最近、巷では蛆実装が大人気のようだ。 どうも、あの純真な思考が女子に受けたようだ。 そんな中、とある会社の工場のとある部屋に500匹の蛆実装が大きな箱に集められていた。 部屋には窓が無く、あるのは蛆実装が入っている箱とその箱を載せている机と それよりも2回り小さな机があった。 蛆実装達まだ朝の7時と言うこともあり、皆「レフ〜、レフ〜」と寝息を立てて良く眠っている。 そんな蛆実装達が眠っている部屋が突然明るくなった。 何十匹かはその明かりのせいで起きたようだが、ほとんどがまだ眠っている状態だった。 そのためか、起きた蛆実装も全員が欠伸をした後、二度寝してしまった。 しばらくして部屋のドアが開き、男が荷物を持って入ってきた。 男は『またですか』と思いながら手を叩いて蛆実装を起こした。 「は〜い。皆さん起きてください。起きないと御飯抜きですよ。」 その言葉を聞いた蛆実装のほとんどは一斉に起きた。 「御飯抜きはイヤレフ。」 「御飯食べたいレフ。」 「御飯も食べたいけどプニプニもして欲しいレフ。」 「プニプニもして欲しいけどウンチもしたいレフ。」 「もうウンチ出ちゃったレフ。気持ち良いレフ〜♪」 蛆実装達は、皆好き勝手に騒ぎながらレフレフと鳴き始めた。 そんな中でも未だに寝ている蛆実装20匹を手元の小さな水槽に入れた。 それらの蛆実装は未だに眠り続けている。 『ここまでされてまだ起きないとは鈍いのか、肝が据わっているのか、馬鹿なのか…』 と呆れながら男は話を続けた。 「はい。皆さん起きましたね。静かにしてくださいね。 それではこれからテストを行います。」 「レフ?」 「テストって何レフ?」 「知らないレフ。それよりニンゲンさんは誰レフ?」 「知らないレフ。それよりママはどこレフ?」 「知らないレフ。それより御飯はどこレフ?」 「知らないレフ。それよりウンチレフ。ウンチが出そうレフ。…(ブリブリ)また出たレフ♪」 「はいはい。静かにしましょうね。静かにしないと御飯抜きですよ。」 「イヤレフ!イヤレフ!御飯抜きはイヤレフ!」 「そうレフ。御飯抜きはイヤレフ!だから静かにするレフ!」 やはり蛆実装なのだろう。自分で静かにするように言いながら自分が一番大声で騒いでいる。 男は持ってきた荷物の中からあるものを取り出し、それを蛆実装達に見せつけて話しかけた。 「はい、みなさん。注目!コレはなんでしょう?」 「レフ?…レフ!?金平糖レフ!金平糖レフ!」 「間違いないレフ!アレは金平糖レフ!」 「食べたいレフ!いっぱい食べたいレフ!」 蛆実装達は一斉に目の色を輝かせた。 初めて見る金平糖によほど興奮しているのだろう。 尻尾をピコピコと振って、涎をだらしなく垂らしながら少しでも金平糖の近くに行こうとして 一斉にこちらに寄ってきた。 そのため男の近くにいた蛆実装の何匹かが潰れてしまった。 男は先程回収した蛆実装を一匹取り出し、未だに寝ている蛆実装を軽くデコピンして起こした。 「レピャ!?…レフ〜?ここはどこレフ?」 「おはようございます。お寝坊さんな君にはコレをあげましょう。」 「レフ〜?レフ!?金平糖レフ!食べたいレフ!」 「いいですよ。コレは君のモノです。好きなだけ食べてもいいですよ。」 「嬉しいレフ〜♪ニンゲンさんありがとうレフ♪」 そう言って男の机の前に置かれた金平糖を、蛆実装は喜んで舐め始めた。 その光景を見た他の蛆実装達が一斉に泣きながら抗議の声を上げた。 「ワタチも食べたいレフ。」 「なんでニンゲンさんは意地悪するレフ。ワタチもいっぱい食べたいレフ。」 「お腹プニプにさせてあげるレフ。金平糖食べさせて欲しいレフ。」 「ウンチするの我慢するレフ。金平糖食べさせてレフ。」 男はそんな蛆実装の抗議を一切無視して腕時計を見ていた。 そして、10秒ほど経過したとき、 「は〜い。皆さん。注目!