「思春期5」 ミドリが敏明の部屋を出てから三ヶ月が過ぎようとしていた。 生まれた仔の成長は他の仔実装よりかなり遅いが、順調に育っていた。 順調とは言っても普通の実装石に比べ、抵抗力の弱いこの仔実装は、 季節の変わり目や腐った物を食べるととたんに体調を崩し、ミドリを大いに心配させた。 言葉を覚えるのも遅く、一ヶ月が過ぎても片言の会話しか憶えられない。 これにはミドリも心配して、暇がある時は付きっ切りで色んな話をして、 何とか言葉を覚えさせようとした。 話すといっても話すのは決まって敏明の事で、前の家族の事は一切話す事はなかった。 言葉をやっとおぼえたある日、今日も体調を崩した仔実装にミドリは、 付きっ切りで看病をして敏明の話をした。 「オマエは本当に体の弱い仔デス、ママはオマエの事が心配デス」 「ご主人様が迎えに来たら嫌われてしまうデス」 聞いていた仔実装は面白くないという顔をすると、口を尖らせ反論をする。 「知らない奴の事なんかどうでも良いテチ」 「ママがいれば他はいらないテチ」 少しふてくされて背中を向ける仔実装にミドリは添い寝をすると、仔実装の背中をさすった。 「ママが仔実装の時も、ご主人様に付きっ切りで診て貰ったデス」 「ご主人様はオマエのパパデス、オマエはご主人様とママの愛の結晶デス」 「パパであるご主人様を悪く言っては駄目デス」 振り返り母親を見ると優しそうな笑顔だ、仔実装は敏明の話をするミドリが気に入らない。 「それじゃ・・・それじゃ何で迎えに来ないテチ」 「ママとわたしは、いつまでそいつを待ってればいいテチ!」 「あいつは絶対わたし達を忘れてるに決まってるテチ!」 その言葉を聞く度にミドリは心を痛めた。 目を伏せうなだれるといつもの様に繰り返した。 「もうすぐデス・・もうすぐ来てくれるデス」 「・・・・・・」 自分の言った事が、母親を落ち込ませてしまった、仔実装は良い過ぎたことを謝った。 「ごめんテチ・・わたし・・・テチ」 ミドリはこの仔実装が普通の実装石ではない事を見抜いていた。 姿形よりその頭の良さが実装石とは性質が全く違う。 ミドリの教える事はすぐに吸収して、ミドリを驚かした。 実装石は生まれながらに、人間で言えば5歳程度の知能が実装されている。 緩やかに知能は上昇して、親実装になるとそこで止まってしまう。 対してミドリの子供は最初こそ、実装石にしては知恵遅れだったが、 その上昇スピードは目覚しく、今では仔実装ながらに感受性も兼ね備え、 親のミドリより遥かに知能は上になっていた。 そのためミドリが敏行へ向ける一途な行動が、仔実装には我慢が出来なかった。 「オマエは優しい仔デス」 ミドリは仔実装を抱きしめ、仔実装もミドリに抱きついた。 「オマエの名前は今日からミドリデス」 「??・・ミドリはママの名前テチ」 「この名前はご主人様から貰った大切な名前デス」 「だから特別なオマエにあげようと前から思っていたデス」 「ご主人様はオマエを幸せにしてくれる大切な人デス」 「ミドリとご主人様は赤い糸で結ばれてるデス」 名前を貰った仔実装は、いきなりの事で戸惑ってしまう。 ミドリという名前はあの人間が付けた名前、好きにはなれなかった。 そして母実装は最後に必ず同じ事を言った。 「ミドリ、オマエはママとは違うデス、実装石じゃない・・ご主人様と同じ人間デス」 母実装はミドリの為に餌を選ぶ様になった、痛んだ餌はミドリの体が受け付けなかったからだ。 ミドリの能力は実装石と人間の、丁度半分程度の能力だった。 その為実装石に比べ抵抗力が全てにおいて劣っていた。 