実装石問題の本質と被害抑制の可能性分析 特殊生物学研究室 主任教授 緑川実 (双葉大學 理学部生物環境学科) 序文 近年の都市部における実装石問題は既に各自治体における重要課題となりつつあると言って 良く、又それに関係して所謂「愛護派」と呼ばれる保護論者側と駆除を求める側に分かれて 住民間の意見対立や軋轢が生じていると言う報道も目にする度合いが高まっている。又、飼 い主を持たず都市部に定住した実装石の存在と増殖は公園やコンビニエンスストアにおける ゴミの食い荒らし、民家への侵入等の公衆衛生上の被害のみならず、同時に虐待の横行によ る人間側のモラルハザードや教育上の多大な悪影響、如いては更なる異常犯罪発生の温床と もなっていると言われ、一層深刻な様相を呈している。 上記の理由から、ますます都市部での実装石の駆除一掃を望む傾向が高まると同時に、ペット 実装の飼育が都市部住民の生活への定着している事、其れによる実装関連産業の規模拡大に伴 う適正な管理の必要性、又度々報道されるペット実装の誘拐・虐待殺傷と言った異常犯罪の発 生とその悪影響等、実装石を取り巻く社会環境は複雑化の一途を辿っているのが現場である。 又、我が国特有の特殊な生物である実装石の生態に対する欧米諸国での興味の高まりや、それ に伴う虐待「文化」の放置に対する欧米世論の批判の増大は徐々に国際問題化の傾向を示し始 めている面もある。本論では、それら現代ニホン社会の重要課題となりつつある実装石とそれ を取り巻く環境を考察し、実装石問題の今後を展望するに資するものとしたいと思う 生物としての実装石の特殊性 実装石に生ずる問題を考察する時、その特異な生態の理解無くして本質的理解は極めて困難 であると言える。この章では先ず、実装石と人間の間に生ずる諸問題について言及する前に、 実装石という生物の特異性について論じる事とする。 先ず、あらかじめ断っておくべきと思うが、実装石は他の如何なる動植物とも異なり、進化の 系統樹の上にプロットする事が極めて困難な存在である。以前は動物界・実装動物門と言うカ テゴリが儲けられanimaliaの34門目の種と定義されていたが、現在は動物界の定義の内、 ・ 卵子と精子の二種類の異なる配偶子が受精する事によって発生する倍数性の生物 に当てはめる事が困難であり、しかしながら明らかに植物界のカテゴリに分類する事も難しい 為、現在はより上位の概念である界を儲け、真菌やクロミスタの如く動物でも植物でもない 「実装界」(ジッソーリア)に属する生物と言う事で概ねの決着を見ている状態である。 しかしながら実装石の生態は余りに動物、殊更その行動様式は人類のそれに酷似している為に社会 通念上は便宜上「動物」とされている事が多い。実装石はその行動から「受精・受粉による繁殖」 を行っている物と広く誤解されているが、実際のところ「単性生殖で自己のクローンを生む事に よって繁殖する」存在である。 その発生は男性器様の器官を有する変異体(彼等の精液を採取、分析したところ、其処に如何 なる配偶子も含まれていない単なる分泌液である事が確認されており、一種の擬態ではないか と考えられている)との交配に類似した行為や、全く異なる生物である植物の花粉との接触、 時に脊椎動物との「交配」や著しい場合は眼球表面に「妊娠色・出産色」と同じ色素を含む 液体等を点滴された場合においても可能と言う事実がある。 これは即ち「妊娠出産すべき」とその固体が何らかの形で認識すれば繁殖可能であり、交配に 類似した行為や花粉との接触等は「個体が妊娠しなければならないと認識する・思い込む」為 の手段に過ぎないとも言えるであろう。 つまり極論すれば彼らは「自己の意思によって任意に繁殖が可能」な存在と見なす事が出来る。 彼等における「個体差」とは単なる突然変異であり「遺伝」の結果生じた物ではない。実は、 全ての実装石は遺伝的には全く斉一なクローン体だからである。 実装産業界では「優秀な個体の血筋」等の謳い文句がまかり通っているが実際には俗に「糞蟲」 と呼ばれる社会性に乏しい個体と「賢い」と表現される知力・社会性に富んだ個体の差異は遺伝 で決定する物では無い為全くの無意味と言っていいであろう。上記の如く実装石の「個性」を 決定付けるのは「遺伝」とは全く無関係な他の情報である。 