タイトル:【愛】 思春期 6 完結
ファイル:思春期6.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4178 レス数:2
初投稿日時:2007/01/01-06:45:13修正日時:2007/01/01-06:45:13
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                                   「思春期6」






母実装が死んでからのミドリは、昼間はダンボールで過ごし、
同属や人間のいなくなった深夜に、行動の中心を置いた。
同属や人間はミドリにとって恐怖の対象でしかない。
特に人間には見つからない様に生きている。

あの日の恥辱と暴力がミドリの心を蝕み、全ての者がミドリを苛める敵だと思う様になった。
餌の在処は母実装からあらかじめ聞いていたので、何とか一人でも生活が出来る様になった。
ただ真っ暗なダンボールハウスでじっとしていると、一人の寂しさだけが残る。
誰とも話す事がない日々を延々と続けている。

生まれて一年を過ぎた頃にはテスからデスに変わり成体へと成長する。
身長は1mを超えた辺りで頭打ちとなり、これ以上伸びる事もなくなった。
同時にお腹が大きくなり始め、ミドリはやっと子供が出来た事を認識する。

「うふふ・・ミドリはママになるんデス」
「もう淋しくないデス・・ミドリには娘がいるデス」

お腹をさすりながら独り言をいつまでも続けると、胎教の歌を歌い始める。

「デッデロゲーデッデロゲー♪」
「良い仔に育つデス、そしたらママの名前をあげるんデス」
「今からその時が楽しみデス」
「デッデロゲーデッデロゲー♪」
「ミドリがママから貰った大切な名前デス・・・」

ミドリの目からは自然と涙が溢れてくる、なぜか胎教の時間は色んな思いが入り混じり、
悲しい気持ちになって行く、ミドリにとって子供は辛い記憶のぶり返しとなった。


そしてミドリも出産の日を迎えた、母実装と同じ様に夜中にこっそりと、
公衆便所の便器につかり子供を生んだ。

生まれたのはやはり一匹だけだった、キレイに洗うと仔実装はミドリに抱きついた。
仔実装の姿はミドリとほぼ同じ姿で、ミドリより顔が少し細くなっている程度の差だった。

ダンボールハウスに帰り、ほんの少し出た胸で仔実装に乳を与えると、
自分の仔への実感が沸き、いつの間にか抱きしめていた。

「始めましてテチ、私の赤ちゃん、私がママデス」





生まれた仔実装はミドリよりも更に虚弱で、あらゆる抵抗力が低下していた。
仔実装時代に受精したせいもあって、本来よりも更に未熟児の弱弱しい仔だった。

そして冬のダンボールハウスの暮らしは仔実装にとって、辛く危険な物となった。
寒くなると、とたんに風邪を引き、その風邪をこじらせて中々治らずにいた。
ダンボールで覆っていてもハウスの中は寒く、とても人間の子供では生きては入られない。
人間に更に近くなった仔実装も例外ではなかった。

ミドリがいる時は抱いて暖めているが、抱いていないと体温が急激に下がり仔実装は体調を崩した。
その為ミドリはいつも一緒にいたが、餌を捜しに行く時だけは離れなければいけない。
一緒に寒風吹きすさむ外へは連れては行けなかった。
結果、ミドリの餌探しの時間も削られ、ミドリ自身も段々と痩せ細っていく。
痩せたミドリからは乳の出も悪くなり、悪循環となって親子を窮地に立たせた。

「・・ミルクの出が悪いデス」

乳首に吸い付く仔実装も痩せて行き、生まれた頃より顔色も悪くなっている。

「ママァ・・もっと飲みたいテチ」
「ミルク出してテチ」

「ごめんデス、ごめんデス、ミドリは駄目なママデス」

ミドリの姿を見て仔実装が笑った。

「ウフ・・もう良いテチ」
「だからずっと一緒テチ」

仔実装はミドリに抱きつくと、すぐにスゥスゥと寝息を立てて眠ってしまう。
慢性的に栄養失調気味の仔実装は、体力を出来るだけ使わない術を、自然と体が覚えてしまっていた。

