実翠石との生活Ⅲ キャンプでの出来事 ----------------------------------------------------------------------- 季節は夏真っ盛り。 秋人は実翠石の裏葉と娘の松葉を連れて、キャンピングカーを借りて山中のオートキャンプ場へと来ていた。 「おお〜!自然がいっぱいです〜!」 瞳を輝かせる松葉に、秋人も裏葉もつられるように笑顔になる。 「パパ、ママ!早く遊びに行きましょうです!」 子供らしいはしゃぎっぷりに、秋人は苦笑混じりに松葉の頭を撫でて言った。 「遊びに行く前に、まずはお昼ご飯を食べて元気をつけような。松葉もご飯の準備を手伝ってくれるかい?」 「はいです!たくさんお手伝いしますです!」 昼食はキャンプ恒例のバーベキューである。 家族三人、準備や後片付けも含めて、楽しい時間が過ぎていった。 そんな秋人達の様子を、このキャンプ場の近辺に住まう山実装の親仔連れが覗き見ていた。 例のごとく、その顔つきは酷く険しい。 『ママ、あいつは何テチ?見てるだけですごくムカムカしてくるテチ』 『・・・あれは実翠石という奴デス』 『ジッスイテチ?』 『そうデス、ニンゲンに媚びるために生まれてきたような、卑しい性根の肉穴人形共デス。 実装種の恥さらしデス』 『・・・小さい方のジッスイは黒髪テチ・・・』 実装石にとって、黒髪はニンゲンと心の底から愛し合う事が出来た証拠でもある。 母実装の言う通り実翠石が卑しい恥さらしならば、黒髪の娘なんて産めるはずがないのだが・・・。 『・・・世の中にはあんな肉オナホでも気に入る変態ニンゲンもいるものデス』 『テェェェ、よくわかんないテチ・・・』 『あんなニンゲン相手に股を開いて腰を振るしか能がないニセモノ人形なんて、相手にするだけ時間の無駄デス。とっとと戻るデス』 『はいテチ』 この親仔の目的は偵察だった。 ニンゲン達が自分たちのコロニーを襲うつもりが無いかどうかを確認しに来たところ、たまたま実翠石の母娘を目にしたというわけである。 程度の低い野良実装なら怒りに任せて襲い掛かっているだろうが、賢くなければ生き残れない山実装は不用意にかかわることを避けて、その場を後にした。 偵察は情報を持ち帰る事こそが仕事であるからだ。 もっとも、一般的な実装石にこのような賢さを求めること自体が酷なのかもしれない。 実装石の実翠石に対する憎悪は、ほとんど本能に近いものであるからだ。 『デギィィィィィッッ・・・!!』 飼い実装のミドリは、少し離れたところでおいしそうに焼き肉を頬張る実翠石の母娘を見て、忌々しさを禁じ得なかった。 何故あんなダッチワイフ共がご馳走にありついているのに、ワタシタチ親仔はいつもと変わらぬフードなのか。 せめて六匹いる仔達には良いものを食べさせてやりたいという親心で、でもその実は実翠石への嫉妬心に駆られて、ミドリは飼い主に懇願した 『ご主人サマ、ワタシタチにもお肉を下さいデス!みんな良い仔にしてるデス!たまにはご褒美が欲しいデス!』 騒がしく鳴き喚くミドリに、飼い主の女子大生は露骨に顔をしかめた。 共にキャンプに来たサークルの友人達も同様だ。 元々ミドリ親仔はペットホテルに預けるつもりだったのだが、生憎予約が一杯で、やむなく連れて来ざるをえなかったのだ。 気の良いサークル仲間は皆いいよいいよ仕方ないよと言ってくれたが、やはり本音は別だったようだ。 「なあ、人間様の食い物を欲しがるとか、こいつら糞蟲なんじゃね?」 ストロング系チューハイをがぶ飲みしてすでに出来上がっていたサークル仲間の一人が、何がおかしいのかゲラゲラ笑いながらミドリー家を指差す。 同じように酔っている何人かがつられて糞蟲糞蟲と連呼すると、飼い主自身そう思えてきてしまった。 