タイトル:【観察】 前半終了デスー公園で構想練っていると実装石が見えてくるデスゥ…
ファイル:長い雨5.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3986 レス数:0
初投稿日時:2006/10/13-19:35:06修正日時:2006/10/13-19:35:06
←戻る↓レスへ飛ぶ

長い雨  (5) もう1匹のミー

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ごめんデスゥ…自己紹介もしていなかったデス…
 わたしは”ミー”と言うデス…ニンゲンさんに飼われていたんデス」

ミーは、それを聞いて驚いた。

「あなたもミーと言うデス?ワタシもミーと言う名前デス」

実装フォンを受け取るミー…
もう1匹のミーが両手を差し出す。
ハグを求めてきているのだ。
しかし、ミーの方は、先程の事もあり躊躇する。

「また悪いことをしてしまったデス…お外に出て間もない貴方に馴れ馴れしくしても警戒されて当然デス」

彼女は困った顔をする。
しかし、彼女は口調や選ぶ言葉からして、高い知識と教養の備わった実装石であった。
それは、ミーに対して”捨てられた”とか”野良”という表現を使わなかったところからも見受けられる。

「でも、今も見ていて、貴方は他の野良連中とは違うみたいデス…
 だから、思わず声をかけてしまったデス…
 ニンゲンさんから貰ったものをとても大切にしているデス」

そう言って、もう1匹のミーは胸元のカメオを手で撫でる。

「ワタシのコレもワタシの大切なご主人様から頂いたモノデス…
 他のものは生活でなくしてしまったデス…たくさんの道具も、仔達もデス。
 でも、コレはご主人様とワタシの絆デス」

ミーはさらに驚く…なんと自分と境遇が似ているのだろうか。


2匹は、そのまま芝生の上に腰掛けて並んで話し込む。


もう1匹のミーも、やはり、飼い主の都合でここに住む事にしたと言う。
家を与えられ、生活用品を与えられ、助言を与えられ、ここで既に何ヶ月も生きてきたという。
外が厳しい寒さのときに公園で生活をはじめ、雪の振る時を生き抜いた。
ただひたすらに、飼い主が迎えに来ると言う言葉と、胸元の飾りに絆と希望を抱いて…。

長い生活でやはり、ミーと同じく、最初は苦労したという。
同じように野良達と餌を貰いに媚びたり、真似てゴミ箱漁りやゴミ捨て場漁りを身に付けた。

ミーと違うところがあるとすれば、彼女は飼い主の助言で家を”団地”から離れた茂みの深い場所、
低い木に隠すように家を建てろといわれた事だ。
家の存在を隠し、家を木の枝葉が風雨や雪から守って長持ちさせてくれる…と。
そのお陰で彼女の家は未だに快適なのだという。

ただ、その彼女も家以外では大変な苦労をしてきた。
郊外に家を建てた為に”団地”には容易に近寄れないからだ。
頭の悪い低層実装たちと同一視されている為に、団地組の集団に見つかれば迫害を受ける。
特に低層野良より頭が良い彼女達の様な存在は、別格として顔や容姿を覚えられてしまう。
かといって協調性の無い低層実装たちからは、気品のある彼女はやはり執拗に迫害を受けるのだ。

最初は良かったが、彼女が郊外の実装石と知られだすと、
上手く団地実装たちに溶け込んで人間に餌を貰いに行く事も、
ゴミ捨て場に行く事も出来なくなり、時期も厳しい冬であった為に餌が取れなくなった。

そうして、蓄えもなくなり飢えたり、やせ細ったところに襲う寒さに耐えられず仔が彼女の手の中で息を引き取った。
彼女達は、飼われていた甘さで、食べ物にするものを選り好んでしまっていたのた。
同じゴミにしても、変色して臭いのきつい物は取らなかったり、噛んで硬いと感じたものは取らなかったり…。
その甘さが、冬眠中の備蓄の欠乏を招いたのだ。

暖かい出したての糞を塗って仔達の凍死を防ごうとしたが、手遅れな仔が居た。

飢えた仔達が糞を口に運ぶ事を許したときには、弱りきって手遅れな仔が居た。

意を決して…生き残る為に…
彼女達は生まれて初めて、食べ物の姿形をしていないもの…食べる事が絶対に許されないもの…
我が仔の遺体を食べる事で飢えを凌いだのだ。

彼女達には、同族の肉を食う概念がまるっきり無かったのだ。
知識として、野良の中に同族食いがあると知っていても、
自分達がそれを必要とするまで頭の片隅にも思い浮かべなかった。
だが、それをした事により、彼女達は食事の概念を変革できた。

