「さて、さっさと見つかればいいんだけど」 そうこぼしつつ近所の公園を足を踏み入れる俺・・・何故昼間から公園を ほっつき歩いているのかと言うとちょっとした計画を実行する為なのだ。 因みにこの公園は現在は実装石により半占領状態、子供を連れた主婦や 犬の散歩をする飼い主などの姿はまったく見られず、ただ緑色のナマモノが蠢く腐海と化している。 故にここを訪れる人間はごく限られた嗜好を持つ少々イエローピーポーな連中ばかりな訳である、俺みたいに。 入り口から広場に向けて歩いていくと大小無数の実装石がワラワラと近寄ってくる。 「デッスーン」「デププ」「テチテチ」「レフー?」 あー、一匹でも姦しいと言うのにここまで数が多いと最早騒音の域に達しているな。 ぶっちゃけこの時点で人間に警戒もせずに近寄ってくる連中だと俺のターゲットになる可能性は 低いんだが・・・まあ念のためにチェックしてみますかね?携帯の実装リンガルをスイッチオン。 「おいニンゲン!この高貴なワタシがお前の飼い実装になってやるデスゥ」 「何言ってるデスゥ?この馬鹿ニンゲンに贅沢三昧させるのは美しいワタシの方デス」 「ニンゲンさん、コンペイトウ欲しいテチュ!早く食べさせるテチュ!」 「お腹プニプニしてくれないレフー?」 ・・・毎度の事とはいえこいつ等のボキャブラリーの乏しさはどうにかならんのか? 以前「実装石の生殖は実質的な単体のコピーでしかない」という説を聞いた事あるが 揃いも揃って同じ戯言しか垂れ流さないこの連中を見ているとあながちそれも間違っては いないと思えてしまう、コピーなら頭の中身もさして変わらないんだろうし。 いつもならここでバー(ryや電動ガンの出番なのだが、今回は目的が違うので湧き上がる殺意を 抑えつつ左手にぶら下げていたコンビニ袋の中からコンペイトウの入った袋を取り出す。途端に 実装石達の鳴き声がヒートアップ。以前に俺がコロリやゲロリを撒いて何度も阿鼻叫喚の地獄絵図を 演出したというのにまるっきり学習能力が働いてませんな、いやそんなもの期待する方が間違っているのかもしれんけど。 近くのベンチに腰掛ける俺、その周りを十重二十重に囲むナマモノたち。 コンペイトウの袋を開け、中身をバラバラと撒き散らす。 「デスゥ!」「テッチャー!」「デップーン!」 いっせいにコンペイトウに群がる実装石達。結構量を多めに持ってきたのだが これだけ数が多いと全員に行き渡るわけが無い、直ぐに醜い奪い合いが始まる。 あーあ、あの親実装なんて口の中にコンペイトウを詰め込んだ自分の仔の頭を食いちぎってるな こんな連中だと俺の御眼鏡には適わないんだが・・・ん? 「デス・・・デス・・・」 共食いまで始める同族達から距離をおきつつ、比較的俺から離れた位置に落ちたコンペイトウを 拾い集めている実装石が居る。更にそいつはじっと他の同族を注視している・・・毒なのかどうか分かるまで 他の実装石達がどうなるか観察しているのか?普通の実装石ならコンペイトウを目にすれば後先考えずに 暴食モードに入るはずなのだが・・・もしかしたら「当たり」か?こいつ。 その実装石は拾えるだけのコンペイトウを用心深くかき集めると、手を付けずにそのまま素早く木の生い茂る 林の中に走っていく。そいつの後を気づかれないように用心深く付いていく俺。幾ら急いだところで 所詮は実装石の移動速度、さほど苦労もせずにストーキングすることができる。 行き着く先は公園の比較的奥まった場所、木々の根が絡み合った場所で 追跡していた実装石が姿を消す。よく見るとそこには落ち葉や枯れ枝などでカモフラージュされた ダンボールハウスがあった。フムン、こういった芸当が出来ますか・・・第一条件はパスだな。 ニヤリと頬を歪めつつリンガルを集音モードにして離れた場所からダンボールハウスの中の音声を拾ってみる。 「お前達、おとなしくしてたデスか?」 「ママー、お帰りなさいテチュ」 「怪我してないテチ?大丈夫テチか?」 「お腹すいたテチュ」 「ママ、抱っこしてレチュー」 「よしよし、良い子にしていたお前達にお土産デス」 「コンペイトウテチュ!ママありがとうテチュ!」 「おいしそうテチュ!・・・食べて良いテチュか?」 「甘いテチュゥ、親指ちゃんにも食べさせてあげるテチュ!」 「美味しいレチュ、幸せレチュー」 リンガルに表示されている内容からするとどうやら仔実装3匹に親指1匹という家族構成のようだ。 親実装はまず子供にコンペイトウを食べさせている、自分だって空腹だろうに。 成る程成る程。先ほどの自分の子供を三時のおやつと同様に扱っていた仔食いの ロクデナシとは一味違うと言う訳ですな?これで第二の条件もパス、ターゲットは確定だな。 もっとも今日は日も高くなっているし、一旦撤退するしかない。計画実行は明日にしよう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「これで良しっと。後はさっさと確保して帰ってくるだけか」 昨日見つけたターゲットをとっ捕まえるべく、まだ日が昇り始めたうちから 自宅から出発する俺。それにしても昨日といい今日といい、せっかくの休日を 傍から見たらしょうもない事に使っている俺ってやはりイエローピー(ry 薄暗い公園の更に暗い林の中をなるべく足音を立てないように気配を殺しながら目的地に近づく。 件のダンボールハウスの偽装の手の込み方やコンペイトウを集めていたときの仕草から察するに あの親実装はかなり用心深いようだ、迂闊に騒がれてしまうと面白くなゲフンゲフン、計画に支障をきたしてしまう。 苦心しつつダンボールハウスが目に見える距離まで辿り着く。 「取りあえずここまで来たけど、中の様子はどうかな」 昨日と同様に携帯のリンガルを集音モードにして中の様子を伺ってみる。 「・・・デスー・・・デスー・・・」 「テチィ・・・コンペイトウ・・・ムニャ・・・」 「ママ・・・抱っこ・・・」 「・・・レチュ・・・お腹プニプニ・・・」 よし、家族揃って熟睡中の様だ。それにしても親指よ、お腹プニプニは蛆の専売特許だぞ?どうでもいい事だが。 自分に突っ込みを入れつつ背中のリュックから霧吹きを取り出し、ゆっくりダンボールハウスに近づく。 入り口の扉部分を霧吹きの先端で慎重に開き、暢気に惰眠を貪る実装親子に中身を吹きかける・・・てりゃ。 「デッ・・・スー・・・」 「テッ・・・テー・・・スー・・・」 「・・・スー・・・」 「・・・チィ・・・」 うむ、効いた様だな。一応音を出して反応を伺ってみる。起きない、意外に効果があるな。 ん?霧吹きの中身?本当ならクロロホルムを使いたかったんだが、そんな物手に入らないので 睡眠導入剤を水に溶かして若干煮詰めたのを使ったんだが・・・出鱈目なナマモノにはこれでも効果あるんだな。 突付こうが全く起きない実装親子のうち仔実装と親指だけをリュックの中に入れてきた小さ目のプラスチック製水槽に いれ、そそくさとその場を後にする。手間の事を考えると一家揃って拉致った方が楽なのだが、今回はひとまずこれで良し。 自宅に戻ると早速作業開始、未だ爆睡中の仔実装達の服を剥ぎ取り、洗濯機の中に放り込む。 洗剤を入れてスイッチを入れた後に裸状態のこいつらを持ってきたまな板(実装石専用)の上に置き、 順繰りに愛用のナイフで体を開いて偽石を抜いていく。抜いた偽石を栄養ドリンクを満たしたタッパーに入れ 傷口に実装用の新陳代謝活性剤を塗りつけ30分ほど放置。これで完治してしまう辺りホンマ実装石は異次元生物やでぇ 親指に関してはそのまま放置。慎重にやらないと偽石を傷つけてあっさり逝ってしまう可能性があるし、何より面倒くさい。 次に用意しておいた低圧ドドンパをある程度砕いてこいつ等の口の中に放り込み、トイレの便器で糞抜きをする。 出るわ出るわ、自分の体の容積以上に噴出する糞。物理法則無視しまくりだな。 