タイトル:【観察】 対処
ファイル:捨て実装とカラス・後編.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5376 レス数:0
初投稿日時:2006/11/04-19:48:22修正日時:2006/11/04-19:48:22
←戻る↓レスへ飛ぶ

ボスは幽鬼のような巨躯を、重々しい羽音とともに広場中央の巨木に止まらせると、

げぇええぇあアァァァァ!!

と、尋常の生き物とは思えないような、夜道では絶対に聞きたくない声を上げた。
それが合図だった。

パッパッとカラスたちが枝を蹴って実装たちに急降下していく。
身をすくませる実装たちの前で、あるものは羽を広げて急制動をかけ、
くちばしで突付き、あるものはすれ違いざまに足で蹴りつけていく。

顔をかばえば頭が、背をかばえば腹が、四方八方から突付かれ蹴られる。
だが、カラスはまだ本気ではない。真っ先につぶしにいくはずの目が手付かずだ。

とはいえ、実装の狼狽はひどい。
暴れまわる「みど」と「どり」のほうに攻撃が集中する。
やはり生きのいいほうが餌としては魅力的なのだろうか?

「デェェェェz!?デギャッ!?」
(やめるデスゥゥゥ!!!来るなデスゥゥゥ!!!)

「みど」と「どり」は必死になって手を振り回し、足を踏み鳴らしているが、
カラスから体を守ろうとしているのか、叩き落そうとしているのか、
それとも単に混乱しているやらわからない。

足元ではすがりつく仔実装が蹴られ、踏まれ、緑と赤のしみになっているものもいる。

「テァァァァァッ!!?テキャァァァァァァ!!?ギュバァァァ!?デヂェ!?」
(怖いテスゥ!ママ、助けテチィ!?・・・ママ!止め・・・デゲベ!踏まな・・・ギュア!?)

一方、「みり」は子供を守るという意思の下、
服の中に子供を隠し、四つんばいになって腹と顔を守りつつ、悲鳴も上げず後ずさり。
背後の茂みに逃げ込む算段のようだが、ボスはそんなに甘くは無いだろう。

それにしても、生き物の狩猟風景というのはどうしてこう心躍るのだろうか。

私は岩陰から出て、デジカメのシャッターを切った。

げぇええぇあアァァァァ!!

再びボスが鳴く。
カラスたちは興奮の声を上げつつ枝に戻っていった。

「…テデェーーッスゥゥ…?」(た・・・助かったデス?)
「デスウゥデ…デスゥ???」(終わった・・デスか?)

「テチィィィ・・・??」(もうイヤテチィ・・・)
「テェェェ・・・テチテチィィ・・・・テッテチィ」(お姉ちゃんが、無くなってしまっテチィ・・・)

急に攻撃がやんだことにいぶかしげな声を上げる「みど」と「どり」たち。
なみだ目になりつつキョトンとした顔で周囲を見回す。

「みり」も顔をあげて相撲の立会いのような姿勢になり、首を動かしている。

パサッパサッと4羽のカラスたちが木から地面に降り、ぴょんぴょん跳ねながら実装たちに近づいていく。
その姿はある意味ユーモラスであった。

「デデスゥウウウウウ???」首をかしげる「みど」と「どり」と子供たち。
・・・いや、相手が飛んでないうちに逃げたほうがいいよ。

地面をホッピングするカラスたちはすばやく馬鹿親子sに近づくと、
ひょいひょいパクパクと仔実装たちを咥えあげた。

「テッ!チィィィ・・・!!??スッ?!テェェェ・・・!!」

目をむく仔実装たちを意に介すことなく、ばさばさと飛び上がり木にとまるカラスたち。

「「デッデッデッデデデ?」」

あっけにとられる「みど」と「どり」。
「みり」は・・・、おお、あわてて反転し藪に向かい始めた。

カラスの動きは・・・、また4羽が歩いて「みど」と「どり」へ。
「みり」へは、ああ、藪の前に6羽が下りて回り込まれた。さらに背後に3羽。

「みど」と「どり」の子供たちはさっき親に踏まれた分を差っぴけば、残り4匹。
カラスは計算している。また取られた。全滅。

「みり」は、亀になって9羽からなるカラスのボコりに耐えている。
子供は服の腹側にいるようだ。よし。それが正解。
下手に立ち上がれば、弱い顔と腹をさらすことになる。そのまま耐えれば・・・
あ!怯えた仔実装がすそから出てきてしまった!