これからのコレを食べた蛆実装がどうなるかよく見ているように。」 「レフ?」 先程まで抗議していた蛆実装達がピタリと鳴き止んだ。 そしてジッと金平糖を舐めている蛆実装を見ている。 「何も起きないレフ。」 「起きないレフ。…金平糖をたべ、レフ!?」 言いかけた蛆実装は驚いて脱糞した。 先程まで嬉しそうに金平糖を舐めていた蛆実装の口、鼻、目から大量に血が流れ出し 苦しそうにピクッ、ピクッと痙攣しているのである。 「レピャァ!?あの蛆ちゃん、おかしいレフ!いっぱい血を流して苦しそうレフ!」 蛆実装はそれでも目の前の金平糖を舐めようとしている。 そんな蛆実装の動きが止まると、今度は総排泄孔からも血を流し 全身をガクガクと痙攣させて泣きだした。 「レピャ〜。痛いレフ!体中が痛いレフ!ウンチもドンドン出るレフ。 ニンゲンさん助けてレフ!痛いのはイヤレフ!」 蛆実装はのた打ち回りながら男に助けを求めた。 しかし、男は何の反応も見せずにただ黙って蛆実装を見ているだけだった。 「痛いレフ!痛いレフ!痛いレ(グチャ」 蛆実装はそのまま机から転げ落ちて床の緑の染みとなった。 よく見れば床には緑の染みが大量にあった。 おそらく、先程と同じような蛆実装が以前に何匹もいたのだろう。 それらを一部始終見ていた蛆実装達は、顔面を真っ青にして糞が垂れ流し状態になっている。 そんな中、男がとても陽気に 「ハイ、皆さんよく見ていましたね。私の言うことを聞かないとこうなりますよ。 また、テストに不合格になってもこんな事になるかもしれないです。いいですね?」 レ、レピャァァァァァァ! パキンッ!パキンッ!パキンッ!パキンッ!… 蛆実装達は一斉に悲鳴を上げた。 何匹かの蛆実装はそのまま偽石を自壊させて動かなくなった。 男は淡々と死んだ蛆実装を机の横のゴミ箱に入れていく。 それらの作業を終えて再び机の前に立つと 「それではテストの内容を言います。テストは体力と運を試すテストです。 ちなみに知力は問いません。蛆実装のあなた達に知力なんて最初から求めていません。」 「な、…なんで酷い事するレフ!」 「そ、そうレフ!」 「あれ?言ってませんでした? このテストに合格すればお店で売ってもらえることになるんですけど?」 「レフ!?飼い実装になれるレフ!?」 「そうレフ!お店で売ってもらえるレフ!」 「買ってもらえれば金平糖食べ放題レフ!」 「プニプニされ放題レフ!」 「ウンチやり放題レフ!(ブリブリ)」 「テストがイヤなんですか?それじゃあテストは止めますか?」 「「「「「ヤルレフ!」」」」」 蛆実装達は気合十分の返事を男にした。 コレほど士気の高い蛆実装は普通なかなか見れないだろう。 やはり蛆実装と言えども、店で売られると言うのは嬉しい事なのだろう。 買われた後どういう扱いになるかは買った人しだいなのに…。 蛆実装の士気がさめないうちにテストを開始することにした。 「それでは最初のテストをします。まず最初は短距離走です。 短距離と言ってもあなた達にとってはかなりの距離だと思われますが がんばって完走してください。」 「何でそんなことするレフ?」 「生きていくためには体力が無いといけません。 野性の世界では体力の無いものから死んでいきます。 あなた達にはそんな野生の体力が必要なのです。」 「レフ?」 そう言って男は、疑問符を浮かべた顔をしている蛆を20匹ずつに分けて ゲージに入れると、それらのゲージを台車に載せて部屋を出て行った。 ゲージは黒く塗りつぶされているため中から外を見ることは出来ない。 そのためか、蛆実装達は不安になっていた。 ソレを察した男が 「心配しなくても大丈夫です。今、テスト会場に移動しています。 一つのテストに合格すれば金平糖が一匹につき一つ与えられます。」 「「「「「レフ〜♪」」」」」 男の言葉を聴いた蛆実装達は一斉に歓喜の声を上げた。 