洗濯終了のアラームが鳴った洗濯機から先ほど放り込んだ服を取り出し、乾燥機に入れる。 乾くまでの間にこいつら本体を洗ってしまおう。洗面台にお湯を貯め、1匹ずつ石鹸をつけて洗っていく。 親実装の教育の賜物なのだろう、服も仔実装たち本人も野良にしてはかなり清潔な状態ではあったが 今回はきっちり汚れを落としておかないと困るのだよな、これも後の楽しみの為と思って我慢我慢。 4匹とも洗って水を切った後、ドライヤーで体と髪を乾かしていく。案外サラサラになるもんだなぁと変な所で感心する。 乾燥し終えた服を仔実装達に着せ、先ほどの水槽の中に戻しておく。後はこいつらが起きるのを待つだけだ。 1時間ほど経ってそろそろ俺自身空腹を覚えてきた頃、仔実装たちがモゾモゾと動き出した。 「テェ・・・テチュン!」 「ムニャ・・・」 「テテ・・・テェ・・・」 「レチュレチュ・・・レ?」 起き出した仔実装達は周りを見回して寝ぼけ眼で首をかしげる。何時もの朝と全く違う状況に「???」な状態のようだ。 辺りを見回してキョロキョロしているお馬鹿さんたちに笑顔で挨拶をしてみる。 「グーテンモルゲン皆の衆♪」 「テ?・・・テ、テテテテ・・・」 「「「「テッチャー?!」」」」 一斉に派手な悲鳴をあげて逃げ惑う仔実装達、そりゃ置きぬけに至近距離から見知らぬ人間に挨拶なんて されたらパニックにもなるわな・・・それとも俺の顔ってそんなに怖いのか? しかし狭い水槽で逃げる場所など有りはしない、直ぐに隅に一塊になってガクガク震えている。 俺が顔を近づけるとそいつ等のうち一匹が震えながらも他の姉妹達を守るように立ちふさがる。 「ち、近寄るなテチュ!妹達には指一本触れさせないテチュ!」 いやお前らには先刻うんざりするほど触れてますが。微妙な差ではあるがどうやら一番体格が大きいこいつが 長女の様である、怯えつつも妹達を守ろうとするとは・・・ふふふ、更に楽しくなりそうだ。 「テェェェンママ何処テチュゥゥゥ!?」 「嫌テチュ殺されたくないテチュー!」 「レチャァレッチャァァァァァ!」 「あーそんなに怯えなくても良いよ、君達にはちょっと頼みたいことがあるんだけどね」 次女以下の煩い悲鳴にゲンナリしつつ傍らに置いておいたコンペイトウの袋を手にとりその中身を 何粒か水槽の中に放り込む。途端に停止する雑音、ほんとコンペイトウが絡むとお粗末な知能が更に瞬間劣化するな。 「今回君達を我が家に招待したのはね、俺の家族の遊び相手になって欲しいからだよ。」 「テェ?な、何言ってるテチュか?」 「今言ったとおりだよ、先日俺に新しい家族が出来たんだけどね、遊び相手が居なくて困っていてね。 本当なら俺が相手になってやりたいんだけど、こっちも仕事があって余り時間を割けない。 そこで君達みたいに可愛い実装石たちに代わりに遊び相手になってもらおうと思ったんだ、 今渡したコンペイトウはこれからやって貰う事へのご褒美の先渡し、俺の家族を楽しませてくれれば もっと沢山のコンペイトウやお菓子も上げるしこのまま家で飼ってあげよう。良い話でしょ?」 「テ、テェ・・・」 説明する俺にまだ完全に警戒を解かないながらもチラチラとコンペイトウに眼を向ける仔実装達。 もう一押ししてみようか。 「ほら、君達の髪や体や着ている服はどうだい?綺麗になってるだろ?家の子の遊び相手に なるからには汚れたままじゃ困るからね、だから洗っておいたんだよ」 「ホントテチュ、キレイキレイテチュ!」 「髪もサラサラテチュー」 「ニンゲンさんが洗ってくれたレチュか?」 どうやら危害を加えられる事はないようだと思い始めたらしい、次女と三女、末娘の親指は こちらに対する警戒を解き始めた。しかし長女だけはまだ迷っている。 「・・・でもママが居ないテチュ、ママが居てくれないとダメテチュ」 「ん?それは大丈夫。今から君達のママも迎えに行くからね。これで何も問題はないよね?」 「テェッ?!本当テチュか?」 「うん、だから帰ってくるまで家族と遊んで時間をつぶしていてくれないかな」 「分かったテチュ!早くママを連れてきてくださいテチュ!」 賢い親に育てられた仔実装と言えども矢張り親と離れ離れになった状況では知恵も働かないのか、 俺の甘言に引っかかってくれた。親思いの仔はこういったやり口が覿面に効くねぇ。 よし、これで準備は整った。あとは親実装を連れて来るだけだ。 しかしこいつら、俺の言っている「家族」が俺と同じ人間だと勘違いしているようだな。 能天気にコンペイトウを舐めたり浮かれて踊ったりしている。 その様子を全て撮れる位置にハンディカムを設置しておく、これから起こる事を映像としても保存しておかないとね。 「さて、行って来るか」 「ニンゲンさん早く帰ってきてテチュ!」 「うんうん、楽しみに待っていてくれ。あ、取りあえずは・・・そうだな、 まず君に家の子の相手をしていてもらおうか」 「テチュ?」 水槽の中からコンペイトウに齧り付いて相好を崩している次女を摘み、水槽の外に そっと置く。家の床はフローリングなので仔実装は物珍しそうにペチペチ叩いている。 クックック、今まで柄にもなくこいつ等に甘い顔をしていたのは今まさにこの瞬間の為! 若干大きな水槽(蓋をすれば完全防音可能なタイプ)をビニール袋にいれ、リビングから玄関につながる ドアを開ける。すると開いた隙間からチョコチョコと「俺の新しい家族」が入ってくる、その姿を見て 途端に硬直する仔実装達。確かに実装石にしてみれば「これ」の同族は天敵だろうしなー。 ま、せいぜい俺が帰ってくるまでは死なずに遊び相手を勤めていてくれたまえ♪ しなやかで漆黒の毛並み、金色の瞳をもった「そいつ」はガクガクと震える次女を見据えると ピンと尻尾を立て弓を引き絞るように体を撓め・・・一鳴きした後飛び掛った。 「ミャーーーン!」 「テッチャァァァァァァァ!?」 先ほどの公園の奥、仔実装達が居たダンボールハウスに近づくと実装石の泣き声が聞こえてきた。 「デェェェェン・・・デェェェェェン・・・」 俺が今まで何度も聞いてきた悲哀と絶望に満ちた泣き声・・・いいねぇ、でも 今回は一旦泣き止んでもらおうか、更に良い声で俺を満足させてもらう為に。 「おや、どうしたのかな?そこで鳴いているお母さん」 「デェェェェェェ・・・デェッ!?」 子供が揃って行方不明になった事態に半狂乱状態だったせいか、 直ぐそばまで俺が近づいていたことに全く気が付かなかった親実装が顔を引き攣らせて硬直する。 「デ、デズウゥゥゥゥゥ・・・・」 じりじりと俺から距離をおこうと後じさり逃げる機を伺う親実装、警戒心が強いのは先刻承知だから この反応は当然予想の範囲内なんだけどね・・・このまま逃がす訳無いでしょーが。 「あー、もしかしてお子さん達をお探しかな?だとしたら心配は要らないよ、 みんな俺の家で遊んでいるからね。」 「デェッ!?な、なんで私の子供達が?!」 「うん、それはね・・・」 数時間前に仔実装達にしたのと同じ内容の説明に親実装は引き攣っていた顔を更に 青褪めさせている、流石に知恵が回るのか楽観的な態度は全く見せない。 「お願いデス、子供達を返してデスゥ!」 「うーん、でも家の子がかなり君の子供達を気に入っちゃってねぇ それに君も遊び相手になってくれるなら子供達と一緒に飼ってあげてもいいんだよ? もう直ぐ冬も来るし、子供を四匹も抱えたままだと大変なんじゃないかなぁ」 「デ、それは・・・」 「今年も沢山雪が降るだろうなー、餌も無い雪だらけの生活・・・4匹のうち どの子が生き残れるかな?あ、もしかしたら君も含めて全滅と言うことも」 「デェェェッ、そんな事・・・無い・・・デ・・・」 「さて、どうかな?俺としては君にも来て欲しいんだけどねー、ちゃんとご馳走で 持て成してもあげるし、悪い話じゃないと思うけど?」 俯いたまま暫し迷っていた親実装はしばらくするとボツボツと喋りだした。 