ダンボールハウスの中は何も無く、がらんとしている。
ミドリはこれからの事を考えると、頭の中が真っ白になっていく。



乳離れが出来て、普通の餌が食べられる様になった頃。
仔実装がいきなり風邪を引いてしまい倒れてしまった。
ただでさえ生まれ付いて抵抗力が弱く、
日頃から栄養も不足がちな仔実装にとっては、生死に関わる事態だった。

仔実装は日に日に弱っていき、抱いているミドリも気が気でない。
餌探しも出来ずにここ数日、ミドリは水以外何も口にしていなかった。
ミドリは僅かな餌も仔実装に与え、何とか凌いできたが親子共に限界が近づいていた。

「どうすれば良いデス、ミドリもう分からないデス」
「何か言ってデス・・」

「ママァ・・甘い物食べたいテ・・チ」

弱弱しく搾り出した言葉は、ミドリにはとても難しい注文だった。
夜中にゴミを漁り飼い犬の餌等を拾い集めて生活してるミドリにとって、
甘い物を拾う機会は偶然でしかない。
それでも可愛い子供の要求に答えたい、ミドリはある決意をした。

仔実装時代ミドリはいつも草の陰から公園を観察していた。
その時によく人間が金平糖を投げていたのを思い出した。
大嫌いな人間だが子供の命には代えられない、愛情は恐怖心をも上回った。

「待っててデス、ママが何か持ってくるデス」

仔実装を床に置くとミドリは、ダンボールハウスを出てベンチの近くの茂みに隠れた。
既に夕暮れで辺りが暗くなろうとしている、この時間なら同属の数も大分減って少しは気が楽だった。
実装石達が集まっている、見ると青い制服を来た男が数人金平糖の袋を持っている。
茂みに隠れて見た人間と同じだ、すぐにあそこに行って金平糖を貰いたかったが、
実装石達が集まりっている、あの群れの中に入る勇気は無かった。

暫くすると制服の男が金平糖を撒き始めた、実装石達は色めき立ち地面に転がった金平糖に群がる。
ミドリはあれだけ撒いているなら、実装石達がいなくなった後でも落ちているのではと思い。
後でこっそり拾いに行こうと思った矢先、地面に這いつくばり金平糖を食べている実装石の動きが止まる。

そればかりでは無い、他の実装石も動きが止まり固まっている。

「ゲブォッ!」
「デジャッ」
「アグググ・・ギゲェエ!」

実装石達はいきなり固まったかと思うと苦しみだした、首を掻き毟り背中を蝦反り苦悶の表情を浮かべる。
人間達はその姿を無表情に眺めているだけだ、ミドリにはこの状況が理解出来ずにいた。
実装石達の動きが一匹また一匹と止まり、全ての実装石達がピクリとも動かなくなった。

男達は実装石が動かなくなるのを見届けると、手にビニール袋を持って事務的に実装石を放り込んだ。
ビニール袋を集めると乗ってきたトラックに放り込み、男達はトラックに乗り込むと去って行く。
時間にすれば15分程度の出来事で、テキパキと事務的に終わらせていった。

終わると茂みや噴水の脇から実装石達が出てくると、いつも通りの生活に戻って行った。
茂みに隠れてるミドリの脇を一匹の実装石通り過ぎる、
少し躊躇したがミドリはその実装石に声を掛けた。

「ちょ、ちょっと待ってデス」

振り向いた実装石は自分より大きなミドリ警戒して固まる。

「い、一体オマエなんデス、こっちに来るなデス」


「ごめんデス・・これでも実装石デスゥ」

声を掛けられた実装石はミドリの返答に少し安心すると、不安ながらも会話をしだした。

「実装石?オマエが・・まぁ良いデス」
「一体わたしになんの様デス」

相手の実装石はある程度の社交性を持っていたのか、ミドリの話を聞いてみた。

「さっきの人間達は何してたデス」
「仲間をたくさん連れて行ったデス」

話を聞いていた実装石は頷くと、ミドリに細かく解説をした。

「あの人間達はわたし達の敵デス、連れて行かれたんじゃ無いデス」
「毒で殺されて、その後は捨てられるデス」

話を聞いていたミドリは驚きと共に、もし自分があの時あそこにいたら、同じ目に会っていた。
警戒して行かなかったのは正解だった、ただ他の個体はなぜ行かなかったのか不思議に思った。

