タイトル:【愛】 思春期2
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3789 レス数:1
初投稿日時:2006/11/11-06:55:40修正日時:2006/11/11-06:55:40
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             「思春期2」     





敏明は仔実装とアパートに住み始めて一週間がたった、その間にカレンダーは12月になっていた。
あれから14インチのテレビと、暖房に大安売りをしていたコタツを購入した。

コタツに入って何となくテレビを見ていると、敏明の脇のコタツ布団から、仔実装が仰向けに顔を出した。

「テチィィ・・」

ニコニコと笑う仔実装は、敏明に構って貰いたくて仕方が無い。
仔実装に一度目をやると、敏明はまたテレビをぼーっと見る。
遊んで貰いたいのか、仔実装は敏明のズボンを引っ張ったり、背中をポフポフと叩いた。
敏明はまったく反応しない、コタツに両肘を立てると、傍らにあるタバコに火をつけた。

カチ!ジジジ・・・

『ふぅー』

この暮らしは敏明にとってはとても快適だった。
うるさい母親のいる実家は朝にはちゃんと起きて、それなりの規律を守らなければいけない。
ご飯時には父親と一緒に食べなければいけなくて、どこか後ろめたくおいしく感じなかった。
母親は顔を合わす度にがみがみとうるさい、実家では敏明に平穏な時間は少なかった。

ここに移ってからは好きな時に寝て起きて、嫌な思いもせずに食事が出来る。
暇な時は仔実装をいじって遊んで、テレビを見て一日を過ごした。

そんな日々も残金の事を考えると、少し頭が重かった。
敏明はアルバイトにでもと考えはするのだが、怠け癖は簡単には治ってはくれない。
ただその日が無駄に過ぎて行くだけで、特に何かをする訳でもない。


そんな事を考えていると仔実装が業を煮やしたのか、コタツによじ登りテレビの前で視線を塞ぐ。


仔実装はこの部屋へ来てから、今までと全く違った環境に驚き、
一日中部屋の中をドタドタと走り回っている。
この快適な空間は、今までの自分が置かれた環境と全く違う。
飼われた事の幸運を体中で感じている。

そしてここには自分の大好きな人間がいる、この人間は素っ気無いが、
怒った時以外は自分に危害を加えず、母親が教えてくれた危険な人間とは違った。
母親や姉は自分の相手をしてくれる事も無かったのに、この人間はたまにだが遊んでくれる。
捨てられて公園をさまよっていた自分を、救い出してもくれた。
仔実装はこの人間に感謝の様な気持ちを感じ、また淋しい気持ちを和らげてくれる象徴に思えた。

大好きなこの人間との快適な空間。
外の過酷で危険と隣り合わせに暮らした日々。
誰も自分を相手にしてくれなかった淋しい日々。
それを思えば天国にいるような気分だった。

『おいテレビが見えないって』
『どけよ』

仔実装は自分の相手をして貰いたくてしょうがない、わざと敏明の邪魔をした。

「テチィ!テチチ♪」

目の前で変な踊りをしている仔実装に、敏明はタバコの煙を吹きかけた。

「テチャァァ!ケホケホ!」
「テチィッ!テッチャー!」

からかわれて怒っている仔実装を無視して、タバコを消すとそのままこたつで横になった。
敏明はトラブルと言う物が嫌いな男で、何かあると逃げる様に今まで生きてきた。
怒らないのは仔実装を怒るのが面倒なだけで、感情を表に出さないだけだ。

横になると、うとうとしだし眠ってしまう。
コタツの上で様子を見ていた仔実装も下に下りてきた。
敏明の横に来るとうつ伏せになり横になる、敏明の脇で自分の体をを密着させると不思議と安心出来た。
昼過ぎになると敏明はよく昼寝をした、仔実装も敏明に合わせて昼寝をするようになった。
仔実装にとってこの時間はとても幸せな一時である、ずっとこのままで良いと思っていた。



仔実装は夢を見ている、それはかつて自分が暮らしていたダンボールの中だった。
目の前には姉が二人で何かを話している。
仔実装は姉実装達に近づいて行くと、長女が仔実装を睨みつけた。
それでも構わず甘えようと近づいた時、隣の次女が仔実装の後ろ髪を掴んだ。