「・・・分かったデス、一緒に行くデス・・・」 「お、納得してくれたか。そうと決まれば話は早い、早速家に戻ろうか」 「本当に私の子供達は遊んでいるだけなんデスネ?」 「ああ、遊んでいるよ?(家の子がね)」 まだ体を強張らせている親実装を水槽の中に入れ蓋をする。流石にいきなり 狭苦しい水槽に入れられると恐怖心が沸くのかベチベチと壁を叩いている。うん良い反応だ。 今から戻れば丁度あちらも良い具合になっているだろう、水槽入りのビニール袋を 片手に俺は歩く速度を速めた。 自宅に着いてドアの鍵を開け、リビングに近づくと何やら騒がしい。おうおうお楽しみの様で。 しかし防音水槽に入れられた親実装にはまだ何が起こっているのか判らない。 俺はリビングに繋がるドアを開けると持っていたビニール袋を床に置き、蓋とビニールを 一緒に取り払った。漸く外界を認識できるようになった親実装の眼に飛び込んできたものは・・・ 「ミャウ、ウニャニャン♪」 「ヂャァァァァァ!止めてテチュ、イダイデヂュウゥゥゥゥゥゥ!!!」 「デェェェェェェェェ?!!」 可愛い我が子(次女)に黒い子猫が圧し掛かりその牙と爪で良いように遊び道具にしている光景だった。 そう、先ほどの鳴き声からもお判りかと思うが「俺の新しい家族」というのは真っ黒な子猫(生後2ヶ月)だったのだ。 事の始まりは1ヶ月前。行き着けのスーパーの壁に「子猫の里親探しています」という張り紙を見つけたのがきっかけだった。 元々猫やら犬が好きな俺だが、ペット飼育可能な場所を見つける事が出来なかったので我慢しつづけた。 しかし漸く職場からさほど離れていない場所にペット飼育が可能な平屋の小さな一軒家を借りる事が出来たので 渡りに船とばかりに募集主に連絡し、そのまま真っ黒な愛いヤツを自宅に連れ帰ってきたのだ・・・が、 ここでちょっとばかり問題が発生した。この真っ黒クロスケ、とんでもないヤンチャ坊主だったのだ。 朝から晩まで凄まじい勢いで走り回り、テーブルやPCデスクに飛び上がっては置いてある物をひっくり返す、 もはや子猫と言うより小さな黒い暴風と読んでも差し支えない野生児っぷりである。 それでも最初のうちは動き回るだけで満足していたのだが、我が家の一員になってから一ヶ月を越す辺りから どうにも飽きたのか退屈そうに寝そべることが多くなった。俺が遊び相手になってやればいいのだろうが、 仕事でくたびれた男が野生の証明みたいな子猫を満足させることは到底無理であった・・・いい加減俺も歳なんだろうけど。 そんなわけで打開策を見つけようとしている最中、夜中のコンビニの近くで野良猫にピンポン球のように遊ばれている 野良仔実装をみて今回の計画を思いついたわけなのだが・・・いや中々に結果は上々なようですな〜。 「ヂィィィィッ!!!イタイイタイイタイタヂュゲデママアァァァァァ!!!」 「デギャァァァァ!止めるデスその仔を離すデズゥゥゥゥ!!!!」 目と鼻の先のような近距離でズタボロにされていく娘を見て絶叫する親実装、無論水槽の中から 出ることは出来ないので助けることも出来ずただそれを見ながら喚くしかない。 「逃げるデス!早く逃げるデスゥゥゥゥ!!」 マウントポジション取られた仔実装がどうやって逃げろと?まあいい、砂粒ほどの希望を与えてやりますか。 鋭い爪で次女をガリガリ引っかいていた子猫を手で掴み上げると、自由になった次女はボロボロの体でよろめきながら 親実装のいる水槽に近づいていく・・・一旦洗濯して綺麗になった服は爪で引き裂かれ溢れ出た血に汚れ、次女の体も 噛みつかれ引っかかれて惨憺たる状況である、先刻までのこざっぱりした風体は既に跡形も無い。 「テチュ・・・ママ・・・ママァ・・・」 「デスゥ!速く来るデス!ママが守ってあげるデスゥゥゥ!!!」 ヨチヨチと緩慢な動きで必死に親実装の元に急ぐ次女、我が子が近づくにつれて必死な相貌の中に 喜びを滲ませる親実装。後僅かな歩みで二匹の手が水槽の壁越しに触れ合おうとしている・・・が、そうは問屋が卸さない。 「よし!かかれクロスケ「突撃」だ!」 「ミャア!」 俺の掛け声に元気な鳴き声で応え、水槽前の仔実装に突進する子猫。人間の全力疾走に匹敵するような猛スピードで 駆け抜け、水槽越しに親に甘えた声を上げようとしていた仔実装に背後から飛び掛る。あらら、そんなスピードのまま突っ込んだら・・・ ドスン! 「ニャウッ!」 「ブヂュベッ!!」 黒い弾丸に背後から直撃された次女は丁度親実装がへばり付いている部分の壁に叩きつけられた。 衝撃で両方のオッドアイは飛び出し、口から内臓が噴出している・・・「突撃」というより寧ろ「暴れまくり」だったか。 「デ・・・デギャァァァァァァァァァ!!!??」 先にも増した凄まじい絶叫を上げる親実装。うん、実に良い響きである。情の深い親実装が 子供を潰された時に放つ悲鳴を耳にすると仕事のストレスも消し飛んでいくわな。 いまだ顔全体を口にして喚きつづける親実装の水槽に近づき、微かに痙攣している次女を摘み上げる。 普通ならこの時点でまず死んでいるのだろうが、先ほど偽石を抜いて置いたのでまだ死んではいない。 何しろ安物ではなくローヤルゼリー入りの高級栄養ドリンクに浸けてあるのだ、そうそう簡単には死なない・・・いや死ねない。 動かなくなった次女に興味を失ったのか、俺の周りを所在無くうろついている子猫を尻目に 血涙の慟哭を上げる親実装に話し掛ける。 「いやいや、流石は賢くて家族思いの君が育てた子供だけあったね、家の子も大喜びしているみたいだよ♪」 「デガァァァァァ!!!返すデス、その子を生かして返すデスクソニンゲンンンンンンンンンンン!!!」 「うん、返してあげるよ?ついでに約束どおりご馳走を食べさせてあげようか」 「ナニ言ってるデスゥゥゥ!!?殺してやる、コロシテヤルデスゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 やれやれ、これから更に盛り上がると言うのに気の短い親御さんである。まあ俺の手料理で持て成してやれば その美味さに言葉も出なくなるであろう、早速準備に取り掛かる。 摘み上げた次女に用意しておいた栄養ドリンクと活性剤の混合液を注射器で直接体内に大量投入して水槽の前に置く。 途端にビキベキと異様な音とともに映像早送りのようなスピードで再生する次女、まるで某首切り判事みたいである。 えぐい光景を尻目に親実装の水槽の前に虐待師御用達の調理器具・・・ミキサーを置く。やっぱこれは定番だよな。 死んだと思っていた娘が再生していく様を見て打って変わって歓喜の叫びを上げる親実装。 「良かったデズゥ!速く元気になるデスゥゥゥ!!」 「テェェェ・・・?・・・ママ・・・?・・・ママテチュ・・・♪」 再生しつつある次女の方も再生が進むと同時に痛みやそれに伴う恐怖も消えていくせいか 暢気に親に甘えた声を出す次女。能天気だねぇ、もっともそうしていられるのも後僅かだが。 設置したミキサーの中に一掴みほどのコンペイトウを放り込み、次にほぼ再生し終わった 次女を掴み上げる。俺の顔を見て流石に恐怖で顔面を蒼白にさせて硬直するが、口の中にコンペイトウを 入れてあげると途端に相好を崩す。お前さんもう少し危機感持てよ、そのままミキサーの中に次女を入れる。 「デッ!それは何デスゥ?」 「テチューン!いっぱいコンペイトウあるテチュ、ママにも食べさせてあげるテチュン♪」 ああ、この期に及んで親にもコンペイトウを分けてあげようとするその心意気!最高である。 君の望みは俺が間違いなく叶えてあげよう、ではポチっとな。 ギュィィィィィィィィン!! 「テ?テチャ!?イ、い痛いイダイイダダダヂュビィィィィィィィィィィィ??!!! ギャバベブヂャダダダダズゲデマママママァァァビャバァァァァァ!!!」 「デズアァァァァアアァァ?!!