僕は猫を飼っている。 名前はミースケ。野良猫だったのを僕が拾ってきたのだ。 子猫の頃から飼っているため、とても僕に懐いてくれて可愛い。 だが、ミースケには困った癖がある。 癖と言うよりも習性なのかもしれない。 それは昼間外で遊んでいるときに、狩りでもしているのか取った獲物を家に持ち帰ってくるのだ。 子猫の頃はコオロギや、バッタ、セミ等昆虫が多かったのだが、 最近ではミースケの体格が大きくなったおかげか仔実装を連れてくる。 初めて仔実装を銜えて僕の部屋に来たときはとても焦ったものである。 そんなある日、コンビニに買い物に行こうとしたとき公園でミースケを見つけた。 ミースケは実装石の親子を狩っている真っ最中だった。 親実装が必死に仔実装を庇っているところへ爪と噛み付き攻撃を背中や、手足に浴びせ 親実装が油断した一瞬の隙を狙って一匹の仔実装を銜えて距離をとった。 仔実装は泣きながら親実装を呼んでいるようだけど、 親実装はミースケに連れ去られた一匹を見捨てて、他の仔実装を連れてその場を逃げ出そうとしていた。 その事に気づいた仔実装がいっそう大きな声を上げて親実装を呼んだ。 そこへ、ミースケが仔実装をまるでボールで遊んでいるように転がし始めた。 仔実装は必死に叫びながら親実装を呼んでいたが、親実装は目に涙を滲ませながら 仔実装に何も言わずにその場を去った。 当のミースケはすでに親実装たちに興味が無いようで、ひたすら仔実装を甚振っていた。 仔実装の服はミースケの爪のせいでボロボロになり、皮膚も痛々しいくらい切り裂かれていた。 仔実装は必死に逃げ出そうとするが、すぐさまミースケの前足で踏まれたり、叩かれたりして 逃げるに逃げられない状況になっていた。 しばらくしてミースケも飽きたのか仔実装を甚振るのを止めた。 仔実装はすでに満身創痍の状態になっていた。 両足と左手は皮膚で辛うじて繋がっている状態になり、爪で引っかかれたためか片目が引き裂かれていた。 すでに服は原型をとどめていなくほとんど裸の状態になり、糞をブリブリとひねり出していた。 驚いたことにこの状態になって仔実装は生きていて、まだ比較的無事な右手をゆっくりと頬に持っていき 一言鳴いた。 「テ、テチュ…ーン♪」 その声を聞いたミースケは、仔実装の頭を噛み砕いて止めを刺した。 仔実装の体がビクンと大きく痙攣した後、2.3度小さく痙攣し動かなくなった。 ミースケは口をくちゃくちゃと動かし仔実装の頭を飲み込んだ後、親実装たちが逃げていった方向へ走っていった。 僕は唖然としてその場に立ち尽くした後、仔実装の死体に近づきしゃがみこんだ。 頭の無い仔実装の死体を見つめていると、急にムッとする臭いがしたので顔を上げた すると目の前には一匹の野良実装がいて涎を垂らしながら、デスデスと何かを言っていた。 リンガルは使ってはいなかったがすぐに何を言っているのかはわかった。 僕はすぐにその場をどき、近くのベンチに座った。 仔実装の死体があったほうを向くと、先程の野良実装が嬉しそうに仔実装を頬張っていた。 しばらくして、公園の茂みの中から実装石の悲鳴が聞こえた。 僕は声のしたほうに行くと段ボールがガタガタと暴れていた。 どうやら悲鳴は段ボールの中から聞こえるようで、段ボールに近づきそっと段ボールの蓋を開けると 黒い影が飛び出した。 僕は一瞬驚き尻餅をついたが、すぐにその影の正体に気づき立ち上がった。 「ミースケ!」 ミースケは僕を見ると口に銜えていたものを僕の足元に置いて、「ナァ〜」っと一言鳴いた。 もちろん口に銜えていたのは仔実装である。 先程死んだ仔実装とは違い、首の骨を噛み砕いて動けないようにしているだけだった。 いつものミースケのやり方である。 仔実装は泣きながらパンコンし、目をギョロギョロとさせていた。 段ボールのほうを見ると両目を潰された親実装が必死に叫んでいる。 仔実装が親実装のほうを見ようとして必死に叫んでいるのを見ると 恐らく親子で呼び合っているのだろう。 僕は立ち上がって段ボールの中を見た。 段ボールの中には4匹と思われる仔実装だった肉塊があった。 親実装は目が見えていないためか、その肉塊を踏み潰しながら必死で叫んでいる。 段ボールの側面に勢いよく段ボールの側面にぶつかったため、段ボールが横転して親実装が転げ出た。 その後は手探りで走り木にぶつかったり転んだりしながら、同じようなところをグルグルと回っている。 どうやら完全にパニック状態に陥っているようだ。 ミースケはいつものように僕に頭を撫でてもらおうとして足に寄り添いながら「ナ〜」と鳴いた。 僕は仔実装を摘んで、ミースケの頭を撫でてあげた。 ミースケは満足したのかあっという間にどこかへ走り去ってしまった。 僕が仔実装を見ると仔実装は媚びの声を出した。 「テチュ〜ン♪」 どうやら、首が折れていてポーズが出来ないようだ。 僕は呆れながら仔実装を見つめた後、親実装の近くに置いてやることにした。 僕はリンガルを取り出して親実装に言った。 「仔実装は此処に置いていくから。最後の一匹でも生き残っていて良かったな。」 すると、僕の言葉を聞いた親仔はとても嬉しそうに、 「デス!?デスデスゥ〜♪」 「テッチュ〜ン♪」 と言って、親実装は明後日の方向に向かってお辞儀をしていた。 仔実装も、嬉しそうに親実装を呼んだ。 僕は公園を去ろうとして後ろを向いたその時、 仔実装の「テベェ!」と言う声とカエルを踏み潰したような「グチュ」と言う音がした。 俺が親子の方に振り向くと、親実装が仔実装の腹を踏み潰しているところだった。 仔実装の口からは内臓が吐き出され、総排泄孔からは最後の糞が押し出されていた。 親実装は自分の足元を見えない目で見て、「デス?デス?」と仔実装に問いかけていた。 仔実装のほうはどうやら胴体に偽石があったようで、完全に絶命したいた。 恐る恐る親実装が仔実装の死体から足を退け、手探りで仔実装の死体を探し当てた。 震える手でその死体を愛おしそうにそっと抱き寄せると、大きな声で泣きはじめた。 「オロロ〜ン!オロロ〜ン!」 目が潰れているためか涙は無いが、その姿はとても悲しそうだった。 僕は一言「ごめんな」と言ってその場を離れた。 コンビニから帰ってくる途中あの親実装が気になりこっそりと見てみると、 数匹の野良実装が集まっていた。 僕は全てを察して家に帰った。 家に帰るとミースケが専用のクッションの上で寝ていた。 ミースケに「GJ!」のサインを送った。