しばらくして、男はある部屋に入った。 そして、ゲージを一つ取り出し、蛆実装達をとりだして長さ20m程の台の上に乗せた。 「それでは短距離走のテストを開始します。一組目はあなた達です。 方法は問いません。ひたすら向こう側に向かって走って…いえ、這いずっていってください。 ただし、制限時間があります。制限時間は8分です。秒速5cmで這いずればお釣りが来るほどです。 それではスタート!」 蛆実装達は男の声に反応して一斉にゴールに向かって這いずりだした。 ほとんど横一列に並んで進んでいる。 最初の1メートルに差し掛かったとき、男はあるスイッチを押した。 すると2匹の蛆実装が突然床に空いた穴に落ちていった。 「「レピャアアァァ…(グチャッ)」」 落ちた2匹の隣にいた蛆実装は訳がわからず、驚いて穴を見ながら止まっていた。 当然と言えば当然だろう。すぐ隣にいた蛆実装がいきなり消えたようにして落ちていったのだから。 そこで男が蛆実装達に説明した。 「スイマセン。言い忘れていました。 このコースには色々と罠が仕掛けてあります。それらを突破してください。 突破と言うよりも罠に引っ掛からないで進んでください。 罠は1メートル毎に仕掛けてあります。一番早い蛆実装がそのポイントに到達したら罠が作動します。 どこの罠が作動するかは私にも分かりません。 もしかしたらすでに進んだところの罠が作動するかもしれませんし、ずっと前方の罠が作動するかもしれません。 コレも運です。がんばって走破してください。」 「レフ〜。酷いレフ。なんでワタチがこんな目にあわないといけないレフ。」 「無駄口を叩く暇があったらさっさと這いずってください。」 「レピャア!」 「あ〜あ、そう言っている間に一匹が串刺しになってしまいましたね。」 男の言葉で蛆実装達は糞を垂れ流しながら震えて止まってしまった。 男はため息をつきながら、 「あ〜、時間内に辿り着けないと失格になりますよ。 そうなると死んじゃいますよ。リタイアを選んで死にますか? それともテストに合格してお店で売られますか?」 「「「レフゥ〜。」」」 男の言葉を聴き、蛆実装達は泣きながら再び這いずり始めた。 途中さらに5匹の蛆実装が罠に掛かりその命を落とした。 男は完走した蛆実装達を別の大きなゲージ入れ、金平糖を入れてあげた。 「はい、ご苦労様です。コレは先程約束していた金平糖です。 次のテストまでコレでも舐めて休んでいてください。」 「レフ〜♪金平糖甘いレフ♪」 「おいしいレフ♪」 「ニンゲンさん、プニプニして欲しいレフ。プニプニしてレフ。」 「ウンチでそうレフ。ウンチでそうレフ。ウンチ出そ…(ブリブリ)いっぱい出たレフ♪」 蛆実装達は先程まで男を非難していた事など、金平糖を与えられた時点でで忘れてしまったようだ。 男は毎回ウンチを漏らしている蛆実装に呆れながら 先程プニプニを頼んできた蛆実装に向かって告げた。 「すいません。次のグループの準備があるので今はプニプニはできません。」 「レフ〜。今すぐして欲しいレフ。」 「心配しなくても、もうすぐ死ぬほどプニプニしてあげますから我慢してください。」 「レフレフ〜♪楽しみレフ♪」 男は笑顔で蛆実装にそう告げるとゲージの蓋を閉じた。 そして、次のグループを台の上に乗せて先程と同じようにテストを開始した。 最初500匹いた実装石がこのテスト終了時には半分程にまで減っていた。 いつもなら300匹以上が残っているのだが 今回担当したグループはどうやら運が余り無いようだった。 男はゲージを台車に載せて次のテスト会場に向かっていた。 台車に乗っているゲージの中では、蛆実装達が金平糖を舐めたり寝たりと好きなようにすごしている。 まさに至福の時間だろう。 そんな蛆実装を少しだけ微笑ましく思いながら男は次のテスト会場の扉を開けた。 