(前回のあらすじ) 毎朝ゴシュジンサマに散歩へと連れ出される世にも珍しい無欲な飼い実装のロドリゲス。 その散歩はパグを散歩させに公園を訪れるゴシュジンサマの意中の女性へ会うためのダシだった。 室内飼育の推奨される実装石の身には過酷な人間に手を引かれての散歩の中で、ロドリゲスはパグとの触れ合いなどを通して実装石という存在を俯瞰する。 思索の中でロドリゲスはやがて実装石という存在の持つ脆弱さや不出来さへの客観を得てしまう。 ロドリゲスは漠然と感じるそれらを「低い」という感覚にまとめ、認知したことで実装石の真実とさえ呼べるものに辿り着く。 そんなロドリゲスが過ごす秋の日に、ある転機が訪れる。 …… …… 秋の朝、いつもの公園の道はひんやりとしていた。 夏の去った日に吹く風が、これからの季節を予告するような具合だった。 今日もロドリゲスは、ゴシュジンサマに引かれるハーネスに身を縮めてヨチヨチと歩く。 体長35センチの成体実装は、やはり息を切らせていた。 「デーデー、デー……デスゥ」 いつも通りの朝、いつも通りの到着。ゴシュジンサマは例のニンゲンサンと楽しそうに話し始めている。 「ハッハッハッ」 舌を出したパグがロドリゲスに駆け寄る。ロドリゲスはいつものようにパグと向き合う。 変わらぬつぶらな瞳、ふさふさの毛、がっちりした体。 ロドリゲスは眉間にシワを寄せ、しかしいつも通りにパグを優しく撫でてやる。パグのウットリした表情にため息をつく。 パグの身の「高さ」は、ロドリゲスの「低さ」をいつも突きつける。 その日、ふとしたタイミングだった。 ゴシュジンサマに女性がこちらを指さし、笑いかける声が聞こえた。 「いやあ、パグも実装石も、ぶっちゃけ似たようなもんですよね。ぶちゃかわ系っていうか、好きな人以外には、まあ、ぶさいくかも」 「デー?デー?」 ロドリゲスの小さな胸に、言葉が突き刺さった。ぶちゃかわ。ぶさいく。 口語の指差しで、目の前の生物の名前をパグだと察する。ぶさいくと言った。 その軽い一言は、ロドリゲスの心に重く響いた。目の前にいるあんな潰れた顔の存在と、とってもかわいい……はずの実装石が「似たようなもん」? ロドリゲスはパグの頭を撫でながら、薄々と感づきつつあったその事実を消化していた。 三等身、でっかちな頭、ずんぐりした手足。確かに、実装石はニンゲンサンからは遠い。 だから実装石はニンゲンサンから見れば「ぶさいく」か。 ああ、やっぱり、やっぱりそうなのか。 なんとなく感づいてはいても、確証に近いものが得られたらばやはり落ち込んでしまう。 「デー……」がっくりと元気をなくしたロドリゲスに、パグが擦り寄る。 僅かに流れた涙をぺろぺろと舐めて拭うパグに、ロドリゲスは暖かいものを覚えた。 「デデス」 パグを抱きしめるロドリゲス。嫌いだと考えていたが、本当はそうではないのかもしれないな、などと思いながら。 談笑中のゴシュジンサマと女性はその様子にも気付きもしなかった。 結局、いつも通りの時間にロドリゲスはゴシュジンサマと帰宅した。 帰り道、秋の花粉がロドリゲスの目と鼻孔をくすぐった。くしゃみとともに、偽石がざわめく感覚。 …… 「おっ、妊娠か、昨日妊娠防止ゴーグルつけ忘れてたしなあ」 「デー!デー!」 一大事である。ゴシュジンサマはその様子に対してショックを受けている様子もなく淡々と、ロドリゲスの両目が緑色に染まったのを確認する。 ロドリゲスはと言えば、急な妊娠が飼い実装にどんな運命を齎すか知っているが故に大慌てだ。 ショップで受けた教育、数月に一度行かされる実装講習会。何度も何度も見聞きした。 腹の下部に蠢く感覚。ああ、ああ、妊娠だ。 ロドリゲスは驚きに震える。実装石の花粉による妊娠は珍しくないが、ロドリゲスには初めてのことだった。 