元祖!ですや 〜秋の味覚山賊飯と猟師鍋を食い尽くせ〜 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「デスゥ!デスデッスデスゥゥゥ!!」 慌しくく俺のズボンを引っ張るものが居る。 俺の家で飼っているマルガリータちゃんだ。 マルガリータは、毎週、決まった時間にどうしても見たい番組があるのだ。 俺は彼女に連れられてお茶の間の前に行くと、 4匹のマルガリータそっくりの実装石と8匹の仔実装、5匹の親指実装が、 テレビの前で整列して待っている。 特に4匹の成体は、皆、巨大な腹を抱えて緑の両目でだらしなく足を投げ出して、 棒状に丸めたタオルに背中を預けてふんぞり返っている。 この4匹は、妊娠して以降、一日の大半をこの姿勢でテレビに噛り付いている。 トイレにすら自分で動かないので、紙おむつが欠かせない。 みんな、マルガリータの仔供達だ。 みんなどうしても、この番組が見たくて堪らないのだ。 俺は、夜食の準備をしていたが、仕方なくニュース番組からチャンネルを変え、座って一緒に見る。 実を言えば、俺もこの番組が大好きなのだ。 【元祖!ですや】である。 出須塚 英彦とパンコン鈴木が各地の満腹実装料理を紹介する番組だ。 うちのマルガリータ以下諸々もチャンネルが変わった瞬間から既に、 口をだらしなく開いて涎を垂らし、落ちる寸前で器用にジュルジュルと吸い上げている。 それがうるさくて話が聞こえないのだが、まぁ、いいとしよう。 『が・ん・そ! で・す・や!』 その掛け声と共に、うちの諸々もテチだのデスだの五月蝿い。 2人が画面に映るのは迫力だ。 毎回のことながら、この2人の食いっぷりが俺の食欲をがっつりキャッチしてくれる。 さらに、毎回、大盛りなのは言うに及ばず、たまに一風変わった実装料理が出てくるのも魅力だ。 ”今日の料理は何かな…”まぁ、それが気になって仕方の無い俺もコイツらと一緒か… −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「さぁ、今日のですやは、ここ、ストーンリバー県は温泉で有名なマウントセンター町にやってまいりました」 「ストーンリバー県といえば、新鮮な魚介類集まる城下町ゴールドスワンプ市が有名ですが…」 「何をおっしゃるんですかパンコンさん!我々がそんなありふれた物で満足しますか? そんな、何処の旅番組でも紹介するものをやると思いますか?」 「と…言う事は…やはり、がっつり温泉入りーの…実装石で、がっつり腹もみたしーの…」 「デププププ…もちろんじゃないデスかぁ!」 ああ、この笑いも毎回のお約束だ。 ちゃんと、仕草までこの巨体で真似してくれるのは見上げた芸人根性だ。 「デスヅカサーン!パンコンサーン!良いところ見つけたデス!」 禿裸でパンツ1丁、筋肉隆々の実装石がテトテトと2人に駆け寄ってくる。 一応、実装語を喋り、字幕が画面下に出ている。 マッスル…じゃなかったマッシヴ君だ。 いつもは、番組中盤から出てきて、2人を引っ掻き回す盛り上げ役だ。 「「マッシヴ!今日は出るのが早いんだよ!」」 ゲシッ! 2人の張り手を喰らってもんどりうって地面に顔面を叩きつけられるマッシヴ。 この乗りはいつもの調子だ。 「だって、今日はゲスト抜きの3人旅って言ったデスゥ」 顔面血まみれで起き上がりカメラ目線で話すマッシヴ君…正直グロい。 なにせ、2人は体格が良い…出須塚さんなんか、相撲取り体格で、そのくせ腕の筋肉結構あるしな… そんな2人から張られたら、普通のヤワな実装石など首が弾けるぞ…。 鍛え抜かれたマッシヴ実装だから、頭が歪む程度で助かっているんだ。 しかし、ウチの諸々は、それを見て驚くどころか嬉々として笑っている。 まぁ、慣れているのと他人…他実装事である限りは、同族のそんな姿は娯楽なのだろうな。 「ごめんごめん、マッシヴ…いつものクセで…でっ、良いところって何処なの?」 「ナマジッソウ!タマジッソウ食わせるところデス!」 「なに?タマ?ナマ?」 「違うデス!ハマジッソウデス!カマジッソウ!判らないデス!このクズニンゲン!」 2人の目の色が変わる。 