「他の仲間はなんで毒だって分かったデス」
「他にも餌を撒きに来る人間はいるデス」

実装石はハハーンと手を顎に当てると、もっともらしく語リ始めた。

「まったくオマエは何も知らないデス、新参者デス?」
「まぁ良いデス、青い服を着た人間はみんな同じデス」
「定期的にここへ来て仲間を殺すデス」
「殺される奴らはどうせバカの集まりデス、死んで当然の奴らデス」

「そんな・・仲間じゃ・・デス」

「仲間?笑わせるデス、あいつらは生きていても無駄な奴らデス」
「仲間なんて思った事は一度も無いデス」
「良いデス?餌をくれる人間と毒を撒く人間を覚えておくデス」
「喋りすぎたデス、オマエも気をつけるがいいデス」

「あ、ありがとうデス、また教えてデス」

「フンッ、何を言ってるデス、これっきりデス」

去っていく実装石見ながら、人間に餌を貰うのは難しい事を知る。
同時に母と娘以外の他実装と、ミドリは初めてまともに話をした。

「甘かったデス・・娘になんて言うデス」

そのままベンチの後ろでうずくまり、娘への言い訳を考えていた。

『よいしょっと・・』

いきなり人間の声が聞こえた、見上げるとベンチに人間が座っている。
考え事をしていたので警戒を解いていた、ミドリは息を殺し人間を見つめた。
初老を迎えた男はベンチに腰掛けると、ただ噴水の方を眺めているだけで動きそうに無い。
ミドリは恐怖で足が竦んでしまい、ただじっとしているだけだった。

老人が後ろを振り返るとミドリを見つけた、その姿が珍しいのかニコリと笑うと話しかけて来た。

『どうしたお嬢ちゃん、こんな所にいると風邪を引いちゃうぞ』

「あ・ああ・・ああの・・ミドリ・・何もしてないデス」

『んっ・・何だお嬢ちゃん実装石かい、随分変わった実装石もいるんだな』

老人の顔は優しくミドリもどこか心魅かれる物があった、それでも信用は出来ないすぐに逃げ出したかった。
人間に対する恐怖心はミドリの足をすくませ、震えた足では逃げ出す事も所か動く事も出来ない。