当然のごとく、ぱくり。はいぱくり。もひとつぱくりで3匹が咥えられ、木の上に行った。

子供が何匹か出て行ったのことを感じ取った「みり」は、すそを足にはさみ、
これ以上の流出を止めようとする。

「デーンデー!デンンデッス!デーデッデデッデデッス!」
(おとなしくするデス!外は怖い怖い鳥でいっぱいデス!出てきちゃだめデス!)
ひときわ悲痛で大きな声をだす「みり」。
子供たちを何とかおとなしくさせようとしているのだろうが、
親の心仔知らずとはよく言ったもので、その声が逆効果となり今度は襟元から2匹飛び出してきた。
あっという間に咥えられ、木の上に運ばれる。

これで子供は全滅か?さすがに小さい仔実装が何匹いたかは把握してないが、
1親あたり5匹くらいに見えたからな。

仔実装たちは・・・、弱弱しく鳴き、親に助けを求めている。
「テッスゥゥ・・テッチィィィ・・・」(ママ・・・怖いテスゥゥ、助けテチィィ・・)
顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだ。自分の数倍もあるまったく別種の生き物に捕まり、
あまつさえ、人間換算で30階建てビルに匹敵する高さに無理やり持ってこられたのだ。
怖くてたまらないだろうな。

「みど」と「どり」は子供を返せと鳴き喚き、飛び上がって怒りを表明する。
「みり」は、ああ、涙を流して泣いている。子供たちの運命を悟っているのだ。

仔を咥えたカラスたちはぽいぽいと無造作に仔実装を放り投げた。おや?食うと思ったが。
「テァァァァァッ!!」「テキャァァァァァァ!!」
甲高い悲鳴がドップラー効果を放ちつつ地面にまっさかさまに落ちていく。

ぺしゃぺしゃ。

熟した柿の実が地面に落ちるような音を立て仔実装たちは、柿の実と同じような末路をたどった。

デキャァァァ!??
親の悲鳴があたりに響く。
おや、4匹ほどが原形を保っている。ウレタン仔実装のようだ。

せめてウレタンたちだけでもと、希望に目を輝かせ親が殺到するも、その動きは三歳児以下。
カラスのほうが早い。あっという間に捕まえてしまう。
再び仔実装たちを咥えあげて枝に戻ると、なんと器用にもキャッチボールをし始めた。

ちなみに、カラスを飼っている人の話によると、
カラスはふつーにピンポン玉を使ってキャッチボールを楽しんでいるそうな。

犬や猫には体の構造上できない芸当だが、
はさむに適したくちばしと優れた動体視力、
短いが柔軟な首間接と、付随する強力な筋肉のおかげで
キャッチしては投げ返すことが可能なのだ。

今度は飛びながら追いかけっこが始まった。
ラグビーのパスみたく、一羽が落としたのを他のがキャッチして、
先頭へ移動、また落として他がキャッチを繰り返している。

感心する私はともかく、仔実装にとってはさっき以上の恐怖であろう。

どんどん高く上っていく。今の高さは30mくらいか?あ、落とした。
ドップラー効果による悲鳴の音程の変化がさっきよりもよくわかる。
「テァァァァァッアアァァァァってあぁァァァァぁぁぁあ゛!」
「テキャァァァァァァアアァァァァってあぁァァァァーぁぁーぁあ゛!?」

何とか受け取ろうと右往左往する親たち。しかし、上を見るのは非常に苦手な体つきで
正しく落下位置を把握できるはずもなかった。
ブチュッ!バチャッ!ドボチャッ!
最後の音は2匹同時につぶれた音だ。
血と内臓が吹き出るくぐもった音とともに「デエァアアア!??」と親実装たちの悲鳴があがる。

今の落下中の様子はうまく撮れただろうか?

