タイトル:【馬】 虐待派を虐待してみる
ファイル:打倒!虐待派.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3375 レス数:1
初投稿日時:2007/01/18-00:44:39修正日時:2007/01/18-00:44:39
←戻る↓レスへ飛ぶ

「ヒャッハアアアアアアッ!!!!」

うなるバールのようなもの!

『デギャアアアアアアーッ!!!!』

飛び散る血飛沫!




……断っておくが、俺は虐待派ではない。

いや、それ以前の問題として、イカれた奇声を張り上げているのは俺ではないし、
野良実装にクソやかましい断末魔を上げさせているのも俺ではない。

この騒ぎは、中肉中背のこれといった特徴のない青年によるものだ。


駅の西口と住宅街との中ほどにあるこの公園、いつの時間でも人の出は多い。

3日前に彼が初めてこの公園に姿を現したときには
これだけ人目があれば、まさか暴れはしないだろう、
深夜にでも出直すだろうなどと思ったのだが……

彼はやってしまったのだ。

ドン引きする周囲の視線など御構い無しに、イカれた奇声を張り上げながら
バールを振り回して野良実装どもを虐殺しまくったのだ。


そして一昨日、昨日と続いて、今日もまた、である。

向こうでは、学校帰りに遊んでい女の子たちが泣き出している。
トラウマにならなきゃいいが…

あ〜可哀想に、あのOLさん吐いちゃってるよ…
つーか、この時間に公園にいるのって、サボリ?
あ、封筒持ってら。お使いか何かの途中か。


生活圏と言うか、行動圏のせいだろうか、
愛護派と呼ばれる人々がこの公園を訪れることは滅多にない。
逆に、駅を挟んで東にある公園などは、いつ行っても愛護派がいる。
この公園に彼らが来れば、この状況も多少は変わるのだろうか?

もっとも、彼ら愛護派の最大の敵は、虐待派ではない。

餌やり禁止の看板も無視して野良実装に餌をばら撒くような人々、
自分の飼い実装の躾も満足に出来ないような人々など、
無責任な愛「誤」派こそが最大の敵であるというのは、よく聞く話だ。

……どう考えても東の連中は愛「誤」派だな。
彼ら、いや、アイツらが来ても話がややこしくなるだけだな、こりゃ。


それにしても、青年の行為は既に実装石虐待ではなく、もはや単なる迷惑行為に過ぎない。

虐待派にしても最大の敵は愛護派じゃないんだな〜、などと考えながら
青年の方を見ていると、目が合ってしまった。

ゆっくりとこちらへ歩いてくる。

ヤバイ……


「何だよ」

刺激したらマズイぞ、これ。
虐待派を目の前にした実装石の気持ちがわかった気がする。

「いえ、別に…」

「フン……」

彼は面白くなさそうに鼻を鳴らし、俺の横をすり抜けて公園の出口へ向かった。

すれ違いざま、実装石の体液に塗れたバールを俺のズボンに擦りつけて。

……そうかい。




何とかして、あの虐待野郎を追っ払う方法はないものだろうか?

これは決して私怨ではない。
誰もが安らげる、平和な公園を取り戻すためである。うん。


彼に直接手を出すのは勿論アウト。
道徳や法律の問題もだが、奇声を上げてバールを振り回すような人間とまともに関わりたくないぞ。

伝染ったらどうする?


虐待する気も無くなるほどに野良どもを惨めな姿にでもしてみるか?
禿裸に加えて、手足の1本でもちょん切っておくとか。
そうすれば、ヤツも来なくなるだろう。

いや、待て。俺が虐待派になってどうする?

それに、あの公園の野良どもは賢く、節度を持って人間に接している。
いくら何でも可哀想だ。


野良実装どもに初期型のふりをさせる、というのはどうだろう?

論外である。
実装石の思い込みの力を侮ってはいけない。

万が一、万が一にでも、本当に初期型になってしまったら、
とても洒落では済まない。


何か、何か、いい手はないものだろうか?


やはり公園の野良どもを利用するしかない。

そう考え、ネットで実装石のことを調べまくる。

そうこうする内に辿り着いた、あるサイト……


これだ!
これなら行ける!!

