実翠石との生活Ⅲ 短編まとめ12 ----------------------------------------------------------------------- コンビニからの帰り道 とある日曜日の朝。 私は実翠石の常磐を連れて、近所のコンビニへと来ていた。 朝食を作ろうとしたところ冷蔵庫にめぼしい食材が残っていなかったため、たまにはコンビニでお手軽に済ませようということになったのだ。 菓子パンにサンドイッチにお菓子にスイーツと、いろいろ買い込んで家路につく。 「お姉さま、こんなにたくさん買って大丈夫です?」 「まあ、大丈夫よ、きっと」 期間限定のスイーツについつい手を伸ばしてしまったせいで、手に提げたコンビニ袋はずしりと重い。 たぶん今日明日は食後のデザートに事欠かないだろう。 「でも、こんなに甘いものをたくさん食べたら、お姉さまのお胸、また大きくなったりしないです?」 「いや、そんな事にはならないから・・・」 常磐の杞憂に、私は苦笑交じりに応えた。 今の私は二十代半ば。成長期はとうの昔に過ぎている。 育つとすれば腹回りのお肉だろうが・・・それはそれで嫌だな。 「でも、代わりに常磐の胸が育つかもね」 大した考えもなく口にしたのたが、常磐はそうは捉えなかったようだ。 常磐は神妙な表情で自身の胸をペタペタ触り、私の胸と自分の胸を見比べる。 「・・・お姉さまみたいにばいんばいんになれるです?」 いや、ばいんばいんって。平均より多少大きいだけだからね? 何やら変な雰囲気になりそうだったので、それを打ち消すように常磐の肩を抱き寄せる。 「大丈夫、常磐は今のままで十分可愛いんだから。私が保証するわ」 私の言葉に、常磐はふにゃふにゃと笑み崩れた。 「お姉さま、わたしのこと好きすぎです〜♥」 『あいつムカつくテチ!』 『身体すりつけてニンゲンに媚びるとかビッチのすることテチ!』 『デキソコナイだからあんな風に媚びるんテチ!恥を知れテチ!』 『あんな肉穴人形なんかぶちのめしてやるテチ!』 『そうテチ!そうしてあのクソニンゲンにワタチタチを飼わせてやるテチ!』 母実装が疲れて眠っているのをいい事に、勝手に巣を抜け出して遊び歩いていた五匹の野良仔実装姉妹が、たまたま見かけたヒトモドキの実翠石。 飼い主と思しきメスニンゲンが手に提げた袋からは、美味しそうな匂いがプンプンしている。 きっとあの肉人形が下品に腰を振って媚びて手に入れたのだろう。 ジッスイの分際でご馳走にありつこうなんて生意気だ! 激昂した仔実装姉妹は、ジッスイをぶちのめして飼い実装の地位を得るべく追跡を開始した。 テッチテッチと鳴き声を上げて一生懸命に走る仔実装姉妹だったが、距離は縮まるどころか開く一方だ。 諦めずに、長女を先頭に姉妹順になって走り続けるが、とうとう姿を見失ってしまった。 それでも匂いを頼りに駆けていると、突然何か大きくて速い物が三女の目の前を通り過ぎて行った。 『テヒィィィ!?』 思わず尻もちをつく三女。 『ヂッ!?』 『チョベッ!?』 長女と次女の悲鳴が聞こえたような気がした三女だったが、その姿はどこにも見えなかった。 代わりに、目の前の地面には赤と緑の汚い染みが二つ広がっている。 染みからは何故か家族の臭いが漂っている。 三女が現実を理解するよりも先に、先程と同じ何か大きくて速い物が三女の両足を轢き潰していった。 『・・・テ、テヂャアァァァァァァァァァッッ!?』 激痛に悲鳴を上げる三女。 いつの間にか車道に出ていた仔実装姉妹は、最初に長女と次女が車に轢かれて即死し、続いて三女がその両足を轢き潰されたのだった。 