実装石が平気で口にする腐った餌は、ミドリにとって毒となって体を攻撃した。 「ミドリ、ママはこれから餌を捜しにいって来るデス」 「今日は人間さんのゴミ捨て場まで行って来るから遅くなりそうデス」 「絶対にお家を出ては駄目デス、ミドリは他の実装石とは違うんデス」 ミドリは生まれてから、住んでいるダンボールハウスと回りの茂み以外には、出たことが無かった。 実装石の持っている弱い者や、自分とは違った姿の者への残虐性は、 仔実装時代に母実装も充分過ぎるほど味わってきた。 髪の毛や服が無い他にも些細な事で、すぐにリンチの対象にされる。 ここに来てからも母実装は、何度も目撃した光景である。 ましてやミドリは仔実装とは言え、実装石の妬みを引き起こすには充分の容姿を持っていた。 文字通りダンボ−ルではあるが、箱入り娘として大切に育てて来た。 母実装を見送るとミドリはダンボールに戻り、足を抱えてじっと親実装が帰るのを待っていた。 隙間からは光りが差し込んでくる、じっとしているのに飽きたミドリはダンボールの外に出た。 回りにはミドリより高い草が生い茂っている、隙間からは他の実装石親子が、噴水の前で楽しそうに話していた。 母実装のいない時ミドリはいつも、外の世界を茂みの隙間から覗いている。 自分はなぜあそこで他の仲間に合う事も出来ないのか、理由は母実装から聞かされ分かってはいるのだが、 その光景は羨ましかった。 横の茂みを覗くとまだ仔実装であろう、姉妹が仲良く遊んでいた。 ミドリは仔実装同士なら危険も少ないだろうと思い、茂みを出て仔実装姉妹の所へ会いに行く事にする。 まだ子供のミドリは、一人でいる事の寂しさに耐えられなかった。 仔実装姉妹の前まで行くと、姉の方であろう大き目の個体がミドリに気付く、ミドリはぎこちなく微笑んだ。 妹の手を引き姉は身構えた、自分たちと違う姿に脅威を感じ固まってしまう。 「お、おまえ・・何者テチ!」 自分を見て驚く姉妹にミドリは自己紹介をする。 「ミ・・ミドリって言うテチ」 「一緒にミドリも遊びたいテチ」 声を聞いて安心したのか姉の方は、鼻をふんふん鳴らしながらミドリの回りを何度も回り確認する。 「フン!確かに実装石に見えるテチ・・でも何か変テチ」 姉は珍しいミドリを舐める様に観察したが、 やがて自分たちよりも人間臭いミドリに、嫉妬の気持ちが芽生えた。 「なんだかムカツクテチ!オマエの姿を見るとイライラしてくるテチ」 憤る姉を尻目に妹はミドリが気になってしょうがなかった。 「あいつの顔おかしいテチ、やせっぽちだし弱そうな奴テチ」 「私のオネーチャンの方が強そうテチ・・チププ良い事を思いついたテチ」 ミドリより少し小さい妹実装は後ろに周り、ニヤリと笑うとミドリのお尻を押した。 「オマエなんかこうテチ」 「キャッあんっ・・・痛いテチ」 いきなり後ろから押されるとミドリは前のめりに倒れた。 妹実装は姉に駆け寄ると意地悪そうに耳打ちをする。 「オネーチャンゃんあいつぜったい弱いテチ」 「オネーチャンならあいつに勝てそうテチ」 「一緒に苛めてやるテチ」 姉実装も妹の話を聞くと、チププと小さく笑みを浮かべ倒れているミドリを笑った。 「チププププ!チププププ!笑わせるなテチッ」 「出来損ないのオマエとなんで遊ばなくちゃいけないテチ」 「大体なんテチ、オマエの細い腰と言い足と言い・・・なんだかムカツクテチ」 じろじろとミドリを見下ろすと、面白くないと言った風情でミドリの髪を掴んだ。 「この髪も変テチ!ふわふわくるくるしてないテチ」 髪を引っ張られ引き摺られるとミドリは悲鳴を上げた。 