ゲージから全ての蛆実装を取り出し、台の上に乗せ仰向けにしてセロハンテープで固定した。 蛆実装体は呑気に「プニプニしてくれるレフ?」などと言っている。 263匹の蛆実装を台にセットすると男は蛆実装に言った。 「これからあなた達にプニプニをします。」 「「「「「レフレフ〜♪」」」」」 蛆実装達は大喜びだ。 それらを無視して男はテレビの電源をつけた。 そしてリモコンを操作しながら蛆実装達にテストの内容を説明し始めた。 「ただし、コレはテストです。 テストの内容は1時間プニプニに耐える事です。」 「楽勝レフ♪」 「楽しみレフ♪」 「もっとしてもいいレフ。もっとプニプニして欲しいレフ。」 蛆実装達は皆嬉しそうに男に話した。 確かに蛆実装にとってプニプニは嬉しいのだろう。 だが、普通長くても10分程度だろう。 ソレを6倍の1時間もするのだから、かなりの体力が必要となる。 人間だって全力で1時間連続して笑っていたらかなり辛い。 イヤ、辛い所ではないだろう。 蛆実装はそこを分かっていなかった。 「それではこのテストを受けた蛆実装がどうなるか見てもらいましょう。」 そう言って男は再生ボタンを押した。 画面に映し出されたのは今いる蛆実装と同じように台に固定された蛆実装が映っていた。 その蛆実装に機械で出来ている人間の手そっくりのロボットハンドが近づき 一斉に蛆実装達をプニプニし始めた。 その瞬間蛆実装達は皆一斉に 『レピャピャピャ♪』 『レフ〜♪レフ〜♪』 等と歓喜の声を上げた。 ただお腹を押すだけではなく、お腹を撫でたりもしている。 蛆実装の顔を見てみると、よほど気持ちいいのだろう。 完全に悦に入っている顔になっていて、涎をたらしている。 よく見れば失禁もしている。 その映像を見た蛆実装達は 「羨ましいレフ。」 「ワタチもあんなにプニプニされたいレフ♪」 「ニンゲンさん早くプニプニしてレフ。」 と言ってテストを開始するように言ってきた。 男はそれらを無視してリモコンの早送りを押した。 そしてある場面に来たとき再び再生を押し、蛆実装達に画面に注目するように言った。 「いいですか。これから起こる事をよく見ていてください。」 そう言って再び画面に向かうと、そこには一匹の蛆実装が映っていた。 しかし、先程の嬉しそうな顔の蛆実装ではなかった。 顔は笑っているのだが、かなり苦しそうだ。 酸欠に陥っているためか青紫色になっている。 総排泄孔から糞と涎と涙を垂れ流しながら、必死に逃げようとしている。 手足と尻尾をピコピコと動かして抵抗しているつもりなのだろう。 『レピャ、レピャ♪もう止めてレフ♪もうプニプに入らないレフ。レピャピャピャ♪』 『レピャレピャレピャ♪く、苦しいレフ。もうイヤレフレッフ〜ン♪』 同じ様な泣き声がいくつも聞こえてくる。 どうやらこの蛆実装だけではないようだ。 この映像を見ていた蛆実装達は、一体何事だと目を丸くして声を失っている。 「あ、すいません。間違えました。もうちょっと先ですね。」 男はさらに早送りをして、再び再生を押した。 今度は別の蛆実装が映っている。 この蛆実装はすでに声を出す体力が無いようだ。 ロボットハンドが蛆実装のお腹を撫でると、ビクンッビクンッと痙攣だけを繰り返している。 目は焦点が合っていなく、体中の穴と言う穴からあらゆる体液を垂れ流し状態になっている。 その瞬間、男は停止ボタンを押し画面を停止させ蛆実装達の方に向かって言った。 「いいですか。よく見てくださいね。ここからが大事ですよ。」 蛆実装達はゴクンッと唾を飲み込み画面を凝視した。 男は再生ボタンを押して数秒たった時、 画面に移っていた蛆実装が、突然ロボットハンドに押し潰された。 映っていた蛆実装は、断末魔を上げることなく絶命した。 男はその映像が終わるとテレビの電源を消し、蛆実装し向かって話しかけた。 「わかりましたか?この機械はランダムであなた達を潰します。 