ここは数ある公園のひとつ。 その中でも「虐待系」の公園だ。 沢山の実装石が生まれては消え、それに関わる者達が足しげく通う場所。 <私>はその公園のベンチに座ってぼーっとしてる。 公園の各地では中心では少数の者達が声を荒げている。 「糞蟲を虐待して何故悪いんだヒャッハー」 「この虐待厨が異常者が大手を振ってんじゃねえよ」 「その異常者御用達の場所に何故辿り着いたんだい?」 「煩い!キモイんだよ虐待厨!」 「偉そうに言っても荒らしじゃん、人様の作ったサイトのルールを破って正論吐けてるつもりかい?」 「世間から見れば変態だろうが!」 「その同類が何か言ってます」 「正しく指導してやるって言ってんだよ」 「はははこやつめ、管理人になったつもりかい?」 少数の者達がお互いに煽り立てている。 ふと横を見ると一匹の実装石がこちらを見ている。 「あなたは何をしているデスゥ?」 <私>をいや、<私達>を身あげて問いかける実装石。 成る程、文章も書かず絵も書かない主張もしない人間が<公園の中>にいるのが珍しいのだろう。 「いや、最近<実装石の公園>が面白くてね」 <私>は答える。 「最近はどこの公園もこうデスゥ、これのどこが面白いんデスゥ?」 まあもっともな意見だろう。 「公園を覗き込む沢山の人達が嫌な顔をしているデスゥ。それなのに面白いって言うデスゥ?」 全く正論だ。 真ん中で罵り合う道化達が聞いたらどう思うだろう? 「だって面白いよ、世間が眉を顰める行為と解った上で楽しむ糞蟲と人様のサイトに上がりこんで荒らせば自分の株が上がると思い込んだ糞蟲が争っているんぜ」 まるでスクの虐待派と愛護派のまんまではないか。 どちらにせよ世間様に褒められる事は無い。 「じゃああなたはどんな糞蟲デスゥ?」 中々に口が悪い、しかし悪い気はしない。 「当然デスゥ、私は<あなたのベンチの傍に居る実装石>デスゥ。ところで質問の答えはどうデスゥ?」 また問いかけてくる。 「<私達>でなく<私>の答えでいいかい?」 一応確認を入れてみる。 「そう聞いてるデスゥ」 言質が取れた。 「虐待派だね、セックススレや愛護スレには興味が無いし、ただね・・・・・」 「ただ何デスゥ?」 「人様の庭でのルールは守るように努力しているよ」 「具体的に何してるって言うデスゥ?」 「別段特別な事は無いよ、サイトの注意書きに従うとか双葉に転載しないとか」 「当たり前の事デスゥそれを守れずに私達を糞蟲言うデスか」 「耳が痛いな、じゃあ今度はこちらから質問だ」 首をかしげる実装石。 「どっちの糞蟲に勝ってほしい?」 実装石自身に聞いてみたい。 「馬鹿な質問デスゥ」 「?」 「私達の死は忘れられる事デスゥ、愛護でも虐待でも作品がある限り不死身といっていいデスゥ・・・例えば」 バチャ いきなり話していた実装石が砕けた。 しばし呆然とする<私> そして逆方向から別の実装石がやってくる。 とはいっても今度は親指だ。 手のひらに乗せてベンチに下ろす 「私はさっきとは別の実装石デスゥ、でも私も実装石デスゥ」 「さっきの話続けて」 「そういう意味では見当違いの文句言うだけの輩が一番嫌デスゥ、それはそっちも理解出来る筈デスゥ」 「確かに、こういった公園は言ってみれば社交サロンのようなものだ。そこに土足で入ってくるのはマナー違反だしサロンの雰囲気も悪くなる」 「そういうことデスゥ、あれを見るデスゥ」 親指が指し示す方向を見る。 公園の他の場所に色々な人物が居る。 ・原稿用紙に文章を書く者 ・絵を描く者 ・マンガを描く者 ・PCで何か大掛かりなものを作る剛の者 彼らの周りには多くの人が集まり、公園の外からも多くの視線を集めている。 しかしその中には中心で声高に吠える者達のようなものが混じっている。 多くの作家は<視線を外す>事で空気のように無視しているが、視線を合わしてしまい耐えかねたのか公園を出ていく者も多い。 「別の公園では管理自体を辞めた人も居るデスゥ」 「らしいな」 「雰囲気が悪くなれば私達の事自体を嫌がるようになるデスゥ」 「確かに双葉とかでのイメージは良くは無い、あちらでは荒らしとして存在しているようなものだ」 「大体、私達の寿命だって決して長くないデスゥ、本家が忘れられれば当然私達も消えるデスゥ」 「意外と残るかもしれないよ」 「でもそれはたぶん今の私達とは別物デスゥ」 いきなり親指が目の前から消える。 そこには大顎を閉じた初期実装が佇んでいた。 初期実装は私の存在など意に返さずそこから去って言った。 「つまりはそういうことデスゥ」 声に従い上を見ると、木の上から獣装石が降りてくるところだった。 「どういうことだい?」 「私達は糞蟲設定から派生したものデスゥ、同じ実装石でも別物デスゥ」 「そういうもんなのかい」 「糞蟲系の公園は少なくともそうデスゥ」 「某有名掲示板のAAもそうだったな」 「名前は出さないほうがいいデスゥ」 「「・・・・・・・・・・・・・」」 会話が止まってしまう。 「さて、そろそろお暇しますか」 ベンチから立ち上がる<私> 「送るデスゥ」と獣装石が私に付いてくる。 公園の門まで着いた。 この先が<公園の外>だ。 「また来てほしいデスゥ」 「暇があればね」 最後に公園を振り返る。 「まだまだ楽しませてくれよ、荒らしの道化君」 それを聞いて荒らしがここぞと<私>に文句をつけてくるが、<私>はそれを“見ない”。 それに気づかない彼らはしばらく声をあげているだろう。 さてまた<公園の外>に戻ろうやはり私はそっちのほうがいい。