「痛いテチ、痛いテチ、引っ張っちゃ嫌テチ、ミドリ何も悪い事してないテチ」 「お友達になりたかったテチ、一緒に遊びたかっただけテチ」 箱入り娘の様に育てられたミドリには、なにが何だか分からない。 目の前の実装石がなぜ自分をいきなり攻撃するのか、親実装の言い付けを守っていればと後悔をした。 ミドリが泣いて弱みを見せれば見せるほど、実装姉妹のテンションが上がる。 弱みを見せる事は自分に服従する証だという事を、ミドリは分かっていなかった。 姉は妹に命令をする、力関係がはっきりしている姉の言葉は妹にとって絶対である。 「オマエはコイツの手を押さえてろテチ」 妹はミドリの頭の方に回ると両手を押さえた、姉はミドリに馬乗りになりニヤニヤと笑う。 「遊んで欲しいなら遊んでやるテチ」 「ただしオマエがおもちゃになるテチ・・テチッ!」 そう言うといきなりミドリの頬を一発叩いた。 「え・・ああ・・あ・何でテチ」 いきなり殴られミドリは呆然とした殴られた頬が熱い、ミドリは声も出せずに震えている。 「面白く無い奴テチ、悲鳴の一つもあげて楽しませろテチ」 「コノッ、何か言えテチッ、出来損ないがっ!テチッ!テチッ!テチッ!」 殴られる度に頬が赤くなり鼻血を流す、ミドリは抵抗も出来ずにただ殴られていた。 姉実装の攻めは繰り返ししつこく続けられる、ミドリは恐怖で小便を漏らした。 チョロロ・・シャァァァァア!! 「コイツ漏らしたテチ!漏らしたテチ」 「恥ずかしい奴テチ!出来損ないの汚いオマエにはお似合いテチ」 小便はパンツをつたい背中まで濡らしていた、ミドリは恥ずかしさで大声で泣き始めた。 「ウェェェェン!ウェェェェン!もう嫌テチ!ミドリのなにが悪いテチ、もう許してテチィィィ!」 泣きじゃくるミドリを見おろし、ある程度満足したのだろう、 姉実装は笑みを浮かべ上機嫌になり妹に命令を出した。 「オマエ・・そこで糞をしろテチ」 「??何でこんな所でオネーチャン??」 「チププ分からないテチ?オマエは本当に馬鹿テチ」 「汚いコイツには糞がお似合いテチ」 妹実装も分かったのかチププと笑うと、ミドリの目の前で糞をブリブリとひりだした。 「はいオネーチャンたくさん出たテチ」 妹実装は糞を両手に取ると、姉実装に渡した。 姉実装の手にある糞の汁がミドリの胸にボタボタと落ちる、ミドリは顔をそむけ泣き続けた。 「何を嫌がってるテチ、ご馳走テチ」 姉実装はミドリの顔にいきなり糞を塗りつけた。 「ンムゥゥゥゥ!!テチャァァァァァア!!」 顔全体に塗りつけると、妹実装に次の糞を要求する。 今度は口に押し付けるが、ミドリは口を閉じて抵抗する。 「まだ歯向かうテチィ!!コノッ!コノッ!テチッ!」 何度も殴られるとミドリは嗚咽を繰り返し、いう事を聞いた。 「エゥッエゥ!痛いのやめてテチ・・いう事聞くテチ」 ぐいぐいとミドリの口に糞が詰め込まれ、顔中糞まみれにすると姉実装は満足した。 「フン!今日はこれ位で勘弁してやるテチ!」 「遊びたかったらまた遊んでやるテチィチププププ!!」 妹実装は帰り際に自分の液状の軟便を手に取ると、ベチャリ!と音を立てミドリの顔に投げつた。 「チププきょうはこれ位で勘弁テチィ!」 「チプププ!チププププ!!」 笑いながら遠ざかる実装姉妹をの声を聞きながら、ミドリは暫く口の中に糞を入れたままじっとしていた。 突然の暴力に心から恐怖し、理不尽な気持ちで一杯になっていた。 友達になろうとしただけで、こんな仕打ちを受けてしまった。 自分は一体なんなのだろうか?そう思うと惨めでいつまでも涙が溢れて来る。 