吸収し切れなかった衝撃は内部に浸透し、弱い箇所、すなわち口と総排出口に
一気に集中して内臓が飛び出たが、ウレタン仔実装たちの外形はまだ形を保っている。
はじめの子らが、豆腐が砕けるように全身ばらばらになって死んだのに対して、
ウレタンとはかくも丈夫な素材なのだ。

まあ死ぬことに変わりは無いが。

内臓が無いぞうになり、おなかペッタンコになった仔実装たちを手に持って、
親たちは血の涙を流した。

・・・さっきは食い殺そうとしていたのに。
まあ、愛情深くない、子供を道具や非常食と見ている親も子供が亡くなると悲しむと言うからな。


実装たちが怒りを表す間もなく、カラスたちの本格的攻撃が始まった。
定石どおりに最初にねらうは目玉。

立っている「みど」へくちばしから体当たり。
がぢっとガラス質の眼球にひびが入り、緑の破片を撒き散らしながら砕け散る。
悲鳴を上げて仰向けに倒れたところへ、カラスが殺到し、
ナイフと化したくちばしを「みど」の腹へ突き刺していく。

「みど」は勢い良く糞便を撒き散らすが、腐った肉はおろか
ムカデさえ平気で喰らうほどに臭覚の鈍いカラスはまったくひるまない。
ただ、脇によけ、噴射から身をかわすだけだ。


「どり」へはタイミングよく左右から同時に襲い掛かった。
ぶつかる寸前で速度を殺し、ふわっと肩に片足をかけ、鼻穴にもう片足を引っ掛け、
開いたくちばしを勢いよく眼窩に突っ込み眼球をつまみ出す。
二羽のカラスが「どり」の体を蹴って飛び上がったとき、
目のあった場所には黒い穴がぽっかりと開いていた。


手で目をかばう「みり」はなんとか藪の中へ逃げようとする。
藪まであと2m、1.8m、1.6m・・・ああ遅い!いらつく遅さだ。
カラスたちもそうはさせじとズキンの耳の部分に爪をつきたて、羽ばたいて引っ張る。
とうとうズキンが破けた。
だが、「みり」はこれで自由になった。間に合うか?
あと1m、80cm、60cm・・・
ずご!
左右からカラスが、耳の穴にくちばし突撃を敢行。
大きな耳穴は脳につながっている急所。「みり」はぱたりと倒れ、動かなくなった。
あっけなく賢い「みり」は死んだ。

「どり」はいい塩梅に眼球がうまく引っこ抜かれたせいか、痛みはあまり感じていないようだ。
奇跡的に転んではおらず、よちよちよち、あぶあぶあぶと手を前に出しジグザグに歩いている。
その様子は、立てるようになったばかりの赤ん坊によく似ていた。
カラスたちは時折蹴ったり、突付いたりして転ばせ、
起き上がったところまた攻撃すると言うのを繰り返している。


カラスたちの動向だが、死んだ「みり」へは興味がなくなったのか、
ほとんど寄っていない。人気者は「みど」だ。
悲鳴を気にする様子も無く、カラスは赤と緑にまみれた臓物を引っ張り出す。
紐のようなものは腸か?ひときわ大きいのは胃袋か?
胃袋も突付かれ切り裂かれ、内容物が引きずり出される。

溶けかかったおしぼりのようなあれは・・・、胎児か。「みど」は妊娠していたのだ。
「みど」はまだ生きている。咥えられた胎児もぴく、ぴくと身をよじらせる。
それをカラスたちは飲み込み、ひき裂いていった。

胎児の姿がカラスの口に消えていくたび、大きな悲鳴が上がる。
「みど」は胎児を子供だと認識しているのだ。知能は低いが、本能のなせる業か。
こういうことはわかるのだな。


とうとう「どり」がうつぶせに倒れたまま起きれなくなった。
カラスたちはいっせいに背中に飛び乗り突付き始めた。
びびっ、びびっと服が裂かれ、背中の肉が皮ごとえぐられ、食べられていく。

カラスたちのあるものは、ふっさりした髪の毛をくちばしではさむとブチンブチンと
抜き始めた。ぽしゃっと生えた前髪も同様だ。
「どり」の魂消るような悲鳴が響く。

(背中がぁぁ、背中が痛いデズゥゥゥ!・・・髪は!髪だけはやめデデズズズゥゥゥ!!)