仔育てには憧れているが急な妊娠となるときっと話は別だ。 ロドリゲスのパニックが加速する。 「デスゥ!!デスッスゥ!」 ゴシュジンサマはそんなロドリゲスを「落ち着け」と言って制止させた。 「お前にゃ色々感謝してんだよ、仔ぐらいは許してやる」 なんだかんだと言え彼もまた愛護派に近い人種ゆえ、飼い実装の急妊娠についても覚悟ができていない訳ではない。 こと、ロドリゲスの世にも珍しい「無欲」で「忍耐強い」扱いやすい気質や極めて不純な動機の毎朝の散歩に付き合わせていることなど、 彼は彼なりにロドリゲスに借りのようなものも感じている。 だからこそ、彼はそれを許した。 「ロドリゲス、お前はこれまで忍耐強くてわがままも多分だが言わんかったな。まあ、その褒美のようなもんだ」 そう、いつもの淡々とした声で言った。 ロドリゲスは「デ……!デスゥ」と小さく鳴き、ぺこりとお辞儀をして感謝を示す。 収まったパニックと実装石の憧れである仔を産むことの許可。 胸の中に嬉しい気持ちが巻き起こっていく。今以上を望めば破滅すると教え込まれた実装石には、甘美すぎる「今以上」への許し。 しかし同時に、内心のざわめきが覆う。 仔を産める。至上の喜びのはずなのになぜか胸が締め付けられている。 …… 夜、実装水槽の中で雑巾の布団にくるまりながら漠然とした不安とロドリゲスは戦った。 仔を意識するたび、ロドリゲスの心は重くなった。 腹の中でにわか蠢く胎実装の素となる疼きはロドリゲスに立派な母になれるか?という重みを与える。 だが、それ以上に重いのは、仔の未来への恐怖だ。 「デー、デ」 ロドリゲスはこのところ頭を悩ませる実装石に与えられる「低さ」の世界を思った。 この脆い体、あの、きつい身体を縛るもの、実装石を嫌うニンゲンサンがいること。 そして……認めたくはないが「ぶさいく」だとわかった姿。 仔もまた、この「低い」存在として生まれるのか。 ロドリゲスは自分の狭い世界 ——実装ショップ、ゴシュジンサマの家、公園、散歩道—— あらゆる景色を振り返って、震えた。 耐えられない。 出生地であり、教育も受けた実装ショップでは不出来な仔はすぐに増長して潰された。 ゴシュジンサマに見せられた教育ビデオでは飼い実装としての道を外れた実装石がどうなるかを見せられた。 公園に住み着いた野良実装が白い服のニンゲンサンに何かを吸わされて死ぬのを目撃した事もある。 横目に見ながらバカな連中だと呆れたけれど、自分の仔がそんな「低い」振る舞いをしないとは限らない。 むしろ自分に似た仔たちならばどうだろう。実装石の命はひどく「軽い」。実装石の世界はあまりに「低い」。 自分はいい、自分の面倒を見てくれるゴシュジンサマに巡り合えた。 だが仔はどうだ、もしかすれば生まれるその先の仔もどうだ、その先も、その先も、そのずっとずっとうんと先の仔まで。 その仔たちは、実装石はずっと「低さ」を背負って生きるのか? 不出来になればすぐに潰されるいのち、くだらないバカをやらかして果てる愚か、もろい身体、弱い力、そしてぶさいく、そんな「低い」もの。 耐えられない。 「デシャア、デッシャアア……」 その夜、無欲なるロドリゲスの胸に強烈すぎる欲望が沸き起こった。 それは、ぐつぐつと煮えたぎる窯のように。 …… できるかどうかはわからない。 けど仔には「高さ」を持ってほしい。 「高いもの」とはなんだろう。 少なくともそれは実装石にはない。あのしわくちゃ顔のような頑健さ、ニンゲンサンのもつもの。 大好きなゴシュジンサマ。ゴシュジンサマが大好きなニンゲンサン。 ゴシュジンサマがそのニンゲンサンに向けるような態度。 ……そうだ、あのニンゲンサンだ。 絶えずゴシュジンサマに求められ、愛されている。 その為に自分は毎朝あんなことをさせられている。 