しかしミドリは幸運だった、普通なら弱みを見せると、 徹底的にいたぶられ禿裸にされ、殺され食べられるまでリンチが続く。 ましてやミドリの姿は実装石とは違う、もし他の実装石がいたら殺されていたのは確実だった。 あの姉妹はある程度の賢さを持っていた為、気持ちが満足しただけで殺すまでは行かなかった事が幸いした。 泣き疲れると糞を口から吐きだし起き上がった、フラフラとダンボールまで帰って行くと、 汚れも落とさず一番奥に行き足を組んで座った、落ち着くと無表情な顔で親実装の帰りを待っていた。 夕暮れになり母実装が帰ると、いつもは迎えに出てる筈のミドリがいない。 母親がダンボールの中に入ると、ミドリは暗闇でじっとしていた。 母実装が声を掛けても返事も無い、近づくと強烈な臭いがした。 一旦外に出すとミドリの姿に母実装は驚いた、色々聞いてみたがミドリは何も答えなかった。 ミドリに付いた糞や小便を母実装は舐めて取っている。 顔や髪の毛まで丁寧に舐め取ると、ミドリは泣き出し母実装に抱きついた。 泣きじゃくるミドリの背中をさすると、母実装はホッとする。 外へ出て同属にリンチにあったのは分かっていたが、禿裸にされていない事も幸運だと思えた。 今回の件はミドリにとって同属に対する恐怖心を植えつけた。 結果、警戒心と母実装の言い付けを絶対に守らせる良い機会ともなる。 「泣いてちゃ分からないデス、なんでもママに話してみるデス」 ミドリは泣きじゃくるだけで母実装に抱きついたままだ、母実装もミドリを強く抱きしめた。 ミドリが生まれて半年が過ぎると、背丈は母実装より頭一個ほど大きくなっていた。 言葉からはテチがまだ抜けず、体が大きな仔実装と言う感じだ。 ミドリの親への依存度は高く、母実装のいる時は後をついて回り甘えてばかりいた。 普通の実装石なら3〜4ヶ月もあれば成体へと変わるのだが、 ミドリの成長は身体に比べ精神はゆっくりとだが、人間の様な繊細さで成長していた。 この頃になると幼児体形だった体のラインも少女体形に変わり、 その体躯を補うためのえさ探しに、母実装の苦労は益々増えてきた。 午前中だけだった母実装の行動も、早朝と午後の2回に増えた。 手狭になった今の場所の移動も考えて、色々と行動していた矢先の事。 ある日の夜中ミドリと母親は一緒に寝ていると、異変が起きた。 ダンボールハウスの外が何やら騒がしい、起きて耳を澄ますとその音は人間の話す声だった。 母親はミドリを起こし息を殺し、ハウスの中でじっとしていた。 その声は段々と近づいて来てハウスの前で止まると、更に大きな声で話し始めた。 『おい!本当にいるのかよ、その人間に似た実装石って奴は』 『ありえねーだろ、そんなのって』 『本当だって俺はここで見たんだ、それがさぁ、えれ−ベッピンでビックリしたぜ』 『ベッピンつってもオマエの言うのはロリ方向だろ』 『あぁ悪いかよ嫌なら帰っても良いんだぜ』 『悪かった悪かった、さぁこの辺だろ棲家は、とっとと捜そうぜ』 ハウスの中の二人は抱き合って、この嵐が去ってくれる事を願っていた。 母親は人間の目当てはミドリだと話から確信した。 もしも虐待派だったら・・いやきっと虐待派に違い無いそうでなければ、ミドリを捜しにくるはずが無い。 母親の頭の中には敏明が浮かんでいた。 同じ人間の敏明ならミドリを助けてくれるに違い無い、ある筈も無い淡い期待を抱いていた。 「ママ・・怖いテチ、あいつら人間テチ」 「大丈夫デス、ここは考えて建てたハウスデス、きっと見つからないデス」 「それにもしもの時はきっと、ご主人様が助けに来てくれるデス」 いきなりハウスが揺れた、人間の一人がハウスにけつまずいてバランスを崩す。 