カラスは動物園などで檻の中の生き物。特におとなしい草食獣などに対して
毛抜きをする。その目的の大半は巣の保温材にするためだが、
明らかに嫌がらせのためだけの場合も多いという。


「みり」の死体は、ようやく肉が食われ始めた。パンツがはずされ、2羽が左右から共同して
服のすそを捲り上げていく。やわらかい総排出口、わき腹にくちばしが差し込まれ
臓物が引きずり出された。
生きたまま喰われる2匹の周囲とは違い、ここだけが粛々と解体が進行している。
まったくの思い込みに過ぎないだろうが、私にはカラスたちが「みり」へ
何らかの敬意を持って食事をしているように見えた。


あらかたはらわたが食われた「みど」。その頭へくちばしが振り下ろされる。
頭蓋骨をかち割って脳みそを食べようとしているのだ。
そのうち、構造的に弱いところを理解した知恵の回るカラスが、
鼻の穴にくちばしをぶつけ始めた。

目玉のおまわりさんのように、大きな1つの鼻の穴になる「みど」

次いでカラスたちは、眼窩から鼻の穴へと、挟むようにくちばしを差込み、
目と鼻の間の部分を折り取ろうと力を込めた。

ぱきぺき。

あっけなくその部分は折れ、鮮やかに紅い内鼻がむき出しになる。
「デフィィッ!!デフィィッッフィ!!」
(顔はよすデフィゥッ!!ワタヒの顔を壊さないデフィゥゥ!!)
鼻の周辺がなくなったせいか、空気が抜けるような悲鳴をあげる「みど」

「みど」の唯一残った赤い瞳に写るカラスたちは、機械のように手際よく顔面を破壊していく。
開いた穴からくちばしを差込み、周辺の骨を肉ごと、上へ上へと折り取って行く。

ついに額までに穴は拡大し、頭の大きさに比べ非常に小さなピンク色の脳みそが見えた。
頭のサイズがバレーボールとしたら、野球ボールほどの大きさだ。
その周囲には灰色のふわふわしたスポンジのようなものがある。

なんだろう?

収縮と膨張を繰り返しているが・・・、ああ、これは肺だ。
「みど」は頭に肺があるタイプなのか。

そう思ったとき、一羽のカラスが「みど」の頭に開いた穴の中に、自分の頭を突っ込んだ。
穴から引き出されたくちばしにはピンク色のべとべとした塊がついていた。
カラスは目をパチクリさせながら、けして液体をすするには適していないくちばしで、
不器用に塊を摘み取って、飲み込んでいった。
くちばしについた脳髄の汚れは、びしっびしっと首を振ってはじき飛ばす。

「みど」の残った片目がぎゅるぎゅるとすごい勢いで高速回転したかと思うと、
全身がビクンと震え、それきり「みど」は動かなくなった。
そして、ぽてん、と、残っていた片目が外れ落ち、ころころと転がっていった。

残りのカラスたちは、まだ肉のついている部分にくちばしをつき立て、
肉をほじくっている。
数秒後には、中身がごっそりえぐられた大穴の開いた顔面と、
肉と臓物が取られ、扁平になった胴体の残骸が残された。
血にまみれているものの髪は奇跡的に手付かずで、それがいっそう無残だった。