意図せずとはいえ勝手に妊娠し仔を六匹も産んだミドリに、飼い主としても思うところがあったからだ。 ブリーダーによる躾を経ていないため、仔の出来が揃いも揃ってあまり良くなかっというのも作用している。 飼い主がいささか流されやすい性格だったのもあるが。 ゲラゲラとあまり上品とは言えない笑い声を上げる人間達に、ミドリの娘の四女が何を思ったのか媚びて見せた。 『テチュ〜ン♪』 「おお、媚びた媚びた!やっぱりこいつら糞蟲だわ!」 ニンゲン達が楽しそうだから、仲間に入れて欲しくて媚びて見せた四女だったが、その思いが報われることはなかった。 「やっぱ糞蟲は間引かねえとな!」 サークル仲間の一人が四女をトングで摘まみ上げると、そのまま火が付いた木炭の中へ突っ込んだ。 『テベジュチァァアァアッッ!?』 あっという間に全身を焼かれ、喉まで灼かれて悲鳴すら上げられなくなった仔を、ミドリ一家は茫然と見つめるしかなかった。 「ほら、焼き肉が食いたいんだろ?食えよ」 黒焦げどころか消し炭のようになった四女の死体が、ミドリー家の前に放り出される。 『デ・・・』 「よ、四女チャ・・・』 『う、嘘テチ・・・』 『真っ黒になっちゃったテチ・・・』 茫然とするミドリー家に、四女を焼き殺したニンゲンが悪態を吐く。 「何だよ、せっかく焼いてやったのに食わねえのかよ」 ニンゲンは四女の死体を踏みにじった。 足をどかすと、粉々になった四女の死骸が露わになる。 恐怖に腰を抜かして親仔揃ってたっぷりと脱糞すると、ニンゲン達は顔をしかめて糞蟲、糞蟲と罵り始めた。 「丁度いいや、糞蟲共の駆除も兼ねて、こいつら使って遊ぼうぜ!」 アルコールで倫理観が麻痺したサークル仲間の提案に、同意の声が幾つも上がる。 飼い主の女子大生すら反対しなかった。 むしろ、自身の手を汚さずに始末できるのならそれに越したことはないな、とすら思ったほどだった。 昼食を終えた秋人一家は、キャンプ場に併設されているアスレチック公園で遊ぶことにした。 「パパ、ママ!はやくはやく!」 普段目にすることのない様々なアスレチック遊具に、松葉は子供らしいはしゃぎっぷりを見せる。 「松葉、あんまりはしゃぐと転んじゃうです」 やんわりと嗜める裏葉だったが、言葉とは裏腹に、その表情は優しげだ。 母として、娘が楽しそうにしているのはやはり嬉しいのだろう。 「次はあれ、あれで遊びたいです!」 松葉が指差す先にあったのは、安全に遊べるよう腰掛式になっているターザンロープだった。 秋人は松葉を腰掛させ、ロープをしっかり握らせてから、そっと松葉を押し出した。 「わぁっ!すごいです、すごいです!」 あまりスピードは出ていなかったが、それでも風を切って進む様に、美しい黒髪をたなびかせた松葉が楽しげな声を上げる。 端まで行った後、危なげなく降りた松葉が裏葉に向かって手を振った。 「次はママの番です〜!」 「わ、私は遠慮しておきますです・・・」 母としての意識が強いのか、裏葉が妙に遠慮するのを、秋人はまあまあと宥める。 「せっかくだからさ、裏葉も楽しんでおいで」 「あ、はい、です・・・」 素直に頷きターザンロープに乗る裏葉を、秋人は優しく押し出す。 「わぁぁっ!」 少女らしい歓声を上げてロープと共に進んでいく裏葉を、秋人は優しげな笑みを浮かべて見守っていた。 『デギィィィッ・・・!』 仲良く遊ぶオナホ人形共とその飼い主のクソニンゲンを見て、ミドリは歯噛みする。 四女を焼き殺された事を悲しむ間もなく、ミドリー家はアスレチック公園へと連れて来られた。 そこで見たくもない糞ビッチ共の家族団欒を見せつけられて、ミドリは怒りではらわたが煮えくり返りそうだった。 あのデキソコナイ共のほうこそ惨たらしく死ねば良かったのに! 