「蛆まくら前編」 俺はある日仕事から帰る途中、急に腹が痛くなり公園のトイレに駆け込んだ。 トイレは案の定、実装石の溜まり場になっており、緑色の奴らは入口まで溢れていた。 『うわっ何だよこいつら・・』 実装石達は口々にデスデスと、何かを喚き立てている。 どうせトイレに行きたければ、金平糖をよこせだの、家に連れて行けだの、ほざいてるんだろう。 俺は足元の実装石どもを蹴飛ばし、蹴散らすと蜘蛛の子を散らすように逃げって行った。 「デスデスゥ(コイツ虐待派デス)」 「デスゥー(殺されるデスゥゥ)」 『まったく何だあいつら・・うぅ』 俺は腹を押さえて一つしかない「大」の扉を開けると、そこには丁度出産中の実装石がいた。 可哀相だがこっちも大変なんだ、出産中の実装石を掴み扉の外に出すと、 慌ててズボンを下ろし、一気に下痢便を出しやっと一息ついた。 外では実装石がデスデスと言いながら、盛んに扉を叩いている。 『入ってるよ!ちょっと待ってろ』 トイレの中でタバコをふかすと、つかの間の幸せを味わう。 『あ〜何て旨いんだ』 ふと足元の便器を見ると便器の影から、大きさが小指位の蛆実装が這ってきた。 そいつは俺の事を親と勘違いしているのか、盛んに甘えた声を出し、俺に媚びてくる。 俺は実装石には興味が無く、虐待派でも愛護派でもない。 『擦りこみって奴かな?』 蛆実装は靴の先まで来ると、必死に体を擦りつけ愛情表現をしている。 冗談じゃないぜ、トイレの蛆には興味は無い。 可哀相だが、俺の糞と一緒に流してしまおう。 蛆実装は必死に何かを訴えている、俺はなぜだか知らないがコイつに興味を持ってしまった。 コイツが何を喋っているのか気になるな、殺すのも可哀相だ親に返してやるか。 タバコを床に押し付け火を消すと、俺はズボンを上げ扉を開けた。 妊娠中の実装石は間に合わなかったのか、扉の前で仔実装を出産していた。 仔実装の中には蛆実装も混じっている、親が粘膜を舐め取っている。 手に掴んだ蛆実装は舐められていないのか、体中ガビガビだ。 俺は親実装にガビガビの蛆実装を渡すと、親実装はそれを仔実装に与えた。 蛆実装は脅えた声を出し逃げ出したが、すぐに仔実装に捕まり食べられそうになる。 俺は慌てて蛆実装を取り上げると、手のひらに蛆実装を乗せた。 蛆実装は安心した表情で、指にスリスリしてくる、その姿は少しキモイ物がある。 どうやら親実装はこの蛆実装を、子供だと認識出来ないようだ。 俺は少し考えたが、少し興味があったので持って帰る事にした。 帰りがけペットショップに寄ると、実装リンガルを買って帰った。 俺は自分のワンルームアパートに帰った、床はフローリングなっており、 収納式のベッドにキッチンと、窓の近くには椅子と机が置かれている。 簡素な造りだが、俺は意外と気に入っている。 家に着くと昔、金魚を飼っていたプラスティック製の水槽を出し、 タオルを敷き、蛆実装を入れた。 蛆実装は初めての場所に、キョロキョロと首を動かし不安そうな顔をする。 俺はペットショップで買った、リンガルを付けると蛆実装に話をした。 『おい、俺の言ってる事が分かるか』 蛆実装はキョトンとした顔をすると、俺の方へ這って来る。 「ママレフ、ママレフ!」 やっぱり俺の事をママだと勘違いしているのか、これは躾が必要だな。 『言っておくぞ、俺はお前のママじゃ無い』 『いいか!ご主人様だ』 『お前は今日から俺の事を、ご主人様と言え』 『分かったな!』 蛆実装は何の事か分からない様だ、盛んに尻尾を振って、ママ、ママと連呼している。 『ふぅー・・コイツを躾けるのは大変かもな』 俺は我慢強くコイツに、俺の呼び名を教え込んだ。 『ご主人様だ、ご・しゅ・じ・ん・さ・ま』 「違うレフ、何言ってるレフ?」 「ママはママレフ、ママレフ」 「だっこしてレフゥ」 「ぷにぷにしてレフ」 勝手な事言いやがって、何度教えても憶えない蛆実装に、俺は段々腹が立ってきた。 