『痩せてるなお嬢ちゃん、ちゃんと食べてるのかい』

「た・・た、食べてないデス、もう何日も・・デス」

慌てて、つい言ってしまったが、ミドリはすぐに恥ずかしい事だと後悔して下を向いた。

話を聞いた老人は眉をひそめると、上着のポケットを捜し始めた。

『食べる物はさすがに持ち歩いてないんだけど・・ちょっと待ってなさい・・おっあったあった』
『ほら体に良いって言うから持ち歩いてたんだ』

そう言うと老人は封の開いていないスティックタイプの飴を差し出した。

『ビタミン飴だ、すっぱいけど無いよりはいいだろ』
『ほら!持って行きなさい』

刺し出された飴だがミドリは警戒した、さっきの光景が目に浮かび手がすくんだ。

「い・いらないデス、それは毒デス・・食べたら死ぬんデス」

『はは・・疑り深いんだな、これならいいだろ』

老人は封を開けると飴を一個取り出し、自分で食べてみせる。
ミドリもそれを見て毒ではないと確信して、おずおずと手を出した。

「ちょうだいデスゥ・・」

老人はミドリに飴を手渡すと、ミドリは胸に飴を押し当て抱きしめた、
ミドリの顔は心なしか笑顔になっている。

『それじゃな、お嬢ちゃん』

老人は立ち上がるとミドリの頭を一回撫でて公園を出て行った、ミドリはいつまでも老人を見つめていた。
胸が熱くなるのを感じると、ミドリは我に帰った。

「いけない、娘が待ってるデス」








「たただいまデス、ママ約束守ったデス」
「待っててデス、いま良い物あげるデスゥ」

娘の返事が無いミドリは嫌な予感がした、近づいて覗き込むと娘の息は既に無かった。

「そ・・そんな・・どうしたデス・・ママ戻ったデス」
「おきるデス・・ママのいう事聞くデス・・」

幾らゆすっても娘の目は開かない、ミドリは抱きしめると娘に話しかけた。

「寝てるだけデス・・すぐに目を覚ますデス」
「寒くないデス・・ママが暖めてあげるデス」
「起きたら甘いの食べるデス」
「だから・・・うう・・う、う」
「うぇぇぇぇん・・えぇぇぇん」















娘が死んでから一週間経つと、ミドリはダンボールハウスを出てきた。
お腹が減ったせいもあるが、一人になった寂しさから飴を貰ったあの老人に会いたくなったからだ。
会って話をすれば少し位は淋しさが紛れるのでは、そう思うと自然とベンチの方へ向かっていた。

茂みに隠れながらベンチの近くに来ると、実装石が集まっている。
そこに座っている人間を見てミドリは目を疑った。
ベンチに座っているのはママの言っていたご主人様、すなわちミドリの父親である敏明だった。

「あ・・あいつデス!ママの言ってた!」

ミドリは涎掛けから写真を取り出すと、何度も写真と敏明を確認した。
間違う訳は無い写真は肌身離さず持っていた、
口では嫌っていたが写真を何度も眺めては、いつも物思いに耽っていた。

「あいつ・・今頃のこのこ来やがったデス」
「ずっとママは待っていたデス、あいつが迎えに来ればママだって・・」

「とにかくあいつに会って、憎まれ口の一つも言ってやるデス」

ただ実装石が集まっている今はミドリも近づけない、いなくなる機会を伺っていた。
手を見ると垢や埃で汚れている、ミドリは急いでトイレに駆けて行った。
ミドリも女の子である、父親と会う前に少しはキレイでいたかった。
顔と手を冷たい水で洗うと、手に水を付けて髪を梳かした。
洗い終わり戻ってみると、実装石は散らばり敏明が一人で下を向いて座っていた。

— 会ったらまずママの事であいつを攻めてやる、「今頃何しに来た」って言ってやる。—

そんな思いで敏明の前に来たミドリだったが、口からは出た言葉は意識とは別の言葉だった。


「パパ・・」


目の前の父親は慌てふためいている、帰ってきた言葉はミドリには辛い言葉だった。


『ふ・・ふん!オマエが俺の子供?』
『笑わせるなって、俺には子供はいないんだ!』
『どうせオマエも人間に飼って貰いたいだけなんだろうがっ!!』


— やっぱりコイツは薄情で嫌な奴だ — ミドリは少し離れると続けた。


「私の姿を見てデス」


— ミドリを舐める様に見ているこいつは、あの嫌な人間と一緒だ — ミドリは強がってみせる。


「私は人間じゃない・・・実装石デス」
「ミドリと言う名前とこの体はママから貰ったデス」
「だからミドリは実装石として生きて行くと決めたデス」
「パパは心配しないで良いデス、人間の世話にはならないデス」


『ミドリ・・いやオマエのママは何処にいるんだ』
『久しぶりに顔が見たくなったんだよ・・会えるかな?』


— 今更何がママだ、こいつのせいでママは・・—


「ママは死んだデス・・ミドリが仔実装の時に人間に殺されて・・」


『ミドリだったね・・飼ってあげるから俺の家に来いよ』
『こんな所よりいい暮らしが待ってるぞ、餌だって毎日心配しなくて良い』
『命の危険も無くなる・・・なんだったら俺の事をパパと読んでも良いぞ』