マッシヴ君のテーマ、キ○肉○ンの曲が流れている。 ♪筋肉、にく、ニク、2×9(ニク)=18♪ 2人が、マッシヴの手をそれぞれ左右から持ち、一気に引き裂く。 ブチブチブチ!「デギィィィィィデギァァァァァァ…」 曲にまぎれて筋肉が引きちぎれる音が聞こえるのは流石マッシヴ…普通の実装石の裂ける音とは違う。 哀れ、マッシブの身体は肩口から裂け、ヒクヒクと地面で脈打っている。 「それを言うなら山実装だろ!ヤマジッソウ!こ−の!只でさえ無い脳味噌まで筋肉になったクズ実装が!」 「”マ”しかあってねーじゃねーか!!」 2人は、ヒクヒク扇動するだけとなったマッシヴ君に唾を吐いて、そそくさと歩き出す。 イヤー、久しぶりにマッシヴ君がしゃべれず動けなくなるまでヤッちまったなぁ… これは今日の料理は期待できるぞ。 マッシヴに食わせたくないときはここまですることが多いからなぁ…。 「と言う訳で、今日は温泉街から離れた民宿にやって来ましたよパンコンさん!」 「なにせ、滅多に食べられない山実装ですからね出須塚さーん♪」 本当に実装料理が好きなんだな、この2人… 「おじゃましまーす。元祖、ですやでーす」 「やぁ、出須塚さん、パンコンさん、ようこそ」 素人らしいたどたどしい喋りだ。 「早速ですが、この民宿では、他に無い旬の実装フルコースが戴けると聞いてお伺いしたのですが」 「うん、あるよ。 いやー、昔はここもちょっと山に入ると鹿も猪も熊も取れたんだけど。 今は、実装石が住み着いてしまってー、みんな奥に逃げてしもてんちゃ ほんでぇー、ウチらぁ・・・・」 何とか標準語を話そうとする努力は認めよう…。 話し出すとリミッターが切れたように話が難解になっていくので解説しよう。 実装石が街から逃げてきて、割と人里から離れていないところまで上がって定住したが、 その為に、餌が無くなった動物が、人里にも降りられず逆に山奥に引きこもってしまった。 元来、猪や熊などの食材を売りにしていた猟師料理の民宿なのに、材料が手に入れられずに困り果てた。 そこで、実装料理に手を出してみたが、所詮は街から上がってきた連中なので食材にもならない。 当たり前だな。 肉、魚、野菜、油もなにも…さらに、新鮮だろうと腐っていようとお構いないに食う野良では体臭もきつく、 管理された食用とか、山の自生植物しか食わない山実装には遠く及ばない。 野良などクソ抜きの手間も掛かる上に、クソ抜きしても衛生上問題のある肉だ。 まぁ、やつらの糞などで山も痩せ、動物にも人間にも迷惑この上ない存在に他ならない。 ところが、北陸は有数の豪雪地帯。 1年過ぎて生き残った実装石連中は、まったく、山実装と同じ生活形態をする様になっていた。 と言うか、そういう生活が出来る者だけが生き残れた。 こうして、山が貧相になる前に、適度に、野良ではあるが野生に戻れない根性なしを間引いていくことになった。 で、その親連中は相変わらず食材には不向きだったが、 その孫の代からは、完全に自然の山の作物だけを口にして成長した、立派な山実装になり根付いたそうで、 それが比較的容易に手には居るようになり、マニアご用達の宿として再建したと言うことだそうだ。 今は、捕らえてきた山実装を敷地の囲いの中で放して、いつでも品切れ無く食べられると言う。 しかも、山が実装石たちの手で枯れる前なので、野生動物たちも戻ってきた。 山実装が根付いた事で、里から上がる野良達も素質あるものは同化され、クズは早期に駆逐されてしまう。 実装石料理も、猟師料理も楽しめる宿として空前の人気なのだそうだ。 うーん、野生鍋というのもいいなぁ… 「今日は実装コースにするし、みとってや」 『秋の猟師鍋実装フルコース、最初の一品目は…』 クリ○ンのナレーションもはいる。 『天然親指山実装の御浸し… 山実装は、生活の負荷となる未熟な親指や蛆を、仔ではなく非常食として見ているので親指は希少。 特に、蛆の様にほとんど動けない訳でもないので、逃げないように生まれてすぐに食べられる事もあり、 しかも、放っておくと糞食させられることが多い為、人間が食べられる親指は生まれた直後の物しか手に入りませんが…』 「「デッデロゲーッ…デッデロゲーッ…」」 なんか、鳥小屋のようなところに何匹か、両目が緑で大きい腹を抱えて歌っている実装石が居る。 