や、止めるデズ速くその機械を止めるデズゥゥウゥゥゥウウ!!!!」 「ハハハ何を仰る、面白くなるのはこれからですぞ?ほいスピードアップ」 カチカチッ ギュッイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!! 「ギャビャァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー!!!?? ダヂュゲダヂュゲダヂダダダデェエェェエエェエェデデデデデデデェェェェェーーーー!!!!」 「ギャヒヒイイイイイイ止めてデズトメデデズお願いデズゥゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥゥ!!!!!!」 親実装と仔実装の悲鳴が素晴らしいハーモニーを奏でている、うーんマンダム・・・じゃない、最高。 因みにこのミキサー、刃の部分をやすりでわざと削ってあるので切れ味がかなりイマイチ風味、 故に削られていく実装石の悲鳴をじっくり堪能することができるのだ。偉大なる先達の編み出した技巧に乾杯。 数分もすると流石に悲鳴も小さくなっていく。次女の方はもう頭から下はコンペイトウ混じりの不気味な 赤緑のペーストになっており、残った頭部の口から引き攣った呻き声しか出てこない。 偽石を抜いてあるからといえどまだこの状態で死なない辺りその出鱈目っぷりには毎度舌を巻く。 「・・・テ・・・テヒィ・・・テヒャ・・・」 「デ、デデ・・・デヒィィィィィィイイイイイィィーーーーーーーーーーーーーー?!」 変わり果てた我が子の有様に枯れた喉から絶叫を搾り出す親実装、まだ前菜の段階なのに この調子でデザート出すまで持つのかね?そう思いつつミキサーの中身を取り出しにかかる。 紙皿にまず頭を置き、その頭部にミキサーに残ったペーストに賞味期限切れのタバスコとマスタードを 混ぜた物をかける。最後に飾りとして頭の天辺にコンペイトウを一個乗せて出来上がり。 「ほら、約束どおりご馳走を食べさせてあげよう。仔実装の頭部限定活き作り・激辛ペースト添え。美味そうでしょ?」 「デガァァァァァァァ?!!何でデズ酷いデズ許さないデズ呪ってやるデズゥゥゥゥゥゥウウウウ!!!」 「ああそんなに喜んでくれるなんて、俺も頑張った甲斐があったよ。さあ召し上がれ」 「ふざけるなデズゥゥゥウウゥウウゥゥゥ!!!何で可愛い娘を食べなきゃならないんデズウゥウウウウウゥ?!」 「まあまあ、遠慮する必要なんて無いよ?では特別に俺が手ずから食べさせてあげよう」 「デェェェェェェッ!!??」 俺の言葉に親実装は必死な面持ちで逃げ出そうとするが、手狭な水槽の何処にも逃げ場など無い。 あっさり頭巾を捕まえられ吊り上げられる。 「はい、お口を開けてくださいな?」 「ーーーーーーーーッーーーーーーーーーーッ」 「うーん、遠慮も度が過ぎると料理人に対してちと失礼だよ?仕方ない、ちょっと手荒になるけどご容赦を」 梅干顔で口を開けようとしない親実装を左手で吊り上げたまま、右手で道具箱からラジオペンチを取り出す。 「少々痛いかもしれないけど我慢してくれ、てい!」 ゴキャ 「ギャベッ?!」 「あ、歯が折れてしまったか?まあよい。ではこのままレッツ開口ー」 親実装の口にラジオペンチを突っ込んだまま持ち方を換え、一気に限界までこじ開ける。 「ギ・・・ガガ・・・」 「はい、ではご堪能下さいな♪」 皿の上の次女の頭を箸で摘まんで親実装の口に近づける。これから自分がどうなるか理解したであろう次女の 口からか細い悲鳴が流れるが無視してそのまま口に放り込み、ついでに更に残ったペーストを一気に流し込む。 「ガボ?!グボォギャバビバjファsブbvガジギvg」 「口から溢れそうですね、ではこいつの出番です」 吐き出そうと必死になる親実装の口に粘着テープを貼ってやる。ん?今度は嚥下しまいと踏ん張っているな、 どっちにせよ無駄な足掻きなのに・・・こっちだって意地になっちゃうじゃないの。 「んー、喉詰まりかな?大変だね、では原因になっていそうなものを砕きましょう。はっ!」 ガス! 「ブゴォ!」 (ギュピ!) パキン! 親実装の顎に軽くアッパーを叩き込むと微かな断末魔の悲鳴とともに次女の頭が口の中で粉砕される。 それと同時に何かガラスが割れたかのような音・・・後ろを見るとタッパーの中に入れておいた次女の 偽石が真っ二つに割れている。まずは1匹目、ご愁傷様〜。 振り返ると親実装が血涙を滂沱と流している。どうやらこいつも子供が死んでしまったのを理解したのだろう、 でもちゃんと飲み下してくれないと娘さんの死は無駄になってしまいますよ?と言うわけで親実装の 体を両手で掴んで上下に思い切り振る、シェイクシェイクシェイクシェイクシェイク! 「ゴ・・・ゴフォ・・・ンゴクン・・・!!・・・・!!!!」 よし、ちゃんと飲み込んでくれましたねー?慈しんできた実の子供を食べてしまったショックとソースに混ぜておいた タバスコとマスタードの激辛コンビネーションの影響か、親実装の顔が青くなったり赤くなったり 目まぐるしく変化している・・・いかん、吹き出してしまいそうだ。 「ニャア」 「ん?ああごめんごめん、次の遊び相手を選ばなきゃならないね」 足元で抗議?の鳴き声を上げる子猫に詫びると片手に持っていた親実装を水槽の中に落とす。 ドチャ! 「ゴブ!!」 あ、高すぎて足が折れたかな?まあノープロブレムである。両足が砕けた激痛に悶絶する 親実装の水槽から仔実装達を入れておいた水槽に目を移すと・・・ 「テチャァァァァァァ!!」 「くくく来るなテチュ来ないでテチュゥゥゥ!」 「レチュゥゥゥウお姉ちゃんお姉ちゃんマママママママ」 揃いも揃って良い感じにテンパってますな。普通なら3匹ともパンコン状態で生ける汚物と化していたのだろうが、 先程ドドンパを使って完全に糞抜きをした上に、それ以降は少量のコンペイトウくらいしか与えていなかったので 未だ下着は余り汚れていない。フローリングで掃除が容易とはいえ借家なのだからこれ位の下準備は必要だったわけである。 金切り声を上げる仔実装達、ただ長女だけは未だに狂気と錯乱の領域に完全に入り込んではいない様子、 近づく俺に向かって歯を剥き出して威嚇している。 「さーて、次はどの子に遊んでもらおうか?」 「テチャァァァ!!来るなテチュこのアクマ!妹達は私が護るテチュゥ!!!」 「あーテンプレ通りの平凡且つ身のほど知らずなご意見どうもありがとう、お礼に 君は最後にしてあげるよ。妹ちゃん達の姿をしっかり目に焼き付けておきたまえ」 ギャイギャイ喚く長女を無視して親指を抱えてガクガク震えている三女の首根っこを掴む。 「テチィィィィィィィ?!嫌テチュ助けてテチュお姉ちゃんお姉ちゃーん!!」 「やめるテチュ妹から手を離すテチュゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 「レェェェェェェン!!ママ!ママァァァァァァァ!!!」 半狂乱になる三女と必死になってしがみ付く親指、その三女の服の端を絶対に手放すまいと 決死の形相で踏ん張る長女。泣かせるなぁ実装石らしからぬ家族の絆!でも無駄なんだけど。 しつこく服を掴んで離さない長女の手首に相当する部分に狙いを定め、先程偽石摘出時に使ったナイフを一振りする。 ヒュン! サクッ 「テチャッ?!」 踏ん張っていた体勢からいきなり後ろに転倒した長女は一瞬何が起こったのか判らず混乱していたが 慌てて目を向けた三女の服に掴んだままの状態でぶら下がる自分の手首と血を噴出し始めた両手の切断面をみて・・・絶叫した。 「デヂュワァァァッァァッァァァァァァーーーーーーー??!」 「順番を守らないからそういう事になるんだってば。