多分あれがいちばん「高さ」があるものだ。 本当は実装石が一番かわいいはずだが、ニンゲンサンはそう思っていない、そしてそれが実装石を「低く」しているのなら、 もう、そこに合わせるしかない。 誰が「高さ」の頂点かの答え?それはきっとあのニンゲンサンだ。 あの優しく笑うニンゲンサン。 彼女はしわくちゃ顔を抱き、優しく笑い、自分にもたまに優しい声をかける。 あれだ、あれだ。目指すべき「高さ」だ。ロドリゲスは確信した。 仔は、彼女のようにならなければいけない。 「デスゥ、デデス、デッデロゲー、デッデロゲー」 ロドリゲスは腹に手をやり、仔に語りかけるように胎教歌、シアワセの唄を口ずさみ始めた。 通常の実装石が仔に聴かせるようなものではない、 仔を「低い」運命からはじき出さんとする、狂気の祈り歌。 …… ロドリゲスは、囁くように、祈るように常にちいさく仔に歌を歌った。 散歩の時も、日中も、夜も、起きて居られる限りはずっと声を枯らして歌い付けた。 「ロドリゲスちゃん、お母さんになるんですね」 「ええ、よっぽど嬉しいのか歌いどおしで」 散歩の際にはじっとあのニンゲンサンを見る。 「仔が生まれたら遊んであげるね~」 しゃがんで目線を合わせてくれた。この顔だ、この笑顔。よく覚えておかないと。 ゴシュジンサマにも向ける笑顔も見る。焼き付ける。 実装石の簡素な声帯から、ぎこちないが心のこもったメロディが漏れる。 「デスゥ~デッデロゲー、デゲゲロン、デッデーロゲー」 あまりに奇妙な胎教歌。 訳せば『実装石に似たら、だめデスゥ。ニンゲンサンの女に似るデスゥ。高い、高い存在になるデスゥ』 そんな内容の極めて異質なモノ。 ニンゲンサンの顔とつくり、滑らかな肌と輝く髪。 ロドリゲス自身も何がどういいのかは上手くわからないがいい感じがする。だからきっと「高い」のだと信じ抜く。 偽石を伝って仔へとそれが伝達される。 実装石の三等身、でっかちな頭、丸っこくのっぺりした顔とは正反対の姿が「高さ」だ。 腹の仔たちへとロドリゲスの願いが伝わるが反応はそれぞれ様々だ。 「レフ?レフーっ!レフフフ!レフッ!!」 憤慨するこの胎実装は実装石は実装石のままで愛されるに決まっている、実装石がいちばんかわいい!そう主張しているらしい。 まあ、実装石らしいと言える考え方で、ある意味正常とさえ言えた。 「レフ……レレフゥ……パキンッ」 そうして数日もせずに彼女は死んだ、命とさえ呼べるかわからないので、その表現は適切ではないのかもしれないが。 腹の中でまともに成長もできないまま、糞袋の海へと溶けた。 本能から実装石の姿を肯定しようにも、実の母親が『実装石の姿はぶさいく』だとひっきりなしで繰り返し、偽石の記憶を垣間見せる。 低い存在の運命。低さの恐怖。 だから『実装石として』シアワセになりたがった仔がそれに耐えきれるはずもない。 「レフー!」「レフッ…」「レフフ……?」 腹の中で次々と、命未満の命が溶けていく。彼女のような仔は数多く、既にロドリゲスの腹の中の胎実装は半数が溶け消えていた。 それを感じる度にロドリゲスは顔を曇らせた。 それでも、歌うことはやめなかった。ロドリゲスの意思に沿う仔もまた存在しているのだから。 腹の中で急激な変異を始めている胎実装。 実装石の胎教が仔実装の形状や特性に変化を与える研究はこれまでもあったが、 ロドリゲスの場合は特例中の特例と言えた。 己らの外観に無根拠ながらに尊大な自信を持つ実装石が自発的に自身の意思で己らの姿を変えよう、などとする事はおそらくこの先もう二度とはないだろう。 あるいはそんな事を発想できる環境に居て、それを成せると本気で信じる実装石など現れまい。 …… …… 実装石の祖先とは出来損ない玩具に命が宿ってしまったものという都市伝説がある。 