— 偉そうな奴!やっぱりコイツは嫌な奴だった。—


『お・・おい!待ってくれよ言い方が悪かったなら謝るから』
『子供が一人でこんな所で・・待てって!!』


— コイツのいう事は何もかもが頭に来る、もうお前なんか知らない。—


「ミドリはもう子供じゃないデス」
「立派な大人デス・・・子供だっているデス」



— 嘘を付いてしまった、もう子供なんていないのに。—
— でも・・何であいつにこんな事まで・・・—


捜し続ける敏明を尻目に茂みを伝ってミドリはダンボールハウスに帰ってきた。
傍らには死んだ娘の死体がある、その死体を抱くとミドリは敏明の事を考えていた。

「あいつ・・ミドリを探してたデス」
「まったくしつこい奴デス」
「ママはあいつのせいで・・」
「絶対、許してやらないデス・・」









次の日は朝から敏明は公園に来ると、ミドリの捜索を始めた。
会社には一週間の休暇を無理にとって貰い、腰を据えての捜索だった、今日は歩き回って捜す事にした。

『ミドリ−!!おーい・・』

幾ら捜してもミドリは見つからない、日が暮れると敏明は捜索を打ち切って家に帰った。

『これだけ捜してもいないとは・・うーーん』
『明日はもっと細かく捜すか』

それほど広くない公園だが、実装石達は様々な偽装を施しうまく隠れている。
敏明も初日にそれらを確認すると、結構骨の折れる事なのかと思い始めていた。

ミドリは敏明が捜しに来ていた事は知っていた、声が聞こえてからもハウスの角で座っていた。
見つけられたらどうしようと言う心と、見つけて欲しい心の両方が入り混じり複雑な心境だった。


次の日も敏明は朝から公園に来ると、実装石の住処を一つ一つ虱潰しに捜す。
住処をこじ開けられ驚く実装石を尻目に、次々と捜していくが一向に見つからない。
実はミドリはその日ハウスから出ると、茂みから敏明を見ていた。
隠れている茂みに近づいた敏明の後姿に声を掛けたかったが、結局声を掛ける事は出来なかった。
 

三日目になると敏明は公園の回りまで範囲を広げる、ミドリのハウスが見つかるのは時間の問題となってくる。
ミドリはハウスで娘の死体を抱いて、ただその時が来るのを待っていた。
あんなに必死にミドリを探している、ミドリの心は敏明しか見えなくなっていた。

その日の夕暮れにその時は来た、ハウスがいきなり揺れると敏明がハウスを破った。
柔らかな光りに写る敏明を見て、思わずミドリは敏明を罵倒した。

「なにしてるデス!オマエ」
「あっちいけデス!!」
「こっちに来るなデス」


敏明はミドリを見つけると安堵の顔になりミドリに手を差し伸べた。
罵倒するミドリの抱えてる子供を見ると目を伏せ、ミドリを抱き寄せる。

『もう良いから・・もう良いんだ』
『今まで一人で頑張ったんだね』
『やっぱり俺の娘だ』
『これからはずっと一緒だ』

抱きしめられ言葉をかけて貰うと、ミドリは何も言わず泣き出し敏明に抱きついた。
ミドリは母親の言葉を思い出していた、ご主人様とミドリは赤い糸で結ばれている。

「ママの言った通りだったデス」
「ミドリの幸せはパパだったデス」

家に帰る道中、ミドリは娘の死体を右手に抱えて、左手は敏明が引っ張っている。
自分より大きな敏明の手を見つめながらミドリは、この手がミドリを幸せに導いてくれる、そう強く感じていた。
























エピローグ(主人公の敏明視点で)




ミドリを見つけて俺は早速、家に向かった。
お袋の驚く顔が目に浮かんだ、家での俺の立場や人間としての立場もなくなるだろう。
それでも俺はこれで良かったと思っている、俺のこれまでの人生でこれほど必死だった事はあっただろうか。