『イダイテヂィィィィィィィィッ!?ママァ!ママァァァァ!!』 母実装の勝手に巣から出るなという言いつけを無視しておきながら、都合よく助けを求める三女。 四女と五女が心配して駆け寄ると、三女は二匹に助けを求めてしがみついた。 そんな事をしている間に、再び車がやってくる。 『離せテチ!危ないテチ!』 『また来たテチ!ワタチタチまで潰されちゃうテチ!』 『自分達だけ逃げるなテチ!ワタチも連れてけテチャァ!!』 三匹が醜く騒いでる所に車は容赦なく通りかかる。 『テヒィィィィィィィィッヂベッ!?』 新しく出来た染みは、先に出来た二つに比べてだいぶ大きかった。 しばらくして、姿が見えない仔達を心配して母実装が現場へとやって来た。 娘達の臭いが残る染みを見つけた母実装は、がっくりと肩を落として来た道を戻って行った。 ----------------------------------------------------------------------- アイスクリームよりも・・・ 実翠石の常磐を連れて、近所の商店街に買い物に来ていた時の事だった。 アイスクリームでも買って食べようかとキッチンカーに立ち寄ると、ちょっとしたイベントをやっていた。 なんでも、最近動画投稿サイトでバズっている、とある動画のワンシーンを店員さんに見せてくれれば、もれなくシューアイスをプレゼントしてくれるのだそうだ。 「常磐、やってみる?」 「がんばりますです!」 常磐に冗談半分で聞いてみると、意外にも本人はやる気満々だった。 まだ若い女性店員さんに常磐がチャレンジしても良いかを聞くと、可愛い娘なら大歓迎ですよ、と快諾された。 店員さんが常磐に微笑みかける。 「それじゃあ、準備は良いですか?」 「はいです!」 「常磐ちゃ〜ん?」 「は〜いです♪」 「何が好き〜?」 「チョコミント♪よりも、お・ね・え・さ・ま♥」 そう言って、常磐は満面の笑みを浮かべて私の腕に抱きついてきた。 「ちょ、常磐ったら・・・」 不意打ち気味のストレートな好意に、思わず頬が熱くなる。 店員さんは、良いものが見れました、とこれまた良い笑顔を浮かべてシューアイスをおまけしてくれた。 隣でアイスクリームを可愛く舐める常磐を横目に、私もアイスクリームを口にする 熱くなった頬を冷ますには、少しばかり時間がかかりそうだった。 『デギィッ・・・・・!』 飼い実装のミドリは、飼い主との散歩の途中に見かけた常磐達のやり取りに、思わず歯軋りした。 白昼堂々ニンゲンに媚び散らかす恥知らずな実翠石に、激しい怒りを覚えるが何とか抑え込む。 代わりに、ご主人サマにお願いしてみた。 『ご主人サマ、ワタシもあれをやりたいデス!ご主人サマとカップルなところをみんなに見せつけたいデス!』 ミドリのお願いに、ご主人サマはため息混じりに応えた。 「なあミドリ。もうそういうのやめろって。気持ち悪い」 『デッ・・・?』 「俺は人間で、お前は実装石。人間は実装石とカップルになんかなったりしないの」 『・・・デェ・・・』 「そういう気色悪い事言われるとさ、もうお前の事を飼い続けるなんて無理だぜ」 『・・・ごめんなさいデス』 「分かったならいい。ま、アイスくらいなら買ってやるよ」 言葉通りご主人サマはアイスを買ってくれた。 店員はミドリを見るなり、一瞬だけひどく汚い物を見た表情を浮かべたが、次の瞬間にはご主人サマに向けて営業スマイルを浮かべていた。 店員のそうした表情の変化も、ミドリの心をさらに痛めつける。 「ほらよ」 『・・・ありがとうデス』 ミドリは泣きそうになるのを堪えながら、ご主人サマから渡されたアイスクリームを舐める。 