世間一般での実装席の評価は愛護派を除いては”役立たず”で一致すると思われがちではあるが必ずしもそうではない。 医療研究では再製医療への転用が、飲食業界へは食肉、繊維後進国では代用繊維へと様々な分野で利用されているのだ。 今回はそんな中で最近試験的に導入され始めた山岳救助の分野での取り組みを紹介したい。 ここ、○○県ではまず駆除業者によって大量の実装石が回収されて、その中から仔に対し愛情深く体力のある成体が選別される。 通常労働作業に当たらせる実装石は賢くそして従順である事が必要とされるのだが、捜索石にはその必要性は特に無いようだ。 選別された成体は妊娠・出産させられて仔の数を増産させられ、そして仔達と親は別々の場所で飼育させられる事となるのだ。 まず仔であるが、彼らは成体になるまでは順当に餌が与えられる。 (とはいってもそれは回収され前述した餞別に漏れた同属ではあるが、それはともかく) 本来の授乳期には実装石をミンチにした物をこした汁をミルクや水で濃さを調節された物が与えられる。 そして歯が生え揃うとひたすら成体になるまで同属の肉をその際限無い食欲をもって消費する。 そして、愛情が深かった親のほうは管理された生活を強制される。 食事はプロテインなどを含む栄養重視の味気ない物が支給され日々の生活はトレーニングに潰される。 彼らもそのような生活から逃げ様とする、あるいはサボタージュを考えるがそのような糞蟲達には 仔の安全を取引材料として捜索石への特訓生活を強制させる。 そして、その特訓や生活態度が良好である場合仔蟲からのビデヲレター等を与えやる気を発奮させる。 (この時、仔蟲が順調に肥えていた時は芸能石を使う場合が多いようだ) さてここで捜索石となった実装石がどのようにして山の遭難者を発見するのか、その活躍振りを見てみたい。 雪のちらつく山道を実装石がしきりに嗅いでいる。彼女こそ捜索石である。 もっとも彼女は自身がそうである事は知らない。 彼女はただ、愛する仔が山で迷子になったと伝えられ救助隊の人間と共に山に捜しに来たと思っていた。 「 それで君の迷子になった娘はどっちのほうだい? 」 「 こっちデスゥ、デデェっ! 」 それを聞くと救助隊のものはその実装石を抱え彼女が指した方向へと駆け出した。 捜索石を使った捜索作業ではこの様に鍛えたとはいえ体力に劣る実装石を抱えて移動しそして再度リリースして仔の匂いを探させる。 そのようにして出来る限り体力を温存させるのだ。 そのような行動を何度も繰り返しもう日が暮れようとした頃に初冬の山には場違いな色彩が目に写った。 「 要救助者発見!!要救助者発見!! 」 「 よくやったぞ、緑蟲!」 遭難者を発見しさっそく本部へと連絡する。 そして口は悪いが、捜索石にねぎらいの言葉がかけられる。 「デデデェーーーーーーーーーズ!今ママが助けるデェーーーーーーーーーーーズ!」 だが彼女はそのような言葉には耳を傾けず愛する仔の匂いの強い方向へと駆けて行った。 数分後、連絡を受けたヘリが到着し遭難者と救助隊、そして捜索石を回収しようとしていた。 だがしかし——————————————— 「まって欲しいデス、まだ子供が見つからないんデス。一緒に探して欲しいデスー」 そう、捜索石の仔には同属食いを徹底的に行っていた為に辺りにはかなり強力な実装石の臭いが舞っていたのだがそれでも捜索石が 捜していた子供の姿は無かった。 「ああ、それなら安心して欲しい。君の子供達はもうヘリコプターに乗っているから」 「デス??」 目を白黒させながら(この場合正しくは「赤緑させながら」でしょうか?)ヘリに載せられる捜索石。 そんな不安そうな捜索石を尻目にヘリは離陸し始めた。 ————そして、救助隊の一人は満面の笑みを浮かべながらあるモノを指差しながらこういった。 「ほら、そこに君のかわいらしい子供達がいるよ————」 隊員の指に沿って視線を動かすと、そこには遭難者がはいていた靴があった。 「デデデェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」 それが何か気付いた親は慌てて駆けよりその靴 ——————— もとは愛する仔であった モノ を手にとった。 そう、捜索石の探す対象となる仔実装は同属食いで体臭を強くさせられると共に体格を大きくさせらる。 そして成体ギリギリまで成長させられた後に、偽石を取り出し登山グッズなどに加工される。 そしてそれらは入山者に有料レンタルされこの様に遭難した際には発見する道しるべとなるのだ。 そして万一遭難した場合は登録データからレンタルした商品に使われた仔を調べ、待機していた捜索石を出動させるといった寸法なのだ。 欠点を挙げるなら一度捜索に使用されると親実装に事実が知られてしまうため子供を多数加工しても一度しか使えないところだろうか。 「あ、ワタシのカワイイ娘が…、私に似て器量良しで美しい娘が…、あんまりデスゥ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛・・・」 そのような事は一切知らず必死で山野を駆け巡って仔の臭いを探し当てた親実装はあまりの事に突っ伏して泣き崩れた。 そんな機内にパイロットの声がスピーカーを通して響いた。 「すいませ〜〜ん、少しでも安定した飛行をしたいんで重い物や要らない物は投棄していただけますか〜〜?」 どう考えても事前に企んでたとしか思えないタイミング・状況ではあるがそれはともかく・・・ 救助隊の一人はそれまで捜索石であった者を、もう一人はブーツをムンズと掴み、扉を開けてこう言い放った。 「操縦士さんがああ言ってるからこうしなきゃいけないんだ、許してくれよ?」 その割にはにっこりしている。 「それじゃあね、『オモイモン』ちゃん とブーツになった『イラナイモン』05号ちゃん。」 ---------------------------------------------------------------- (後書き) 最初は実装石が社会に役立つってコンセプトで 労働力として受け入れられてる姿を書こうとしたんですが どこをどうしたかこんな風にしあがってしまいました。 肩の力をぬいて楽しんでいただければ、と思います。 では失礼します。