取りあえずペナルティ分は苦しんでいるように」 「いやテチュお姉ちゃんワタチをたちゅけてテチュ死ぬのは嫌テチュゥゥゥゥゥ!!!」 「レピャァァァァァ!レッピャアアアアアアアアアアァァァァ!!」 この状況で唯一自分を護ってくれていた姉から引き離された事で悲鳴の音量を更に上げる三女、そして 恐怖の余り幼児退行でも起こしたのか鳴き声が蛆ちゃんモードになっている親指。生ける雑音発生機と 化している二匹を床の上に置くと道具箱の中からラジコンカーをとりだす。 「さーて親指ちゃんにはスリル満点のドライブを、三女ちゃんには市中引き回しの刑を楽しんでもらおうかな?」 「レピャァァァ!?ニンゲンさん離してレピィィィィ!!」 「親指ちゃん?!親指ちゃぁぁぁぁぁん!!!」 「はいはい三女ちゃんはこっちこっち。後少しで楽しいお遊戯の時間だよー」 まずは三女にしがみ付いていた親指を引き剥がし、ラジコンのボンネット部分にガムテープで下半身ごと貼り付けて固定。 次に三女の背中に瞬間接着剤で子実装の背丈と同じ程度の大きさのプラスチック板を貼り付け 胴体を紐で縛ってもう片方の先端をラジコンのリヤバンパーに結びつけて準備完了。 「これから君達が垣間見るのは実装石が普通では体験できない未知の領域だ、しっかりハートに刻み込め」 「イヤレチュ許してレチュママァママァァァァァァァ!!!」 「ニンゲンさんお願いテチュ助けてテチュ助けてテチュ助けてテチュたすkttttt!!!」 「無・理♪では発車」 ギュアアアアアアアアン! 「レチャァァァァァァァァァァァァ!!?」 「テチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?!!」 駆動音とともに走り出すラジコン、実装石の通常の移動速度とはかけ離れたそのスピードに恐慌状態になる2匹。 その様子だけでも充分見ていて楽しいのだが、本日はちゃんと主賓がいらっしゃる訳で・・・ほら始まった。 「ニャ!ニャウーン!」 「テチャァァァ・・・テェ?!テヒィィィィィィィ!??」 猛然とラジコンを・・・というよりその後ろに繋がれた三女を追いかける子猫。猫を飼ったことのある方なら 判るかと思うが、彼らの全力疾走中の俊敏さは大の大人ですらついていくのが困難な程なのである。何も引っ張って いないならまだしも仔実装をくくり付けたラジコンのスピードは若干落ちる、と言う事は・・・。 「ウニャ!」 ザシュ!ガリガリガリ 「ヂィィィィィィィ?!イダイイダイヤメデデデヂュゥゥゥゥゥゥ!!!」 引き摺りまわされる三女に追いついた子猫がその爪(わざと切らずに置いておいた)を容赦なくその体に突き立てる。 その刃物のように鋭い爪で引掻かれれば人間ですら容易に消えないくらいの深さの傷が出来てしまうのだ。まして今回は 引掻く対象が脆弱な仔実装、オマケに子猫が両足の爪を突き立てたまま三女と一緒にラジコンに引き摺られたりする物だから 縦横無尽に深い傷が刻まれていく。これなら市中引き摺りまわしの方がまだましか? 「ヂッビャァァァァァァァァァァ!!もうイヤデヂュダヂュゲデママァァァァァァァァァァ!!!」 「ゴブォォォォォォォォ!!ズボァァァァァァァァァァァァァ??!」 「テチャァァァァァァ!!もう止めてデチュ妹に酷いことしないでテチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」 お、親実装と長女が三女に熱いエールを送っているな。家族愛の深い実装石を選んでよかったとしみじみ思う。 君達の声援に応えない訳にはいかないな、更に華麗なるドライビングテクニックで楽しんでもらおう。 ギャギャギャギャァァァァァァァン!!! 「ニャーン!」 ザシュザシュ!!ガリガリガリガリガリ!! 「ジュビィィィィィィィィィィィィヂヂヂヂヂヂヂヂヂィィィィィィヤァァァァァァァァ!!!!!」 「ブボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!?!」 「チュァァァァァァァァァ??!やっめってェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」 盛大な悲鳴の三重奏!あとでハンディカムに録画した映像を堪能せねばなるまい。さてそろそろこいつも 終わらせて最後のステップに入るとするか、ではひとまず急停車。 ギギャッ! ザシャァァァァァァァ・・・ガンッ!! 「ビヂャッ!!」 「ベボォォォォォッ??!」 急にストップしたラジコンを基点に慣性の法則に従って振り子の様に横滑りしていく三女、先程次女がつぶれた水槽の壁に見事に激突する。 背中の部分はプラスチック板にくっ付いたままなので無傷だが、体の表面は顔から腹から既に膾切り状態。右目は引き摺りだされ 唇は切り裂かれて簾のようになりお腹の部分に至っては傷が深すぎたのか内臓が見えている。 「ヂ・・・ヂヒャ・・・ヂュフィィィ・・・・」 「ブッバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!??」 粘着テープ越しにくぐもった悲鳴をあげる親実装、途中からでもテープを外しておいた方が面白かったかな・・・ん?悲鳴? ふと途中から親指の悲鳴が消えていたことに気がつく、ラジコンのボンネットを見てみると・・・ 「レピィ・・・レピャ・・・」 恐怖の余り気絶して居やがりました。でも寧ろ健闘した方だとも言える、偽石を抜いていなかったのでストレスで偽石が砕けて死亡する 可能性も有っただろうに。その健闘に免じてちょっとだけ温情をかけてあげますか。まずは目を覚ます為にコップに汲んできた水を少量かける。 バシャ! 「ピャ?!・・・レピュ・・・」 「おはよう親指ちゃん!ドライブは面白かったかな?」 「レェッ?!レ、レヒ・・・レヒ・・」 もう悲鳴をあげる気力も無いのか全身を強張らせて俺を見上げる親指。今すぐ捻り潰したくなる位可愛い反応だこと。 「さて、君は俺の過酷なドライビングテクニックに付いてくることが出来た。そのご褒美に助かるチャンスをあげよう」 「レッ?!たた助けてくれるレチュか??!」 「うむ、ただ判断するのは俺じゃなくて家の仔だけどね。この仔が君の事を気に入ったならもう酷い目には絶対あわせない、約束する」 「レ、レチュゥウゥ・・・」 「ボボォ?!ブボッブボォ!!」 「お、親指ちゃん・・・!」 生き残れる希望を見出し足りない頭でどうすればいいか考える親指、その様子を見て祈るような仕草を見せる親と長女。 悩んでいる親指の前に子猫を連れてくる。さあどうなるかな。 「ニャ」 「レ、レチュ!?」 「はい、後はこの子と君次第だ。気に入られたいなら君なりに努力してみてはどうかな?」 「は、ハイレチュ!・・・レ・・・レチ・・・レッチューン♪」 震えながらも子猫に対して下半身を固定されたまま左手の先を口に近づけて媚びる親指。 おお、未熟で世間知らずな親指でも「媚び」はちゃんとできるんだなぁ、やっぱりこれはDNAレベルで刻み込まれている 実装石の本能のおかげか、とどうでもいいことで感心する。まあ親指くらいならさほど五月蝿くもないし飼う場所も ごく小さなスペースで済む。たまには愛護派の真似事をしてみるのもいいか・・・って、あ、あれ?どうも子猫の反応が・・・ 「レチューン♪レッチューン♪」 子猫に何もされないことで自分は助かったと思ったのだろう、さらに媚びる態度を大げさにする親指。だがまだ一ヶ月だけとはいえ 寝食を共にしていた俺にはどうにもアイツが楽しんでいるとは思えない・・・ゲ、あの目を細めた顔は・・・まさか。 「レッチュレッチューン♪」 「・・・・・(怒)・・・・・ニャウッ!!」 ブン! 「レッチュビべッ!」 ザクッ! コン!コロコロコロ・・・ 子猫の爪を剥き出しにした右足の一撃で親指の頭は媚びた表情を張り付かせたまま跳ね飛ばされ、親実装の水槽に命中し床に転がる。 