本来完全なクローン体として繁殖する彼らは所謂「偽石」と呼ばれる結晶体を核として肉体を 構成する。実装石は脊椎動物のそれと酷似した発達した脳を持つが、実はこれは二次的な補助 器官に過ぎず、彼等の「実装格」はこの偽石に刻まれた情報を元に成り立っている。 この偽石を核とした構造こそが生物としての実装石を特徴付ける最大の要因、いやむしろ 「偽石を本体として、繁殖や栄養摂取のために脊椎動物に類似した肉体を便宜的に作り上げた」 と言っても良い。それは彼等の肉体の脆弱性及び脊椎動物とは比較にならない程迅速な再生能力 と密接に結びついている。即ち、実装石とは「霊長類様の脊椎動物に擬態した、限定的知性を持 つ結晶体を核としてその周囲に有機組織を構成した生物」と言うことが出来る。 実装石の生態と偽石 前章において実装石の実質とは「知力を持つ結晶生命」である偽石であると述べたが、この事 は実装石の生態を理解する上で必ず念頭に置かなければならない事項である。 前述の如く、実装石各個体の性格・行動様式から時にその外形に至るまでが偽石の有する情報で 決定されており、他の生物では遺伝子によって担われている部分までが彼等に於いてはこの偽石 情報によって決定される事になる。 この偽石は言ってみればプレインストール型のコンピューターのような物であり、他の生物が生 まれてから学習によって学ぶ事柄、例えば言語の使用等が生まれた時点で可能なのもその為である。 又、この偽石の情報は誕生後も書き込みが続けられ、そして完全な形ではないがその個体が産む 次世代に母体内で書き込みが行われる。現在、家庭用のペットとなって何世代も経た飼い実装石 や真に野生の、言わば本来の姿である山実装と、都市部に住み着いた「野良実装」の行動様式や 価値観に多大な隔たりが存在するのも、全く異なる環境下で何世代にも渡って書き換えられつづ けた偽石情報の蓄積の差異であると言える。 例えば、俗に「媚び」と呼ばれる実装石特有の行動を考えてみる。此れは通常の動物であれば信頼 できる対象に対しての愛情表現として行われる筈の仕草が、実装石においては何故か無差別に人間 や他の個体を始めとする自分よりも優位な力関係にある存在に対して行われる為に「媚び」と呼ば れるようになったものである。 本来、動物の本能から考えればこれは大変危険な行動(自己の無防備さをさらけ出して相手を安心 させようとする行為)であり、危険極まりない相手である可能性が高い存在に対してこれを連発する 「本能」など他の動物の生態から考えれば在りえない自殺行為とも見える。 この「媚び行動」は主としてペット実装や都市部の野良実装に良く見られ、山間部に生息する野生 の実装石には余り見られない行動である事から、人里に下りて人間の生活圏で暮らす実装石に固有 の偽石情報と考えられる。類似の行動として「託児」と呼ばれる自分の仔を全く面識の無い人間の 荷物に潜り込ませて種の維持を図ろうとする行為や、仔を人間に対して誇示し、餌や保護を要求する 等の行為が見られる。 何れも、本来の生態系で暮らす山実装から見れば自殺行為以外の何物でもないこれらの行動は、 都市に生息する実装石においては何世代にも渡って繰り返し蓄積された定型の行動と化している。 これを従来は「非合理な行動」と見なして理解に苦しんで来たのが今までの動物行動学であったと 言える。単に短絡的な知性からくる「文化」であれ、或いは「獲得した本能」であれ、実際には 自ら生存確率を落とす行為を何世代にも渡って取りつづける理由など説明する事は難しい。 現に、他の都市部で暮らす野生化した動物の殆どが人間に対して極めて旺盛な警戒心を持っている ことは言うまでも無い。この行動を理解するには、偽石情報の書き込みと蓄積について理解する事が きわめて重要である。 これら「媚び」行動の非合理性の根底には都市実装の人間に対する「絶対的な信頼」と「徹底的な不信」 と言う相反する情報が、多大な蓄積となって彼等の行動を規定していると言う事実があるからである。 「人間は自分達を保護し愛してくれる素晴らしい存在」と言う認識と「人間は恐怖そのものの存在であり、 狡猾で残虐で憎むべき敵」と言う全く矛盾する認識が彼等の偽石の最も深いところに刻み込まれている と言える。その矛盾を、多くの実装石が「無防備に信用しつつ、内心憎悪する」(実装石は本来極めて 自尊心の強い生物であり、恐怖や憎悪と言う自己が劣勢にある時に生じる感情を平素は認めたがらず 虚勢を張る傾向がある。