「馴れ馴れしいチビテチ!」
「お姉ちゃんに何の用があるテチ」

そう言うと仔実装の髪を引っ張り、仔実装は尻餅をついて倒れた。

「テチャァ!やめてテチ!やめてテチ!」

倒れた仔実装を見下ろすと次女が言った。

「まったくお前はとんだ出来損ないテチ」
「そこに這いつくばってるがお似合いテチ」

仔実装は次女が恐ろしくて仕方が無い、何かにつけ姉に取り入り仔実装を苛めてきたからだ。
長女は仔実装を苛めるような事は無かったが、関心を示す事も無く相手にしていなかった。
仰向けに倒れている仔実装を一瞥すると、鼻でフンと笑い後ろを向いた。

そんな二人の態度に仔実装は泣きたくなったが、泣くと次女からさらに苛められる事は分かっていた。
くちびるをぐっと噛み締めて涙をこらえている。

ダンボールを切り込んだ扉が開くと、母実装が餌を持って帰って来る。

「仔供たち大人しくしてたデスゥ?」
「今日はご馳走デス、愛護派の人間が食パンを撒いてくれたデス」
「お前達の為に沢山拾って来たデス」

長女は二コリと笑うと母実装にお礼を言った。

「さすがはママテチ、いつもありがとうテチ」

次女は姉に合わせて相槌を打った。

「お姉ちゃんと一緒に大人しくしてたテチ」

座っていた仔実装は母実装が帰って来るなり立ち上がると、母実装の元へ駆け寄ってくる。

「ママ!ママ!淋しかったテチ!」
「もうどこにも行っちゃ嫌テチ」
「ずっとここにいてテチィ!」

仔実装は母実装のスカートにしがみついて困らせてしまう。
姉二人はその様子を、疎ましいと言う眼つきで睨んでいた。

「お前はいつまでも甘えん坊デスゥ」
 
仔実装をあやしながら、母実装は今日の夕飯を広げた。
ビニール袋の中身は食パンを千切った物が3個と、腐った野菜屑が入っている。

「みんなで仲良く食べるデス」

仔実装が食パンに飛びついた所、長女がそれを制した。

「何やってるテチ!先にママが一番いい物を取るに決まってるテチッ!」

次女もそれに続く。

「何の役にも立たないお前が取れると思ってるテチ?」
「まったくこれだからいつまで経ってもチビのままテチ」

仔実装はしょげ返ると、最後に残った野菜屑を取った。

「わたちもパン食べたかったテチ・・・グス」

その様子を見て母実装が仔実装に声を掛ける。

「ママはお腹一杯デス」
「半分はお前が食べるデス」

姉実装達は「チッ」と言う顔をする。

「ママはお前の将来が心配でたまらないデス」
「いずれは一人で生きて行かなくてはいけないデス」

母実装は仔実装には優しく小言を言うと、仔実装は母実装に抱きつき甘えた。

「ママは優しいテチ」
「ずっとずっと私のママテチ」







『おい!』
『おい!』
『起きろコラ!』

「テスーテスー・・・・むにゃ」

夕方になって仔実装が起きた。
敏明はキッチンで夕飯の準備をしていたが、いつまでも寝ている仔実装を起こした。

「ママ・・ママがいないテチ・・・」
「テチィ・・お家じゃないテチ」

仔実装は起きると部屋を見回し、ダンボールハウスで無い事を確認した。
この部屋に来て夢を見ると決まってこの夢だ、夢だと分かると小さな胸を痛めた。

仔実装は立ち上がると、キッチンで焼きそばを焼いている、敏明の所へ走って行く。
そのまま敏明の足に捕まり甘えて見せた、仔実装に気付いた敏明は、足を上げて仔実装を振り払う。

「テッチィ」

振り払われ仰向けに手をついて倒れたが、立ち上がるとまた足にしがみ付いてくる。
何度か同じ事を繰り返すと、敏明は仔実装を掴みバスルームに投げ込んだ。

『邪魔だよおまえ、そこに入ってろ』

扉を閉めようとする敏明を追いかけて仔実装は駆け寄っていく。

バタン!