「これこれ、こいつが丁度いいね…」 『ご主人、1匹をその場で髪を掴み持ち上げます…おやおや、元気に暴れますね〜 コレが野山を駆け巡り、節食して育った山実装の力…妊娠しているのに髪を掴むご主人に抵抗しています。 さぁ、下に笊を置いて…素早く目に赤インクを点眼しています』 「デギィィィィィィデギィィィィィィ…」 ブリブリブリブリ… 「「テッテレーテッテレーテッテレー♪…」」 籠に勢い良く噴出したのは、10匹ほどの小さな蛆実装達である。 宿のご主人は、産み終わった実装石を無造作に放り捨てる。 「テベッ!デボッ!」小屋から放り捨てられた実装石は、したたかに2回ほど転がるが、 スクッ!と立ち上がり、鼻血を袖で拭くと「デェェェェェ!デスゥ!デスゥ!」と、 まだ、粘膜や体液が股から滴り落ちる姿で元気に駆けて、ご主人の足元に行き、仔を返せと言うのか猛抗議をし始める。 仔を産んだ直後と言うのにこんなに元気とは、山実装は強いな…。 やはり、産後、すぐに”元通り”動けないと狙われると言う野生がそうさせるのかな? 公衆トイレの中で我が仔の粘膜舐めに1時間占拠する、今の飼い実装あがりの野良どもに見せてやりたい逞しさだ。 マルガリータなんか、1回生んだら2日は「産後は大変デスゥ」とゴロゴロ親仔でねっ転がって居るからな。 抓っても叩いても動きやしねぇ…餌すら寝たままのヤツに手渡しでないとくわねぇし…。 そのクセ、風呂とかになると元気にはしゃぎやがる。 ご主人が、その元気な実装石のパンチの嵐を無視して、仔の入った笊を持っていく。 まぁ、野生とはいえ、所詮は実装石なのか、鍛えられていても大した攻撃力の差にはならないようだ。 「デベラァァァァ…」 柵から出るときに、丁寧につま先キックを叩き込む辺り、宿のご主人も只の飼育馴れでもないようだが…。 で、柵から出たご主人、笊の上から、水道水を緩くジャーッと落として…なるほど、流水で粘膜取りか…。 しかし、流水が当たる前から、自力で粘膜を破って這い出しているものも居る辺りが野良と野生の違いか。 程よく流水で流すと、そのまま台所へ… その間に、蛆から手足が伸びだし、服が形成され…で大きくならない。 妊娠期間が不十分なので、栄養がいきわたりきらず仔実装にはなりきれなかったわけだな…。 しかし、その期間を一目で見分けるとは…やるなご主人…。 で、お決まりの台所での絶叫タイム… 『1匹1匹、服のまま、サッと煮えたお湯に潜らされます。 皮が真っ赤になっても、生きているうちに髪を毟られると、ボールの中へ… ボールの中には、既にお湯に通し細かく切られた小松菜やほうれん草が用意されていて、 その中に落とされた親指たちは、髪が毟られたとかではなく火傷の痛みで苦しみもだえていますよ。 そこに、軽くふた摘みほど塩を落とすと、再び、絶叫が響き始め、かたかたとボールが揺れます。 なるほど、1匹が痛みにのたうつと、それが当たって勝手に中で暴れまわるので、自然に絡まるのですね? 自然と絶命するまでは、勝手に中の物をかき回して外に出ようと火傷の身体で暴れ回ります』 へぇ、楽しそうだな…。 ク○リンのナレーションの説明を聞く限りは。 『そして、ボールを片手で押さえ、少量のゴマ油と、煎りゴマを振り掛けます。 鰹の削り節と醤油を最後に、ボールの上を蓋して、抵抗しなくなるまで手でしっかり押さえる…。 体力の無い親指、それに熱湯を潜らせた全身火傷だけに時間にして3分もかかりません。 最後に軽く水気を絞って皿に盛り、飾りの鰹の削り節とゆずの皮を細く削ったものを少量載せて完成です。 程よく青物の絡まった親指の御浸し…どーです?出須塚さん、パンコンさん!?』 「いや、おどろきましたねー!前菜でもがっつり腹に来るボリューム! シコシコプルンの親指の食感に、小松菜とほうれん草…薄い味付けもしっかり絡まって…ねぇ、パンコンさん!」 「本当ですね…生まれたてで、しかも山実装ですからクソ抜きの必要もなし!だからこそ出来る調理法… 湯煎するから毛も残らずきれいに剥けるし、この味ですよ出須塚さん! 