といいなあ……




翌日、まずは薬局を訪れ、今回の作戦に必要なものの1つを探す。

う〜ん、思っていたよりも高いな、って試供品があるじゃん!ラッキー!

「すみません、こちらの試供品、父と母の分で2つ貰って行ってもいいでしょうか?」

「ええ、どうぞ。袋に入れますね」

薬局のオバチャンはにっこり微笑んで、6つも入った袋を渡してくれた。

騙してゴメンね、オバチャン。
ちょっとだけ良心が痛む。




次に文房具屋。

プリンタのインクはまだ残っていた筈だからA4用紙だけでいい。

重たいが、400枚入りのを2つばかり買って行くとしよう。




そして公園。

今回の標的である虐待青年がいつも入って来るのとは逆の入り口、
しかも、その外で待機している。
昨日の事もあるので、顔をあわせるのは避けたい。

そろそろ3時か。
いつも通りなら、そろそろ来る頃なんだが。

「ヒャッハアアアアアッ!!!!」

『デギャアアアアアアッ!!!!』

来た。

時計はいつも通りに3時を指している。
時報か何かみたいだな、オイ。

デジカメで彼の写真を何枚か撮るが、気づかれた様子はない。
もう実装石以外のものは目に入っていないようだ。

少しは気にしろよ……




人目を避けて深夜に再び公園を訪れる。
リーダー格の実装石と話をつけるためだ。

「じゃあ、契約成立って事で」

『あの、報酬は…』

「どの口が言うか!? いや、もしかして、この前髪が言ってるのかなあ!?」

『やめて、やめて下さいデスゥ〜』

思わずリーダーの前髪をむんずと掴み、グイグイと引っ張ってしまう。
大丈夫、引っこ抜くつもりなどない、いちおう。

「別に俺はいいんだよ?
  でも、あの虐待派を追っ払えないと、君たちは困るんじゃないかなあああ、ん?」

『で、でも、親たちの気持ちも考えて下さいデス!』

「親?」

『そうデス!
  賢くて素直な仔なんて、どの実装石だって一番大切にしてるデス。
  それを差し出せ、なんて急に言われたって、ハイそうですかって訳に行かないデス…』

なるほど、当然だろう。

「じゃあ、仔実装1匹につきコンペイトウ10、いや20粒」

『もう使わなくなったものでいいんデス。
  古い服とか、CDって言うデスか?キラキラ光る円盤とか、発泡スチロールの箱とかも喜ばれるデス』

「衣類はわかるけど、CDや発泡スチロールの箱なんて何に使うん?」

『キラキラ光る円盤にはワタシたちが映るデス。それを見ながら身づくろいするデス。
  発泡スチロールの箱は、あったかくて仔たちの寝床に最高デス。』

こいつらも色々工夫してるんだな……
思わず微笑みがこぼれる。

「いいよ、それぐらいだったら。じゃあ、契約成立な」

『はいデス』




リーダーの集めてきた仔実装はわずか3匹。

仕込みに付いて来られない仔もいるだろうから、
本当はもっと数が欲しかったのだが、これは仕方がないだろう。
やはり、賢くて素直な仔というのは希少なようだ。


とりあえず必要なものは揃った。

しかし、ここからの手間もかなりのものだ。

集めた仔実装たちに、”あるもの”になりきって貰わねばならない。

初期型実装石がダメならば、 中期型? 実装さん? 実超石?