間に合わず扉にすがり扉を叩いたが、扉は開かなかった。
仔実装は母親のいない寂しさを、敏明に甘える事で紛らわしたかった。
ただ敏明は幾ら仔実装が甘えて見せても、素っ気無いだけで相手にしてはくれなかった。

元々敏明は仔実装を、暇潰し程度の存在にしか考えていない。
纏わりつかれると、とたんに不機嫌な表情を見せた。

仔実装にはそれが分からない、ただ甘えれば優しくしてくれるのでは無いかと思っている。
母実装の様に甘えても優しくしてくれない敏明に、自分の甘えが足りないと勘違いをしていた。
もっと甘えれば敏明も自分を好きになってくれる、
盲目的ではあるが仔実装は、敏明に対してある種の感情が芽生えていた。





コタツの上で一緒に焼きそばを食べていると、敏明がリンガルを装着した。

『明日からしばらく、俺は外に出て行く』
『オマエ大人しく待っていられるか?』

敏明はこれからの為に、アルバイト先を探しに行こうと思っている。
それは始めてみせる積極的な行動だった、さすがにお金が無いと生きていけない事は分かっている。
実家に無心に行く事は避けたかった、それは敏明なりのプライドでもある。

「ずっと一緒テチ・・」
「お外に行っちゃ嫌テチ」

敏明は仔実装の反応が、こう来るだろうと分かっていた。

『焼きそば旨いか?』

具はキャベツだけの焼きそばを指差し敏明が聞くと、
前掛けはソースでベタベタで、焼きそばを素手で手掴みに食べている仔実装は答えた。

「おいしいテチ!」
「焼きそば大好きテチ」

仔実装にとってお腹一杯食べられるだけでも幸せである、
こってり油の乗った焼きそばは、ご馳走以外の何者でもなかった。
敏明は一回頷くと、仔実装に説明をした。

『その焼きそばをまた食べるには、俺が外に行かなければいけないんだ』
『俺が外に行かなければ、明日からエサも無しだ』
『それでも良いのか?』

食べるのをやめて焼きそばを見つめると、仔実装は答える。

「焼きそば食べたいテチ・・」
「大人しく待ってるテチ」

『それじゃ大人しく待ってろ』
『良いか・・・糞漏らしてたらお仕置きだぞ』

お仕置き・・その言葉を聞くと仔実装の動きが止まり、喉をゴクリと鳴らす。
今まで仔実装は何度も糞を漏らし、その度にお仕置きと称して殴られている。
糞をすると言う行為は実装石にとって幸せの瞬間だが、仔実装にとっては恐怖でしかない。
何度も殴られその度に泣いてきた、最近やっと糞をバスルームでする事を憶えたばかり。
毎回そう出来る自信は仔実装に無かった。

敏明がもう一度聞いた。

『糞のする場所は分かってるよな』
『部屋でなんかしたら、必ずお仕置きが待ってるぞ』

「わ・・・分かってるテチ」
「大丈夫・・大丈夫テチ」

『よし約束だぞ』
『早く焼きそば食っちまえよ』

話し終わると敏明はリンガルを外し、片付けを始める。





明日は早いのですぐに就寝時間となり、敏明はロフトに上がった。
仔実装が慌ててついて行く、どうしても一緒に眠りたかったからだ。
はしごを昇る敏明に掴まったが、振り払われ落ちてしまう。
やはりぴょんぴょんと飛んで見せるが、敏明は気にもしてくれない。

暫くロフトを見上げていると、敏明が顔を出す。

『オマエの寝床はそのタオルだ』
『良いか糞垂れだけはするなよ』

そう言うと電気が消され部屋は真っ暗になった。
仔実装は肩を落としタオルに潜り込むと、一人淋しく眠りについた。






翌朝になり敏明はアルバイト探しに出かけた。
出る間際に仔実装に糞の事で釘を刺すと、振り返りもせずに出て行く。

部屋の中でぽつんと一匹取り残され、仔実装は電気の点いていないコタツに潜り込む。
反対側から顔を出すと仰向けになり天井を見つめた。

いつも走り回っていた部屋も、一匹だとそんな気分にならない。
一度溜息をつくとそのままコタツで眠った。



仔実装はまた夢を見た、今度の夢はこの部屋でコタツに眠ったままの自分が出てくる。
目を開けると横には敏明があぐらをかいて、コタツにほうづえをついて溜息をついていた。
仔実装に気付くと抱え上げ、あぐらをかいた足の上に乗せた。
見上げると敏明は笑っている、仔実装も嬉しくなり笑った。
頭をなでて貰い敏明にしがみつくと、敏明は何かを話している。
仔実装も自分の事や母実装の事、そして敏明を大好きな事をたくさん話した。
敏明は微笑んでそれを聞いている、何だか恥ずかしくなった仔実装は顔を赤らめた。