水槽を乗せている机を下から蹴り上げた。 『憶えろつってんだよ、この脳たりんが!』 ドカン! 水槽は衝撃で一度浮き上がると、中の蛆実装はかなりの衝撃で、水槽の中にまた落ちてきた。 蛆実装は驚きブビィ!と糞を漏らすと、泣きながら角っこに逃げて行く。 「レヒャァァア!」 「怖いレフ、怖いレフ」 水槽の角に頭を付け必死に隠れようとしている、いや隠れるの無理だから・・ 脅えている蛆実装にもう一度、教え込んだ。 『ご主人様だ、言って見ろ!』 蛆実装はちらりと、こっちを見ると脅えた声で話した。 「分かったレフ・・もう怖い事やめてレフ」 「ママはご主人様レフ」 「ご主人様レフゥ」 よほど怖かったのか、コイツは鞭を使えば憶えるようだな。 『よーし、良い仔だ』 俺が機嫌を取り戻したのが分かると、仔実装は仰向けになった。 糞まみれの尻を向け、短い手足を振って、こっちを見ている。 何だコイツいきなり、俺に何かして欲しいのか?。 『・・・・・』 『・・・・・』 俺が何だか分からずに、じっと蛆実装を見ていると蛆実装は口を開いた。 「何やってるレフ!」 「いう事、聞いたレフ」 「良い仔にしてたレフ」 蛆実装はシッポを振って何かを要求している。 俺は何となく分かったが、分からない振りをした。 『何やってんだ、お前」 蛆実装は急に怒り出すと、俺に命令をした。 「ぷにぷにするレフ!」 「言うこと聞いたから当然レフ」 「何やってるレフ」 ブピィ!ブブッ! うわ・・こいつ糞吹き上げてやがる、何考えてんだ。 まあ確かに言う事は聞いたしな、犬猫でも褒美をやると、言う事を聞くみたいだからな。 俺は蛆実装のお腹を、ぷにぷにしてやる事にした。 『ほれ・・』 ぷにぷに ぷにぷに 「レフゥゥン♪」 ぷにぷに ぷにぷに 「気持ち良いレフゥ」 よし!褒美はこれで終わりだ、あんまりすると癖になるからな。 蛆実装はもっとして欲しいのか、物欲しそうな目で短い手足を振っている。 しかし意外と気持ちが良かったな・・ぷにぷに。 せっかく用意したタオル汚しやがって、尻のしまりは何とかならんのか。 タオルごと蛆実装を包むと、俺は風呂場へ向かう。 『面倒くせーから、タオルと一緒に洗ってやる』 蛆実装をタオルごと洗面器に入れると、シャワーの水量を最大にして上からか掛けてやった。 蛆実装は慌てふためき、洗面器の中を逃げ回るが、狭い洗面器じゃ何処に行っても無駄だ。 洗面器いっぱいまでお湯が溜まると、蛆実装がおぼれている。 「レピャピャ」 「アプアプ助けてレフ」 「死ぬレフ、死ぬレフ」 「ゴポ!ゴポポ」 緑色に濁ったお湯を一度捨てると、蛆実装の服を脱がせた。 スルッと簡単に服が脱げると、蛆実装の奴は丸まって小さくなった。 今まで裸になった事も無いんだろう、不安で仕様が無いようだ。 俺はシッポをつまむと、そのまま液体石鹸(ボーナス)を垂らしてやった。 そのままヌルヌルの蛆実装を、ふろ桶を洗うスポンジで、床に押し付けごしごしと力をいれ洗った。 『おい!暴れるなって、きれいにしてやってんだろうが』 泡まみれの蛆実装は、よほど苦しいのか「レヒレヒ」と悲鳴を上げて、 俺の手から逃げようとする。 「苦しいレフ」 「泡が口の中に入るレフ」 「スポンジ痛いレフゥゥゥ!」 洗ってる側から蛆実装は糞を漏らしやがる、幾ら洗っても無駄に感じた。 俺は考えた、腹の中の糞をまず、出し切っちまえば良いんだ。 蛇口に蛆実装の口をあてがうと、俺はコックをひねった。 「レビャャァァァァァァァァァアアア!」 蛆実装のけつから水と一緒に、糞が押し流されて来る。 目を大きく見開き、蛆実装の奴は仮死状態になり気を失ってしまった。 『おいおい大丈夫か!』 俺は、水を飲み大きくなった蛆実装のお腹を押してやる。 口や尻から水を吐き出すと、蛆実装は目を覚ました。 「ゲホ!ゲッゲップヒャァアァ!」 