甘さよりも、何故か冷たさばかりが口の中に広がっていった。 ----------------------------------------------------------------------- 服のサイズが・・・ 相変わらずの猛暑が続く中、私はいつもと変わらず涼しく快適な自宅でテレワークに勤しんでいた。 「はい、承知致しました。はい、失礼致します」 上司とのオンライン会議を終え、Webカメラをカットする。 「んーっ、疲れた〜」 基本的にパソコンを使っての仕事がメインのため、どうしたって肩は凝る。 「お茶を淹れますです〜♪」 頃合いを見計らってくれていたのだろう。 実翠石の常磐がキッチンからアイスティーを持って来てくれた。 「ありがとう、助かるわ〜」 礼を言いつつ背をぐっと反らしてストレッチする。 凝り固まった背筋が伸びる感触に目を細めると、胸元からプチンッ、という音と共にブラウスのボタンが飛んで行った。 「・・・・・・」 思わず言葉を失う私に、常磐は何事もなかった風にアイスティーを差し出す。 「どうぞです、お姉さま」 「・・・ありがと」 そのまま常磐は飛んで行ったボタンを拾い、私に差し出してきた。 「こっちもどうぞです、お姉さま」 「・・・・・・ありがと」 ボタンを受け取る私に、常磐はクスクスと控えめに笑う。 「ちょ、ちょっと・・・太っちゃった、かしら?」 思わず引きつった笑みが浮かぶ。 心当たりは大いにあった。 最近は暑さが続いていたのであまり外出せず運動不足になっていた自覚がある。 その割には夏だからとよくアイスを口にしてもいた。 うん、そりゃ太るわ。 だが、常磐にはまた別の見解があったようだ。 「え?お姉さまのおっぱいが大きくなっただけじゃないです?」 「いやいやいや・・・」 成長期じゃあるまいし、胸だけ大きくなるなんて・・・、と思いながらも、確かにブラのサイズがちょっときつくなってきたか、と感じる事が度々あったような気がしないでもない。 逆にウエストがきついと感じる事はなかったし。 何故だが妙に恥ずかしくなり、頬が赤くなる。 常磐は常磐で、自身の胸をペタペタ触りながら、私の胸元をじっと見つめていた。 「ちょっとくらい分けてくれてもよくないです?お姉さまのおっぱい」 常磐の視線を遮るように、ブラが垣間見える胸元を抑える。 女同士のはずなのに、変な気恥ずかしさを覚えた私は、それを誤魔化すように常磐をやんわりと嗜めた。 「こ〜ら、変なこと言わないの」 「は〜い、ごめんなさいで〜す」 と口では詫びを入れつつも、常磐は甘えるように抱きついてきた。 「んーっ、やっぱりお姉さまとぎゅっとするの、大好きです〜♪」 そんな常磐の様子に、嬉しさ半分、苦笑半分の笑みが浮かぶ。 その可愛さに免じて、やたらと私の胸にすりすりと頬ずりしてくるのは不問に付すことにしよう。 一方その頃・・・。 『デェェェ、服がキツイデス・・・』 飼い実装のミドリは、以前飼い主から買ってもらったピンクの実装服を無理やり着込んでいた。 贅肉のせいで至るところがパッツンパッツンで、ひどく醜い見かけとなっていたが、今のミドリに服を脱ぐという選択肢はない。 数日前、飼い主との散歩中にたまたま見かけたヒトモドキのデキソコナイ、憎たらしい実翠石に、飼い主の視線が奪われていた事を、ミドリは忘れていなかった。 (実のところ、飼い主が熱心に見ていたのは実翠石の主人である胸が大きい20代半ばの女性の方だったのだが、ミドリは誤解したままだった。) ご主人サマに、あんなオナホ人形なんかよりワタシの方が遥かに高貴で美しい事を思い出してもらわねば。 