食感が生きているのに、実装石のタンパクっぽさが無く、胡桃や栗の様な香りに味… 生まれたての服のままというのも食感が良いですね…服にも山実装らしい味が付いていて… 山の幸だけで生きている山実装らしい味に、醤油と胡麻と鰹の風味がたまりませんねぇ」 「パンコンさん…これは…早くも…」 「出須塚さん…早くも…いっちゃいます?」 というが早いか、カメラが下にパンするとテーブルには早くも湯気を立てる丼飯が…。 「JISSOU!オ〜ン ザ ら〜いす!!」 がばぁぁぁぁぁ… 掛けるが早いか、早速、むしゃぶりつく2人…。 さらに、2人の前にはもう1品でてくる。 『2品目は、味噌蛆… これまた山実装では希少な蛆実装に、焼いて熱々のニンニク一片を飲み込ませ、 生きたまま名物加賀味噌を入れたつぼに沈めて半年漬け込んだ珍味! 中で、胃をニンニクで焼かれながらも、味噌を食べて数日生き続け、 ニンニクと味噌を吸収しながらも、火傷か、消化して糞にできずに死に至り、 内と外からしっかりと味噌が肉全体にしみこんで余計な水分を出して漬け込まれるのです。 どうです?お二人とも…』 「いやぁぁぁぁ珍味ですねぇ…濃いですよ…薄味の御浸しもライスが進みますが、 このがっつり来る味噌を吸いまくって膨らんだ蛆実装の濃い味もたまりませんねぇ〜」 「出須塚さん…コレ…」 言うが早いか、パンコンさんは、小皿の味噌蛆を御浸しライスの上へ…。 「ああ!ずるいよパンコンさん!!」 「慌てない慌てない…」宿のご主人が、急須を差し出す。 「こっ・これは…もしや…」 「もしや、これは…」 2人は顔をあわせると、早速、御浸し親指と味噌蛆の乗ったゴハンの上に急須の中身を注ぎだす。 「暖かいだし汁かけると、山賊飯になるげんて!はっはっはっは」 『これぞ山の名物、実装山賊飯!漬け込まれた蛆の体の味噌と御浸しの風味がダシに溶け出し、 小松菜とほうれん草で栄養満点!身体を芯から温め、寒くなる季節には欠かせないボリューム満点の一品です! もう2人とも汗をかきながら夢中、夢中…まだ、番組後半が残っていますよ?』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「さぁ、メインですよ〜出須塚さん、パンコンさん」 2人の囲炉裏の前に蓋を落とした鍋が置かれる。 「うわぁぁぁお!」 「イヤッハァァァァァ!!」 『2人の前に出されたのが、本日のメイン【山実装の猟師鍋】!早速、蓋を開けてみましょう!!』 湯気と共にぐつぐつと煮える色とりどりの野菜…そして、見え隠れする実装石の肉体…。 おいおい、仔実装なんて丸のまま入ってるぞ…。 『ワイルドな猟師鍋、その作り方は…』 VTRに変わる。 まず、鍋に適量の水を敷き、ぶつ切りにした加賀蓮根、大根、人参などの根菜を入れ 砂糖、塩と能登名産の魚醤”いしる”で下味をつける。 煮立たせる間に、用意するのはやはりぶつ切りにした実装石って、 ワザワザ切る所はおろか、最初の服を剥いで、毛を抜くところから流すなよ… クソ抜きのところまでやるのか?おいおい、一応、料理番組なんだから…。 続いては、やはり、実装肉か…なるほど、ぶつ切りの一部はミンチにするのか… ほうほう、仔実装に蛆もミンチにして混ぜるんだな。 わざわざ包丁で荒めにミンチにして、塩とごま油を加えて手で捏ねる。 これで食感を残すのだな…それにしても実装料理って丸のまま調理したもの意外は、全部緑になるのだな…。 赤と緑の混じった独特の濃い緑色に…。 でも、コレだと色以外は普通の鍋物みたいだよな…。 ん、今度は仔実装…服を剥いで毛を抜くと、ホースを口から突っ込んで水を流しながら絞ってクソ抜き…。 あれ、笊を敷いたな…で、掴んで点眼…。 「デピッ!デチュウォァァァァァァデピァァァァァァ!!!」 そりゃ、妊娠抜きでいきなり強制出産すれば、苦しいわな…。 首から下が一気に、カスカスになる。 強制出産させて出てくるのは、ゲル状の細胞が集まって膨らんだばかりの卵細胞屑だ。 これをボールで受けて、それに、醤油と山葵と擂った山芋を少量加えて箸でかき回す。 さらに、別の1匹…コイツは妊娠させてあるのか…仔実装なのにデカイ腹で「テピュ!テピュ!」と苦しそうだ。 そいつは、髪も服も処置なしで食紅点眼かよ。 