いや、ある意味、もっとヤバイものにである。




翌朝。

「おはよう、仔実装ちゃんたち」

『あ、あれ…ここ…どこテチ?』
『ニンゲンさん、誰テチ?』
『ママはどこテチ?』

「ここは僕の家だよ。 そうそう、あらかじめ言っておくけれど、
 僕は君たちのことを飼うつもりは全く無いからね」

仔実装たちの顔がサアーッと青ざめる。

飼うつもりではないのに家に連れて来る、これは普通ならば虐待を意味する。
そのことを察するあたり、リーダーの値踏み通りに賢い仔たちなのだろう。

『ワ、ワタシたちをオウチに帰して下さいテチ』
『…テ、テェエエーン、テェエエーン』
『泣いちゃ駄目テチ、泣いちゃ…泣…テェエエーン、テェエエーン』

もちろん、虐待するつもりなど毛頭ない。

「大丈夫、君たちに危害を加えるつもりは無いよ」

『……本当テチ?』
『…』
『虐めないテチ?』

「本当だとも。君たちに来てもらったのは、大事な話を聞いてもらうためなんだ。
 君たちのママだって、承知の上でのことだから心配しなくていいからね」

『大事な話って、何テチ?』

「先に朝御飯にしよう。話はその後でいい」


賢いとは言えども、まだ幼い仔実装たち。
美味しい朝御飯ですっかり俺のことを信用してくれたようだ。


「大事な話、というのはだ…」

『『『……』』』

「君たちを今まで育ててくれたママは、本当のママじゃないんだ」

『テェエエエ!?』
『そ、そんな筈ないテチ!』
『そうテチ!』

我ながら、ひどい嘘である。

『じゃ、じゃあ、ニンゲンさんの言うことが本当なら、本当のママはどこにいるテチ!?』
『合わせて欲しいテチ』

「君たちの本当のママは、もうこの世にはいない。
 今のママたちに、君たちのこと託して死んだんだ」

『そ、そんな…』
『ママ…』
『テェエ…』

「そして、キミたちは同じママから生まれた姉妹なんだ!」

『『『テェエエエエ!?』』』


やはり、こういう賢くて素直な仔たちを騙すのは、少々心が痛む。
……まあ、いいか。実装石だしな、うん。

ここからが仕込みの本番だ。気を引き締めて行こう。

「もう1つ、もっと大事なことがある—————




仔実装たちを仕込むのと平行して、やらなければならない作業がある。

”あるもの”に関するビラをパソコンで作り、駅周辺のあちこちに貼り付け、
民家やマンションのポストに放り込む。

マナー違反ではあるが、公園の平和のため、ということで御目こぼし願おう。




それから1週間が過ぎた。

仔実装たちは1匹も脱落することなしに上手く仕込めたようだし、ビラの効果も出始めている。

そろそろ、いいだろう。
いよいよ明日には作戦決行だ。


夜更けの公園を訪れ、仕込みの終わった仔実装たちをリーダーに預ける。

すっかり”あるもの”になりきった仔実装たちに、リーダーもさすがに驚いたようだ。

『こっ、これは何デス!?』

「こいつらに余計なこと言うなよ?
  それより、今俺が言ったことを言ってみろ」

『えっと、明日、あの時計の短い針が3のところに来たら、準備開始デス。』

「それから?」

『パァンって大きな音が2回したら、この仔たちを、あのニンゲンさんにけし掛けるデス』

「よし」

『……この仔たちはどうなるデス?』

「殺されはしないと思うよ、多分」

ぶっちゃけた話、あの虐待青年がこの仔実装たちを殺せるようならば、
彼には二度と関わりたくない。




翌日の午後2時50分、駅を挟んで東にある公園。

ゴソゴソと植え込みをかき分け、遊具の陰を覗き込み、何かを探している様子の男性がいる。
あまりにも挙動不審だが、彼がそんな行動をしている理由は俺には察しがつく。
まあ、あのビラを見ていれば、誰でも察しがつくことだが。

「もしかして、例のビラのものをお探しですか?」

「え?ええ、まあ…」

「西口の公園、御存知ですか? あそこで見た人がいるらしいですよ」

「本当ですか!?」

「いえ、自分も聞いただけなのでハッキリとは分かりませんけれど…」

「行ってみます。ありがとうございました」

挨拶も早々に彼は公園を飛び出して行った。
礼を言われても困るんだけどなあ…礼を言うのはこっちの方だもんなあ。

彼の後を追って、何人もの愛護派があの公園を目指して走り出す。

じゃあ、俺もそろそろ行くとしますかね。

クックックック……




午後3時10分。

公園に到着し、中の様子をそおっと覗いてみると、
予想通り虐待青年が暴れまわっている。

「ヒャッハアアアアアッ!!!!」

『デギャアアアアアアッ!!!!』

……いや、まあ、公園の近くまで来た時点でわかっていたことだが。


愛護派の連中もさすがに正面切って、彼を咎めだてる気にはなれないようで、
遠巻きにして虐待青年の様子を窺っている。

そりゃ、そうだろ。

素っ頓狂な声を上げてバールを振り回すようなイッちゃってる人間を、
普通の神経をした人間がどうこう出来る筈もない。

第一、そんなことは期待していない。

愛護派をここに誘導したのは目撃者になってもらうためである。




いよいよだ。

用意していた爆竹を2回続けて鳴らす。


パァン!