流石に、それ以降は仔を食う選択には至らない。
それ以降は、今まで食べ物と認識していなかったような程の腐敗した残飯や草木や土を食べる事を覚えて生き残った。
それでも飢えたときには、少しでも栄養のカスがある団地実装の糞を盗んで食べる事までしたと言う。

しかし、それでも春先には、仔達は低層野良や団地実装の襲撃で食われたり、殺されたり、奴隷にされていった。
飼い主と共に居た時に産んだ仔達は全て失った。
その後、2度妊娠と出産をしたが、やはり襲撃などで数を減らし、
生き残っているのは、今、ミー達の前で無邪気にシジミ蝶を追って遊ぶ小さな仔1匹だけだという。

そこまで落ちながらも、彼女は知性を失わず、飼い主への忠誠心も失っては居ない。
それが、柔らかな物腰とボロなのに気品のある容姿に現れていた。

「長かったデス…でも、ご主人様と別れた時とは姿形は変わってしまったデス。あの仔達も居ないデス。
 今の仔には、ご主人様の事とかもお話したデス、
 でも、所詮はこの地で生まれ、この地で生きていくための事の方を多く覚えた仔デス。
 もしかしたら、ご主人様がお迎えに来る時、ワタシはワタシと判らない程姿が変わっているかも知れないデス…
 あの仔達と元気に待つ約束を守れなかったワタシは戻れないかもデス。
 それでも、ワタシは…ご主人様のお顔をもう一度見られたら…
 ワタシを心配して探しに来てくれる姿さえ見られたら…
 ご主人様のお家に戻れなくても、野良としてこの仔を育てていける気がするデス」

ミーは、そのもう1匹のミーの言葉に感心して顔を崩して涙を流した。

実装石は、基本的に他人の痛みを感知する事がない。
ただ、”自分に置き換えた場合”を考えた時に苦しむ事がある。
最も単純なのは、他者が痛めつけられたときに苦しむ姿に共感して恐れたりする事だ。

そして、知能が高い場合において”会話”によって、それを感じることもある。
他者がもう1匹のミーの話を聞いても、何も感じず笑い話にするのとは違い。
ミーは、人間の手で人間的な道徳心を植えつけられ、自らの意思で学習し、経験し、理解して記憶している。
同じ能力を持っていても、仔実装達とは違い”経験と理解”の行程を経て、ミーなりの道徳心の形が確立しているのだ。
その為にミーは、心を打たれて泣いたのだ。
境遇が恐ろしく似ているというのも痛みの共感に作用している。

そして、ミーも、自分の経緯を思い出しながら話した。


「ワタシも半年待つデスゥ…まだ、この公園では…ええっと…イチ、ニイ、3日しか過ごしていないデス
 でも、ワタシもご主人様から貰ったものを大切にして待つデス」

「まだ3日デスゥ!?それでは大変デスゥ…
 ワタシもお外で生活して、初めてニンゲンさんと一緒に暮らす大切さを学んだデス…
 それほど、あの野良達との生活は厳しいデス…新入りのうちはまだ、皆、優しいほうなんデス
 わかったデス…ワタシが学んできた事をみんな貴方に教えるデス!」

そうして、ミーはもう1匹のミーと、初めて、そして固くハグをした。

「ワタシの覚えた事は、”団地”のお外の生き方が殆どデス…お役に立つかはわからないデス
 多分、貴方のご主人様も、ワタシのご主人様に負けないくらい賢くて、貴方を愛しているデス…
 だから、きっと”団地”に居る事は正しいデス。
 この世界では、まとまって一緒に居るほうが安心デス…でも、ワタシはここがご主人様の迎えに来る場所デス」

「いいえ、無知なワタシには十分助かるデス…」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2匹のミーは、遊具を見渡せる茂みに隠れていた。

遊具側にも1つの石造りのベンチが備えられ、ゴミ箱があった。

”団地”は入り口から公園中心に続く石畳の道に沿って、寄り固まって建てられ増殖しているために、
この場所にはほとんど家は作られていなかった。
実装団地に近寄りさえしなければ、ここはまだ中立地帯であり、団地組も郊外組も人間も来やすい場所でもある。
現状のまま実装石の生息数が増えれば、色々な意味でそれも長くはないだろうが…

人間が来ない間は、ここは実装石、とくに親子連れのピクニック地帯である。
しかし、まだ、人間が遊びに来たり、中央広場に入れない為、唯一のベンチがあるここで休憩する散歩の人間も多い。
そして、ベンチとともに、唯一使えるゴミ箱もこのベンチの隣にあるのだ。
一応、毎日ゴミ回収に清掃局も来る。