故に、その恐怖心や憎しみは「軽蔑」と言う形に転化されて表現される)と言う 形で解消し、折り合いをつけていると言えるが、その行動を見た者がその行動を人間の行為になぞらえ 「媚び」と呼んだものと思われる。 又、この深刻な二律背反は山野とは別の意味で極めて過酷な環境で生きる実装石にとって、同属に 対しても徐々に向けられるようになった物と推測される。 限定的とはいえ知的生物である実装石が、かくも非合理的な「媚び」行動を取りつづける理由として、 恐らく理性では制しきれぬ「激しい愛憎」を人間に対して抱いた情報蓄積が挙げられるだろう。 人里に下りたばかりの脆弱で小さな実装石にとって、時に人間は熊や狐等の野生動物以上に凶暴且つ、 理不尽残虐な「悪魔」であり、同時に驚くべき力を持って彼らを守り慈しむ「神」でもあった。 この強烈な記憶は、その後彼ら「都市実装」の偽石情報の基本となって受け継がれつづけたものと 思われる。 最大の尊敬・崇拝と恐怖・憎悪は、彼らが出会った多くの人間によって何百年に渡り植え付けつづけ られた基本情報となって引き継がれた。受けた虐待や殺戮は「人間を決して信用してはならない」 と言う拒絶として、そして庇護と、人間にとってはささやかな愛情は「人間ほど優しく素晴らしい 存在は無い」と言う盲目的崇拝として彼等の偽石に刻み込まれた。 虐待経験を持つ「家系」の野良実装が運良く生存しつづければその子孫は「人間に対してより強い 不信と警戒感を持つ」情報を残し、何世代にも渡って愛護家の家系に飼われた子孫は「人間とは 素晴らしく、疑う事など考えられない」と言う理想化された人間像を持つことになる。 両者のバランスが均衡した、最も平均的な実装石が、そのアンビバレンツから「人間を舐めている」 とみなされる行動・思考に陥り「糞蟲」と呼ばれる事になる。 又、仮にどちらかの価値観に偏った個体であっても、種として蓄積しつづけた「信頼」や「憎悪」 が蘇り、飼い実装が「糞蟲」化する、或いは野良実装が人間を信頼すると言う反応は往々にして 起きる。 この偽石情報の伝達手段として妊娠中の母実装の歌う「子守唄」と、その時胎児が見ると言う「夢」 の存在は極めて重要且つ興味深い。 人間の耳には成体実装石特有の低い濁音の鳴き声の連続としか聞こえないそれは一般に母親の世界観 を反映した胎児へのメッセージを唄にしたもので、内容は生への賛美や自己愛に満ちた内容もあれば、 厳しい仔への教訓を含んだ物、或いはペットであれば信頼する飼い主への賞賛、或いは虐待に対する 絶望などが我が子への愛情表現として語られる。 これは胎児自体に聞かせていると言うより、自己の経験や価値観を反芻・回想し、その偽石情報を 胎児の偽石に転送・書き込むと言った行為だと考えられる。このとき、書き込みを受けた胎児は「夢」 の形で母親の価値観や世界観を体験し、それが出世以後の性格形成を基本的に決定することとなる。 「賢い実装石の仔は賢い事が多い」と言われるのは出生後の親の躾による部分もあるとはいえ、 多くはこの「胎教」の時点で母親の持つ豊富で精度の高い偽石情報を受け継ぎ、それを社会性の 基盤としているからであると言えよう。「糞蟲」と呼ばれる性質の発生する原因の一つとしても 偽石情報が挙げられ、人間による虐待や同属による迫害、親族による暴力や育児放棄などを受けた 経験のある個体はネガティブな偽石情報を蓄積し、それが大きな発生因子として作用している物と 考えられる。これは人間との接触が少なく、又一般に家族の絆が強く他コミュニティとのテリトリー をはっきりと分けて紛争を避けている山実装に「糞蟲」と呼ばれる個体が殆ど居ない事にも裏付け られる。 都市実装石による共食い・間引き・同属迫害行動 外見の異なる存在に対する実装石の排斥行動は、元々は山実装が自らの家族・コミュニティを防衛 する為に余所者や侵入者に強い警戒心を抱く習性が在った事に起源があると考えられる。山野で常 に一定面積の食料獲得可能な土地を維持する為、厳密なテリトリー意識を持つ山実装は「見慣れぬ 存在」の侵入に対して非常に神経質であり、それが「脅威ではない」と確認できるまで極めて強い ストレスを受ける。 