パァン!


リーダー格の実装石に促され、あの仔実装たちが、
身を潜めていた植え込みの陰から飛び出し、虐待青年に駆け寄る!

『やめてテチー!』
『もうオトモダチを虐めるのは止めてテチー!』
『ワタシたちの話を聞いてテチ!』

「ヒャッ……はあああああ!?」

仔実装たちの叫びに反応してバールを振り上げた虐待青年だが、
そのバールが仔実装たちに振り下ろされることはなかった。

『パパ!もう止めてテチ!』
『ママはパパのために身を引いたテチ!』
『ママは死んじゃったテチ!でも、最後までパパのことを心配してたテチ!』

”パパ”

なにやら不穏なことを叫ぶ仔実装たち。


仔実装たちがなりきった”あるもの”とは——

———真実の愛をもって交わった人間と実装石。
     その間に生を受けた仔、いや、子は美しい黒髪をもつと云う———

——そう!

あなたと実装ちゃんの愛の結晶!

黒髪仔実装ちゃん(もちろん偽物)デス!!

薬局でもらった試供品の白髪染めによる、偽の黒髪仔実装である。


そして、あちこちに放り込んでいたビラの中身はこうだ。

      ○○駅東口の××公園にて、黒髪の仔実装を目撃したという情報が寄せられています。
      御存知の方がおられましたら、((出鱈目の電話番号))まで是非御一報を願います。
       
      なお、黒髪実装というのは、云々かんぬん…

このビラの目的は2つ。

 ・黒髪実装とは何かを、虐待青年を含めた多くの人に知ってもらう。

 ・この公園とは逆の東口の公園に愛護派、つまり目撃者に仕立て上げる人間を集めておく。

手間はかかるが、目撃者はここぞという時に誘導してくるようにした方が都合がいい。
この公園を四六時中ウロウロされたのでは、俺の行動も制限されてしまう。
リーダーに偽黒髪仔実装を預けるところを目撃されるなど、願い下げである。

そして愛護派の連中は、普段リンガルを使わない者も多いのだが、
今日は大半の者が手にしているようだ。
そりゃ、黒髪仔実装を見つけたら色々と聞いてみたいよなあ。
このあたりも期待通りである。


もはや、この虐待青年。
傍目には、種族の差を越えて実装石を愛し合い、
そして愛する実装石に捨てられた哀れな男が
野良実装に八つ当たりしているようにしか見えないだろう。


『もうオトモダチに八つ当たりするのはやめてテチ!』
『ママはパパを愛していたからこそ、別れたんテチ』
『ワタチたち、パパ大好きテチ!だから、もうひどいことするのやめてテチ!』

「ちっちちっち、ち、ち、違う!
  俺はお前らのパパなんかじゃない!!」

『嘘テチ!ママが何度も写真を見せてくれたテチ!』
『そうテチ!写真もあるテチ!』

1匹の仔実装が、折り畳まれた写真をズキンの中から大事そうに取り出す。
開いてみれば、当然、彼の顔が写っているわけだ。



あの晩、連れて帰った仔実装たちを、眠っている間に黒髪に染め上げた。
そして翌朝、隠し盗りしておいた虐待青年の写真を見せて
「もう1つ、もっと大事なことがある—————

