マラソンスク6:ペットボトル 上を鉄の網で覆われた用水路の一角。 ここは、流れの緩い用水路の水が淀み溜まっているポイントだ。 そこに、二匹の親指実装の入ったペットボトルがはまり込んでいる。 真夏の昼の陽日はじりじりとアスファルトを焼くほどになっている。 もちろん、ペットボトルにもその熱と光は容赦なく差し込んではいた。 だが幸いながら、用水路の微かな水の流れが、こもる熱をある程度中和していた。 また、恐るべき汚濁液と化した中の水がある程度太陽光を遮ってくれていたので、 思ったよりもペットボトル内の温度は高くなかった。 最悪の状況であると同時に、今の状態のままなら比較的安全でもあるという、 なんとも言い難い絶妙な状況。 そんな中、二匹の親指姉妹は自分達を見下ろす一匹の親実装と、五匹の仔実装の 存在に気付いた。 いつのまにかペットボトルのラベルは剥がされており、丸見えになっていた。 二匹をみつけた糞蟲一家は、それぞれいやらしい笑みを浮かべていた。 「レ、レエェェェ…な、なんレチィィ…」 「オネエチャン、こ、怖いレチィィ」 「決めたデス。今日の朝飯はこいつらにするデス」 「ママー、その前に遊ばせて欲しいテチ」 「そうテチ。ママゴトのお人形にするテチ」 「金平糖で出来てる親指テチ?」 「遊ぶより先にお腹を満たしたいテチ! とにかく金平糖テチ!」 「生きたまま引き裂いて一杯泣かせてやりたいテチィ♪」 糞蟲親子の恐ろしい会話が聞こえてくる。 その声と内容に、姉妹はガタガタ震えていた。 「レ……レチ……」 ぶりりっ、ぶりぶりっ 汚濁水の濃度が、恐怖でさらに高められる。 姉妹は、迫り来る殺意と全身を汚される恐怖、そして逃げ場を失っているという 絶望感に打ちひしがれ、悲鳴すら上げられない状況に陥っていた。 「ママ、あっちから下に降りられるテチ!」 一匹の仔実装が、用水路の遥か先を指す。 そこは、用水路の清掃用に人間が降りる階段だった。 階段と言っても、せいぜい2、3段しかない程度のもので、段差もあまりない。 仔実装には厳しいが、親実装なら余裕で昇降できる程度のものだ。 親実装はそれを見ると、ニヤリと笑って歩き出す。 やがて、階段を下りて用水路の中に立った親実装は、膝辺りまで水に濡らしながら どんどんとペットボトルに近付いていった。 「グフフフフ、もうすぐ取り出してやるデスゥ♪」 「テチャー! ママ頑張るテチー!!」 「早く親指で遊ばせてテチー!」 「金平糖ー!」 「もう我慢限界テチー! 早く食わせろテチー!!」 「オモチャとご飯が一緒に手に入るテチー♪」 「レチャァァァッッッ!! こ、こっち来ないでレチィィィッッ!!」 「レチャァァッッ!! お、オネエチャアァァァン!!!」 じわりじわりと、ペットボトルに近付いていく親実装。 そして、用水路の上からそれを見下ろして応援する仔実装達。 季節は、真夏。 そして、太陽は真上。 真昼の陽日は容赦なく照り付ける。 アスファルトにも、用水路の端を固めるコンクリートにも。 そして、用水路をまたぐ鉄の網にも。 鉄の網は、正しくは網というよりも「分厚い鉄板に四角い穴が均等に並んでいる」という 物だ。 どちらかというと、マンホールの蓋に近いかもしれない。 穴の大きさは、仔実装でも注意していれば落ちたりはしない程度のものだ。 五匹の仔実装達は、全員揃って、そんな鉄の網の上に乗って応援していた。 じわりじわりと、鉄の網が温度を高めていく。 糞蟲親子がやって来る直前、近くの家の人が水撒きをしていたためにたまたま一時的に 冷めていた鉄の網…否、今や限りなくフライパンに近付いた物体は、ジリジリと仔実装達の 身体を加熱し始めていた。 「テ…? な、なんか熱いテチ」 「テチャッ! ここ、あっつくなってきたテチ! 避難するテチ!」 「テェェェッ!! お、おテテがくっついちゃったテチィッ!!」 「テ?! テッチャアァッッ!! お、オマタが挟まったテチィッ! オマタ熱々テチィッ!」 「に、逃げるテチィッ! 下に落ちれば冷たいテチィッ!」 