タイトル:【愛】 『抜袋ウエストゲートパーク』 〜 第4章 〜 荒ぶる者達
ファイル:nukebukuro west gate park4.txt
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初投稿日時:2006/09/23-02:08:50修正日時:2006/09/23-02:08:50
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『抜袋ウエストゲートパーク』 〜 第4章 〜 荒ぶる者達        ◆.TVDMkkF7U


【哀戦師】

 押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!
押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!出忍!

 熱気というか闘気が室内に充満している、何か世間とは隔絶された世界とも感じられる神聖な場所。
ここは数々の伝説の猛者を輩出してきた実践喧嘩空手で有名な抜袋にある 実真会館総本部道場。
漫画の主人公にもなったデス大山が館長を務めているのは皆さんもご存知だろう。
山篭りや牛殺し、道場破りやヤクザや愚連隊との死闘、世界各国での修行など生きるレジェンドだ。

 「ちみたちぃ〜こう バッバッと一撃で倒さないと駄目デスッ」
デス大山の直接指導は言葉だけでは意味不明な点も多いかもしれないが、
みるみる強くなっていく実践的な稽古はとてもわかりやすかった。
押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!押忍!出忍!
フルコンタクト空手という実践想定なのでケガ人どころか死人もでている厳しさだ。
今では世界中に支部があり、競技性が増しつつあるとはいえ。地上最強を目指すからには妥協はない。

 「ちみぃ〜気合が入ってないデスッ 拳に魂込めろデスッ ちみは小さいから人の10倍稽古しないとデスッ」
指導を受けた小さな実装石は目に涙を浮かべて「出忍!」と答える。
「ちみは何故に泣いているのかデスッ 泣くのは親が死んだ時だけにしなさいデスッ」
「出忍!」
 「館長 自分は実践会館を辞めるデス。今までご指導ありがとうございましたデス」
その言葉が出た瞬間に実装石は正拳突きで飛ばされていた。
「何故だ!ちみは未来の実践会館を背負って立つ気構えで入門してきたのではないのかデスッ」
「住み込みの内弟子までして気でも狂ったのかデスッ」

 師範と指導員が館長の前に来て土下座した。
「あいつの事は許してあげてください、私からも頼みます」
「実践会館の名前に傷がつかないようにとの配慮で辞めるつもりなんです」
数日前に母親が何者かに殺されたことや、実装石の24時間イベントでの虐殺予告などがあって
犯人が現れそうな情報があること等を館長は黙って聞いていた。

 「よし 百人組手をやって達成できたら辞めてもよいデスッ」
し〜んと道場が静まり返ってしまった・・・。過去には死人もでている荒行である。
「出忍!ありがとうございますデス。みなさんお願いしますデス」
実装石の目には決意が漲っていた、もう前に進むしかない。今まで培った実真魂を証明するしかない。

自分よりも身体の大きい黒帯の相手を100人倒すのは容易なことではない。
それでも何か闘神が宿ったかのように次々に1本をとっていく。
それでも白い道着が赤く染まっていく頃には、息も絶えだえで身体も触られるだけで激痛が走る程だった。
折り返し地点の50人を越えた時には意識がなくなっていたのではないだろうか?
無意識で繰り出される技は実真空手の枠を超越したモノになっていた。
まるで舞を踊るかのように軽やかに技を受け流し、しなるように力強く撃つ。
後半戦で出てくる各支部の師範や世界選手権のランカーでさえ歯が立たないとは・・・。

 「最後はわたしが相手デスッ わたしを倒して出て行きなさいデスッ」
100人目の組手の相手はデス大山館長が自らかってでてくれたのだった。
対峙するとまるで大きな山のようで、纏うオーラが全然違う。闘わずして勝つという言葉どおりに圧倒的だ。
1歩踏み出すのが数時間かかったように感じる、一瞬が一年にも感じていた。
館長に憧れて強くなりたくて入門したあの日。はじめて声を掛けて貰った時の興奮。
頑丈な拳で突かれて悶絶した日々・・・。内弟子を許可されたときの笑顔。
全ての感謝を一撃に込めて拳をだした、しかしそれは激闘の果てに力尽きようとした本当に弱い突きだった。
チョコン 微動だにしないで構える館長の鍛えられた鋼のような太鼓腹に当たった。
館長は動かなくなった愛弟子の拳を両手で包み込んで静かに言った。
「よくわたしを倒したデスッ ちみはもう破門するから、好きにするデスッ」

 全ての想いを力に変えて闘いなさい、実真会館の道着を脱いでも実真魂を消し去ることは誰にもできはしないよ。
最後まで立ち続けなさい、地上最強の空手を実践し証明してみせなさい。
誇り高き格闘戦士よ、もし倒れたなら立ち上がりなさい。自分を信じて前に進めばそこに答えが待っているだろう。

 力の神よ 戦いの神よ どうかこの子をお守りください。


 実真魂の申し子その名はアイ アイは愛しさのアイ アイは出逢いアイ アイは哀しみのアイ。  


〜第5章へつづく〜

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