憤怒の眼差しを向けるミドリに、サークル仲間はニヤリと笑う。 「何だお前ら。ターザンロープで遊びたいのか?」 『デッ!?ち、違うデス・・・!』 下手に同意するとこのニンゲン達に遊ばれてろくなことにならない。最悪死ぬ。 そう考えたミドリは必死に否定したが、すでに手遅れだった。 「遠慮するなよ!ほら、行くぞ!」 無理矢理ターザンロープにまで連れて来られたミドリー家の内、最初の犠牲者に選ばれたのは六女だった。 サークル仲間に摘まみ上げられた六女は、ターザンロープの腰掛けに無造作に置かれる。 『止めてデスゥ!』 『ママァ!ママァ!』 『止めテチ!六女ちゃんが怖がってるテチ!』 『ご主人サマ!助けテチ!お願いテチ!』 『何でご主人サマは見てるだけなのテチ!?』 泣き叫ぶミドリー家を飼い主の女子大生含めて誰も一顧だにしない中、サークル仲間は六女を乗せたターザンロープを押し出した。 「そら、行って来い!」 『テチャァァァァァァッッ・・・!』 悲鳴を残して遠ざかってゆく六女を、ミドリ達は見守る事しかできない。 やがてターザンロープは端まで辿り着き、その反動で六女を宙に放り出した。 『テッヒィィィィィィッッ・・・・・・チベッ!?』 数秒宙を飛んだ後、地面に叩きつけられて、六女は汚い染みと化した。 『六女ォォォォォォッッ!?』 一部始終を見ていたミドリは悲鳴を上げるが、悲劇はまだ続く。 「よっしゃ、次いってみようか!」 今度は五女がターザンロープに乗せられ、押し出される。 『ママッ、ママァァァァァァッッ・・・・・・チョベアッ!?』 最後までミドリに手を伸ばし続けていた五女は、途中で腰掛けから落ちてしまう。 即死こそしなかったが、落下の衝撃で左半身が潰れてしまっていた。 『ママ、ママァ、痛い、痛いテチィィィィィッッ・・・!』 己の血肉と糞の上でイゴイゴ蠢き、残った右腕を伸ばす五女だったが、ミドリは助けに行くことが出来なかった。 続けて三女が発射されようとしていたのを、必死になって止めようとしていたからだ。 無論あっさり蹴り転がされ、助けることは叶わなかったが。 『ママァ、助けテチャァァァァァァッッ・・・・・・チュバッ!?』 六女と同様、宙を舞った三女は地面の染みと化した。 六女よりもわずかだが遠くに飛べたが、そんな事実は何の救いにもならなかった。 『ママッ、痛いテチッ、すごく痛いテチッ・・・!さ、寒いテチ・・・』 『お、お願いデス!五女はまだ生きてるデス!手当すればきっと助かるデス!』 未だにイゴイゴ蠢き、血液を失って寒気を訴える五女を救いたいと、ミドリは飼い主に懇願した。 「途中で落ちた奴、まだ生きてるみたいだぞ?」 「うわ、しぶといね〜」 「トドメ刺しておくわ。えいっ」 『ヂッ』 『五女ォォォォォォッ!?』 煙草の火を消すように踏みにじられ、五女の命の火は潰えた。 後には赤と緑の汚い染みだけが残された。 そろそろ日が傾きかけた頃。 「さあ、そろそろ夕飯の支度をしようか」 「夕飯は松葉も大好きなカレーです♪」 「わぁい!あ、お手伝いしますです!」 家族三人仲良く夕食の準備をする秋人一家を、ミドリは怒りと悲しみに満ちた目で睨みつけていた。 六匹いた仔達は、もう長女と次女の二匹しか残っていない。 守ってくれるはずのご主人サマは、助けてくれるどころか他のニンゲンと一緒になって笑っていた。 どうしてこんな理不尽な目に合わなければならないのか。 勝手に仔を生んだから? 仔がワガママばかり言うようになったからか? 仔がトイレをなかなか覚えられなかったからか? 確かに母実装として仔の教育が行き届かなかったかもしれない。 でも、だからと言って面白半分に殺すなんていくら何でもあんまりだ。 どうせ殺すならあのクソビッチの母娘にするべきだろうに! ミドリがそんな事を思っている時だった。 