曰く、不出来な奇跡の元に生まれついたそれは処分を間近に脱走した。 曰く、自分が無価値な失敗作だと信じたくなかったからだった。 そうしてその末裔達はニンゲンに愛される事を求め構われたがり遊んでもらいたがる。 存在を承認される事でこの世界に居ていい事を保証してもらう為。 大袈裟に泣いたり事ある毎に糞をするのも、喜怒哀楽がいちいち激しいのさえ、 本質的には人間の反応を引き出す為なのだと。 それが真実かは今やもう確かめるすべもない。 しかし、世の多くの実装石が自分たちの存在の承認を本能的に求める姿が、その荒唐無稽な物語に真実味を宿らせていた。 ロドリゲスが行うのはそんなすべてへ「それでは価値がない」と叩きつける行い。 ありのままを愛されたがった祖先や同胞、あるいは本能に対する、強い強い拒絶。 きっと、通常の実装石が今のロドリゲスを見れば、本能的な面で攻撃を選ぶだろう。 実装石を実装石たらしめる根幹への反逆を選んでいるロドリゲスのその姿は、彼女たちをざわつかせるだろう。 きっと、彼女たちにとってその思考も行動もすべてが罪深いものになるに違いない。 …… …… 偽石の記憶——ロドリゲスの「高さ」への渇望——が生き残った仔たちへと流れ込む。 糞袋内で蠢く、生き残ったごく数匹のみの仔たちは、通常の実装石とは異なる形に変わろうとした。 長い手足、細い胴、人間に近い等身。だが、その変異はあまりにも過酷だった。 腹の中で起きる急激な偽石に亀裂が生じ、僅かに生き残った仔たちは次々と死んでいく。 歪に形成されかけた小さな人体モドキが糞袋に溶けて消えていく。 「デデデ、デデ。デー」 腹の中で命になりかけた存在が中途で無理の中で崩壊するのを感じながらも、やはりロドリゲスは決意を固めて意思も曲げない。 「デッデロゲー、デッデロゲー……!」 「妙に腹でかいしよくメシ食うけど巨大赤ちゃんとか産む感じ?」 ゴシュジンサマは妙にソワソワと歌い続けるロドリゲスが戦い続けている事に気づかない。 おっとりしたおとなしいロドリゲスと言えど、仔を持てたのがよっぽど嬉しいのだろう、と考えて深く触れるつもりもない様子だった。 「あんまりでっかすぎるのは産むなよー、ロドリゲス」 冗談めかして笑うのも、単に産まれるものが仔実装だからだと思っているからだ。 リンガルを使う類のゴシュジンサマであれば異常事態を察知できただろう。 しかしロドリゲスのゴシュジンサマは、大まかなコミュニケーションしか実装石に求めなかった。 ロドリゲスもまたロドリゲスで良くも悪くもそんなアバウトな飼い方に適応できたゆえ、リンガルが必要となる局面もなかった。 だからこそ、このような状況へと至ったのかもしれない。 ゴシュジンサマは何が起きているかを知らない。気づきようもないだろう。 世界中の誰もが知らない。ロドリゲスとその仔だけが知っている。 ただロドリゲスは歌い続けていた。 死にいった仔たちに、育ちゆく仔たちに。 …… …… デッデロゲー、デッデロゲー。夜中故に声を小さくしても、ロドリゲスはまだ歌い続ける。 『高い、高い存在になれ。実装石の低さを捨てろ。』 どくん、どくん、どくん、腹が跳ねた。 「デッ!」 大きく、大きく跳ねた。 深夜の実装水槽内、ロドリゲスの腹が膨らんでいく。 ロドリゲスの偽石から何か、実装石が持つデタラメな力を吸い上げているような感覚がある。 そうか『成った』か。 ロドリゲスは思った。 ロドリゲスの身体が萎れ、肌がくすみ、髪の毛から色の一切が抜け落ちた。 力がない手が腹を撫でる。 …… …… 「おいなあロドリゲスお前かなりボロボロだけどなに?なんかあったの?マジで、昨夜何があったの!?」 目をシロクロさせるゴシュジンサマはロドリゲスの姿に驚愕を隠せない。 朝起きてふと見てみればボロボロになったロドリゲスと異常なまでに大きくなっているその腹である。 