人間が見てムカツク実装石の媚びは全生物にも共通する嫌悪の対象だったのかね?それにしても殺人兎顔負けの見事なクリティカルヒットだったな。 「ベ?!ブ、ブ・・・ブボォォォォォォォォォッッッッ??!!!」 「テチィィィィィ?!親指ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん?!?」 絶体絶命の家族に微かに見えていた生存の希望、そしてそれが確実なものだと思い込みかけていた親実装と長女の口から 悲鳴が迸る。うーん今回に限ってはちょっとだけ同情するな、俺は別に助けても良かったんだし・・・まあどうでもいいけど。 さて、ちゃっちゃとメインディッシュの作成に入りますか。水槽の前でビクビク痙攣する三女を掴み上げる。おっとついでに 親実装の口からテープを剥がしておきますか、そっちの方がより創作意欲が湧くし。 ビリビリッ 「ヂュバッ!デスーデスー・・・」 「あーゴメンゴメンつい外すの忘れてたよ、待っててくれたまえ今からメインディッシュを作るから」 「デェッ!?その子に何をする気デズゥ?!ま、まさか・・・止めるデズゥゥゥゥゥ!!!」 「はっはっは、そんなに待ち遠しかったのか?先程食べた実の子の味はそれほど感動的だったというわけだね」 「デガァァァァァァァ?!!よ、よくも、よくもワタシの大事な子供達を・・・デオォォォォォォォン!!」 「泣くほど美味しかったのか、では腕によりをかけねば料理人として失格ですね?善処いたしますですハイ」 呪詛に満ちた叫びを上げる親実装の前に今度はガスコンロとフライパン、調味料などを持ってくる。 ガスコンロのスイッチを入れフライパンを載せ、あらかじめサラダ油を引いてじっくり過熱しておく。 次にズタズタになった三女を手に取りナイフでその髪を頭皮ごと削ぎ落とし服を切り裂いて除去していく、 次女とは違ってまだ意識が残っている三女は実装石にとっては命の次に掛替えの無い財産である髪と服が 無くなっていく有様にか細く悲哀に満ちた泣き声を上げる。 「ワ、ワタチの髪が・・・キレイなお服が・・・テェェェェン・・・テェェェェェェェェェン」 「心配することは無い、君はもう直ぐそんな事を考える必要の無い世界に旅立つのだからね」 「テェェェェェン・・・テェェェェェェェェェェェェェン・・・!!」 幼いながらも俺の言葉に自らの末路がどのような物なのか想像がついたのだろう、更に声を高くして泣き出す。 仔実装のこの泣き声・・・あーもう辛抱たまらん!若干ハイになりつつ下ごしらえを進めていく。 禿裸になった三女を水洗いし、塩と胡椒を刷り込んでいく。傷口に塩やら胡椒を擦り込まれた三女は 今までの弱々しい声から一転して凄まじい絶叫を吐き出す。 「デヂョォォォォォォォォ?!!イギャイイヂャイイギギギギギギギギギギ!!!」 「デァァァァァァァァ!?!止めるデズ今すぐ止めやがれデズゲドウニンゲンンンンンンンンンン!!!!」 痛いだろうなー、俺も以前料理している最中に切り傷にうっかり塩を擦って悶絶したことがあるからな。 ましてや三女は体の前面に塩と胡椒の極悪コンボを擦り込まれてる訳だし、狂ったりしないかな? 先程までの大人しさが嘘のようにまな板の上で暴れまわる三女、次の手順として手と足をさっさと切り落とし パン粉の入ったボウルの中に落とす。芋虫みたいな状態で転がってくれるので粉を着ける手間が省けていいね。 「さーて、最後の仕上げです。今まで君を育ててくれたお母さんにその雄姿をしっかりと見ていてもらいなさい」 「イヤデヂュどうじでこんなめにアウデヂュもうイヤデヂュゥアアアアアアアアアアアア」 「デェェェェェェェン!!お願いデズもう許してあげてデズ代わりにワダヂを殺してデズゥゥゥゥゥゥ!!!」 「おお、素晴らしい自己犠牲の精神!でも俺は君が先程言ったとおりのゲドウニンゲンなんで止められないのだよ♪」 「デェェッ!?ご、ご免なざいデズさっきのは嘘デズ冗談デズゥゥゥゥゥゥ!!!」 「えー、嘘ついてたのー?嘘吐きには罰を与えなきゃならないなー(思いっきり棒読み)」 「そそそそそんなあんまりデズ助けてあげてデスゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 「ハハハまあそんな気に病まずにメインディッシュができるのを鑑賞していたまえ、そりゃ!」 水槽の中で土下座する親実装の目の前でボウルの中からパン粉だらけになった三女を取り出し熱々に焼けたフライパンの中に放り込む。 ジュァァァァァァァァ!! 「テッヂャァァァァァァァァァ!!!ダダダダヂュヂュゲゲゲゲゲオネエヂャママママママママッマァァァァァ!!!!」 「ビギャァァァァァァァァ!!!やめてデズ誰かタスケデデズウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッゥッゥゥウッゥウウ」 「テェェェェェェェン!!!もうイヤテチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 三者三様に絶叫マシーンと化している親子実装達、幾ら助けを求めたり現実から目をそらしても意味が無いんだけどねぇ。 最初に三女をフライパンに放り込んだときは背中が下になっていたので、そろそろフライ返しでひっくり返しますか・・・えい。 ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・!! 「ガギャヂャヂャヂャヂャヂャgjzヴァギgjヴェgジ♯x∀Δ√!!!!!!」 パキン! 「デ、デ、デ、デッギャーァァァァァァァァァァァァ!!!!」 「イヤテチュ・・・こんなの嘘テチュ・・・きっと夢デチュ・・・テェェェェ・・・」 聞き慣れた音に後ろを振り返ると三女の偽石が粉々に砕けていた。実装石にとって致命的な火によるダメージのせいか 次女の偽石より割れ方が激しい、色も真っ黒になっていた。最後の絶叫もリンガルでも翻訳不可能なほど 支離滅裂だった様である、まあ意味があろうが無かろうが関係ないが。 程よく焼けた三女の体をまな板の上に置き、包丁で食べやすいようにスライスしていく。最後にレモン汁をかけて出来上がり。 「はい、本日のメインディッシュ、仔実装のムニエルでございます。お熱い内に召し上がれ♪」 「デェェェェェェェン・・・デヒッ・・・デヒッ・・・」 「ああなんだ、感涙に咽ぶ余り食べるのが困難なんだね?ではさっきのように俺が食べさせてあげる」 「デッ?!おおおお願いデズもう許してデズそれだけはイヤデズゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 「君も我が子の雄姿を見ていただろう、彼女の遺志を無意味にしてはいけない!あと料理には食べごろがある事もお忘れなく。レッツイート!」 「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」 またしても歯を食いしばって食べるのを拒む親実装、だからそんな抵抗は無意味なんだっていい加減学習してくれぃ。 先程と同じ場所にラジオペンチを突っ込みギリギリと親実装の口をこじ開けていく。 「ムニエルなんて食べたこと無いでしょ?君が産み努力して育てたその成果をじっくり口で味わってみんしゃい」 「ガボ!ゲボァ!ゴブォ!ブゴォォォォォォォ??!」 暴れる親実装の口の中にスライスした仔実装の切り身を箸で突っ込んだ後、お約束の粘着テープでしっかり封印。 どうせ素直に飲み込むはずも無いのでその顎めがけてパンチパンチパンチパンチパンチ。 「ブゴォ?!ボグ!ゴボォ!グブゥ?!ブゴクン・・・!!!!」 次女に続いて三女まで胃の腑に収めてしまった親実装は水槽の壁に背を預け、もうすこしであっちの世界に 逝ってしまいそうな虚ろな表情で呆然としている、おいおい最後のデザートの事をお忘れですかね? 