ブリブリブリブリ… 「テチャァァァァァァァ…テピピィィィィ!テッチュァー!」 「「レッテレー♪」」 下を向いて、顔中の穴から涙や鼻水を流し飛ばし、バタバタと下に向けて手足を振っている。 なんとなく、画面からでも”ワタシの仔!”といってるのが伝わる。 生まれるのは、仔実装から生まれる、とても小さな親指や蛆実装たちだ。 流水で幕が取れると、笊の上で騒いだり、なごんだり、母親を探して歩き回っている。 母親となった仔実装の方は、そのままシンクに落とされ、どうする事も出来ないまま、 人間を見上げては跳ねて”仔を返せ”と抗議を続けている。 と、ご主人、先程強制出産させて腹の凹んだ、死に掛けの仔実装の胴体を掴むと、指で排泄口をグリグリと拡げている。 「テヒィッ…テキッ…テリュッ…」もう反撃する力も無いほど衰弱しているが…。 容赦なく、その口を覆うように煮込んだかんぴょうを撒きつけて縛る。 で、笊の仔実装をボールに移す…ボールの中には、先程、その仔実装を強制出産させた細胞屑。 生きたままの仔をコレに落とし込んで自然と絡ませると、おたまで掬って、 逆さにした仔実装の拡げた排泄口から、流し込んでいる。 「レヒィィィィィ」「レッチャ〜♪」「レチュァァァァ!」「レッフーレッフー」 悲壮な者から楽しんでいる者様々だが…自分の吐き出したものごと仔が詰められて仔実装は苦しそうだ。 腹はパンパンに膨らみ、溺れている仔が暴れている。 しかし、吐こうにも口はかんぴょうで縛られ覆われている。 そのまま、最後に排泄口を焼きゴテで焼き潰して封をする。 「レピィリャボペピィラァァァァァ…」 実装料理では”お里帰り”と呼ばれる仔詰め調理法だ。 主に、実装肉料理などで、成体の体内に仔実装を戻してボリュームを付けるために使われる。 色々と応用が利くので、凝った店の実装料理ではポピュラーだが、 仔実装に、その仔を返すというのは非常に珍しい。 同じ方法で、今度は、堕胎卵細胞に刻んだ唐辛子と摩り下ろしたニンニクと刻み葱をかき混ぜる。 なるほど、1匹毎に入っている味付けが違うのか…これは凝っている。 ウチのマルガリータ達も、多分、調理法が凝っているとかは理解できないが、 美味そうなものだと理解して床にボタボタと涎の海を作っている。 さらに、堕胎卵細胞と鶉の卵に納豆の組み合わせと、梅肉と鰹節の組み合わせの物が作られる。 コレだけでも1つで十分料理になりそうだ。 全て終わった後には、4匹の出産を終えた仔実装がシンクの中で取り残されている。 なんとか登ろうと苦心するものも居れば、抱き合って泣いて慰めあっているのも居る。 ワザワザ、こういうのも映す辺り…虐待派向けのチャンネルパンコンの番組らしい作りだ。 その準備が手際よく終わる頃には、鍋は程よく根菜が煮え始めている。 そこに、加賀味噌をたっぷりと加えて、それから実装肉のブツ切りを加えていく。 そして、細く削った牛蒡から始まり、蕨や蕗などの山菜、葱、シメジに舞茸、えのき、蒟蒻に豆腐が加えられる。 さらに少し蓋をして煮込んで、最後に、小松菜や春菊など葉物野菜が入り、あの仔実装袋が生きたまま投入される。 「テピィィィィィィ!」「レヒィィィィィ…」「レチァァァァァァァ…」 小さい仔実装の弱々しいかんぴょう越しの断末魔と、その腹に守られてジワジワと苦しむ腹の中からの叫びが堪らない。 そして、そのまま、囲炉裏に持っていかれる。 ぶわぁぁぁぁぁ… 湯気が収まって現れた鍋の中身は、味噌の鮮やかな黄色は何処へやら… 普通の人なら食欲をなくす、深い緑が煮えたぎる地獄のドブ鍋である。 普通、味噌って中々色変わらないよな… だが… 『さぁ、加賀野菜や地元の山菜たぁ〜っぷり、さらに貴重といわれる山実装タップリ、がっつりの猟師鍋! 栄養満点!体の芯まで温まるこの1品…出須塚さん!パンコンさん!いっちゃってください!!』 「いやぁぁぁぁぁ!来ましたよコレ!この深い緑はまさしく実装色!」 「やはり、実装料理はこの色が食欲を刺激しますね出須塚さん!」 やっぱりこの2人は、実装料理が好きなのだな…人事ではないけどな…。 そして、最後にあの山実装つみれが女将さんの手で手際よく入れられていく。 