もしかしたら、開始直後に潰されるかもしれません。もしかしたら、誰も潰されないかもしれません。 ちなみにこの機械に潰された蛆実装の平均は10匹中2匹です。 といってもあなた達には分からないでしょう。 とにかくひたすら耐えてください。コレも運を試すテストのようなものです。 それでは1時間後に会いましょう。」 レピャアアアアアアアア! パキンッ!パキンッ!… 十数匹の蛆実装が偽石を自壊させた。 やはり先程の映像は蛆実装には衝撃的だったのだろう。 男は機械のスイッチを入れて部屋を出た。 すると部屋からは 「レフゥ〜ン♪レフゥ〜ン♪」 「レピャレピャレピャピャピャ♪」 「レフレフ〜♪」 と様々な鳴き声がした。 笑っているような鳴き声なのに、どことなく絶望した声のような気がした。 1時間後、男は部屋に戻ってきた。 どうやら半数は生き残っていたようだ。 男は生き残っている蛆実装をゲージに入れると、金平糖を与えてやった。 だが、今の蛆実装達に金平糖を食べる体力は残っていないようで 皆ピクリとも動かずに死んだように寝ている。 男は死んだ蛆実装と蛆実装の糞等をかき集めて機械の横のゴミ箱に入れた。 どうやら死んだ蛆実装の半分は機械で潰されたようだ。 その他は苦痛から逃げるために笑いながら偽石を自壊させたようだ。 ある意味幸せな死に方だろう。 「あ、次のテスト会場空いてますね。 …それじゃあ時間もある事ですし、行ってみましょうか。」 男は蛆実装達を入れたゲージを次のテスト会場に運んだ。 テスト会場に着いた男は蛆実装達を起こした。 「はい、みなさん。起きてください。 起きない人はテスト失格になりますよ。」 「レフ〜、レフ〜。」 しかし、蛆実装達は未だに寝たままだった。 確かに先程のテストで精根尽き果てたといった様子だったが テストはまだ2つもある。 これらに合格して晴れて店で売られるのである。 それ以外は皆処分される。 男はもう一度大きな声で蛆実装達を起こした。 「みなさ〜ん!起きてくださ〜い! テストですよ!金平糖食べたくないのですか〜?」 「「「「「レフ!?金平糖レフ!食べたいレフ!」」」」」 どうやら金平糖の言葉に反応して一斉に起きたようだ。 しかし、やはりどこと鳴く元気が無い。 しかし男は無視して 「それでは次のテストに入ります。 次のテストは簡単です。息を止めるだけです。 規定時間以上息を止めていれば合格です。」 「簡単レフ♪」 「こんなのを待っていたレフ♪」 「金平糖おいしいレフ〜♪」 蛆実装達は少しだけ元気が出てきたようだ。 そのためか先程入れた金平糖を舐めながら元気に尻尾を振っている。 「ただし!」 「レフ?」 「息を止めるときは水の中に入ってもらいます。」 「レフェ!?」 蛆実装達は一斉に驚いた。 実装石は基本的に泳げない。 体の構造が、泳ぐと言う行為に全く適していないのである。 そんな実装石の未熟児である蛆実装にとって、 水の中とはまさに最悪の場所といっても過言ではない。 蛆実装達は本能でそのことを分かっているようだ。 「あ、皆さんが心配している事は大体分かっています。 そのための対策はちゃんとしています。安心してください。」 「溺れたらニンゲンさんが助けてくれるレフ?」 「あなた!なかなか鋭いですね。正解です。」 「レフ〜♪」 「蛆ちゃんすごいレフ!ニンゲンさんに褒められたレフ。」 「条件がありますけどね。」 男に鋭いと言われた蛆実装はどこか誇らしげだった。 男の最後の言葉を理解していたら、そんなに呑気に喜んでいられないのだが。 蛆実装達は男に褒められた蛆実装を自分のように褒め称えていた。 その辺は糞蟲と呼ばれる実装石とは違うのだと実感させられる。 「あなた達は基本的に水に浮きません。浮いたとしても最初の数秒から十数秒の間でしょう。 ですから、こちらで足場を作りました。 