この公園唯一のゴミ箱という事で、利用者に反比例してゴミは多い。

何故なら、この近隣は愛護派が圧倒的に多いからだ。
彼らは、自分や自分の実装石にはルーズな傾向が強いが、それ以外には”自分ルール”を守らせる傾向が強い。
それは、人間、実装石問わずである。
よく、ペットは飼い主に似るといわれるが、
この場合、飼い主がペットに選ばれて飼われている為に性格が似ているといって差し支えない。
裕福な実装石が、人間を飼っていると思い込んでも致し方ない状態ともいえよう。

彼らには自分と自分を慕う実装石以外に興味が薄い…。
公園で、自分の実装石の安全を守る為に野良達に食べ物を与えるが、同時に苦情で駆除を要請するのも彼らだ。

その彼らは、町内で権力を持っていることも多く、権力を持っているものほどその傾向が強いと言える。
それだけに、ゴミ出しのルールは厳しく厳守させられる。
当然、前日夜に出しておくなど厳禁なのだ。
しかし、全ての住人が、かれら愛護派の様に時間に余裕がある生活をしているわけではなく、
ゴミ出しの時間が守れない都合がある人間は、何とか工夫をして、
毎日、ゴミを少量のうちに、こうした場所やコンビニに捨てるしかないのだ。
こうした場所なら、毎日回収が来るし、時間帯を気にする事無く捨てられる。
特に臭いの強い生ゴミ類は、コンビニよりここに集中する。
それは、心のどこかで、野良実装が勝手に処理してくれるという打算がある。
結局、人間など実装石と変わりなく、身勝手な生き物に過ぎない…。


2匹のミーが、ゴミ箱を監視している中、すでにゴミ箱には大量の実装石が群がっていた。

「ここは、人間に餌を貰うのを拒否したり、貰い方が判らない野良達の餌場デス。
 でも、誰でもいつでも餌が取れるとは限らないデス。
 時間が決められているデス…
 昼間は、ここは団地達の支配地域デス…まず、容姿や話し方で頭の悪いものは混じれないデス…
 人間が沢山居るときは、人間の支配地域デス…ゴミ箱に沢山集まったら嫌われて酷い目に遭うデス…
 日が暮れると、郊外の者達の時間デス…昼間と逆で、キレイなヤツは嬲り殺しデス…
 ワタシは団地達にも郊外達にも顔が知られているので、
 もし、知っているものが居れば只ではすまないので、ここではずっと餌を取れないデス」

ミー(2)は、それを3匹の仔を犠牲にして学んだのだ。

「よく見ているデス…あのオッキイゴミ箱は、闇雲に群がってもなにも取れないデス」

群がった実装石達が、さかんに網目からはみ出す袋を引っ張り出そうとしている。
網目は割と大きいので小さいゴミなら引っ張り出せそうに見えるのだ。
しかし、殆どのゴミは、小さな買い物袋にまとめられている為、
結局、袋を引っ張っているだけなのだ。
その後ろでは、何とか自分の仔を投げ入れようという親実装たちが頑張る。

しかし、ゴミ箱の上面までは実に1mはある。
成体の身長が60cm程度だが、その力で仔を投げるのは至難の業だ。
何度も仔を放り投げては、網目に激突したり、見当違いの方向に投げたりで地面に落ちていく。
それでも、半死の仔を何度も入れ替えては投げている。

そのうちに、ビニール袋がいい具合に引っ張り出されてくると、今度はそれの奪い合いが発生する。
幸運にも無事に入った仔が、親のほうに「テチィィィィ!テチィィィ!」と金網越しに助けを求める。
自然と一方向に力が集中すると、ゴミ箱が少し片がる。
すると、少しでも投入口に近い方にと実装石達はその方向に偏り、
他者を踏み台にしてもより高く上って投入口に行こうとする。
金網に手を掛け登ろうとするものも現れる。
仔を投入していた親達も、投入口が近く見えるのか、ここぞとばかりに集中して投げ出し、
中は中で、投げ入れられた仔実装たちがどうする事も出来ず親に助けを求めようと偏る。

その繰り返しで傾きが一定を超えると、一瞬にして重いゴミ箱が、
まるで獅子脅しの様にガコン!と音を立てて倒れる。
直下に居た寄り固まる実装石達は逃げるまもなく下敷きとなり、中の仔も投げ出されてかなりが死に至る。
実に20匹近くがシミか、体の大半を潰される。

その光景に慣れていないミーがビクン!と飛び上がる。

「コレを待たないとお腹か膨れるほどの餌は手に入らないデス…うまく倒れない日もあるデス。
 でも、アレに参加したらどちらにしろ死ぬだけデス。
 ほら、見るデス…少しでも賢いのは、みんなコレを待っているデス」

「デァァァァ!デギャァァァァァ!!」
地獄のような絶叫が響く中、「デスデス…」とそれを遠巻きにしていた連中が一挙に倒れた投入口に突撃していく。
中では早速、獲物の奪い合いが始まる。