最近飼い主が妙に冷淡だったこともあり、焦燥に駆られていたミドリは、飼い主が夜勤明けで眠っていた所を無理矢理起こして、己の可愛さのアピールに努めた。 『ご主人サマ、見て下さいデスゥ!ご主人サマに買ってもらった可愛いお服で、ワタシの可愛さも倍増デスゥ〜ン♪』 くるりとターンしようとして服に妙な負荷がかかったのだろう、ミドリご自慢のピンクの実装服は、背中からビリビリと破けてしまった。 ターンの途中だったこともあり、尻を飼い主に向けて突きだすような格好になってしまう。 「・・・ミドリ、お前さ、何がしたいの?」 飼い主の言葉は不機嫌極まりないものだった。 言葉を失って尻を突き出したままのミドリに、飼い主は言葉を続ける。 「飼い主様が疲れて寝てるのに、それを起こしてまで汚い尻を見せたかったのか?嫌がらせか?」 『デッ・・・ちが・・・!』 「おまけにブクブク太ってあちこちたるんだ見苦しい身体しやがって・・・」 『・・・デェェェ・・・』 「気色悪いんだよ、最近は特に不細工になったし」 『・・・・・・』 「まさかとち狂って俺に発情とかしてないだろうな?子作りしたいとかふざけた事ほざいたら保健所で殺処分してもらうぞ?」 『・・・デッ・・・デェッ・・・!』 飼い主の言葉の一つ一つがナイフのようにミドリの精神をズタズタに切り裂いてゆく。 いたたまれなくなったミドリは、詫びの言葉の一つも入れられず、破けた服を掻き抱いて、ケージへと戻っていった。 『・・・デェェェンッ、デェェェンッ・・・!』 自身の想いが完全に裏目に出て、ミドリは声を押し殺して泣いた。 うるせえぞ!という飼い主の罵声に背を震わせたミドリは必死に口を抑えて泣き声が漏れるのを防ぐ。 お気に入りのピンクの実装服。 買ってくれた時のご主人サマはすごく優しい笑顔だった。 ワタシもすごく嬉しくて、ずっとニコニコ笑顔だった。 でも、服は無惨に裂けてしまった。 もう元には戻らない。指のない実装石の手では直すことも出来ない。 まるで今の飼い主とミドリの関係のように。 ----------------------------------------------------------------------- 8月2日はパンツの日 私は実翠石の常磐を連れて、近場のランジェリーショップに来ていた。 いい加減ブラのサイズが合わなくなってきたので、新調しようと思ったのだ。 「おぉ〜、オトナな下着がいっぱいです〜」 物珍しそうに店内のあちこちを眺める常磐に、思わず口元が緩む。 常磐にはちょっと退屈かも、と思っていたのだが、どうやら杞憂だったようだ。 店員さんにお願いしてサイズを確認してもらい、適当なブラを見繕ってもらい試着する。 「お姉さま、あっちの可愛いデザインのは試さないんです?きっとお姉さまにも似合うです!」 「うーん、今回はいいかな・・・」 フリルとリボンの付いた可愛らしいデザインのブラを指差す常磐に、私は苦笑混じりに返事する。 確かにデザインは可愛いんだけど、その、サイズが全然合わないので。 サイズが大きいと可愛いデザインのブラが少なくなるのが悩みどころではある。 まあ、見せる相手なんていないのだけれど・・・。 ふと、常磐のつるぺったんな胸を見やる。 ・・・ブラが必要なくらい大きくなるのだろうか? 小さい方が可愛くていい気がしないでもないが・・・。 「・・・お姉さま?何だか失礼なこと考えてないです?」 私の視線に良からぬ物を感じたのか、常磐が怪訝そうにこちらを見てくる。 気のせいよ、と軽く流して、次は常磐用のパンツを見繕って下さい、と店員さんにお願いする。 そんな風にして、下着選びの時間は楽しく過ぎていった。 