『おっなんかあるぞ!おーいここじゃねーか上手く偽装してやがるぜぇ』 『おー見つけたか、どれどれ早速拝ませてもらおうや』 ビリ!!ビビビッ! ダンボールは簡単に破られると、ミドリを抱いた母実装は驚きと同時に人間に威嚇を始める。 「デズァァァ!!ジャァァア!!」 やれやれと言うポーズをすると、体格のいい男が母実装を蹴りつけた。 『身の程ってもんが分かってねーよなコイツ・・・おらよっ!』 「デジャッ!」 顔面に蹴りを降ろされ母実装が吹っ飛ぶと気を失う、そして人間達はミドリの姿に驚愕する。 『おぉ・・コイツはすげーなこんな種類もいるんだな』 眼鏡をかけた細めの男が、柔らかい口調でミドリに声を掛けた。 『怖がらなくても良いよ、別に殺そうって訳じゃない』 『暫くの間我慢してればすぐに終わるから』 ミドリは頭を抱えて丸くなっていたが、体格の良い男が腕を掴むと無理やり引き上げた。 『おい!あんまり手荒な真似はするなよ、犯る前から傷ついちまうだろうが』 『なんだよ、どーせ犯っちまうんだから一緒だろ』 『まったく・・これだから女の一人も出来ないんだよ、そもそもお前には優しさってもんが・・』 『あー分かった分かった、ほらよお嬢ちゃん』 男が外灯のある場所まで行き足元に下ろすと、ミドリはへたり込み震えている。 眼鏡をかけた男が中腰になると、ミドリを舐め回す様に観察する。 『いう事を聞けばそれで良い、抵抗する様ならこれで』 ポケットからハエ叩きを取り出すと、ヒュンとミドリの前で振って見せた。 「怖いテチ、怖いテチ、ママの所に帰してテチ」 言葉を聞いた瞬間二人は目を合わせる、ミドリの喋っている言葉は人間と同じ言語だったからだ。 『コイツなんだよ!人間様の言葉を喋ってるじゃねーか』 眼鏡の男が顔を伏せて泣いているミドリの、顎をつまみ顔を上げさせた。 公園の外灯に照らされたミドリの顔を覗き込む、 人間と実装石のパーツが上手く混ざり合った見事な造形に、男は息をのんだ。 『に・・人間じゃないよな・・うんやっぱり実装石だ』 いやらしく口を曲げると男はミドリに命令をした。 『おい!服を脱げよ、ビリビリに破かれたくは無いだろ』 後ろの男は、またかっと言う顔をして見ている。 『面倒くせーからとっとと破るかそのまま犯っちまえよ』 後ろの男を無視して眼鏡男は続ける。 『聞こえないのか、脱げと言ってるんだ』 ミドリは顔を振って嫌々をした。 ピシャァァン!! 眼鏡男はいきなりミドリの前の地面をハエ叩きで叩いた。 ミドリはビクリッと体を硬直させる。 『次は無いぞ早く脱ぎな』 「イヤ・・は・・恥ずかしいテチィ」 口答えが終わると同時にミドリの左頬を、軽くハエ叩きが振り下ろされた。 パチィィィン! 「・・・!!・・!!アッ・・アア」 叩かれた左頬が熱くなっていく、頬を押さえながらミドリは以前同属からリンチを受けた記憶が甦る。 「やめテチ・・ヤ・ア」 『何だまだ口答えするってか』 パチィィィィン!! 今度は反対側の頬をさっきよりも更に強くぶった、ミドリは痛みで顔を抑えてうずくまる。 「聞くテチ!いう事聞くテチィ・・ぶっちゃ嫌テチィ!」 『全く・・最初からそう言えば痛い目に合わずにすんだのに』 『何言ってやがる楽しんでるくせに』 憎まれ口を叩く相棒を尻目に、眼鏡男は目の前のヌードショーを楽しんでいる。 頭巾を取るとさらりとした髪の毛が現れ、 涎掛けと一緒にワンピースを脱ぐと、実装石とは思えない細いラインを晒しだした。 