「今がチャンスデス!中に入って餌を持ってくるデス!
 いいデス!?痛い目に遭いたくなかったら選り好みする時間はないデス。
 兎に角、素早く入って、持てる大きさの袋を引っ張って出てくるデス!!」

ミー(2)のアドバイスを元に、ミーは殴り合いの集団を駆け抜けて、
兎に角、引っ張れそうなゴミ袋の縛られた取っ手に手を掛けて引き摺り出る。
無事にゴミ箱から出た頃には、ミーは顔中に青痣を残していたが、なんとか袋を引き摺って茂みまでヨタヨタ歩いてくる。

2匹で袋の口を開いて中身を出す。
中からは卵の殻、魚の骨、野菜のクズ、菓子の袋、油汚れを拭いたキッチンペーパーなどが入っていた。

「うっ、何デス…ニンゲンさんの食べ物みたいデス…でも、この臭いは…」
慣れていないミーは、思わず両手で鼻の穴を押さえる。

「慣れていないから仕方ないデス…でも、これは立派に大収穫デス…
 袋は穴が開いてなければ色々使えるから持っておくデス。
 ニンゲンさんが食べなくても、沢山食べられるデス。
 タマネギの皮もヘタも立派な栄養デス…黒くなっているけどこの葉っぱもデス…
 お魚の骨は、まだ頭もお肉も残っているデス…お腹がすいたら骨を舐めていると味がしてしばらく楽しめるデス♪
 卵のこのヌルヌルも栄養デス」

ミーは、ミー(2)の真似をして卵の殻に僅かに付いているヌルヌルを舐める。

「美味しいデスゥ〜!!」

ミーは、生まれて一度も人間と同じものを食べた事がない。
彼女が今まで食べてきたのは、栄養こそ十分に備わっているが味のまったくない実装フードだった。
そして、この時、ミーは初めて素材の強い味に直に触れたといえる。
実装フードだけが自分達の食べ物と思っていたミーには衝撃的過ぎる出会いだろう。

ミーは自分の食生活が野良より立派である自負があった。
ところが、今、野良のほうがこんなに美味しく感じる食べ物を食べていた事を知った。
ニンゲンのゴミがコレほど美味しいという事を始めて知った。
朝の人間から貰ったゴハンもそうだ…。
あれも、ワタシ達ならご褒美としてしか食べさせてもらえないようなものばかりだ。
野良たちが、自分が褒美でしかもらえない金平糖など”人間と同じ物”を、ゴハンにしていると知って衝撃を受けた。

そして、これは飼い実装と野良実装の境界線を薄くする強力すぎる誘惑なのだ。
人間の食べ物…野良達の食べ物がこんなに美味い…
これに比べれば、味のまったくしない実装フードなどゴミに等しい。

大味になじみやすい実装石の味覚は、味の質よりも味が付いているかいないかで旨みを判断する。
物の外観にさえ捉われなければ、その味が辛かろうが甘かろうが、強ければ強いほど、単純に美味いと感じる。
もはや、ミーには、この味覚の衝撃に夢中だった。

パチン!

突然、ミーの頬が叩かれる。叩いたのはミー(2)だった。

「な!なにをするデス!!」

「ごめんなさいデス…正気に戻すにはコレしかないデス…すっかり夢中だったデスゥ…
 ひょっとして初めてデス?
 ニンゲンさんの残飯はとても美味しいデス…それだけに危険デス!
 この味に慣れると、この味が欲しくて何も考えられなくなるデス…おバカになっていくデス
 これが野良の怖さデス…」

ミー(2)に言われて、ミーはハッと我に返った。

飼い主の男にも、お店でも、事あるごとに「人間の食べ物を口にすると堕落する」と言われた。
それを経験する事がないミーは、漠然とそれを仔達に言い聞かせたりしていた。
だが、実際に、何がどうしてダメなのかわからなかった。
ただ、見て覚えた事は、野良が人間のザンパンというゴミを食べているから頭が悪くなると思い込んでいた。
そして、「ゴミを食べるとお馬鹿になるデス」といっていたのは、誰でもなく自分自身だったのだ。

今、ミー(2)に指摘されて、ミーは初めて知った。
残飯が見た目とは裏腹に美味しいが為に危険なのだということを、賢いミーは理解できた。

「こ・こ・こんなモノを食べてしまったら、ご主人様のゴハンが食べられなくなるデス…
 こんな汚らわしい、腐ったものが、こんなに美味しいと知ったら…
 ワタシは…ワタシ達はコレしか食べられない身体になるデス!!」