仔実装を産むという光景とはかけ離れた奇怪さが含まれている。 「デス」掠れた声でひと鳴きをあげて、ロドリゲスはあらかじめ作られていた出産用の湯桶の中に入る。 赤の涙が、ロドリゲスの顔を濡らした。両目が赤く染まって、ついに出産が始まる。 ロドリゲスは、自分の何もかもが崩れゆくのを感じながら、それでも歌をやめなかった。 ぎちぎちとロドリゲスの総排出腔は裂け、緑と赤の液が流れ出した。 「おいっ……!」 ゴシュジンサマが慌てる中、ロドリゲスは最後の力を振り絞った。 思えばここに来るまでに無数の仔が腹の中で死んだりもした、肉体も仔の変異の負荷に耐え続けた。まあ、もうここで限界が来るんだろう。 だが、それでも自分は成した。 なんなら、覚悟の上だ。先の先、その先の仔の為だ。 ロドリゲスのもはや半分が割けた腹の中から、数匹の仔が這い出してきた。 「です」「ですぅ」 その仔らは、ロドリゲスの気質を色濃く受け継ぎながらもまったく異なる姿だった。 六頭身の人間に近い体、整った人間の女性的な顔、滑らかな白い肌、長い栗色の髪。 目は実装石と違い曇りなく輝き、糞の臭いはなかった。 実装石の「低さ」を脱ぎ捨て、ニンゲンサンの女性を象る、美少女然とした姿。 それは、ロドリゲスが夢見た「高さ」の具現だった。 「なんだ、これ……」ゴシュジンサマが顔を青白くしながら呟いた。 ロドリゲスは、仔を見つめ、弱々しく微笑んだ。 「デスゥ」 それを視認できたことでロドリゲスの身体から力が一気に抜けて落ちる。 「高い」「高い」ぞ、「低く」ない。「低くない仔」だ。 この仔たちも、この仔の先の仔も、きっと「低い」世界で生きない。よかった。 直後にロドリゲスは静かに崩れ落ちた。 「おいロドリゲス、急すぎるだろ、おい、おい」 ゴシュジンサマは泣きながらロドリゲスを湯桶から抱え上げ、思い切りその損壊した死体を抱きしめる。 それはロドリゲスに対する、仔実装以来の抱擁だった。 「です」 ロドリゲスから産まれた者たちは、ゴシュジンサマの腕の中の事切れた母親を見つめた。 そうして、祈るように小さく鳴いた。 それが後の世で、実翠石と呼ばれる存在の最初の数匹だった。 【おわり】 お蔵入りにするつもりでしたが上げてほしいという希望があったので残しておきます。 お蔵入りにしてた理由は前編の味だった等身大の世界観が崩れてしまうことや、結局また俺実翠最高モノ書くのかよ、みたいなアレがありました。
1 Re: Name:匿名石 2025/09/25-17:58:28 No:00009798[申告] |
お蔵入りにするには勿体無い良作デス
上げてくれてありがとうデス |
2 Re: Name:匿名石 2025/09/25-22:36:09 No:00009799[申告] |
素晴らしいスク。
実装石のどこかにいるかも知れない感じが好きな自分にとって、絶対こんなんいないと思わせる実翠石。 そこに湧き上がる非現実感を包んでくれる作品だった。 おかげさまで実翠石スクも読めるようになる...かも知れない。 |
3 Re: Name:匿名石 2025/09/26-00:35:56 No:00009800[申告] |
実装石を俯瞰し欲望が無かったはずのロドリゲスが子供の未来の為に歌った切望の唄
初めての願望とそれによる狂気の篩で奇跡の進化をもたらしたのが刹那的な我欲でなかったのがとても彼女らしいというか でもやがてその奇跡の子の後継者達は嫉妬の怨嗟を受けまくるのかと考えると素直に祝福していいのやら複雑な気持ちになる |
4 Re: Name:匿名石 2025/09/27-11:19:27 No:00009804[申告] |
ありのままの実装石として愛されたかった始祖実装のお話も切なそうで気になる |