散歩の途中のことだった。 飼い実装のミドリは、ヒトモドキの実翠石が飼い主らしき胸のデカいメスニンゲンと共に、下着が飾られている店に入って行く所を目にした。 ニンゲンと見ればオスメス構わず媚びる卑しい肉穴人形の事だ。 きっとニンゲンに気に入られようとして、パンツをせびっているのだろう。 ふと、最近元気がないご主人サマの事を考える。 ご主人サマの元気がないと、ワタシも何だか悲しい気分になる。 そうだ、お家に帰ったらダンスで元気付けてあげよう! ちょっぴりサービスしてあげれば、ご主人サマもきっと元気になるに違いない! 「ご主人サマ、これを見て元気出すデス〜ン♪」 家に帰り着いたミドリは、さっそく飼い主の前でご自慢のダンスを披露した。 ご主人サマが喜んでくれるよう、一生懸命腰を揺らし、パンツがよく見えるよう尻を突きだすように振って。 デププ、これでご主人サマもきっと元気に・・・。 『デゲボアァァッッッッ!?』 ミドリの思考は、飼い主の蹴りをいきなり顔面に食らった事で中断された。 「・・・ミドリ、なんのつもりだ?」 怒気を滲ませた飼い主の言葉に、ミドリは混乱していた。 痛い。どうして。ワタシはご主人サマに元気になって欲しかっただけなのに!? ミドリは知らなかったが、飼い主は先日付き合っていた女性に別れ話を切り出されたばかりだった。 理由は実装石を飼っているから。 過去に実装石絡みで嫌な目に遭ったらしく、女性は嫌悪感も露わに去っていった。 それでも飼い主は、仔実装の頃から飼っていたミドリを捨てようなどとは考えもしなかった。 だが、ミドリが見せつけてきた気色の悪い発情ダンスに、裏切られたと感じて思わず蹴り飛ばしてしまったのだ。 『ご、ごめんなさいデス!ご主人サマに元気になって欲しくてやったんデス!』 土下座して詫びるミドリの後頭部を、飼い主は軽く踏みつけた。 「俺がお前の下着や腰振りを見て喜ぶ変態だとでも言いたいのか?」 『ち、違うデス!ごめんなさいデス!ごめんなさいデス!』 必死に謝るミドリに、飼い主は仕方なく怒りの矛を収めた。 自身のやっていることが半ば八つ当たりであるという自覚もあったからだ。 二度とやるなよ、と言い残し、飼い主は自室へと引っ込んでいった。 その日以来、飼い主とミドリの関係はどこかギクシャクしたものになった。 ミドリはいつか捨てられるのではないか、と日々怯え飼い主の顔色を伺うように生きるようになり、徐々にストレスで心身を弱らせていく事となった。 ----------------------------------------------------------------------- 8月5日は親子丼の日 私は実翠石の常磐を連れて、近所のスーパーに来ていた。 夕飯のメニューを何にしようかと考えていると、 「お姉さま、お姉さま」 と常磐が私の手をくいくいと引いて、店内のとあるポップを指差す。 ポップのカラフルなイラストと文字が、今日は親子丼の日だと教えてくれた。 「たまには丼物もいいか・・・」 常磐も興味があるみたいだし、鶏肉も安いから、今日は親子丼にしようかな。 スーパーからの帰り道。 「お姉さま、どうして今日は親子丼の日なんです?」 常磐の素朴な疑問に、私はネットからの受け売りの知識を披露する。 8月5日が「おやこ」と読める語呂合わせであることや、夏にスタミナがつく鶏肉と卵を使った親子丼を食べてほしいという思いから設けられたのだそうだ。 「おぉ〜、何だかちょっとおもしろいです〜♪」 楽しげな様子の常磐に気を良くした私は、こんなのもあるわよ、と記憶にある記念日とその由来を口にする。 