仔実装達をいれていた水槽に近づき、宣告どおり最後に残した長女を摘み上げる、先程から現実逃避して ブツブツ何かを呟いていた長女が我に帰って悲鳴をあげる。 「テチョアァァァァァァァァ!!!嫌デチュ離してテチュ助けてくださいテチュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」 「何事も初志貫徹が大事なのだよ、君はどんな断末魔の悲鳴をあげてくれるのかな?」 「おおおお願いテチュ何でもするテチュニンゲンさんの役にたちゅデチュだから殺さないでテチュゥゥゥゥ!!」 「ほほう、俺の役に立ちたい?その言葉に偽りは無いのかな〜?」 「ほほホントデチュ約束するテチュ!」 「俺の役に立ちたいか、じゃあ思いっきり活きのいい断末魔の悲鳴を聞かせてくれ。それが俺にとって一番意義がある」 「テ・・・テェェェェェェェェェェ?!」 「話が違う」と言わんばかりの顔をする長女、いや実際それが一番の楽しみなわけだしね。 更に大きな声で喚く長女を掴み上げると、こちらも長女同様現実からあっちの世界にトンズラしようとしていた親実装が俺に向かって叫ぶ。 「デッ!?お願いデズゥゥゥ!その子だけは・・・その子だけは命を助けてやってデズゥゥゥゥゥ!!!!」 「ママァァァァァ!ママァァァァァァァァ!!!!」 「おや、てっきり口からエクトプラズムを出し切って逝ってしまったかと思っていたよ。で、何の話だっけ?」 「デデズからその子の命だけは助けてクダザイお願いジマズゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」 「えーでもデザートが残ってるんだけどなー、終わりよければ全て良し、食後のデザートって大切だと思わない?ん?」 「ええ遠慮させてもらうデスゥゥゥ!もうお腹一杯で・・で・・・・デェェェェェェェェン・・・」 どうやら既に消化されてしまったであろう次女と三女、そしてくびをはねられた親指の事を思い出したのだろう、 絶望と悲哀に打ちのめされたようにさめざめと泣いている。うーん、だとしたら・・・。 「そうだね、うちの黒い弾丸も概ね満足したみたいだし、こいつの遊び相手するのは止めてあげよう」 「デデッ!?ホントデスゥ?!!!・・・ありがとうデス、ありがとうデスゥゥゥゥゥ!!!」 「その代わりに俺が遊ぶね」 「ありがとうデ・・・デ?」 這いつくばって礼を言っていた親実装は俺の言葉にポカンとこちらを見上げている。 アホ面を晒して呆然としている親実装を放って置いて、道具箱の中から若干細めで先端を丸めに削ってある木の棒と油粘土を 取り出し、棒の先端に先程三女をムニエルにするときに使ったフライパンの上に残ったサラダオイルを塗りつける。 「何でデズゥゥゥ?!もう遊びは終わりだと・・・!!」 「だから子猫の相手はさせないけど俺の相手はしてもらうって言ったでしょ?それにこいつだけ無傷ってのも 天国に逝った他の子達の事を考えたら不公平だし。平等という概念は大事にすべきだよね?」 「イヤテチュゥゥゥゥゥゥゥ!!ワタチは殺された妹達の分まで幸せにならなきゃならないんテチュゥゥゥゥゥ!!!」 「おやおやお母さん、あなたの自慢の長女は妹達の事なんてもうどうでも良いから自分だけ助かりたいと仰ってますよ? この自己中な発言にはそれ相応の罰を与える必要があると思いますがどうか?」 「デェェェェェェェェッ!?」 返答に詰まる親実装の目の前で俺に掴み上げられながら喚きつづける長女、その下着を掴むと一気に引き下ろした。 ビクリと震えて俺を見る長女にニッコリと微笑むとその総排泄孔に棒の先端を突っ込む。 「テチョォォッォォッォォォォォォォォォォォオォォ??!!!」 「デェェェェェェェェェ??!」 流石に仔実装だとこういう経験は無いらしく俺が棒を上下させても最初のうちは体内で異物が動く感触に 悲鳴をあげていたが、しばらく同じ行為を繰り返しているとどうやら快楽を覚えたようで気味の悪い声を出してよがり始める。 「テェ♪テェ♪テッスーン♪テッスゥゥゥゥゥゥゥ〜〜〜〜ン♪♪」 「デェェェェェェェェェェェ??!もう止めてデスあんまりデスゥウゥゥゥゥゥ!!」 「はっはっは、口ではそういっても体は正直・・・おぇ」 自分でやっておいてなんだがマジで吐き気がしてきた、これ以上自分の手で掴んだままキモいよがり声を上げられたら 朝飯が食えなくなりそうなんで、先端によがり続ける長女を刺したまま棒を水槽の前にセットしておいた油粘土に突き刺す。 「やれやれお母さん、あんたの娘はとんだ色キチガイだったようだね?こんな姿を天国の 妹達が見たらなんと言うのやら、いっそ今から公園に行ってマラでも連れてくるかい?更に面白い物が見れそうだけど」 「デェ・・・デェェェェェェェェ・・・・」 もう叫んだり命乞いする気力も失せたのか、絶望に満ちた表情で棒に刺さったまま気色の悪い踊りを披露している長女を 見上げる親実装。実際俺もそろそろこの物体Xをなんとかしようかと思い始めたその時。 「ニャア!」 「へ?」 仔実装での遊びにすっかり満足して近くの敷物の上でくつろいでいた我が家の黒い弾丸が何時の間にか直ぐ傍まで 近寄っていたのだ。その真っ黒クロスケは水槽の前、屹立する棒の先端でモザイクを掛けたい衝動に駆られるような キモい動きを披露し続ける物体Xを見上げると、体を低くして下半身を左右に振り出す・・・あー、この予備動作って。 「ニャウン!!」 ピョン! ガシッ 「テッス〜〜〜ン♪・・・ッテ?!」 そのまま長女の体にジャンプしてかぶり付き!そしてその直後に両者の体には物理法則の常として重力がかかる訳で・・・。 ズルッ! 「ヂュボッ!!?」 総排泄孔に刺さっていた棒の先端が一気に消化器を通過して口から飛び出した。ハイ仔実装の串刺し一丁上がり。 今までよがっていた長女も流石にこれは効いたのか串刺し状態のまま微かに痙攣して動かない・・・うん、悪は滅んだ♪ 「デ、デ、デ・・・デッガァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!??」 バキン! バタリ! ひときわ高い絶叫と共に親実装が倒れ伏す。同時に鳴り響いた音から察するにどうやら偽石が砕けて死んだようである。 長女の偽石は未だ健在だから仮死を迎えただけなんだが、立て続けに子供を失っていた親実装にとってこの光景は即座に偽石に ストレス死を強いるくらいショックなものだったらしい。クロスケさん、今度からカズィクル・ベイと呼んでもようございますか? 「ニャオン♪」 「あー・・・うん、そろそろ朝飯にしようか」 文字通り串刺しになったままの物体Xを親実装の死体が入ったままの水槽に放り込み、キッチンで朝飯の準備をし始める。 最後に少々えぐい物を見てしまったが、それ以上にストレス発散が出来て気分爽快である。傍らの子猫も存分に 運動したお陰か実に機嫌がよさそうだ。鼻歌を歌いながら休日の過ごし方を考え始める・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「今後とも精進を重ねます・・・っと、はい送信」 俺が運営しているブログの書き込みにメッセージを幾つか返信したあと椅子の上で背伸びをする。 あの後録画しておいた画像を幾つか自分のブログで公開してみたのだが、予想以上に反響があった。 俺の虐待方法には評価する声もあったが、それ以上に手厳しい指摘が先輩達から多数寄せられた。 「虐待方法がテンプレ通り、マンネリの領域を越えていない」 「上げ落としのやり方が下手、もっと精神、物理両面で上げてから徹底的に落とすべきだ」 「子猫が実蒼石に取って代わっただけ、やるなら蛇やピラニアなどを使ってオリジナリティを前面に押し出せ」 等等エトセトラエトセトラ・・・とほほ、矢張り虐待道はまだまだ奥が深い、自らの未熟さを痛感する。 