『ママ、お腹空いたテチ・・・』 『今日はずっとご飯貰えてないテチ・・・』 ミドリに縋りついていた長女と次女が空腹を訴えてきた。 言われてみればミドリ自身、今日は朝ご飯を食べたきり、何も買えていない。 ミドリは、恐る恐る飼い主の女子大生に訴えた。 『ご主人サマ、ご飯を、何か食べるものが欲しいデス・・・。仔もお腹を空かせてるデス』 ミドリの訴えに、飼い主の女子大生はただ顔を背けるだけだった。 代わりに、サークル仲間がミドリの頭をつま先で小突く。 「腹が減っただ?糞蟲なら糞蟲らしくてめぇの糞でも食ってろよ!」 他のサークル仲間が同意の笑い声を上げる。 飼い主の女子大生すら笑っていた。 結局ミドリ達親仔は食事を与えられず、忌々しい媚び人形共や周囲の人間が夕食を楽しむ中、空腹を抱えて惨めな思いを抱き続ける羽目になった。 すっかり陽が落ちた頃。 「さあ、お愉しみの花火だぞ」 「わぁい♪」 「松葉、火傷しないように気を付けてです」 ミドリ達は秋人一家が花火を楽しむのを憎々し気に眺めていた。 暗闇に紛れて逃げていれば命だけは助かっただろうに、ついぞそうした考えには及ばなかったのが、飼い実装としてのミドリの限界だった。 「手持ち花火だけじゃつまんないからさ、この糞仔蟲共で遊ぼうぜ!」 サークル仲間の一声で、ミドリの娘達は地獄に叩き落されることが確定した。 キャンプ場では安全のため、手持ち式以外の花火は禁止されている。 このため、若者達には物足りなかったのだろう。 その埋め合わせに、ミドリの仔達が選ばれたわけである。 『テチャアッ!?熱いテチ!やめテチ!』 『焼けちゃうテチ!死んじゃうテチ!』 『もう止めてデスゥ!』 周囲をぐるりとニンゲン達に囲まれたミドリの長女と次女は、あちこちから手持ち花火を浴びせられて逃げ惑う。 ミドリは仔達を助けようとしたがあっさり蹴り倒された。 そのまま踏みつけられて身動きが取れない状態で、仔達が苦しみ逃げ惑う姿を見せつけられる。 『テチャァァァッ!!??燃えてるテチ!ワタチの髪が燃えてるテチャァァァァ!!??』 『テヒィィィィッ!!服、服に火が点いてるテチィィィッ!!ママァ、助けテチ!消しテチィ!』 髪と実装服に火が燃え移り、火達磨になりながらも長女と次女は走りまわる。 ニンゲン達は、飼い主の女子大生も含めて、皆笑いながらその様子を見ていた。 髪と服が燃え尽きて、全身やけどを負い醜い有様になった長女と次女だったが、幸か不幸かまだ生きていた。 倒れ伏しながらも。まだイゴイゴともがく様に手足を動かしている。 もっとも、放っておけばそのうち死ぬだろうが。 「元気ないぞお前ら!おら、気合一発だ!」 サークル仲間が長女と次女の総排泄孔に手持ち花火を突っ込んで、ミツクチまで貫通させてから火を付けた。 『〜〜〜〜〜〜!!!???』 『!!!〜〜〜〜〜!!!』 ミツクチから火を噴き、体内を焼き尽くされる激痛に転げまわりながら長女と次女は死んだ。 『長女ォォォォォォォォォッッ!?次女ォォォォォォォォォッッ!?』 ミドリに愛されて産まれてきた娘達は、人間達に玩具の様にもて遊ばれ、シアワセになることなく死んでいった。 夜も更けてきた頃。 「さあ、そろそろ休もうか」 「今日は、パパとママと松葉の三人で、一緒に寝ましょうです」 「は〜いです♪」 キャンピングカーの中で親子三人川の字になって横になる秋人一家。 真ん中はもちろん娘の松葉だ。 キャンプ場の外部電源を用いているため、エアコンの効いた快適な車内で、秋人達は眠りについた。 三人とも、今日は一日、本当に楽しかったな、と思いながら。 一方のミドリは、飼い主の女子大生が眠るテント・・・で眠ることは当然許されず、テントの近くの木に繋がれた状態で横になっていた。 