「ワタシの仔もそうだったデス…ワタシもそうデス…
 だから、ワタシはお迎えが来ても帰れないかもしれないデス。
 ワタシはニンゲンさんに習ったデス。
 ワタシ達は、ニンゲンさんと同じものを食べてしまうと体が臭くなるデス。
 でも、これはとても美味しいものデス。
 ワタシ達は臭いに敏感デス…けど、自分の体の臭いにはすぐに馴れてしまうデス。
 ドンドン食べると、ドンドン体が汚くなるのに、ゼンゼン自分では気が付かなくなるデス。
 どれだけ毎日体を洗っても取れなくなるデス…。
 でも、本当に怖いのは、自分がどれだけ汚れていくかわからないことデスゥ」

食べる事で、ほんの僅かな油断でも”知能”も”知識”も”礼儀”も失われていく事になる。
失われなくても、常にその”堕落”の危機を綱渡りの様に歩いている。
それもここに居る間永遠に続く綱渡り…。
そう、いつかはコレを食べなければ餓死してしまう事になるのだ。

ミーは、卵の殻を手に凝視しながら、ガタガタと震えて、ジョワーっと尿が漏れ落ちるのを感じた。

はたして、コレを食べる事に4匹の仔は耐えられるのだろうか?

耐えられなければ、未熟なあの仔達は、誘惑に簡単に転がり落ちる。

ワタシの言う事は全て賢く理解してくれていると思っていたが、
未知の外での生活で、流石のミーにも自分の仔であっても、仔の内に余計な情報が入れば、
他の野良の仔達と何の違いもなく純粋すぎる存在である事を実感しつつあった。
その仔が、果たして、理解してくれるだろうか?

「これは避けられない事デス…どうすればよいかはワタシには判らないデス
 いずれ食べる以外に生きる術はなくなるデス…コレさえ食べられなくなるときが来るデス
 だから…もって行くデス…どうやって、どう食べさせるかは貴方が決めることデス」

「貴方はいいデス?」

「これは貴方が持って来た物デスゥ…ワタシは十分におすそ分けを貰ったデス」


ミーとミー(2)は、その後も、公園の内外を回って様々な生活の知恵と注意点を教えてもらう。
餌場だけではなく、ナカマの見分け方、ニンゲンの見分け方、便利な道具が手には居る場所もだ。


公園近くのゴミ捨て場では、生ゴミのときは何時も人間の見張りがいてゴハンは取れないが、
不燃物や資源ごみの時には、色々と便利な道具が取れることを…
大きな通り近くでは飲食店の為に毎日回収が来る為に、早朝を狙えば生ゴミが手に入る事を…
人間の出入りが頻繁なコンビニには近寄らない事などである。

公園に戻れば、味の良い草花の選び方などを教えてもらう。

ミーはミー(2)のお陰で、ずいぶんと多くの事を勉強した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「良かったらワタシのお家を見に来るデス」

そう誘われてミーは、ミー(2)の家に来た。

公園の隅、低俗実装すら滅多に近寄らない木々が生い茂る林の奥地の寂しい場所にダンボールの家があった。
木の枝が屋根の上にあり、屋根にはビニールシートが敷いてあった。
入り口には丁寧に葉付きの木の枝が重ねておいてある。
既に所々が黒くカビたり、シワシワになったりして、穴があいているところもあったが、
まだ、十分に強度を保っているようだった。

実装石は頭が弱いので、ちょっとした林の中ですら道に迷う為、低層野良でも林の奥には踏み込まない。
彼らの足でほんの5分もまっすぐ歩けば抜けられる林であっても、彼らには恐怖である。
そして、恐怖で勝手にわき道にそれて延々と同じところを回って倒れるものもいるぐらいである。
そのため、せいぜい林の外苑、何処に進めば林を抜けられるか見て判る範囲の木の下を寝床にするぐらいだ。
低層野良でも、滅多にこの場所には顔を出さない。
ただ、それだけにこの場所は、本当に利便性の悪い場所でもある。

中は、キレイな新聞紙が敷き詰められていて、隙間風は入るが環境は悪くない。
荷物は殆ど何もない。
小奇麗な実装食器が1つだけあり、もう1つは空き缶である。
破れたタオルの切れ端と、新聞紙の布団がある。
ミー(2)は、部屋に入ると、奥からミーと同じ買い物袋を持ってきて、中から異臭漂う野菜クズを食器と空き缶に入れる。
ミー(2)の仔が、喜んで食器の前で「イタダキマステチュ♪」と手を合わせてから、それにガッつく。

「なにも無いデス…ここは1度、野良たちに襲撃を受けたデス…
 冬の飢えで、ココまで入り込んだ野良達に見つかったデス…
 その時に生き残っていた、ご主人様のところで生まれた仔達は全滅したデス。
 家の中のものは滅茶苦茶にされたデス…迷い込んでくる1匹2匹なら頑張って撃退してたデス…」