「これからも、お姉さまといろんな日を一緒に過ごしたいです〜♪」 そう言って笑う常磐の笑顔が眩しくて、ついつい目を細めてしまう私だった。 『ご主人サマ!ワタシも親子丼っていうのが食べたいデス!』 『ワタチも食べたいテチ!ニセモノばっかりずるいテチ!』 散歩から帰ってくるなり、飼い実装のミドリーナは腕に抱いていた娘のミドリコと共に、飼い主の男に向かって鳴き喚いた。 散歩の途中で見かけたデキソコナイのヒトモドキが、飼い主であろう胸のデカいメスニンゲンに媚びながらその名を口にしていた食べ物。 媚び上手な肉穴人形ばかりいい目を見るなんて許せない! ワタシタチにだって美味しいものを食べる権利があるはずだ! ミドリーナ達親仔からしてみれば至極当然の要求だったが、飼い主の男はそうは思わなかった。 とうとう糞蟲化しやがったか、と内心舌打ちする。 ブリーダーから躾を受けたミドリーナはともかく、ミドリーナに甘やかされて育ったミドリコは、飼い実装としては不合格もいいところだった。 最近はミドリーナまでミドリコから悪影響を受けているように感じていた飼い主の男は、この機会にミドリーナに今一度立場を弁えさせようと考えていた。 「いいだろう、そんなに食いたきゃご馳走してやるよ」 飼い主の男はサディズムに満ちた笑みを浮かべ、ミドリーナからミドリコを取り上げると、冷蔵庫からタバスコを取り出して、ミドリコの左目にたっぷりと注入した。 『テヂィッィィィィィ!?』 激痛に悲鳴を上げるミドリコ。 強制出産モードになったことから腹がボコボコと不気味に膨らみ出す。 「おら、とっととひり出せや」 『テヒィィィィィッッ!?』 ミドリコのパンツを剥ぎ取り、膨らんだ腹を強く押してやると、総排泄孔から何匹もの蛆実装が零れ落ちてきた。 『レピャッ!?』 『レピョォッ!?』 『レヒィッ!?』 そのままミドリコの下に置いた餌皿に落下し、産声より先に断末魔を上げて次々と墜死してゆく。 一通り絞り出したが、これで終わりではない。 「ミドリコの、ちょっといいとこ見てみたい〜!」 『や、やめテチィィィィッッ!!』 飼い主の男は何度もミドリコの左目にタバスコを注入し、無理矢理蛆実装を産ませ、餌皿にその死骸を積み上げてゆく。 『・・・テ、テ、テヒッ・・・(パキンッ!)』 やがて消耗し尽くして、出し殻のようになってミドリコは死んだ。 飼い主の男はミドリコの死体を餌皿に放り込むと、呆然と見ているだけだったミドリーナの前に餌皿を差し出す。 「ほら、お望み通り、仔実装の親仔丼だ。遠慮なく食え」 『デ・・・、こ、これはワタシの娘デス・・・。食べるなんて、で、できないデス・・・』 絞り出すように声を出すミドリだったが、飼い主の男はミドリーナの頭を鷲掴みにして餌皿へと押し込んだ。 『デギャァッ!?』 「いいからとっとと食え。残したら殺すからな」 飼い主の男のドスの効いた声に震え上がったミドリーナは、嗚咽を上げながらもかつてミドリコだった血と肉と糞、そして蛆実装だったものを口に含み、飲み下した。 飼い実装としての躾を忘れた後悔や、己の愚かさ故に娘達を死なせてしまった悲しみ、そして何より、忌々しい売女の実翠石への憎しみと共に。 -- 高速メモ帳から送信
1 Re: Name:匿名石 2025/10/02-02:22:30 No:00009814[申告] |
ミドリーナよ鶏や海鮮と違ってホンモノの親子丼だぞ精も付いてよかったね
あとミドリはスタイルを維持するとかいう風には媚びられないんだな服もキツく飼い主が最近醜くなったとかヒントあるのに 実装ダンスとかいう豚踊りに絶大な信頼を置きすぎ |