ぴょん ちゃぽん! 一匹が、用水路にダイブする。 それを合図に、鉄網の上から壮絶な悲鳴が轟いた。 仔実装のうち二匹は、いつのまにか肌がべったりと焼きついてしまい、完全に動けなく なってしまった。 もう一匹は、運悪く両脚を隣り合った穴に落としてしまい、鉄網の柵で股間をジリジリ 焼かれている。 さっきダイブした者は、なんとか水面に落下する事が出来たが、全身くまなく衝撃を 受けて瞬時に気絶し、何も動けぬままペットボトルが止まっている淀みの方へ流されて いく。 それに気付いた親実装は、血相を変えた。 「お前達! 何してるデスッ?!」 「テェェェェン! マ、ママァァッッ!!」 「熱いテチ! 熱いテチ! もう動けないテチ!」 「オマタがジュンジュンしてきたテチ〜♪」 「だんだん暑くなってきたテチ! ママ、早くおうち帰るテチ!」 「ゴボゴボゴボ…」 「デギャア———ッ!!!」 とち狂った親実装は、ジャバジャバ音を立てて溺れた仔実装の方へ駆けて行く。 その間も、フライパンの上の仔実装達はどんどん体力と精神力、そして水分を奪われて いく。 かろうじて逃げ延びた一匹だけは、何も出来ずまごまごしながら、用水路とフライパン 両方の様子を見ている。 だが、やがて… 「デズ?! こんな所に仔実装のステーキがあるデズゥ♪」 「まだレア状態デズゥ☆」 「テ?」 いつの間にかやって来た別な糞蟲達が、鉄の網の上から逃げられなくなった姉妹を 引き剥がした。 そして… 「テジャ……!!」 もしゃもしゃ、ぱりぽり、ゴックン 「テピャ……!!」 ゴリボリパリ、ゴックン あっさりと、食い殺してしまった。 「テ、テェェェェ!!!」 オマタアツアツの仔実装は、そんな状況を目の当たりにして、恐怖のあまりパンコンした。 だが、すぐに糞蟲達に発見されてしまう。 「おや、デザートまであるデッズゥ♪」 「半生も悪くないデズゥ☆ よし、こいつは仲良く分けるデズゥ☆」 「テ、テッチャアァッッッ!!!」 ビリバリビリビリビリ ブチッ、ブチブチブチ!! 哀れ。オマタアツアツ仔実装は真っ二つに引き裂かれ、二匹の糞蟲達のデザートと化して しまった。 まさに、あっという間の出来事。 唯一の生き残り仔実装は、完全に腰を抜かし、ヘナヘナとその場に崩れていた。 「カラメルソース付きだったデズゥ♪」 「程よい喉越しデズゥ☆」 「デギャァァッッッ!! ワ、ワタシの非常食ガアァァッッ!!!」 用水路の中で、親実装が叫んでいる。 先ほど拾い上げた溺れた仔実装を鷲掴みにしながら、網越しに上の糞蟲達を睨む。 だが、当の糞蟲達は親実装の存在にまったく気付いていないようだ。 グフフフ、という汚らしい笑い声が響いてくる。 「グゾォォォッッ! こうなったのもこいつらのせいデスゥッ!! 只ではおかないデスゥッ! ワタシの非常食達の仇、覚悟するデスゥゥッッ!!」 「レ、レチャアァァァッ!! な、なんでこっちに来ちゃうんレチィ?!」 「や、やっぱりこうなるレチイィィッッ?!?!」 迫る親実装、その手の中で力一杯握り締められ、すでに内臓を噴出して絶命している 仔実装。 そして、ペットボトルの船の中で、恐怖に震える親指姉妹。 「テギャァァァッッッッ!!!」 その頃、用水路の脇では、最後の生き残り仔実装がAパーツとBパーツに分けられていた。 ---------------------------------------------------------------- 注:これは、マラソンスクです。 このスクの続きを、別な方にお願いします。 20KB以内程度の文章量で、続きを書いてくれる方を求めます。 私は、この時点でこのスクの著作権その他一切を放棄します。 気が向いた方、是非好きなように続きを書いてください。 状況解釈は引き継いだ方に一切お任せします。 ジャンルも、虐待・愛護・馬鹿・観察その他、お好きなように変えちゃって結構 です。 よろしくお願いします。 用水路の様子、勝手に決めさせてもらっちゃいました。 後の人、親実装をよろしくデス♪<丸投げかよw