パンツを脱ぐ頃には男も興奮して股間の一物が勃起をして、はちきれそうになっている。 ミドリは男達の理不尽な行為の前では、何をしても無駄だと思っている。 それが実装石として生まれた者の運命だと感じて、圧倒的な暴力の前では自分は言う事を聞くしかなかった。 全ての服を脱いで立ち尽くしているミドリに男が触ろうとした時、 目を覚ました母実装が、眼鏡男に体当たりをしてきた。 「デッデズゥゥッ!!」 男は少しバランスを崩しただけで、後ろの男に顔で合図を送った。 男が母実装の服を後ろから摘み上げると、勢いをつけて離れた木に投げつけた。 グシャリと鈍い音と共に母実装の顔は陥没する、そのままズルズルと落ちて行きピクリとも動かなくなった。 確認に来た男は母実装を見ると、フンと息をしてその場を後にする。 『おい!見てみろよこいつすげーぞ』 『こいつオマンコとケツの穴が付いてやがる』 眼鏡男が相棒を呼ぶとミドリの両足を開いて、股間を覗き込んでいた。 興奮して覗き込む男に、眼鏡男はミドリの割れ目を開いてみせる。 『おぉ始めてだな・・こんなに人間臭い実装石も』 顔を両手で覆い恥ずかしさを我慢するミドリ、 顔を真っ赤にしながら、なぜか体が熱くなっているのを感じていた。 ミドリの心は恐怖で一杯だった今から何が起こるのか分からず、不安と緊張で震えている。 「人間さん・・お願いテチ、痛いことしないでテチ」 消え入る様な声でお願いをしたが、二人の男はニヤニヤするだけだった。 外灯の下にシートを引くと裸のミドリを座らせた、眼鏡男に相棒は何かを話している。 『俺が最初って約束だったな』 『あぁ・・後が控えてるんだから壊すんじゃねーぞ』 『それはこいつ次第だ、俺のチンポのサイズと合わなきゃ・・まぁそういう事だ』 『チッ・・ローションぐらいは塗ってやれよ』 下半身むき出しの男は分かったと頷くとローションを取り出し、自分のペニスに塗りたくった。 ミドリの股間にも塗ると指で割れ目をなぞり、クチャクチャと音をたてて愛撫を始めた。 擦られ続けるとミドリの手足に力が入らなくなって来る。 息も荒くなっているのが自分でも分かると、自然と喘ぎ声も出てきた。 「はぁっはぁっはぁ!!アッ!!」 声を聞く度に男の興奮も上がってくる、勃起したペニスの先には先走った透明な液が滲んできた。 「色っぽいぜこいつ、ウヒョォオ」 男はミドリの股間にペニスを押し当てると挿入せずに、感触を楽しんでいた。 ローションでヌルヌルのミドリの股間を、男のペニスがグニュグニュヌルヌルと押し付けられる。 ひとしきり男が感触を楽しむと、いきなりミドリの割れ目に押し当てた。 カリ部分まで押し込むと、ミドリの性器はミチミチと音を立てて広がり、亀頭の形に膨らんでいく。 信じられない鈍痛がミドリの股間を襲い悲鳴をあげた。 「ひぁぁぁっ!!痛い!痛いテチィィィィ!!」 「やめてテチッ、壊れちゃうテチ!お股壊れちゃうテチィィ!!」 いきなりの悲鳴に機嫌を悪くした男は、ミドリの顔面を数発殴り付ける。 『ガタガタうるせーよ・・コノ!!オラッ!』 ミドリは鼻血を噴出し口の中を切ったのか口からも血を流す、口一杯に血の味が広がった。 抗う事の出来ない暴力にミドリのできる事は、お願いをして懇願するだけだった。 「エグッエゥゥ・・殴っちゃいやテチ、ミドリ大人しくしてるテチィ」 「なんでもいう事聞くテチ・・もう痛い事しないでテチィ・・グスグス」 『ははは泣き声も可愛いなコイツ』 男のペニスがミドリの性器を押し広げながら入ってくる。 ローションで抵抗の少なくなったペニスはミドリの性器の奥まで挿入される。 