「殺されるレフ、殺されるレフ」 「いっぺん死んだレフゥ」 ちょっとやり過ぎたか、まあ一応はきれいになったんだし良いだろう。 蛆実装は俺から逃げようと、必死に這って行くが所詮は蛆だしな、簡単に捕まえた。 洗ったタオルと蛆の服を部屋に干すと、裸の蛆実装を水槽に戻した。 タオルが勿体無いんで、新聞紙をひいた。 蛆実装はタオルとは違い、ごわごわの新聞紙が気に入らないようだ、 「寒いレフ、ふく返してレフ」 「何だか硬いレフ」 「お布団ひくレフ」 文句だけはいっちょ前だな、今日一日はそれで我慢して貰う。 どうせ服もタオルも、まだ乾かないしな。 俺はPCの電源を付けると、蛆実装の成体について調べてみた。 雑食性だから何でも食うらしい、甘い物が大好物か。 精神的にも肉体的にも弱く意外と死にやすい、成長すると親指実装になる。 まてよ・・蛆程度ならカブトムシ飼うくらいの手軽さで飼えるが、実装石になったら面倒だな。 俺は蛆実装専門サイトを 覗いてみた。 生まれてすぐに、胎盤の代わりになっている粘膜を親が舐め取らないと、 一生蛆状態が続く事もある、蛆マニアの間では、わざとそう言う状態を作る飼い主もいる。 そういやあいつも粘膜そのままだったな、蛆のままの一生か。 『どれ、様子でも見てみるか』 あいつは新聞紙にくるまり丸くなって寝ていた、服の代わりなんだろうか何だか笑えるぜ。 『おい!起きろ』 俺の声にあいつは驚き脅えている、新聞紙にくるまり隠れようとする。 俺の事が怖いみたいだな、さっきの風呂場の件が効いたみたいだ。 「レ・・レヒィィ・・」 俺は手に持ったロールパンを小さく千切ると、あいつに近づけた。 とたんに新聞紙から飛び出て、俺に近づいて来た、まったく意地汚い奴だぜ。 「よこすレフ、食べるレフ」 「早く食べさせるレフ」 あいつは体を起こして、必死にパンに飛びつこうとする。 ここは躾けのチャンスだな、餌で釣ればどうにかなるだろ。 『食べる前に質問だ、俺の事はなんて言うんだ』 餌の前では聞こえないのか、必死に飛びついている。 『もう一度聞く、俺の名前は何だ』 「レフゥ?」 質問に気付いたのか、あいつは首をひねり考えている。 おいおい、もう忘れたのかよ、こりゃ躾けも大変だな。 『ご主人様だ、言ってみろ!』 あいつは思い出したかのように、話し始めた。 「ご主人様レフ、ご主人様レフ」 「ママは主人様って言うレフ」 「早くよこすレフ」 「ご主人様って言ったレフ」 むっ・・性格も躾けなきゃな、俺は少し意地悪をしてパンをあげるのを、引き伸ばしてやった。 必死によこせと言っていたあいつも疲れたのか、その場で動かなくなり、ついには泣いてしまう。 「レフゥゥン!ひどいレフ」 「ちゃんと言ったレフ」 「ご主人様って言ったレフ」 「レェェェェェンン」 あんまり苛めても逆効果だな、俺はパンをやる事にする。 『泣くな!ほら食え』 ん・・食いやがらねえ、コイツすねてやがる。 「い・・いらないレフン!」 「食べて欲しかったらお願いするレフ」 ちぃっ・・調子こきやがって、お願いしてやろうじゃねーか。 『お願いします、蛆ちゃん食べて下さいよ』 「そんなに言うなら食ってやるレフ」 「食って欲しいレフかそれなら・・・」 「食後のデザート持って来いレフ」 「金平糖、袋ごと持って来いレフ」 「まったく・・使えない奴レフ」 「だいたい、お前は・・・」 俺は持っていた、ロールパンを握り潰していた。 コイツには甘やかしは無用だ、飴はいらねえ鞭だけで十分だ。 『食えよ・・食えっつってんだろうが!』 俺は蛆実装の口にロールパンの塊を、無理やり突っ込んでやった。 あいつは詰め込まれたロールパンに喉を詰まらせ、泡を吹いている。 「レヒィィィィ!」 いい気味だぜ、しかしこんな位でまた死に掛けてやがる。 泡を吹いて動かなくなった蛆実装を、そのままにして俺は眠りに付いた。 運が良ければ、明日も会えるだろう。 「レピャッ!