ。」 そう言って、今度は再び身籠もった、妊婦実装に話しかける。 「おい、次からは無駄に死なせたりしたら、ぶん殴るからな。大体、人間様の役に立たせてもらえるんだから ありがたく思うのが道理だろうに、全く。」 勝手な事をほざく院生だが、最早それは妊婦実装に届いていなかった。 * * * * …次…? ワタシはまた仔供を身籠もったデス…。 次…? お腹の仔供達…? 次…? また殺されるデス…? ワタシの仔供、また殺されるデス…? ずっと…? このまま…? ワタシの仔供は、殺され続けるデス…? 『外』を知らないまま? ワタシは、ずっとひとりぼっちのまま…? 仔供に逢えないデス…? …う、嘘デス… そんなの嘘デス… …う、産まれてこれないデス…? ずっと殺され続けるデス…!? …一生、ワタシは仔供に逢えないままデス…? ワタシは、ずっとひとりぼっちのままデス…? 嘘デス……。 そんなの嘘デス…!! 嘘デス…。 嘘デス…。 嘘デス…。 嘘デ…。 … * * * * 「おい、『検体』を飼育室に戻すから、誰か手伝ってくれ。」 学生の一人が応じて、院生と二人がかりで、呆然としている妊婦実装を架台に拘束したまま、飼育室に向かっ て運んでいった。 妊婦実装は涙と共に鼻水をだらだらと流し、鼻だけでは呼吸困難になりそうだったので、 口内からキムワイプは取り除かれている。 …デーッ、デッ、デッ… …デッ、デッ、デッ… …デッ、デッ… …デッ… …… … . 飼育室への道すがら、学生の方が、妊婦実装の反応に違和感を覚えて院生に話しかける。 「先輩、なんか、小声でデーデー呟いてますが。仔供が全員死んじまったショックで壊れてしまったんじゃ 無いですか。 これじゃ、下手をしたら偽石も自壊して…。」 「ああ、それは大丈夫だ。コイツの偽石はコーティングしてあるからそうそう壊れたりしない。間抜けな 話なんだけどな、体内に偽石が無いと仔供の成長に良くないんだよな〜。」 指導役の院生が答える。 「はぁ、そうなんですか。 …でも『間抜けな話』って、何がです?」 「ああ、そっか、お前らは知らないんだな。最初に、この実装石には『頭に偽石がある』って言ったろ? 普通、偽石は身体のほうに有るんだが、こいつは生まれつき偽石が頭に有ったんだ。わざわざ、そういう 変わり種を選んでこの練習用の『検体』にした。 でもさ、偽石抜いて加工して戻すんなら、別に最初は 偽石が頭にあっても、体にあっても同じだろ? 戻すとき頭に戻せばいいんだから。 だのにわざわざ 生まれつき頭に偽石がある個体を選ぶから『間抜けな話』なのさ。」 「へぇ… 何でそんな手間を?」 「教授が嫌がるんだよ。『変更は最小限に抑えるんじゃ。なにか新しい変化があったとき、その変化の原因追 及が難しくなるじゃろ。』って、な。 こんな掃いて捨てるほどいるような実験動物で今更新発見なんか ないだろうに。コイツの家族だって、コイツが産まれたその日に解剖の実習に使ったけどな、特に何にも 無かったし。 『仔供だけは助けてデスゥ〜!』だの『死にたく無いテチュ〜!』だのと一家揃って五月蠅 かっただけだ。 おかげで全員がくたばるまで、えらく手間取った。」 …デッ? ママ…? お姉ちゃん達…? くたばる? クタバル? …死んだ? しんだ? シンダ? シンダ? 『 し ん だ 』? …もう逢えない…? . . . . . . 『…ッツ!!!』 母に会うことも、姉妹達もに会うことも、もう決してない。 仔供に会うことも、自分には一生許されない。 その事実が、彼女の心を破壊した。ブルブルと小刻みに震えながら、声も出せないまま、彼女の心は砕けていった。 搬送役の二人はそんな彼女の絶望に気が付くこともなく、実験室の中、彼女を架台に載せたまま搬送していった。 暫くすると、孤独に苦しむ彼女は、胎内に宿った仔供達へ語りかけるように『しあわせの唄』を歌い始めた。 …いや、本人はそのつもりだったが、壊れた彼女が歌うそれは『しあわせの唄』にはならなかった。 『デッ…デロゲー』 (…ママはお前達のママに…なれて幸せ…デッ…) 『ベッデロゲー…』 (…ママに… な… ワタシ… お前達に…会って…) 『…ドットベデルベー…』 (…宝… ワタシの… 宝… コドモ… ワタシの仔供…) 『…エペレロデ…ッゲ…』 (…ママは… みんなで… 仲良く… みんな…) …ママは… みんなで… 仲良く… みんな… …みんな …ミンナで仲良く… ミンナ… ミンナ… ひとり… ミンナ… 一人… 一人は… 一人は… 嫌… イヤ… いやデスゥ… グズ… グズン…。 ひたすらに涙を流し続け、壊れた歌を何度も何度も狂ったように歌い続ける妊婦実装。 架台に拘束されたまま、木箱に戻される途中で、うつろになった瞳にあるものが映った。 『…デッ… ママ達デスゥ… ママ達はみんな一緒に居るデスゥ… 羨ましいデスゥ…』 その視線の先には、木箱の向かいに居た、『義母』と『義妹』達が居た。 産まれてすぐ連れて行かれた仔実装。 自分を『オネェチャン』と慕ってくれた義理の妹たち。 自分をひとりにさせない為に残ると言ってくれた、最後まで一緒だった中実装。 そして、自分に『しあわせの唄』を教えてくれた義母。家族の温もりを教えてくれた義母。 小さな仔から大きな仔へ、順序よく並んでいた。一番端には義母が居た。 皆、バンザイのポーズで仲良く並んでこちらを見つめていた。 …『オネェチャン、きっとまた逢えるテス!! ママやみんなにもきっと逢えるテス!!』… その約束だけは果たされたのだ。 『標本⑧:成長過程 / 0週 〜 成体』 そうタイトルの付けられた、棚に置かれたガラスケースの中。ホルマリンで満たされたそのケースの中に、 義母の一家は居た。全員が手足を伸ばした状態でピンで固定された上、腹を切り開かれ、そこから内蔵がえぐ り出されていた。 白濁した両眼と、舌をでろん、と口からはみ出させたその顔には、断末魔の苦悶がありありと浮かんでいたが、 家族が揃っているのだからきっと幸せだろう、と壊れてしまった心の中で『ひとりぼっちの彼女』は思った。 — ひとりぼっちの彼女 ・ 終 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前作、『注意点』から早3ヶ月。 全然『ジックスもの』の筆が進まないッス。連載を書ける皆さんは、どうやってあんな長編を書いているんデス? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2007.2.13:誤字脱字修正とお詫び追記の為差し替え 某掲示板で、(事実では無かったのですが、)自演呼ばわりされたので、そのままちょっとしたお遊びのつもりで 自演のふりをしたところ、思わぬ騒ぎになってしまいました。 叩かれるのは全然OKだったのですが、「気分が悪い」と不快を表明された方や、またいらぬ騒ぎを引き起こし、 他のスク師の方々にご迷惑をおかけしたことと思います。この場をお借りして、お詫び申し上げます。 どうもすみませんでした。 −馬鹿者の作者より−