ミドリは唇を噛み締め耐えている、大きな声を出せばまた殴られる、痛い思いはもう沢山だった。 「かはぁ・・うぐ・・」 ズブ!ヌチャ!ヌチャ!クチュ!クチュ!ヌチャ! 「んぐ・・うっ・・あっ・・がっ・・」 ペニスはミドリの中で何度も前後を繰り返す、明らかに小さい性器はペニスを締め上げ、 あまりの気持ち良さに声をあげて喜ぶ。 『あぁきつい・・コイツ最高だ・・うあ』 グチュ!グチャ!ヌチャ!グジュ!グジュ!グジュ! 「ひぁっ・・あくっ・・かはぁ・・あああぁ」 ギチギチの締め付けにペニスは我慢の限界が近づくと、ぬめった性器の上側を擦り上げ声と共に射精をした。 『あぁぁがは・・いく!いくぅぅ』 ドプ!ドプ!ビューー!!ビューー!! 大量のザーメンがミドリのお腹に溢れていく、男は最後の一滴まで出し尽くそうと性器に押し付けてくる。 ミドリは下半身からの感覚が既に麻痺してしまい、どうなっているかは分からなかった。 ヌポンと音をたてペニスを抜き取ると、割れ目から血が入り混じったザーメンが溢れ出てきた。 割れ目はポッカリと穴を開け閉じずにいた、無理やりねじ込まれたせいで、 ヴァギナの伸縮を調整する筋が切れてしまっていたせいだ。 眼鏡男が性器をきれいに拭き取ると、続けざまに前戯もなしに挿入する。 『おい!コイツのオマンコ壊れてるぞ』 『チンポ入れてもスカスカじゃねーか』 『そりゃお前のチンポサイズも関係あるだろ』 『今度来る時は俺が最初だからな』 眼鏡男は5分ほどピストンを繰り返すと、簡単にいってしまう。 ザーメンまみれのミドリに眼鏡男が何かを投げた。 『ごくろーさん、それはお駄賃だ遠慮なく取ってくれ』 『プッお駄賃ってお前、百均で買ってきた金平糖じゃねーか』 『いいんだよ実装石にゃこんなもんで』 男達は母実装の前まで行くと母実装を起こした。 頭は陥没しているが、命に別状は無い様である。 体はまだ動けないが意識はあった。 『おい!また来るからあの仔の面倒はちゃんと見ろよ』 『そーだな三日後に来る、今度は実装フード位は持ってきてやるよ』 『俺たちゃ虐待派って訳じゃない、別に殺すつもりは無いのさ、じゃーな』 そう言い残すと男達は笑いながら去っていった。 暫くすると母実装も何とか動けるようになり、ミドリの元へ歩き出した。 ミドリは上半身を起こして裸のまま泣いていた。 ザーメンまみれの姿で母実装に抱きつくと、安心したのか大声で泣き始めた。 「ごめんデス、ママはミドリを守れなかったデス」 体に付いたザーメンを舐め取るとミドリの異変に気付く。 ミドリの足が動かない、棒の様に固まって完全に動かなくなっていた。 体に合わないペニスをぶち込まれ、激しいピストンの最中に脱臼してしまっていた。 完全体の実装石なら自力ですぐに回復できるのだが、ミドリの回復力ではすぐに直すことが出来無かった。 「ママ、足が言う事を聞いてくれないテチ」 「何だか重りが付いてるみたいテチ」 とりあえず服を着せるとミドリを背中にしょって引き摺り、ダンボールハウスへ向かった。 「ママ、ほら金平糖もらったテチ」 「そう・・良かったデス、ミドリ一人で食べるデス」 「いやテチ・・ママと一緒テチ」 「ミドリは優しい仔デス」 「ご主人様も喜んでくれるデス」 「あいつ・・来なかったテチ・・ミドリとママを助けに来なかったテチ」 「・・・・・・」 「あいつは迎えになんか来ないテチ・・」 「・・・・・・」 破れたダンボールを拾って応急ではあるが、家を作るとミドリを寝かせた。 翌日になってもミドリの足は回復しなかった、それどころか性器からの出血も止まらず熱もある。 