さらに、ご主人が笊に何か載せてやってくる。 「「テェェェェェ…テェェェェェ…」」 声で想像が付くが、ご主人が手ぬぐいを取ると、笊の上には4匹の仔実装が脳天から串を突き刺されてもがいている。 串が刺さっているだけじゃなく、腹は裂かれ内臓がキレイに取り除かれている。 さらに、2匹は山女の塩焼きよろしく全身荒塩まみれ、2匹は鮎の照り焼きよろしく醤油ダレでテカっている。 それを鍋をくべている囲炉裏の火に鍋を囲むように刺していく。 当然だが、まだ生きている4匹の仔は、内臓器官を失っては居るため弱々しいが、 「「テチァァァァァァァ…テギュァァァァ…」」と喉から空気を通して叫びを上げている。 肌が、囲炉裏の火でジリジリと焦がされだす。 目をひん剥き、涙に鼻水、涎に耳血と全身から少量の汗を吹流すが、内臓がとられたためか量は多くない。 手足も動かすが、脳天から尻に串が突き抜けた状態ではどうにもならない。 むしろ哀愁漂い、虐待派を喜ばせる悲痛なファイヤーダンスだ。 肌がジリジリ焼け…塩や醤油が染み、更に皮膚の奥まで焼け、焼け、表面が焦げ始めても踊る。 『更に、囲炉裏の火でご主人が焼くのは、出産を終えた直後の仔実装…。 仔を産み落とした直後ですが、ツヤツヤふっくらな山仔実装の腹を裂いて内臓を取り出し、 それぞれ、能登産の塩田で天日で作られる荒塩や金沢大野の新鮮な醤油で味付けされた一品です。 偽石を取り出さないのがコツということですが…』 2人は、その様子を見ながら、早速、山実装つくねの仕上がった鍋に手を付けだす。 「うぉぉぉぉぉ、これは!煮込まれた蓮根が柔らかくて実装肉と合いますねぇ…」 「実装つくねのもちもちっとした仕上がりと山菜歯ごたえもGoodですよ出須塚さん!」 「何より、この実装色に染まった味噌の味が最高ですよ… あっらぁぁぁぁぁぁぁぁ!これ見てくださいパンコンさん! 豆腐に色が染みて、白い豆腐が、この複雑怪奇な赤と緑の模様に…ハフハフ… もう、失礼して上半身脱いじゃいますよ〜」 その間も鍋の周りでは仔実装が焼かれている。 殆ど動きがなくなり、薄皮の焦げが大きくなると、ご主人がクルリッと回して背中に向ける。 焼かれた顔は悲痛な表情で歪み、目が泡だって湯気が上がっている。 「うっはぁぁぁ!コレコレ、仔実装袋詰め!くぁぁぁぁ、外の煮込まれた仔実装のトロリとした肉に、 腹の中からでる味が味噌とは違ってGoo!仔達のプリプリ歯ごたえもたまりません。 うぁぁぁぁ、コレ唐辛子ですね!いやーたまらん!俺も脱いじゃいますよ」 「味噌の汁に納豆、仔実装肉、それに中の仔…コレを絡めてすするのもいいですねぇ!」 「これはもう、まい○〜の一言しか出ないですね!!」 「梅肉風味も新鮮!この山芋トロットロの絡まったのも…ご主人!1匹1匹中身が違うとは贅沢ですねぇ」 「はははは、ストーンリバーはもてなしの心やっちゃー!」 パキン! 微かな音がする。焼いている仔実装の偽石が割れた音だ。 仔実装は既に火傷で偽石まで黒ずんで死んでいるが、 それでも形が残っている偽石が熱で完全に粉々に割れてしまう音が焼き上がりのサインなのだ。 その為に偽石を残すのか…。 『偽石の割れる音が、両面中まで火の通った証拠!さぁ、仔実装焼き、堪能してください!』 「アチチチ…ハフハフ…ほくほくに焼きあがった肉…もうま○う〜!!」 「山賊飯に鍋に実装焼き…豪快な山の幸…ワイルドなのに、それでいて丁寧な仕事… 何より、このボリューム…もう、これは満点でしょー」 「まだまだですよ…」女将さんが1匹の仔実装を抱えてくる。 両目が緑で腹の大きさが相当なものだ…まもなく両目が赤くなってもおかしくない。 山実装らしく、人間を見て怯えているのだろう… しっかり抱くというより女将さんに拘束されている。 「この仔は、生まれたときから山で取れる”果物”しか与えてないんですよ…」 言うが早いか女将さん、その細い腕から想像も付かない快速パンチを2発、掴んだ仔の腹に浴びせる。 「ゴプァァァァァ!!!テギッ…テチュラァァァァァァァ!!」 見事にくの字になった後、ダラリと垂れ下がるが、すぐに腹を抱えて苦しみだす。 そして「テッテピィィィィィ…テッピィィィィ」と呻いて、ホロホロと涙を垂らして苦しむ。 