「どり」はいまだ生きてはいるが、手足はすでになくなっていた。
全身くまなく肉をちぎり食われ、赤と緑に染まった体のあちこちから白い骨が覗いている。
特に顔面はすでにガイコツ状態だ。
髪を抜かれているときに毛根ごと皮膚や肉も破れたらしく、
どうやらそこより肉を取られていき、こうなったようである。

実装石の頭蓋骨は、肉を取ってしまうと驚くほど小さかった。
顔の面積の半分以上を占める巨大な眼窩と、ひどく貧弱な下あごが、
まるでギャグ漫画に出てくるデフォルメ化した人間の頭蓋骨のようだった。

左右よりカラスが内臓を引きずり出し始めたが、うつぶせであるため、
まだ気管は無事らしく、血の混じった悲鳴を上げている。
鳴く白骨。シュールである。


「みり」に目を移す。
すでに死んでいるため暴れる事も無い「みり」は、とてもきれいに解体されていた。
出血もほとんど無い。
腹のところがきれいに無くなり、カラスたちは柔らかい頬や口の周りなどをつついている。
一羽が目をついばむと上を向いて飲み込んだ。ガラス質のドールアイではなく、
動物と同じたんぱく質からなる眼球のようだ。


「デゲェエーーーーー!!!」

大きな「どり」の悲鳴が響く。カラスたちが、眼窩と耳穴に顔を突っ込んでいた。
脳を食っているのだ。

カラスたちが、くちばしをピンクの粘液に染めつつ穴より顔を出したとき、
「どり」の骨だけになった頭部がガクガクガクと
大きく震え始めた。

カラスたちも少し驚いたのか、「どり」から距離をとる。
「ゲデベヘ・・・」

そう、うめくような声を出した後、ガイコツはその体のどこに残っていたのかと
思うほどの血の塊を吐き出し、白骨化した首はぼろっと胴体より外れた。
下あごが取れ、ころころと頭蓋骨は転がっていき、街灯に当たるとぱかんと2つに割れた。

そして、カラスたちは、まだ多く肉の残っている「みり」に集まっていき、
あっという間に骨だけにした。
宴は終わったのだ。


私は、好奇心から手近な「みど」の屍骸に近づいた。
血と肉と臓物の織り成す生臭いにおいが鼻を突くが、そんなにひどくは無い。
魚市場と同程度だ。これは捨てられたばかりの元・飼い実装だからだろう。

驚いた。まだぴくぴくと動いているではないか。
これが偽石の力なのか。
ならば、「どり」、「みり」はどうなのか?

「どり」もまだ痙攣している、「みり」は、動いていない。
なぜ3匹とも最後は脳を破壊されたのに、「みり」だけが死んでしまったのか?
賢い個体だったから、生命力がその分低かったのか?

そうであれば、その賢さは他の二匹に襲い掛かかった苦痛に満ちあふれた、
死にたくてもなかなか死ねない状況から彼女を救ったと言える。

馬鹿2匹は苦痛の果てに死んだが、「みり」はあっけなく
苦しまずに脳を破壊されたからと言う違いもあるが、どうなのだろう?



そこへ重たげな羽音とともにボスが降りてきた。肩で風を切るような足取りで
「みど」へ近づく。

ボスは「みど」の喉もと付近にくちばしを突っ込むと、光沢を持つ暗緑色の物体を取り出した。
大きさは親指くらいで形は長六角形。光の加減で、内部にひびが入っているのが確認できた。
ああ、そうか。私はボスの狙いを理解した。
そう、偽石だ。実装石の魂ともいえる器官。
実装石に不死身とも言える再生能力を付与する、エネルギー供給装置。

それをつるりと飲み込んだ。

同様に、「どり」から、「みり」からも、砕けてはいたが偽石を引きずり出し、
飲み込んでいった。
そしてボスは私を見ると、にだりと異様に人間臭く目を細め、
仲間を引き連れ森の奥へ飛び去っていった。

さすがボス。とっくに以前、実装石を食らっていたらしい。
そしてどこが一番おいしくて、どうすればよりおいしくなるかも知っていたと言うわけだ。



■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため8441を入力してください
戻る