そう言って壁に手を当てて泣き出すミー(2)…
壁には緑や赤のシミが生々しい。
そして、ミー(2)の前には、ヨレヨレの写真が何枚かあった。
無事なもの、糞や体液で汚れたもの、破かれた破片…それらが張ってある。
無事な写真は、人間と、きれいな服で丸々と肥えた実装石、そして6匹の小さな実装石が母親に寄り添う写真だった。

部屋の中に、他の人工物は何も無かった。
せいぜい、薄汚れた泥水を溜めたお菓子の缶とプリンの空き容器がある程度だった。
ミーは、それに野良の厳しい生活を感じた。
守る事の厳しさを知った。


その時だった。

ガサガサ…物音がする。
草を踏み分ける音だった。
ミー(2)が伏せる。
食事をしていたミー(2)の仔も、食事を止めて「テチィ…」と小さく不安そうに身を伏せる。
ミーだけが何も出来ずに座ったままだが、ミー(2)達の様子を見て、口に手を当てて黙り込む。

ミー(2)が物音を殺して、這って壁に空いた穴から外の様子を伺う。

迷い込んでくる野良を警戒しているのはミーにもわかった。

だが、その足音はとても大きく響いていた。
それが、人間のものだというのはすぐに判った。

ガサガサ…ガサガサ…盛んにあたりを掻き分けながら近づいてくる。

ドクンドクン…自分の心臓の鼓動が聞こえるほどの緊張感が響く。

『ミー!ミー!』

名前を呼ぶ声がする。

「デスゥ!!」飛び上がるように声を上げたのは、ミー(2)だった。
ミーも思わず反応しそうになるが、自分の飼い主の声とは違うので、ピクリと身体を動かした程度だった。

ミー(2)は、アタフタと部屋を駆け回ると、伏せて頭を抱えて震える仔を抱き上げて、
転びそうなほどの勢いでバタン!と扉を開けて外に飛び出していく。

「デスゥゥゥゥゥゥ!!ご主人様ァァァァァ!!」
『ミー!無事だったのか!!』

やや遅れてミーも恐る恐る外に出ると、人間の周りを仔を抱えて必死に駆け回るミー(2)の姿があった。

人間が腰を落として、激しく周りを回るミー(2)を見つめる。
ミー(2)は人間の前で止まると、抱えていた仔を差し出す。
人間は、その仔を片手で受け取る。
仔の方は、初めて人間に掴まれたことが恐怖なのか「デチァァァァデァァァ!デリャァァァ!」と泣き叫んで暴れ、母親に手を伸ばす。

人間は構わずに、ミー(2)の頭を撫でると、ミー(2)は頬を赤らめて涙を流す。

「ご主人さまぁ…ワタシが…ワタシが判るデスゥ!?」

『ああ、済まないなミー…こんな苦労をさせて…こんなに痩せて…』

「ごめんなさいデスゥ…ご主人様との約束が守れなかったデス。
 あの仔達は居ないデスゥ…貰った物も無いデス…こんなに汚くなってしまったデス…デェェェェェェェン」

飼い主が、手で暴れる仔をそっとミー(2)の前に降ろす。
飼い主の手は糞でベトベトになった。
仔は慌てて、母親の後ろに隠れるとスカートの端を握り締めて「デチァァァァァァ!!」と威嚇する。
そして、糞を空いた手に取ると飼い主めがけて投げ出した。
慌ててミー(2)がそれを制止する。

「何て事をするデス!!!ご主人様デス!何度も言い聞かせたデス!そんな無礼な事はダメデスゥ!
 ご主人様!許してくださいデス!この仔は…この仔は…」

「ニンゲンサンテチィ!ニンゲンサンテチィ!ワタチ、殺されるテチィ!ママ!怖いテチィ!助けてテチィィィィ」

『判っているよ…厳しい生活で生まれた仔なんだ仕方が無いさ…
 ゴメンよ…辛かっただろう?お前にこんな事をさせて…。
 お前が居なくなって、自分が馬鹿げた事をしていると悟ったよ!
 いてもたっても居られなくて、”全てを中止して助けにきたよ”
 本当に済まなかった…お前が無事で本当に良かった。
 一緒に帰ろう…その仔も一緒に…また1からやり直すんだ…大丈夫、やり直すんだ』

尚も恐怖に駆られて泣き叫び投げられる仔の糞を足元に受けながら、
飼い主は、それを止めさせようとするミー(2)の頭を撫でる。
そして、再び仔を手に取ると、恐怖に噛み付く仔を優しく指であやす。