母実装はある事を考えていた、ご主人様に助けて貰おう。 もう迎えに来て貰う事など頭にはなくなっていた。 「ミドリ・・ママはご主人様に会いに行って来るデス」 「それまで我慢するデス」 苦しそうなミドリを置いて行くのは忍びなかったが、母実装はダンボールハウスを後にした。 記憶をたどりやっと明け方に敏明の部屋までやって来た。 母実装は扉を叩いたが全く反応が無い、暫く待ってもう一度叩いてみたがやはり反応は無かった。 「ご主人様ーミドリデス!!帰ってきたデス!!」 「早く開けてデス、どうしたデス!」 「ごしゅじんざば〜・・うぐうぐデェェェェェスッ」 母実装はこの時始めて理解した、ここにはもう誰も住んでいない事を。 母実装の落胆は計り知れないものだったが、泣いてはいられなかった。 三日後にはまたあいつらがやって来る、ミドリをあいつらから守らなければ行けなかった。 その日から引越し先に考えていた場所の、整備と食料の備蓄を始める。 場所は便所の裏側にある、公園外の整備途中で投げ出していた茂みの中だ。 大き目のダンボールを拾っては幾重にも重ね、偽装も抜かりなく行った。 食料は近所で犬を部屋飼いしている場所に行き、玄関先のドッグフードを大量に掠め取ってくる。 準備が出来るとミドリを中に入れた、熱や出血は収まったが脱臼はまだ掛かる様だ。 ミドリに食料や水、その他の注意を言って聞かせると、涎掛けから写真を取り出した。 「この人がお前のパパデス、そして私のご主人様デス」 「ミドリがこの人を見つけたら飼って貰うデス、きっと幸せになれるデス」 「お前はもう大人になるデス、仔離れの時期デス」 写真をミドリに手渡すと、泣きじゃくるミドリを置いて母実装はダンボールを出て行ってしまった。 一度壊されたダンボールで待っていると、再び人間達来るのを待った。 男達は律儀に期限どおりやって来る。 『あん?お嬢ちゃんはどうした』 『お前には興味は無いんだよ』 「デスッデス!デスッ」 『なんか言ってるぞ・・おいリンガル』 『えーとなんだって』 「娘は死んだデス!殺したのはお前達デス」 「娘を返せデス、今すぐ返せデス」 『死んだってよ〜どうする』 『おいおい俺はまだちゃんと、やってないんだぞ』 『嘘付いてるんだろ、締め上げて吐かせようぜ』 ベチャ! 『・・・おぁ!コイツ糞投げやがったぜ』 「お前なんかこうデス!糞まみれがお似合いデス」 ベチャ!ベチョッ! 『うわっ汚ねー』 『てめーぶっ殺す』 「やってみろデス!お前ら死ねデス」 一週間が経ちミドリの足はやっと回復した、夜中にこっそりと前の家にやって来ると母親を捜した。 ダンボールは既に無く残骸らしき物が残っているだけだ、辺りをうろつくと肉片が散らばっていた。 肉片にこびり付いてる緑色の布を拾うと、ミドリは匂いをかいだ。 その匂いは懐かしい母の匂いだった、肉片は同属に食い散らかされた後の物だろう。 ミドリは母親が死んでしまった事を知る、この世に自分一人しかいなくなった事を悟った。 「ママ死んじゃったテチ・・」 「ミドリ一人ぼっちテチ」 「誰か・・誰か助けてテチィ」 「一人はいやテチ、ミドリ耐えられないテチィ」 「ううう・う・うぇぇぇん、テチィテチィィィィィン・・」 母実装がなぜあんな行動を取ったのかは分からない。 ミドリの敵を取りたかったのか、敏明のいない事を知って死にたくなったのか。 ただその後あの二人組はこの公園に来る事は無くなった。 そして泣きじゃくるミドリのお腹には、望む望まないに関わらず新しい命が宿っていた。 続く
