性悪実翠石の妃翠ちゃん ② お留守番 ----------------------------------------------------------------------- 留守番中、一通りの家事を終えて暇を持て余していた実翠石の妃翠は、何とはなしに窓の外を見やった。 窓の外、さほど広いとは言えない庭の端では、以前煽って快適なお家から追い出してやった飼い実装のミドリが、 恨めしげな視線を向けてきている。 風雨に晒されたせいか、その姿は野良実装並みにみすぼらしくなっていた。 思わず唇の端が吊り上がる。 ざまあみろです。わたしとご主人さまの仲をいっつも邪魔してきた罰です。 ミドリの方も妃翠に気付いたらしい。 デギャデギャと喚きながら、届きもしないのに糞を投げつけてくる。 出来そこないの不細工な人形が、一際醜く見えた。 舌を出して挑発してやると、より一層怒り狂い、不細工度が増す。 相手にするのも馬鹿馬鹿しくなってきた妃翠は、窓から離れてソファに寝転んだ。 そのまま寂しさを埋めるように、備え付けのクッションを抱きしめる。 ご主人さまが帰って来たら、またミドリが粗相をしていたと言いつけてやろう。 そうしたら、ミドリはまたご主人さまからお仕置きされるだろう。 その後は、いつも通りご主人さまにたくさん甘えるのだ。 抱きついたり、キスしたり、一緒にお風呂に入ったり、エッチしたり……。 そんな事を考えながら、妃翠は主人のいない寂しさを誤魔化した。 早くご主人さまとの赤ちゃんができたらいいのに……。 子宮の上あたりを撫でながら、妃翠は思う。 この点ばかりは、簡単に妊娠出産が出来る糞蟲が羨ましかった。 糞蟲みたいに沢山産んだら、それはそれで育てるのが大変だし、ご主人さまの迷惑になっちゃうけど……。 そんな事をつらつら思っているうちに、眠気がやってきて、妃翠の瞼が重くなる。 ご主人さまがキスして起こしてくれたらいいな、などと思いながら、妃翠は微睡みに身を委ねた。