目を開けると天井の模様が飛び込んでくる、現実に引き戻されたのだ。
時間はまだ昼前である、パンツを確認したが糞は垂れていない。
ほっとして夢の余韻に浸っていると、敏明の眠るロフトが目に入った。

コタツから這い出ると、ロフトへ昇るはしごの前に来た。

「この上に行けば一緒に寝られるテチ」
「一人で寝るのは淋しいテチ」

仔実装ははしごに掴まると、よじ登り始めた。
掴む所がつるつると滑り昇りにくいが、それでも何とか昇れそうである。
段にすると八段程だが、仔実装にとっては果てしなく高い所に感じた。

一段また一段、仔実装は確実に上に昇っている。
三段ほど昇った所で一度休憩を入れる。

「簡単テチ、なんで今まで登らなかったテチ」

仔実装は敏明と一緒に寝ている所を妄想すると、いても経ってもいられなかった。

「一番上まで行くテチ」

はしごの縦部品に捕まると、摩擦を利用してまた一段上に昇る。
四段目に差し掛かると、腕が疲れ力が出なくなっている。
仔実装は自分の靴を脱ぐと、今度は両足ではさみ一段上に昇った。
五段目には両手両足もしびれ始め、皮膚は赤く腫れてきた。

上の段を見つめるとあと少しだ、仔実装は自分に気合を入れて昇り始める。

「テチャァア!」

昇り始めたのは良いが次の段へ届くあと少しで、縦の部品にしがみ付いたまま動けなくなる。
見上げれば手を伸ばせば届きそうな距離だ。
それでも手を離した瞬間、落ちてしまいそうな位力が無くなっている。

「う・・動けないテチ」
「どうするテチ・・やばいテチ」

「そうテチ、一旦下に下りれば良いテチ」

そう思って下を見た瞬間、仔実装は目眩を起こした。
今までこんな高い所には昇った事も無い。
はしごを掴む腕と足に脂汗が出て、掴んでいるのも難しくなってきた。

ツル!ツル!

掴んだ手と足が滑る、下はフローリングの硬い床だ。
この高さから落ちれば、仔実装では一溜まりも無く潰れてしまう、高さは既に一メートルを超えていた。

「テァァァア・・ニンゲェェン!」
「早く助けるテチィ!」
「死んじゃうテチ!死んじゃうテチ!」
「テチャァァァァァア!!」

仔実装はここにいるはずも無い敏明に助けを求めた、落ちれば死が待っている。
ブルブルと震える手はやがて感覚も無くなって行く、落ちるのは既に時間の問題だ。
仔実装は極限の中、妄想で気持ちを和らげた。
その妄想は落ちる寸前の仔実装を、敏明が駆けつけて危機一髪で助けてくれるものだった。

「テエエン・・良かったテチィ」
「きっと来てくれると信じてたテチ」

ツル!!

その瞬間、仔実装の手がすべり、はしごから落ちてしまう。

「テァァァァァア!!!」

はしごの段に何度か当たりながら、仔実装は床まで落ちていく。

「テチュゥゥゥ!!!」
「テチャ!テッ!」

「テギャ!!」

落ちたのが足からなのと、何度か引っ掛かったのが幸いして、仔実装は生きている。
ただ落ちる途中、段に掴まろうとして左腕の骨を折っている。
そして床に落ちた衝撃で両足が膝から下、全て潰れて吹き飛んでしまった。

「い・・生きてるテチ」
「腕が痛いテチ、体中も痛いテチ」
「何だか息も出来ないテチ」

それでも仔実装は痛くない右手で、起き上がろうとするが起き上がれない。
足の感覚が無く、ただ熱く感じるだけだった。
仔実装は恐る恐る自分の足を見た。

「チュァァァァァア!!!」
「あ・・あし・・足が無いデジュゥゥ!!」

ブバァッ・・ブリブリブリッッ!!!

仔実装は自分の姿に恐怖して脱糞をした。

ブリリッリリッ!!

見る間にパンツが盛り上がりパンパンになって行く。

「ニンゲェェェン!!」
「早く・・・早く戻って来てテチィィィィ!!!」
「死んじゃうテチッ!!死んじゃうテチィィィ!!!」

「テッチャァァァァァア!!!」

仔実装しかいない部屋で、いつまでも仔実装の声が響いていた。
敏明が帰って来るのは、この後5時間経ってからだった。


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1 Re: Name:匿名石 2023/08/04-15:02:00 No:00007697[申告]
可愛くなってきたね
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