そこに一列に並んでください。そして足場ごと水に沈めます。 沈めるといっても10センチほどです。」 そう言って男は蛆実装達を網の上に乗せていった。 さすがに水の上にいるだけあって、ほとんどの蛆実装はその恐怖に震えていた。 「掴まっていれば空気を吸って潜っても浮きません。 もし、浮いてしまったらもう一度テストです。」 男は蛆実装達に微笑みながらテストの内容を説明し始めた。 「それではまず練習しましょう。 あ、このテストに合格するには30秒間息を止めることができれば合格です。 ちなみにこのテストの合格率は50%です。 それじゃあ練習をしましょうか。」 「レフ〜。」 「その前に私からのアドバイスを一つ。 息を思いっきり吸うだけじゃなくて 小刻みに息を吸ったりはいたりした後、思いっきり息を吸うといいでしょう。 私からのアドバイスは以上です。」 「レフ〜?意味が分からないレフ。」 「そうでしょうね。私も言葉の意味が通じるとは思っていませんから。 それじゃあ、息を大きく吸ってください。…スタート!」 「レフ!」 蛆実装達は一斉に口を膨らませて息を止めた。 やはり男のアドバイスは全く役に立っていないようだ。 そんな中何匹かはすでに止めていた息を吐いて、普通に呼吸をしていた。 最初の10秒はどうにか耐えていたが、20秒を過ぎると蛆実装の顔が赤から青になってきた。 そして、25秒を過ぎるとほとんどの者が限界を超えたらしく、苦しそうに息を吸っていた。 男が終了の合図をしたとき、何匹かは顔を真っ青にしながらもまだ息を止めていた。 男は『この蛆実装達は見込みがある。』と思った。 「それではいよいよ本番です。しっかり網に掴まっていてください。 空気を吸って水に入ると多少浮力を得るため、浮いてしまうときがあります。 先程も言いましたが、30秒の間に浮いてしまったりしたらその方達はやり直しです。」 「レフ!」 先程褒めた蛆実装が気合の入った掛け声を出した。 褒められたのがよほど嬉しかったのだろう。 明らかに他の蛆実装達との気合が違う。 「それでは後10秒後に水に入れますね。 皆さん準備して置いてください。 5秒前、4,3,2,1、スタート!」 一斉に水の中に入った蛆実装達。 開始5秒で30匹程が溺れているのを発見した男は、すぐさま救助し台の上に乗せた。 どうやら息を止めずに、水の中で息を吸おうとして水を飲んでしまったり、手を離してしまったりしたようだ。 そのほかの蛆実装達は順調なようだ。 15秒が経過したとき先程気合の入った蛆実装のところで大きな泡が浮いてきた。 どうやら息を吐いてしまったようだ。 このテストは自力で水面まで達したら救助されるが、浮いてこない場合は救助されないというルールがあった。 そのため男は『あの蛆実装、このままでは確実に溺死ですね。』と確信してても、 先程救助された蛆実装のように救助には向かわなかった。 25秒が過ぎ、大抵の蛆実装が限界を迎えているはずである。 このときには幾つかの息を吐いたと思われる泡が確認できている。 目算で3分の1はすでにリタイアしている。 そして30秒立った瞬間男は網を引き上げた。 どうやら目算通り70匹ほどは生き残っていた。 残りの30匹ほどはどうやら息を吐いたため、体の中に水が入り浮力を得ることが出来ず 沈んだまま命を落としたようだ。 死んだ蛆実装達のほとんどが溺死状態だった。 たまに、苦しくても息を吐かずにいて窒息して死ぬなどある。 その場合、浮いてくれば救助し蘇生できれば再テストになる。 男は合格した蛆実装を優しく摘んでタオルを敷き詰めたゲージに入れてやる。 そして、男は実装活性剤を希釈した溶液を金平糖に塗り、合格した蛆実装達に与えた。 そして、再テスト組をもう一度網に乗せ、テストを再開した。 結局、再テスト組で合格したのがわずかに4匹。 