「レピィィィィィ!テチュァァァァァ!助けて!ママ!タスケテェェェェ」

「ご主人様…ご主人様デスゥ〜」

ミー(2)がその足元にしがみ付いて仔実装の様に泣き叫ぶ。

「デェェェェェェン!ご主人様が迎えにきてくれたデスゥゥゥゥ
 ワタシを迎えに来てくれたデスゥゥゥゥ、デェェェェェェン」

感極まったのか、パンツが緑にシミ出すと、ズルズルとずり下がりだし、
なおもブピブピと尻から汚物を噴射しつづけていた。

その痩せこけ、汚れきった小汚い実装石に過ぎないミー(2)が、
およそ飼い実装のかけらも見られないほど糞を撒き散らしているのに、飼い主は構わずにしがみ付くままにさせた。
仔実装も、野良として生まれ育って、人間と接した事が無いために一向に懐かない。
仔実装にとっては、生まれたときから、人間はむしろ危害を加える事が多い存在だからだ。
いくら胎教や教育で教えられても、人間への恐怖の方が先に出る。
いきなり、知りもしない人間を飼い主だといわれても理解するはずも無い。
男が差し出す金平糖すら叩き落して暴れている。

「レヘェ!テピレァ!髪!髪マモルテチィ!頭巾!頭巾取られるテチィ!はなすテチィ!
 ワタチのママなら怖い野良も追い払うほど強いテチィ!ニンゲンさんでもご主人様でも負けないテチィ!」

飼い主は困った顔をしながらも、優しく、ミー(2)に返す。
ミー(2)は暴れる仔を懸命に抱きとめてあやす。
仔は暴れ疲れたのか、暴れる気力を失い、グッタリして母親に抱かれながらも、
なおも顔をゆがめて泣き続けた。

「レァァァァァァァ…ママーママー!コワイコワイ…はやくいつもの様に追い払ってテチュー…」

「ご主人様ゴメンナサイデス…ワタシもこの仔も野良に慣れてしまったデス…こんなワタシ達でもいいデス?」

『お前達の苦労は”知っている”よ…大丈夫、その仔もすぐに慣れるさ…
 さあ、いこう…お風呂に入ろう…ゴハンは前ので大丈夫かい?』

「ワタシ、頑張るデス!ゴハンも大丈夫デス♪この仔もちゃんと面倒みるデス
 ご主人様にご迷惑かけないデス!あっ…」

そこまで言ってミー(2)は、思い出したように仔を抱えたまま、一旦家に入る。
そして、一番無事な写真を手に出てくるとミーの元に駆け寄ってくる。

「ごめんなさいデス…ご主人様のお迎えが来てしまったデス…
 ここでお別れデス…せっかく、お話が出来るナカマと出会えたデス」

ミー(2)は、疲れた仔を降ろして両手を出して歩み寄ってくる。
仔は疲れながらも、懸命にそのスカートを追って這って付いてくる。

「いいデス…良かったデス…ワタシもワタシのご主人様を待つデス。
 ミーちゃんの様に、きっと迎えに来るデス!沢山、お勉強させてもらったデス」

ミーとミー(2)は、固くハグを交わすと、ミー(2)は、スカートに捕まる仔を抱き上げる。

『お仲間かい?』

「はいデス!彼女もミーちゃんという名前デス!」

それを聞いた(見た)飼い主の表情が変わる。

『そ・そうか…いこう、ミー…残念だが、お前達だけしか”助けられない”』
そう言ってミー(2)を両手で抱えた。

「ミーちゃん!良ければ、このお家はミーちゃんに使ってもらいたいデス…
 お外はとても厳しいデス!もしもの時にはきっと役に立つデスゥ!」

ミー(2)は、飼い主に抱かれ、自身も仔を大切そうに抱えながらそう言った。
そうして、飼い主とともに離れていく。
ミーは、それを手を懸命に振って見送った。

ミーは、去り行くニンゲンとミー(2)親仔の姿を、
いつか来る自分達への迎えを見ているように感動して手を振り続けた。
そして、強く自分の飼い主の姿を思い浮かべた。
自分もミー(2)の様に待ち続ける。
それは、ミー(2)に習った事を自分の知識に加えれば、不可能ではないように感じられた。
その去り行く姿は、3日目にして絶望を感じかけたミーへの希望の光に見えた。



ミーは、実装フォンを鳴らす。

「テチテチィ!ご主人様テチィ!ご主人様テチィ!お迎えに来るテチィ!?」
一斉に幾つもの声が響く。

「デスデスゥ、ママデスゥ」

「何だママテチィ…」
ザザ…いくつかの通話が切れる音がする。

「ゴハンを集めたデスゥ、これからお家に帰るデスゥ」
それを聞いて、再び複数の声がミーの電話口から響く。

「お腹すいたテチィ!飢え死にしてしまうテチィ!」
「おまるにウンチしたらとってもクサイテチィ!はやく何とかしてテチュー」

ミーは、感動を胸に帰路を急いだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ミーは、初めて残飯を食べたときの事を思い出した。
どうしよう…この仔達がコレを食べたらどうなってしまうのか…。

