飼い実装テヴェールの穏やかな日々 その4 ご飯 ----------------------------------------------------------------------- 『いただきますテチ!』 餌皿に盛られたご飯を、飼い仔実装のテヴェールは手を合わせてから口に運ぶ。 母実装からの教えを、テヴェールは今も律儀に守っていた。 ご飯はセントバーナードのバルクホルンと同じドックフードだ。 体躯の小さなテヴェールでも食べやすいよう、ある程度小さく砕いてある 。 『ごちそうさまテチ!』 食べ終えた後も挨拶を欠かさない。 一緒にご飯を食べていたバルクホルンは、一足先に食べ終わって寝そべっている。 テヴェールはそんなバルクホルンに身体を預けるように横になる。 『あったかくて落ち着くテチ・・・』 食後はこうして休むのが二匹の習慣になっていた。 二匹の仲良さそうな様子を、飼い主一家は穏やかな笑顔で見守っていた。 実装石は雑食であると知られている。 生ゴミを漁っている野良実装の生態からしてもそれは周知の事実ではあったが、だからと言って好き好んで生ゴミを口にしているかと言えば決してそうではない。 『ふざけんじゃねぇテチィ!』 癇癪を起こしたとある飼い仔実装は、野菜の切れ端が盛られた餌皿を蹴り飛ばした。 『ワタチは飼い実装テチ!飼い実装にふさわしいご飯をよこせテチ!』 ペットショップで買われてからの三日間、この仔実装の食事は野菜の切れ端ばかりだった。 量こそ十分なものの、味気ないことに変わりはない。 『こんなものこうしてやるテチ!』 冷ややかに見下ろす飼い主の前で、飼い仔実装はこれ見よがしに野菜の切れ端にたっぷりと糞を垂れた。 飼い主は舌打ちとともに、金平糖のようなものを飼い仔実装の足元へと転がす。 『コンペイトウテチ!』 今までの怒りはどこへやら、飼い仔実装は喜んで金平糖のようなものにむしゃぶりつく。 数瞬後。 『テベヂィィィィィィッッ!!??』 全身を内側から灼き尽くすような激痛に襲われた飼い仔実装は、口から吐しゃ物を、総排泄孔からは糞を溢れさせてのたうち回った。 『・・・ヂィッ(パキンッ!)』 金平糖状の物の正体は即効性の実装コロリだった。 飼いになったら毎日ウマウマのものを食べられるという飼い仔実装の望みは、叶えられることなく終わった。 では実装石用に開発された実装フードならば良いかといえば、必ずしもそういうわけではない。 一口に実装フードと言っても、その品質はピンキリであるからだ。 『テェェェ・・・、またこのフードテチィ?』 とある仔実装は、与えられた実装フードをため息交じりに口に含む。 量と低価格に重きを置いた実装フードでは、味など二の次三の次である。 ちなみにこの実装フード、保健所で処分待ちだった実装石や、ペットショップでの販売に適さないとされた実装石達を原料とすることで、大容量化と低価格を達成した代物である。 工数削減のため、髪や服を剥かないどころか糞抜きすらしていない状態でミンチにしているので、半ば糞でできていると言っても過言ではない。 このような低品質極まりない実装フードばかり与えられた実装石がどうなるかというと、不満を爆発させて糞蟲化からの処分か、心身共に病んで早死にするかのどちらかになることが多いという。 -- 高速メモ帳から送信
1 Re: Name:匿名石 2025/07/05-23:20:58 No:00009737[申告] |
野菜屑や同族肉&実装糞も実装石の食性から言って何の問題もないはずなんだがねぇ
足るを知らない実装なんてステーキや寿司なんぞ与えても結局飽きて膨れ上がった自分の妄想上の贅沢に潰されるだけだし 案外テヴェールは幸福になる才能持ちなのかもしれない |