「へぇ、実蒼石飼うことにしたんだ」 同じ大学の明子に昨日のことを話した。 明子とは小学からの付き合いの腐れ縁の仲だ。それだけに気兼ねなく話せたりもするしお互いを良く知っている。 実装についても相談したことがある。 「じゃあ今度さ、うちのスカーレット連れて行ってもいい?」 スカーレットは明子が飼っている実装紅だ。何度か明子の家に行ったときに紅茶を出してもらったことがある。 空も友達ができればいいよな。 「おう、いいぜ。育てるときのコツとかも聞きたいしな。今度の日曜なんてどうだ?」 「うんいいよ。じゃあ10時位にそっち行くから」 「おう、じゃ日曜10時に」 お互い確認を取りそれぞれ講義を受けに行った。 としあき自宅付近 「デププ、たらふく食ってやるデス〜ン」 「ママ、早く食べたいテチ!」 「他の奴らに取られないうちに急ぐテチ!」 「レフ〜ン」 「あわてるなデス。聞いたところによれば、ここら辺には最高の餌場あるとの話デス」 親実装と仔実装2匹に蛆1匹の家族は腹を早く満たしたいことで急いでいた。 この親子ここ数日、満足に食事を摂っていない親子であり、最近話題のとしあきの家の話を聞いてやってきたのだ。 既に外へ出ていた空は気配を消し、実装親子の様子を伺っていながら昨日としあきに言われたことを思い出した。 「空、さっきは退治してくれって言ったけど1回警告してからだぞ。それで引き返すんなら、もう来ないだろうから見逃してやってくれ。」 「はい、マスター」 マスターは優しい。いわゆるお人好しというやつなのだろう。そんなマスターを苦しめてたなんて許せないけどいわれたことははしなくちゃ 「ねぇ、君たち帰ってくれない?マスターに君たちを近づけないように言われてね。仲間にも伝えてくれる?手荒なことはしたくないんだ。」 「デデ!何処から出てきたデスゥ!」 「テチャァ!ママ!蒼い奴テチャァ!殺されるテチ!」 「助けてテチー!」 「レフー」 いきなり出てきた実蒼石に最初は驚いていた親子だがしだいに食事の邪魔をされたことに怒りだした。 「何ふざけたこと言ってるデズァ!お前こそどかないとぶち殺すぞデスゥ!」 「そうテチ!さっさとどくテチ!」 「ワタチたちに殺されたいテチ!」 「レフー」 あまりにも低俗すぎてため息が出る。 「ふー、帰る気はないんだね?」 「当たり前デズゥ!いいからそこをどくデス!」 「警告はしたよ・・・」 スパンッ 仔実装の一匹の腕が一瞬で消えた。 「テチュアアアアアアアアアアア!!!!!」 「な、何てことす・デ!!」 「うるさいなぁ、ちょっとおとなしくしてもらうよ。そうだお腹がすいてるんだよね?これでも食べててよ」 親実装の体を地面に押し付け、先程切り取った仔の腕を親に食わせた。 「どうだい?おいしい?君たちは同属食いもするんだろ?お腹が減ったら自分の仔や他の仔を食えばいいじゃないか。」 もがもがと最初はもがいていた親だがすぐに腕をたいらげ物足りなさそうに仔実装を見始めた。 「はは、同属食いにはまったようだね。まだ残りもあるんだし食べれば?」 空の一言に仔実装は震え上がった。 「テチーーーー!!!!ママは、かわいいワタチを食べるなんてことはするわけないテチ!」 「そうテチ!ママ、早くそいつをやっつけてテチ!そしてワタチの腕の仇もとってテチ!・・・ママ?」 「肉ー、肉デスゥ、肉食わせろデスゥウウウウウウ!!!!!」 だがそこには自分をかわいがってくれた母親はなく、ただ食欲に支配された実装がいた。 「テチャアアアアアアア!!!!!ママ!!!ママ!!!いやテチィ!!!」 「痛いテチ!ヤメテチ!食べないでテチー!!!!!」 「レフーン?」 最後まで母親を呼んでいた仔と何も知らない蛆は瞬く間に食われた。 「あーあ、よほどお腹すいてたんだろうね。中途半端に腹に入った分よけいに空腹感が出たんだね。歯止めがきかないくらいに」 食い終わった親は空腹感が少し戻され正気に戻った。 「デスゥ?私は何を・・・あれこの血は何デス?子供達もいないデスゥ」 親は自分が仔を食ったことは覚えておらず、血がついた手と口にわずかに残った肉と子供がいないことに気づいた。 「いないよ。自分で食べたじゃないか?」 「デデ!この高貴な私がするわけないデスゥ!お前が殺したデス!!!子供の仇デスゥ!!!」 次の瞬間バラバラになった実装の死体があった。 「はー、やれやれ結局こうなったか。ま、そこそこ楽しかったからいいけど」 親は逃がして同属に近づかないように知らせようとしたが、これでは無理である。 「ま、これはこれでいいけど。マスターが帰ってくるまで退屈はしなさそうだ。」 「ただいまー、空ー」 マスターが帰ってきたようだ。 「おかえりなさい、マスターお疲れ様でした。」 「おう、空、今度の日曜に友達ができるかもしれないぞ」 「本当ですか!?」 続く ここまでお読みくださりありがとうございます。 あいかわらずのダメな話でございますが暇つぶしにでもなっていただけたら幸いです。