手を繋いでいるミドリの人生は一体どんなだったろう、時間が経てば色々話してくれるだろうか。

『母さーん!ちょっと来てくれよ!!』

玄関で母親を呼ぶと母親は忙しそうに歩いてくる、そしてミドリを見て思った通りの反応で怒り出す。
ミドリは俺の足に隠れておっかなそうにしている、お袋がいきなりミドリの手を引っ張っていた。

何日かするとお袋とミドリは仲良くなっていた、女同士で色々と話もかみ合うんだろう。
ミドリの娘の死体はお袋が庭に埋めて、今もミドリと一緒に手を合わせている。
ミドリはお袋に良く懐いて、いつも一緒にいる様になった。
二人でテレビを見てよく笑っている、俺もそんなミドリを見るのが楽しみになっている。
実装石とは言えミドリは実の娘だし、第一容姿がとても可愛かった。
見た目がもろ実装石ならこうはならなかったろう、つくづく見た目は大事なんだと思う。

それから何ヶ月が過ぎると親父が退院して家に帰って来る。
一悶着あるかと思ったら、親父はすんなりミドリを受け入れる、やはりここでも見た目の大事さが分かる。
今では親父がミドリの後を追いかけるぐらいだ、俺との対応も全て逆だやっぱり見た目なのか・・
一度親父と飯を食ってる時にその辺を聞いてみた、親父の返答は簡単な物だった。
理由は親父は俺が単に嫌いだからだ、出来の悪い息子より可愛い孫の方がよっぽど良いそうである。

この家はいまやミドリが中心で回っている、ミドリもそれに答えようと必死に頑張ったからだろう。

『ミドリ!オマエの好きなドラマが始まるぞ』

「はーいお爺ちゃん、今行くデス」

そう言うとミドリは親父に抱きついた、抱きつかれて親父も満更じゃないようだ。

『ミドリってばお爺ちゃんが本当に好きね』

「うん!ミドリお爺ちゃん大好き!」




数ヶ月が過ぎ俺はある事に気付いた、それは俺が初代ミドリと一緒に暮らしていたから分かる。
ミドリはどうすれば好かれるのか分かっている様だ、甘えも献身も実は計算してやっている。
時折見せるミドリの態度に、俺にしか分からない狡さが見え隠れする。
実装石と人間の合いのこ、ミドリは人間の汚い所も実装している。






—ある日の事—

『今日も一日終わったな、あとは寝るだけだ』
俺が寝床に付くとミドリがやってきた、こんな時間に何だろうと思っていると。
座っている俺の横にミドリも座った。

『どうしたミドリ・・もうねる時間だぞ』

ミドリはしなを作ると俺に寄りかかって来る、娘ながらに色っぽい体にドキリとした。

「パパァ何だか眠れないデス、少しお話するデスゥ」

そう言うと俺の膝の上をミドリの指(正確には腕)がなぞる。
ビクリと電気が走ると、動けない俺の膝に乗ってきた。

『お、おいミ、ミドリ』

膝の上で立ち上がると腕を俺の首に絡ませて、抱きついてきた。

情けない事に俺は動けずにいた、股間がむずむずするのを感じてくる。
ミドリの足が俺の股間に滑り込んでくると、足で股間を押してくる。

足の感触は気持ちよく、俺は娘で勃起してしまった、そしてミドリが耳元で呟く。

「娘相手に興奮するなんて、パパは変態さんデスゥ」

ミドリの舌が耳たぶを舐めた。
ミドリの吐息が耳に当たり、その口で耳を噛んで来る。

『ミ・・ミドリ・・駄目だこんな事しちゃ・・あっ』

ミドリがしゃがみ込むと寝巻きのズボンに手を入れて、俺の股間をまさぐる。
ズボンを下ろすと勃起した俺のペニスが剥き出しになった。
ミドリは驚いた表情を見せると、そのままペロペロとペニス舐め始めた。

「男の人は舐められると弱いデス、ママから聞いてるデス」

糞!初代ミドリは今のミドリに何を教えてるんだ。

ペロペロ、レロレロ、クチュペチャ

尿道に舌を刺し入れ、ペニスの裏側を舐め上げると、カリ部分を中心に嘗め回してくる。
味わった事の無い強い刺激に思わず声をあげた。

『あぁ!ミドリ・・そこは・・あっ』

「フフ・・パパたらぁ・・もう」
「おフェラしてあげるデス・・チュッ」

ペニスの先に一度口づけをすると、ミドリはペニスを口に含んだ。
ミドリの小さい口では亀頭部分までしか飲み込めない。
懸命にフェラチオしているミドリの顔を見ながら、ペニスがビクンビクンと更に脈打ってくる。

ププッ!ンボ、チュブ!ブポッ!!ンンン!!