でも叱責するだけではなく色々アドバイスもしてくれた先達たちも居たのは有り難かった。ほんと参考になるなぁ。 「と、言う訳でこれからも俺の技術向上とクロスケのストレス発散に役立ってくれたまえ長女ちゃん♪」 くるりと椅子を回転させて後ろを向くと床に置いてある水槽の中で先日生き残った長女仔実装が悲鳴を上げている。 「テチャァァァァァァ?!止めてテチュワタチの子供達を殺さないでテチュゥゥゥゥゥゥ!!!」 「ウニャニャーン♪」 「タチュケテママァ!ママァァァァァ!!!」 「レェェェェェンレェェェェェェェェェン!!!」 「イヤレチュ死にたく無いレチュゥゥゥゥ・・・レヂャ?!!」 「おおおお願いレチュたちゅけてくださブヂィ!!」 「ははは、さて今回は全滅まで何分もつかなぁ?」 長女の目の前でその子供である親指たちが1匹、また一匹と子猫の爪や牙によって小さな肉塊と化していく。 嬉しそうに親指を追い掛け回しては小突き回し引き裂き噛み砕いて息の根を止める子猫、その光景を見て 延々と悲鳴を上げ続ける長女、更にその光景を前にして笑いをこらえる俺。 あの日ただ1匹だけ生き残った長女を俺は殺さなかった。そこそこ賢い上に家族への深い愛情をもつ仔実装は 希少とは言わないまでもちょっと珍しいので、こいつをこのまま殺さずに生かして置いた方が色々楽しそうだと 考えたからだ。あの後自分の痴態が親を(間接的とはいえ)死に至らしめた映像を身動きすることも目を逸らす事も 出来ない状態でエンドレス編集して見せつけた時のこいつの半狂乱ぶりには笑いが止まらなかった。自分のオナニーが 結果的に親を殺す原因になるなんて実装石というナマモノはホント全てにおいてデタラメかつお馬鹿だわ。 流石に1時間ぶっ続けで見せつけたらストレスで仮死してしまったが、こいつの偽石はその前に硬化剤でがっちりコーティング した上で再度高級栄養ドリンクに浸け直しておいたので本当に死ぬことは無い。これもやり方を真摯かつ丁寧に メールに記載して送ってくれた知り合いのお陰である、その結果長女は偽石が栄養ドリンクに浸けられている限り 狂い死ぬことも餓死することも出来なくなった。偽石を直接砕くか肉体をほぼ完全に破壊するしか死ぬ方法は無い。 そして仮死の淵から戻ってきた長女には毎日俺に虐待されるか子猫の遊び道具になるかの笑えるくらい絶望的な二者択一しか 残されていなかった。子猫の相手をして半死半生になるか俺の虐待によって半死半生となるか、それとも俺と子猫の 両方を相手にして半死半生どころか全殺しギリギリ一歩手前になるか・・・水以外何も与えられずに空腹にも 苛まれる毎日はこいつにとっては地獄だといっても差し支えなかっただろう。 そんな絶望的な毎日の中で一瞬だけとはいえ希望をもてたのは俺が長女の総排泄孔に花を突っ込んで妊娠させた 時だ。子供が生まれるまでは一切手出しをせずに通常は与えない餌を与え仮初の平和を満喫させてやった。 そして両目が赤くなり出産・・・母体が仔実装であるが故に生まれてくる子供は全て親指か蛆でしかなかったが それでもこいつは喜びを全身で表しながらささやかな幸福を噛み締めていた・・・俺に子供を全て取り上げられるまでは。 目の前で初めて生んだ子供達が子猫によって引き裂かれ、潰される度に嘆きに満ちた咆哮を上げ、俺に油を掛けて焼き殺され 電動ガンのフルオート射撃で赤緑のシミに変えられる度に恨みに満ちた慟哭をもらす様は実に痛快だった。 子供を1匹残らず責め殺した後はまた俺か子猫の相手をしてズタボロになる毎日、一定期間を置いてから また妊娠、出産、産んだ子供全てを物言わぬ肉塊に・・・これを繰り返して散々楽しんだ。 もっとも最近はマンネリ打破のためにちょっとしたルールを付け加えた、産まれた子供を水槽の外に出した後、 俺の決めた時間を超過して子猫から逃げ切れば殺さずに返してやると約束したのだ。延々と続く地獄の中で与えられた 蜘蛛の糸より儚く細い希望にこいつは縋った・・・縋らざるを得なかった。そんな訳で今日もまた滑稽な、しかし長女と その子供にとっては必死の鬼ごっこが続いていた。 「逃げるテチュ!後少しテチュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」 「レェェェェ・・・もうダメレチュ・・・レ?」 「ナーオ・・・」 「レチュァァァァ?!こ、ころさなビヂャッ!!」 「お、オネエチャーン!」 「テェェェェェェ!!お前だけでも逃げるテチュ、もう少しテチュゥゥゥゥゥ!!」 「ママァ・・・が、頑張るレチュゥゥゥゥ!!」 地獄の鬼ごっこも後少し・・・ほほう今回は本当に生き残りが出そうだな?5・4・3・2・1・・・・ 「ほい、時間終了!これにて一旦終了だ」 「テ・・・テチャァァァァァァァ!やったテチュ、お前は助かったテチュゥゥゥゥゥゥ!!!」 「レチィ・・・?ママ!ママァァァァァァァ!!」 俺は一旦子猫をこいつ用のケージの中に入れ親指に手を出せないようにした後、精根尽き果てて へたり込んでいる親指を摘まんで長女のところまで歩いていく。 「よーく頑張ったな、正直意外だったぞ?今回も全滅かと思ってたけど」 「ママァ!怖かったレチュ、でもワタチ頑張ったレチュゥ!」 「偉いテチュ、お前はママの自慢の子供テチュゥゥゥゥ!!!」 「はっはっは、小さくても親ばかだねぇお前さんは」 「じ、自分の子供を可愛がるのはママとして当然テチュ!さあ、その子を返してテチュ!」 「はいはい、約束どおり返してやるよ。ほれ」 「レ?」 「テ?」 俺は催促する長女に応えて摘まんでいた親指を離してやった—————俺の胸の高さから。 「レチャァァァァァァァァァァァァァァァ・・・リュベッ!!!」 極小の時間ダイビングを経験した親指はそのまま長女の目の前の床に激突してミンチになった。 呆然とした表情で目の前の肉片を見つめる長女、おそらく感情と理性の双方が現状を理解する事を拒んでいるのだろう。 しかしいくら現実から目を背けても何かが変わる訳が無い、目の前に散らばる肉片はさっきまで自分の所に生きて帰れると 嬉しそうにしていた愛しい我が子のなれの果て・・・硬直していた体がブルブルと震えだし、次の瞬間絶叫が迸った。 「テヂャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!??」 「あーごめんごめん、親指の体じゃこの高さから返したらそうなっちゃう事を失念していたよ」 「ヂュアァァァァァァァァッァァ!!!ワダヂノ!ワダヂノゴドモガァァァァァァァァァァ!!!」 「まーまー今回は初めてなんでこういうトラブルは付き物だよ、次回は更に頑張ってくれたまえ♪」 「ギビィィィィィィィィィィ!!ゴドモ!ゴドモガエジデェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」 長女が凄まじい叫び声を上げ続ける水槽から離れると掃除用具を取り出して床に散らばった親指たちの残骸を 拾い集め清掃していく、次はどんな手を使ってこいつで遊ぼうとか頭の中で想像しながら。そう、こいつは「玩具」、 俺の楽しみの為だけに苦しみ、泣き、叫び、絶望する事を許された「生きた玩具」なのだから・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○後書き 実家に帰省したら両の手に乗るくらいのちっちゃな子猫が新しく家族になっていたので そのやんちゃぶりに刺激されて初スクに挑戦してみましたが・・・長い!長いよママン! 内容も作中に書いたような欠点満載ですし。上手な文章を書ける人が羨ましいですOTL こんな駄文でも最後まで読んでくださりどうもありがとうございました。