 —————君たちには、人間のパパがいる」
と吹き込んだのだ。

その後どう仕込んだかは、御覧の通りである。



周囲の視線が彼に突き刺さる。

「ぬ、濡れ衣だ!俺はジックスなんてしてない!」

『ママは最期の時までパパを愛してたテチ!』

「だ、黙れえええっ!」

いつの間にか力なく垂れ下がっていたバールが再び頭上高く振り上げられる。


しかし、それが仔実装たちのに振り下ろされることはなかった。

そりゃあ、そうだろうねえ〜
たとえ身に覚えが無くたって、自分の子じゃなくたって、
黒髪仔実装が人間の娘であることを考えたら、普通は殺せないよなあ〜


虐待青年と偽黒髪仔実装との間に静かな膠着状態がしばらく続いた後、
今度もバールは力なく垂れ下がる。

すると……

パチ…

パチ…パチ…

パチ…パチパチ…

パチパチパチパチパチ

さざ波のよう起きた拍手が、いつしか割れんばかりの大きな拍手となる。

愛護派の連中である。


「もういいじゃないか!こんなことは終わりにしよう!」
「過去を嘆いたってしょうがないじゃないか!」
「娘さんたちの未来を考えてやれ!」

『ニンゲンさん、ありがとうテチ!』
『テッチュ〜ン!』
『ありがとうテチー!』

応援してくれる愛護派たちに、偽黒髪仔実装たちが愛想良く手を振る。


「だから俺はやってないんだってば!これは何かの間ちが…」

「いいんだ、もう何も言わなくていいんだ」
「そうだとも、我々は君の味方だ!心配しなくていい」
「君の事情はよくわかった。もう何も言う必要はないんだ!」

いや、仕掛けた俺が言うのも何だが、話ぐらい最後まで聞いてやれよ。


「俺にはジックスなんて趣味はない!」

『パパはジックス大好きテチ!』
『ワタシたちがその証拠テチ!』
『一晩中やることもあったって聞いたテチ』

「隠さなくたっていいんだ!気持ちはわかるぞ!」
「うらやましいぞ!この色男!」

えーっと…わかるな。うらやむな。頼むから。
こいつらも突っ込みどころの多い連中だな。

「…そっか、こっちの公園の実装ちゃんの方がいいのか…」
「東の公園の実装ちゃんたちは、あまりいい子とは言えませんしねえ…」

なんか怖いこと言ってる奴らまでいるし……


「う…う……」

「娘さんを大事にな!」
「親子仲良くな!」
「幸せになれよ!」

愛護派の人々から送られる、親子の門出を祝う言葉の数々に虐待青年は真っ赤である。

「照れるな、照れるな」
「ヒュウヒュウヒュウ!」
「おめでとう!」

照れてるんじゃないぞ、あれ。

さすがに、これはなあ……
ちょっと可哀想な気もする。

少々気まずい思いをしていただけば、
彼も二度とこの公園には来ないだろうぐらいに考えていたのだが、
予想よりも随分と派手なことになってしまったようだ。


「う、う、う……うわああああああっ!!!!」

いたたまれなくなり、遂には泣きながら走り去って行く虐待青年。

「気持ちの整理がついたら、お子さんたちを迎えにおいでー!」
「俺たちは信じてるぞー!」
「それまで子たちの心配はしなくていいぞ!」

『パパ、待ってるテチー!』
『いい子にして待ってるテチー!』
『ワタチ、パパ大好きテチー!』


……まあ、いいか。

彼が再びこの公園を訪れることはないだろう。

やり過ぎた気もするが、所期の目的は果たした訳だし。


これで、この公園も平和を取り戻すことだろう、うん。










あれから一月が過ぎた。

結果から言えば、今回の作戦は失敗。
それも、大失敗であった。

確かに、虐待青年は二度と公園を訪れなかった。


しかし……その……

増えてしまったのである。


黒髪実装石が。


「ハァ…ハァ…」

『デェ…デェ…」

「ハァッ、ハァッ」

『デェッ、デェッ」

「う」

『デ』

「実装っちゃああああああんっっっっ!!!!」

『デエッスゥウウウウウウンッッッッ!!!!』


親子の感動的な和解シーン?を目の当たりにしたせいだろうか?
一部の愛護派たちがふっ切れてしまったと言うか……
タガが外れてしまったと言うか……




平和だった公園は、24時間昼夜の別なく、おぞましい喘ぎ声の絶えぬ怪奇スポットと成り果て、
今ではまともな人間が足を踏み入れることはない。


うん、反省してる。





(終)

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため4615を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2014/10/13-17:10:26 No:00001478[申告]
この作者普通に実装石を虐待させないから面白いなw
社会的に抹殺されたも同然の虐待派ざまあ
戻る