しかし、それは杞憂だった。

仔達の広げた容器に、袋から残飯を取り出しよそって出すと、
仔達は目を剥いて一斉に後ろに倒れ、そのまま後転して、部屋の壁に向かって逃げ出す。

「デシァァァァ!デピリャァァァァ!!クサイクサイ!何テチィ!」
「お鼻が曲がるテチィ!キモチワルイテチィ!」
「テァァァァァァ!ワタシのお気に入りのお皿がゴミクズで汚れたテチィ!」
「テァァァァァァァァァンテピィィィィィィィィ…」

実装フードしか知らない、そして、食事に関して飢えを耐えるならまだしも、
質に関しての妥協を知らない仔達には、まさにただのゴミクズに過ぎなかった。
まして、備蓄の実装フードもある中で、腐敗した臭いを放つものは食べ物と認識されるはずが無かった。
干からびて変色した野菜、既に虫が沸いている野菜、異臭を放つドロドロの米…
それは明確にゴミと認識するように生活してきたのだから、すぐに思考を転換する事は出来ない。
野良や普通の飼い実装なら、まだ、それが容易に出来るだろうが、
彼女達は明確な知能の素質を持った仔達であるがゆえに、それは難しかった。

何度言い聞かせても、仔達は逃げ回り、暴れ、吐き、漏らした。
ミーが目の前で食べて見せても、実装フードを混ぜても、
結局、仔達はそれが食べ物であるとは認識してくれなかった。

食べた後のことばかり考えていたミーにはどうしてよいかまったく判らなかった。

仔達が口にしたのは、ミーが酷い目にあって手に入れた、僅かな金平糖だけであった。


夜、日が暮れて暗くなると仔達は、昼間に遊びつかれたのかさっさとタオルをかぶっていびきをかいていた。
こともあろうか、昼間遊んでいた玩具を片付けずに寝ようとしだしたので、
流石に怒って片付けさせてから寝ることを許した。

ミーは、その後も、一人で部屋の荷物を整理しなおし、おまるの中身を捨て、
風呂に行かなかった分、備蓄のミネラルウォーターを使って服やタオルを洗濯した。
夜の間は、ダンボールの天井に付けられた豆電球がミーの仕事を助けた。

「ご主人様のお陰デスゥ…」
そう呟きながら、洗濯をする。
ふと、去り行くミー(2)と飼い主の姿が思い出される。
”迎えが来るのはいつデスゥ…”

ふと、ミー(2)の何も無い家の様子が思い出される。
無残に破かれ、汚れの染み付いたタオル…
いま、自分が洗っているタオル…
”ワタシは…恵まれているデス?これは、とんでもない贅沢デスゥ!?”

屋根にシートを被せた家…
”雨や雪が降るとお家が壊れてしまうデス…なんとかしないとデス”

そうして、一通り終わると、ミーはカレンダーに印をつけて電気を消した。

眠りに付くとき、ミーは僅かに恐怖した。
だんだん”余計な事”を考える余裕が無い生活になりつつあることにである。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『彼が抜けるとは残念だね…』

『まぁ、情が移ったものは仕方が無いですよ。
 別に強制は出来ませんからね』

『わかっているつもりですが、中々割り切れませんよ…特に彼のは優秀でしたから』

『11月からだろ?あと1ヶ月…いや、1ヶ月切っていたのに…』

『降りた人間は仕方が無いさ。
 あと1ヶ月、されど1ヶ月…
 あの様子なら生き残れはするだろうけど、忘れられるのが怖かったんだろ?
 あの性格でも、あと1ヶ月あれば本当に野良に落ちていたよ…今更元に戻るとは思えないけどね』

『判っていても、それが彼の選択なら仕方が無いでしょう…
 むしろ、よく耐えたものだと褒めていいでしょう』

『彼は…その…どうなるんです?』

『今後の事を言っているのか?さあ知らんね。
 彼自身は今までどおりの生活だが、ミー達はどうなるかなんて予想できないよ。
 前に棄権したヤツは、結局ミーごと捨てたと聞いたけどな。
 人間から見て普通の実装石に毛が生えた程度でも、あの品性や道徳心が欠けると復活は無理だし…
 それがあることがアレの最大にして唯一の売りだもの…
 まぁ、それを知った上で助けに行ったんだ、しばらくは幸せだろうさ』

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

長い雨… つづく

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため5793を入力してください
戻る