レピャァ!」 「ひどい目にあったレフ」 蛆実装は息を吹き返した、生命力は意外としぶといようだ。 生まれてから最初に会った、あの人間は自分のママの筈なのに、ご主人様と言えと言う。 何かにつけて自分を苛めてくる、自分が一体何をしたと言うのか。 命の次に大切な服も取り上げられた、風呂場では一度殺されかけた。 餌を目の前にして意地悪をする、こんなにお腹が減っているのに信じられない。 蛆実装は吐き出した、ロールパンを食べ始める。 乾いたパンは食べると喉が渇いてしまう、水槽に水は無かった。 水槽の中から懸命に叫んだが、全く無視された。 蛆実装は新聞紙にくるまり、泣きながら眠りについた。 「レフンレフン、のど渇いたレフ」 「ここは寒いレフ」 朝になり男は起きると水槽を覗いて見た、むかつく蛆蟲だが気にはなった。 『生きてやがるなコイツ、意外としぶといぜ』 しかしご主人様が起きているのに、まだ寝てやがるのが気に入らないな・・ 今日は会社が休みだし、暇潰しにコイツを徹底的に躾けるか。 俺は朝からPCの前に座り、蛆実装の飼い方について研究をした。 蛆実装は知能の発達が、他の実装石より遅いので大抵は頭が悪い。 まれに頭の良い固体もいるが、普通の実装石より遥かに確率は低い。 『飼っている蛆実装も物覚えが悪い、明らかに頭の悪い部類だな』 蛆実装の良い所は頭が悪い故の、性格の良さにある。 大抵の蛆実装は飼い主に良く懐き、飼い主の事をママと思う様になる。 個体としてあまりにも弱い蛆実装にとって、防衛本能の一つである。 普通はそのまま大きくなるか、親指実装に変態をとげるが。 まれに飼い主に愛されて育った蛆実装は、飼い主の為に繭や蛹になり、 色んな形に変態をとげる事がある、何に変るかは判例が少なすぎる為に全く分かっていない。 過去には実装人や人間もどき、または普通に実装石になった例がある。 その要素は不確定で、蛆マニアと呼ばれるブリーダーが多いのは、 普通の実装石には無く蛆実装だけにある、神秘的な所も一つの要因である。 現在の蛆ブリーダーに多いのは、自分の飼っている蛆実装を、 どれだけ大きく育てられるか、大きさを競う事を楽しむ事が流行になっている。 毎年色んな大会が催され、自分たちの蛆実装の大きさを競っている。 現在の最大記録は去年の「」大会の記録、1m69cmである。 『でかいな・・考えられないぜ』 『そんなにでかくちゃ、キモイだけだろうに』 俺は自分のワンルームアパートに、置き換えて考えてみた。 足の踏み場も無くなる、邪魔でキモイおまけに糞までたれやがる、かんべんしてくれ。 男はその反面、ぷにぷにと触った時の心地良い感触を、思い出してみた。 あの小ささであの感触だ、大きくなるともっと気持ちが良いのかも知れない。 男は取りあえずマクラ位までなら、育てて見ようと思う。 その位なら腹をすりすり出来るだろう、マクラの代わりになるかも知れない、 その感触を頭の中で考えていた。 『よし!決めたぞ俺は、あいつを最低でもマクラ位まで飼う事に決めた』 『名前はマクラだ!』 俺は椅子から立ち上がると、寝ているマクラの所へ行った。 マクラは眠っている、蛆実装にしては性格は悪いがそんな事はどうでも良かった。 『おい!起きろコラ!』 『お前の名前はマクラだ』 マクラは寝ぼけた目で俺を見ている、起き抜けに発した言葉は。 「腹減ったレフ」 「甘い物よこせレフ」 「早くしろレフ」 「ご主人様はうすのろレフ」 俺の頭の中は、コイツをどう躾けるかで一杯だ。 甘やかせはしない、徹底的に分からせてやろう。 自分の対場って奴をな。 -------------------------------------------------------------------------------- またショートスクに戻ります。 あー楽だ〜一気に書ける、後編の展開はどうしようかな。 見張り作者