再テストで合格した蛆実装達を先に合格した蛆実装達と同じゲージに入れ 人数分金平糖を与えた。 「それでは次のテストに行こうと思います。」 「…」 蛆実装達はプニプニテストが終わった後よりもグッタリしている。 やはり蛆実装には過酷過ぎるテストのようだ。 恐らく蛆実装達は『もう、テストは受けたくない。』と思っているだろう。 しかし『死ぬのもイヤだ。』と思っているはずだ。 そんな考えを男は分かっているかのように言った。 「行こうと思いますが、皆さんかなりお疲れのようですね。 そのためテストは明日にしようと思います。 それまでにしっかりと体を休めて置いてください。」 男の声を聞いて蛆実装達の顔に生気が戻って来た。 「いや〜。ほんとはさっきのテストは明日でも良かったんですけどね。 いけるかな?って思ってつい調子乗ってやっちゃいました。」 先程喜んでいた顔が怒りの顔に変わっていた。 当然と言えば当然であろう。 男の無責任な態度にさすがの蛆実装達も怒り心頭のようだったが 先程のテストで疲れているため、言い返す気力も無いようだ。 「あ、金平糖やお水はいくらでも要求してください。 ちゃんと支給しますので。 それでは、明日また会いましょう。」 そう言って男はゲージの蓋を占めてどこかに行ってしまった。 蛆実装達は不安になりながらも、まずは疲れた体を癒すために眠りついた。 翌日、蛆実装達は元気になっていた。 ある者は金平糖を舐め、ある者は未だに寝ていて、ある物は気持ちよく糞をしている。 蛆実装達は昨日のことは完全に忘れて、皆思い思いの事をしている。 そんな蛆実装が楽しく遊んでいる中、男がやってきた。 「あ、ニンゲンさんレフ。おはようレフ。」 「ニンゲンさん、ニンゲンさん。お腹プニプニしてレフ。」 「ウンチ出ちゃったから綺麗にしてレフ。」 「頭ナデナデしてレフ〜♪」 やはり蛆実装は能天気なものである。 『昨日あれほどプニプニされて死にかけたというのに、 まだプニプニを要求するとは驚きですね。』 男はたまにその忘れっぽさが羨ましくあった。 男はゲージに入った蛆実装を台車に乗せてテスト会場に向かった。 部屋には机と椅子、そして机の上にゲージがあるだけだった。 「はい、皆さん。おはようございます。 昨日はよく眠れませしたか?」 「レフ〜。いっぱいいっぱい寝たレフ。」 「お腹は減っていませんね?」 「いっぱい金平糖食べたレフ。おいしかったレフ♪」 「分かりませいた。それじゃあ最終テストを始めますね。」 「レフ?テストって何レフ?」 「…」 やはり蛆実装はテストの存在自体を記憶から消していたようだ。 毎度のことながら男は呆れていた。 男は気を取り直して 「いいですか?このテストに合格すれば晴れてお店で売られることになります。」 「レフ〜♪飼い実装レフ♪」 「プニプニしてくれるレフ〜♪」 蛆実装達がレフレフと騒ぎ始めた。 男は静かにするように蛆実装達に注意をした。 が、当然言うことは聞かなかった。 そこで、男は昨日最初に間引いた蛆実装を1匹取り出した。 昨日から全く餌も水も与えられていないのだろう。 ゲッソリとして肌に艶もなく、顔に生気がなかった。 「さあ、コレをお食べなさい。」 男は笑顔でその蛆実装にポケットから出したものを与えた。 「ありがとうレフ。昨日からお腹ペコペコレフ。死んじゃうと思ったレフ。」 「そうですか。それは申し訳ないことをしました。」 「レフ〜♪レフ〜♪甘いレフ〜。美味しいレピャア!」 「「「「「レフ!?」」」」」 突然の蛆実装の悲鳴にゲージの中の蛆実装達が一斉にこちらを見た。 先程まで男と話していた蛆実装が舐めていたのは、実装コロリである。 そのため、全身から血を噴出しながらのた打ち回り、泡を吹いて死んだ。 ソレを見ていた蛆実装達は目を丸くして目の前の光景に驚いていた。 「昨日も言いましたけど、私の言うことを聞いてくれないとこんな風になりますよ?」 