出産ではなく、腹で育った仔を堕胎させているのだ。 仔は懸命に力を込めて、産まないように粘っているのだ。 「テピィィィィテッピィィィィ」の力みもむなしく、ジャバーァァァァと粘膜と仔種が下の皿に受けられる。 そして、手早く苦しむ仔を別の容器に投げ捨てる。 仔の堕胎が終われば、そのまま体液や糞も垂れ流しになるからだ。 そうして贅沢に受けられた新鮮な仔達に砂糖を落とし、蜜柑を絞る。 仔はピクピクと蠢いてはいるが、出産したときの様に生きているとも正確に表現しがたい状態で、 この状態なら、放置しても大きくなる事も毛が生えることも無い。 ソレを絡めて… 「さぁ、デザートですよ…新鮮なうちに…」 女将さんも実装石虐待の手並みは、ご主人並の猛者だ…見ただけで判る。 『デザートの一品は堕ろしたて蛆の柑橘つまみ… 生まれたてを保護してずっと果物ばかりを与えた仔実装の仔を程よく妊娠期間を過ごさせて堕胎させた蛆… 出産させた蛆よりさらに柔らかく、新鮮な果物の味が活きます。 すぐに腐敗するので現地の堕ろしたてしか味わえない幻の1品です!』 「いやぁぁぁぁ、口の中に入れただけで舌でとろけそうですよ!」 「いやーこの甘さは肉ではなく果汁ですね!」 『こうしてたっぷりがっつり、山の幸を味わった出須塚さんとパンコンさん… 宿の外の露天温泉に浸かって、舌も胃も身体も心も満足の一日を堪能し、 温泉の中から暮れ行く山の夕日を見つめるのでした…』 ♪筋肉、にく、ニク、2×9(ニク)=18♪ 「デスヅカサーン!パンコンサーン!ワスレテルー!ワタシ、ワスレテルー! ワタシのブン、とってありますかぁー?」 何とか瀕死から再生したマッシヴくんがスタッフにも忘れ去られているであろうに追いかけてきたのだ。 山道を… まぁ、食い物番組に出られるからには、忠誠心は高いのだろう。 裂けた胴体も歪んで肩口が幅広に再生しているし、その為にすこし頭が片がって視点がズレて走りにくそうで、 言っているそばから、ヨロヨロと斜めに進んで全速で道端の岩に激突している。 その為、全身生傷だらけで、鳥についばまれたのかボコボコ穴だらけの頭で走ってくる。 多分、鳥も食べなかったんだろうな…山に帰化した実装ばかり食って居るから、 普通の実装石なんてマズくて食わないだろう。 「食っちまったよ!!てか、元からお前の分なんか用意してねーし!」 「しんみりする最後のシーンに、その無様な画ヅラを見せるんじゃーねー!!」 「デッデギァァァァァァァァァァ…」 2人は寄ってきたマッシヴ君をむんずとつかんで、2人で足と頭を引っ張って首と胴体を千切ると、 そばを流れる川に投げつける。 「デスズカサーン!」ベチッ!「パンコンサーン…」バチィ!「…スウ…」ポチャ… マッシヴの頭と胴体は、岩場で何度か跳ね、胴体は岩場に引っかかり、頭はポチャ…と急流に沈んでいった。 数秒間、実装石らしくない筋肉質の胴体がピクピク助けを求め続けるように動いていたが、ピタリと止まった。 「やぁーいいお湯ですねぇ…」 「次回も楽しみですよ」 『さぁ、次回の元祖!ですやは、北陸味紀行リッチマウント県編! 新しく27代目マッシヴ君を加えて、ゲストにオペラ歌手、山盛 久美子さんとペット実装オリヴィエールちゃんと、 アイスルック市のキトキト実装ツアー!!さて、どんな実装料理が飛び出すことか…』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ふぅ、終わった終わった…。 「デェッスゥーデェッスゥー!!」 ポフポフ… 「「デスーデスー」」「「テチーテチー」」 番組が終わるや、マルガリータちゃんが俺の肩を叩き出し、 一斉に諸々も怪音を発しだす。 番組が終わればいつもコレだ。 一度リンガルを見たが、毎回言う事は同じ…お決まりの「コレ寄越せ、食わせろコール」だ。 余韻を楽しむ暇も無い。 「ああ、美味そうだったな…」 「デスデス♪デッスゥ〜ン♪」ギラ付いた目、弛んだ頬、鼻水垂らし放題の鼻、半開きの口、滴る涎… それで、頭を激しく縦に振って相槌を打つから、こちらはたまった物ではない。 