その腕には、火傷だらけの禿裸になって死んだ長女と次女が抱かれている。 どうしてこんなことになってしまったのだろう? 今日の朝には六匹いたはずの娘達は、もう一匹も残っていない。 死体となった長女と次女と共に、ミドリは眠りにつく。 明日はどうなるのだろう、という不安と恐怖を抱きながら。 翌朝。 秋人一家は朝食を済ませると、キャンピングカーに乗って早々に帰っていった。 一方、ミドリの飼い主の女子大生も、サークル仲間と共にテントを撤収し、帰り支度を整えている。 「ねえ、この糞蟲はどうするの?」 「・・・ここに置いてくよ。糞蟲化したら手に負えないって言うし」 飼い主の女子大生の言葉に、ミドリは顔面を一気に青ざめさせた。 『そんなのあんまりデス!捨てないでデス!捨てちゃイヤデス!』 「邪魔だしうるせんだよこの糞蟲が!」 デスデス泣き喚いて飼い主の足元に纏わりつくミドリを、サークル仲間が思い切り蹴り飛ばした。 そのままミドリは藪の中に突っ込み、姿が見えなくなる。 撤収作業を終えたサークルは、乗ってきた車に荷物を詰め込んで、キャンプ場を後にする。 ミドリの飼い主の女子大生は、サークル仲間が運転する車の後部座席に収まりながら、物豪げに景色を眺め、思った。 仔実装の頃は可愛かったのに。 成体になってからはデカいし邪魔だし、何よりあまり可愛くなくなってしまった。 大きくなってもお掃除とかで活躍できますよ、と言っていたペットショップの店員のセールストークは大嘘もいいところだった。 おまけに、ミドリ自身が無駄飯喰らいにもかかわらず、勝手に仔実装を六匹も産むなんて。 産まれて来た仔実装達は、ミドリと違いトイレも碌にこなせない可愛げのない仔ばかりだった。 でも、そんな悩みの種とはもうおさらばだ。 さよなら。そしてごめんね、ミドリ。 飼い主の女子大生が自己満足の感傷に浸っている間にも、ミドリの苦難は続いていた。 藪の中に蹴り飛ばされ、山中で迷子になったミドリは、あてどもなく歩く内に、山実装のテリトリーに迷い込んでいた。 『これからどうすればいいんデス・・・?』 べそをかきながら歩くミドリの前に、尖った木の枝を構えた何匹もの山実装が姿を見せる。 山実装達の表情はいずれも険しい。 山実装にとって、元飼い実装など生かしておいたところで何の役にも立たないどころか、生きているだけでコロニーの秩序を乱す厄介者にすぎないからだ。 お世辞にも友好的とは言えない山実装達の態度に、ミドリはさすがに危機感を覚えて、背を向けて逃げ出した。 もっとも、人間の元で安穏とした生活を送っていた飼い実装が身体能力で山実装に敵うはずもない。 『デギャァァァァァァァァァァァァァッッ!!??』 あっさり追いつかれて、全身を木の枝で滅多刺しにされてミドリは死んだ。 その死骸は山実装達に回収され、肉は食料として、実装服と髪は防寒用の素材として有効活用された。 ある意味、ミドリがこの世に生を受けてから最も役に立ったと言える瞬間だった。 -- 高速メモ帳から送信
1 Re: Name:匿名石 2025/10/11-19:35:52 No:00009816[申告] |
一方的に憎悪を向けている実翠側には一切認識されないまま処分されていく仔実装がいいね
勝手に仔を産んで育児失敗したとは言えミドリはちょっと可哀想と言うか、飼い主がアレと言うか |
2 Re: Name:匿名石 2025/10/12-05:44:50 No:00009817[申告] |
勝手に子を産んだ上全く調教できない仔実装達と現状に満足出来ないミドリの性格は糞蟲として大崩れとまで行ってないとしても時間の問題だったろう
ミドリはもはや飼い主の惰性と懸念の対象にしかなっておらず、そこには信頼も愛玩も何も築けていなかった哀れ |