「レ、レフレフ。」 蛆実装達は脱糞しながらお互いに寄り添ってガクガクと震えていた。 男はとりあえず静かになったところで最終テストの話を始めた。 「最終テストですが、最後は痛みに耐えるテストです。 外には危険がいっぱいです。 予め、一寸した痛みに耐えれるようにしなくてはなりません。 そこでこれからあなた達をこの針でチクチクさせていただきます。 ある程度チクチクして生きていたら合格です。」 そう言って男は一匹の蛆を摘んで台の上に乗せた。 蛆実装は涙目になりながらイヤイヤと首を横に振って抵抗した。 男は蛆実装を摘むと一気に服を脱がせた。 蛆実装は予想外の男の行動に驚きつつも、恥ずかしいの体をクネクネさせて 顔を赤らめた。 「ニンゲンさん服返して欲しいレフ。裸じゃ恥ずかしいレフ。」 「大丈夫、大丈夫。それじゃあ刺しますよ〜。」 男はプスッっと蛆実装の尻尾に一刺しすると、蛆実装は レピャアアアアアアア!! 蛆実装は悲鳴を上げた。 そして尻尾や手足をピコピコと動かし、体をくねらせて男の手から逃げようとしている。 が、そんなことで逃げれるわけがなく、男の第二撃目が蛆実装を襲った。 レピャ〜ア、レピャア!レピャアアアア!! 今度は背中を体の半分くらいまで刺した。 レフー、レフー すでに虫の息である。 そこに第三撃目が蛆実装の頭に刺さった。 刺さったといっても頭蓋骨に届くかどうかの深さである。 が、蛆実装には刺激か強すぎたたか、悲鳴を出す前にショック死してしまった。 「う〜ん、残念。テストは不合格です。」 そう言って机の横のゴミ箱に蛆実装を投げ入れた。 そして、次の蛆実装をゲージから取り出し台の上に乗せた。 が、男はあることに気づき、そのままゴミ箱に投げ入れた。 男につかまれた蛆実装は、すでに恐怖から偽石を自壊させていたのだった。 そんな調子で男はドンドン蛆実装のテストを行った。 その結果、最終テストに合格したのは40匹の蛆実装だった。 男はそれらの蛆実装を治療し、広い水槽の中に入れてやった。 蛆実装達が完全復活する頃には夜になっていた。 「おめでとうございます。あなた達はこの厳しいテストを見事合格しました。 明日には出荷されると思います。」 「やったレフ〜♪飼い実装レフ〜♪」 「今日はゆっくりと最後の晩餐を楽しんでください。 今まで酷い事をしてきたと思いますが、コレも全てあなた達のためを思ってした事です。 それにしても、あなた達とお別れというのもどこか寂しいものですね。」 「レフー…。」 「おっと、湿っぽくなってしまいましたね。 それでは今夜はいっぱい食べて飲んで明日に備えてください。」 「ニンゲンさん。ワタチもニンゲンさんとお別れは寂しいレフ。」 「そうですか。そう言ってもらえて嬉しいですね。出荷されても元気でいてくださいね。」 「レフ。ありがとうレフ。」 「それでは私はこの辺で失礼させてもらいますね。でわ。」 「ニンゲンさ〜ん、バイバイレフ〜!」 男は選別として金平糖と栄養剤を大量に置いて部屋を去っていった。 蛆実装達は涙を流しながら男を見送った。 ************************************************************************************************* 蛆実装達と別れた後、男は別室に移動し上司に電話をかけた。 出荷可能な蛆実装の報告や子の蛆実装を生んだ親実装がもうだめな事や、今後の支持を聞くためだ。 上司との電話が終わり、男はため息をついて自社の商品を眺めた。 「顧客からの評判はそこそこ良いんだけど、このテストって意味あるのだろうか? テストなんかせずに売った方が儲かるような気もするんだけど。」 「高級『ミル実装』」 1kg2500円。 男は次の蛆実装達が待つ部屋へ移動を開始した。