「ケホ!ケホ!!む・・むせちゃったデス・・」

口からペニスを吐き出すと、よだれがミドリの涎掛けに垂れていく。
ミドリは寝転がると、股を開いて俺を誘った。

「パパァ・・ミドリ何だか熱くなってきたデスゥ」

理性は既に飛んでしまい、パンツを剥ぎ取るとミドリの割れ目にしゃぶりついた。

『はぁはぁ!!ぺちゃぺちゃ・・ぺろぺろ・・ミドリッ!!』

「あぁぁんミドリはもう・・もう」

いきり立ったペニスを正上位で割れ目にあてがうと、ミドリの性器にペニスを沈めていく。
ジュブジュブと言う音がして一番奥まで一気に差し込んでいく。

愛汁でべちゃべちゃのミドリの性器は、ペニスに纏わり付くように締め付けてくる。
人間の女性より締め付けはきつく、感触も上だった。
フェラチオで敏感になっているペニスは、すぐに我慢の限界が近づいて来る。

ブジュ!ブジュ!ジュブブッ!!ジュバッ!!


「ンァァァア!!アッアァッ!クヒッ!」
「パパァァ!!なにかくる!!ミドリなにかくるデスゥッ!!!」

『ああぁ!!ああっ!あああ!!』

ドブッ!ビュー!ビューー!!ビューー!!

『はぁはぁはぁ・・ミドリ・・ああ俺は・・』

敏明の脳裏には後悔と背徳心で一杯になる、誘われたとは言え抗えず娘を犯してしまった。
人として父親として罪を犯した、後ろめたさでどうしようも無い気持ちになった。

ミドリを見るといってしまったのか目をつぶって震えていたが、目を開けたその時。

「いやぁぁぁぁぁあ!!」
「痛いデスゥ!!!」
「助けテェェ!!」

いきなりミドリは大声を上げた、向こうの部屋からドタドタと両親が走ってくるのが分かった。

「ひどい!!ひどいデスゥ!!」
「ミドリ!!なにもしてないデス!!ゆるしてデスゥ!!」

俺の下でミドリは叫び続けている、なにが何だか分からない。
何でこんな事に!俺は一体・・

ガラ!!

ふすまが開くと両親が揃って仁王立ちをして固まっている、その顔は俺への怒りに満ちていた。

「うぇぇぇぇん・・お爺ちゃん!お婆ちゃん!!」

ミドリは俺の下からペニスを抜いて逃げ出すと、両親の元へ走っていった。
両親がしゃがみ込み抱きつくと、ミドリの股間から俺のザーメンが足を伝い垂れ落ちてくる。
それを見た時、親父が俺に走ってくると俺を思い切り殴り倒す。

お袋はミドリを抱きしめ介抱しながら言った。

『この鬼畜!!お前なんか今すぐ出ていきな!!本当に勘当よ!!』

親父にぼこぼこに殴られお袋からは勘当を言い渡され、目の前が真っ暗になってくる。
ミドリを見ると俺をちらりと見て、ニヤリと一瞬笑った・・・・

どうやら俺はミドリに嵌められてしまったらしい。











翌日俺は逃げるように家を出て行くと、元の木阿弥・・前の部屋にまた戻っていた。
なぜミドリが俺をこんな目に・・・考えても答えは出なかった。
考えた所でしょうがない俺はミドリを犯し、両親からは愛想をつかれあの家に戻れなくなった。
なにをどう言い訳しても既成事実は出来上がっている、俺はミドリから嫌われていたんだ。
失うものは大きかったが、ミドリに誘われなくともああなっていた様な気もした。