「そうだな…今晩は急遽、あの鍋にしよう…近い材料はあるし…」 そういうと、全員、狂ったように喜びだす。 まったく、幸せなヤツらだ… 俺は、早速、立ち上がりながらコードレス電話を手に取る。 そして、ダイヤルメモリーを呼び出しながら台所に移動する。 その後ろでは、マルガリータ一行が小躍りしながら付いて来る。 普段動かない妊娠実装達までだ。 番組の印象が残っているうちに、同じものが食えるというのは余程、嬉しいのだろうな? 「あ、俺俺!…詐欺じゃないよ、としあきだよ!今日予定ある?って、いつも無いのは知ってて掛けてるんだけどね。 ああ、今日鍋なんだけど、いっぱい作るんでいつものメンバー連れてきて… あー、見たんだ、お前も…うん、いっぱい作るから…うん、ヨロ〜」 電話が終わると、台所の戸を閉める。 テーブルには、マルガリータちゃん一家のための食事が既に盛られてある。 でも、今日は鍋にするのでコレは要らないな…ハーブの盛り合わせ… 電話を置いて、早速、下ごしらえに取り掛かるか… まず、マルガリータ一家の中から、仔実装を優しく抱き上げると、耳元で囁く… 「よし、今からお前の名前はマルガリータだ。判ったな?」 仔実装は嬉しそうにコクコクと頭を振り、バンザイをしてテチテチ騒いでいる。 その仔を、台所にある小さな箱に収める。 ”えっ何?食べさせてくれるんじゃないの?”一瞬、そういう顔で見上げると、 すぐさま、「テリャー!テッチュァー!テチァー」と騒ぎ出す。 ”約束が違う”とか”ワタシだけ除け者か!”見たいな事だろうな…言いたいのは… 俺はパタンと箱の蓋を閉める。 ”まったく、感謝して欲しいくらいだよ…” そう思いながら下を見ると、早く早くとせかすマルガリータ…いや、コイツラはたった今から名無し一家。 マルガリータは、この箱の中… まったく馬鹿だよなー…野菜とか近い材料はあるけど、俺が一度も実装肉買った事が無いの知ってるだろうに…。 冷蔵庫に、そんなもの無いことも…。 誰が鍋に入る事になるか…”毎度の事”でいい加減気付くやつがいてもいいだろうに…。 これはアレ?常に腹だけは満たしてやっているから甘えてバカなのかな…やっぱり ああ、コイツラ、生まれたときからずーっと俺の”料理用”にハーブだけで育ててきたから…。 まぁ、山実装みたいに鍋に合うかどうかわからないけど物は挑戦! 何せ、俺は大学の実装料理同好会の部長だしね! いちいち名前を考えるのは面倒くさいけど、飼い易くする為には親ぐらいは名前があったほうがいい… だから、最初に買った実装石に付けたマルガリータって名前を毎度毎度、こうして次の世代に使いまわしているのだ。 ただ、それだけの話だ。 そして、こうして俺の気が向いたとき、元マルガリータ一家は1匹の仔を除いて、 ”俺達”の腹に収まる事になる。 もう、こいつが何代目のマルガリータだったかは記憶に無い。 ただ、代が変わるごとに味が深くなるのは確かだ。 ただ、ハーブじゃ味噌に合うかどうかが問題だよな…鍋は…。 マヌケで能天気に騒ぐ名無し共を尻目に、俺は刃物を砥石に掛け始めた。 完璧再現は無理だからアレンジを加えようか…。 あっ…クソ抜きしなきゃ…毎度ながらめどいなぁ…。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 元祖!ですや… 終わり

| 1 Re: Name:匿名石 2014/10/09-23:42:26 No:00001448[申告] |
| 今読んだら
色々と懐かしいネタ満載でした。 |
| 2 Re: Name:匿名石 2014/10/10-00:25:34 No:00001449[申告] |
| 料理描写が深く面白かった
山実装を”保護”と言い換えるあたり、テレビ番組らしい配慮を感じた |
| 3 Re: Name:匿名石 2014/10/10-01:57:59 No:00001450[申告] |
| さよならマルガリータ
今日からマルガリータ |
| 4 Re: Name:匿名石 2014/11/08-03:38:21 No:00001546[申告] |
| あのお二方が、実装料理を堪能してる姿が脳内再生された。
間違いなく、実装料理作品のなかでも最高峰の一つ |