一週間が過ぎ心の傷が癒えた頃、俺の部屋のドアを誰かが叩いている。

『あぁ・・新聞なら要らない間に合ってる』

ドアを開けるとそこにはミドリがすました顔で立っていた。

「へへ・・遊びに来たデス」

ニコリと笑うと勝手に中に入り込み、俺の部屋を珍しそうに見て回った。

「ここがパパの新しい家デス・・私の家よりせまいデス」

俺は頭を掻き毟り興奮した、なんでミドリが・・・ああ分からない!!

『どう言う事だ!ミドリ!!』
『ここに何で来たんだ、来ちゃ駄目だろうが!!』

ミドリは部屋の真ん中に座りくつろぐと、俺を呼んだ。

「パパァこっちに来るデス」

ミドリの横に座ると話し始めた。

「ここなら邪魔が入らないデス」
「ミドリとパパの愛の巣デス♪」
「ミドリ休みにはここに来てあげるデス」

『はぁ?何言ってるんだお前』

笑っていたミドリの顔が急に変わると俺を睨みつけた。

「迎えに来なかったデス」

『は?なんの事だ』

「ママはずっと待っていたのに来なかったデス」
「ママはパパに殺された様なもんデス」
「少し位は痛い思いをすればいいデス」

ようやく俺にも理解が出来た、初代ミドリを迎えに来なかった事をあんな形で復讐したのか。
でも変だぞミドリは俺との愛の巣とか言ってたな・・・好きなのか嫌いなのかどっちなんだ。

『ミドリ・・まぁそうなら俺にも悪い所もあるな・・その・・・オイ!』

ミドリは急に立ち上がり俺に抱きついてきた。

「もういいデス、もう終わった事デス」
「パパを一人にはしないデス、ずっとミドリと一緒デス」

その時俺は全てを理解した、ミドリは俺を家から追い出し独り占めにしたかったんだ。
あの家にいたら両親が邪魔だった、だから俺を追い出したのか。
んっ待てよ両親を追い出せばよかったんじゃ・・

『俺を追い出さなくても親父やお袋を追い出せばよかったろう?』

「何言ってるデス・・お爺ちゃんお婆ちゃんはミドリの大切な人間デス」
「家にいて貰わなきゃ困るデス」
「仔が出来たら今度は・・・」

あぁそうか・・・ミドリは俺を種馬にしたかったのか、両親は子育てに必要なのか。
いつ子供が出来ても既に中出しした俺の子供になる、なるほど全て計算通りか・・

「ミドリの好きなオスはパパだけデス」
「ミドリとパパは赤い糸で結ばれてるデス」
「みんなママが教えてくれたデス」


色っぽい視線を俺に向けると、ミドリはスカートをたくし上げた。

「パパァ・・パンツ脱がしてデスゥ」

俺はもうミドリに抗えなくなっている、あの日と同じ様にミドリのパンツに手を伸ばした。














完結



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今回はエロと言うジャンルを主眼において書いてみました。
描写には不安が残りますがたまには良いかなと思います。

挿絵を頂いた絵師様、頭の中のイメージはその姿のままで書いていました。
とても良い絵をありがとう御座いました。









見張り作者







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1 Re: Name:匿名石 2023/08/04-18:03:26 No:00007698[申告]
用語集とかで情報を拾った後で昔の作品を読むと人化実装なんかはこうやって設定が肉付けされていったんだなと歴史を感じる
当時の背景を考えるとアニメ版ローゼンメイデンが一月前に放送終了したと言う結構ホットな状態だったからか子ミドリの敏明を陥れる行為もマスター割とに容赦の無いものとお父様の為に他の姉妹と争う薔薇乙女の実装された側面かなとも思った
2 Re: Name:匿名石 2023/08/04-22:50:45 No:00007699[申告]
「黒い塊」のニンゲンの交尾よりエッチデスゥ…
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