都市部の野良実装における「外見の異なる同属への激しい排斥」は、この本能を司る偽石情報が、 全く環境の異なる都市生活の中で度重なるコピーの果てに変化した結果と推測される。元々山野 で生きる為に家族単位の強い結束と序列意識のある群れを形成していた実装石は、都市部で生活 する中で本来の目的を失った序列意識と警戒心に加え、人間からの虐待に関するネガティブ情報 の蓄積によって「同属に対する暴行」と言う悪しき習慣を獲得した物と思われる。 又、本来極めてオプティミズムに満ちた彼等の思考形態に虐待経験と言う偽石情報は非常に暗く 深い影響を与え、一種の厭世や自暴自棄から自己破壊欲求の転化としての仔への虐待に走るケースも 多い。そう言った傾向と、過酷な都市生活の環境バイアスが生み出した行動様式として「仔食い・間引き」 と言う物がある。 極めて自棄的な性格と食料確保の必要性が一致した結果として、種の保存本能に著しく反した倒錯が 発生している現状がある。 山実装においても間引きや仔食いは行われているとの俗説は、都市部に於いて一部の虐待嗜好者が 批判回避の為に「実装石は邪悪な生物」と言う言説を展開するべく捏造した物であり、一種の責任 転嫁論とも言える。 (一例として山実装が焚き火を行い仔を捕食している資料等が流通した事があるが、熱に弱く火を 極度に恐れる山実装が山林で焚き火を行っていると言うおよそ考えられない物であった事を付記しておく) 豊富な物質によるスポイル 一般的な他の生物の例として、熊は人里に下りてゴミ箱を漁るようになれば「次は人間を襲う危険性 がある」として最優先で射殺される事が多い。スポイルド・ベアと呼ばれるこれらの熊は、自然界では 考えられない豊富な食料が何の苦労も無く手に入る事を覚えてしまい、同時に人間の脆弱性に気付き 食糧確保の一環とみなしてしまうからだと言われている。 言わば、熊と言う野生動物が人間の文明に触れて「堕落した」結果とも言える。この図式は、直接人間 に対する脅威となるには余りに脆弱であるとしても、実装石にも略そのまま当てはまる図式である。 所謂「糞蟲化」、同族社会における規範を喪失し、労せずして人間と言う「金平糖のなる木」に依存して 生活しようとする態度を生んだ最大の要因は一重に「本来の生活環境を離れて人里に住み着いた」事に 尽きると言える。 言わば、 生ゴミの放置や無計画な給餌 ↓ 怠惰・生活規範喪失 ↓ 目に付き虐待(偽石情報の蓄積) ↓ 正常な偽石情報の劣化 ↓ 生活能力の低下と格差の発生 ↓ 同属間における憎悪 ↓ 一層の劣化と公衆衛生への悪影響 ↓ 駆除経験(偽石情報の蓄積) ↓ 一層の糞蟲化・ネガティブ情報の世代間伝達 ↓ と言う悪循環が彼ら「糞蟲」化した個体を生んだと言っても過言ではない。 糞蟲化の連鎖防止の可能性 以上の如く、所謂「糞蟲」と呼ばれる個体の発生は 「本来の生態系を離れて人里に下り、人間と接触した」 実装石側に起因する要素と、 「無計画な愛護による実装石本来の本能のスポイル」と 「悪質な虐待によるネガティブな偽石情報の蓄積」 と言う人為的要素が重なって発生したものであり、半ば「人災」と言ってもよいであろう。 社会には彼らの「糞蟲」性を取り上げ、過剰に蔑視する者や、あろう事かそれを虐待の口実 として用いる不心得な人間も存在する。しかしながら、彼等のその好ましからざる性質の発生 は多くが人間側の責任による物であり、特に「虐待」の横行は一層の「糞蟲」化の促進と言う 深刻な事態を招いているとも言える (実装産業関係者にとって、ペットとして販売する仔実装への躾は不可欠なものとなっており、 虐待常習者の中にはこれと虐待を同一視して強弁する者もある。しかしながら強制的な人間社会 への適応を試みてまで実装石と言う生物を商品化するという行為の是非は置くとしても、そもそも 飼養目的の躾とは個体に対するポジティブな感情が根底にあって初めて意味を持つものであり、 加虐自体が目的化した虐待とは全く別のものであると言うべきだろう) 此処で取り得る措置は概ね次の物があると考えられる。 1、 選択的駆除 野良実装石の大規模な駆除は既に幾度も試みられている事ではあるが依然として効果が挙がっている とは言いがたい。又、この手法は生存した実装石から見れば「虐殺」以外の何物でもなく、知的生物で ある実装石に対して行う事に対する国際的批判は年々厳しさを増している状況がある。 又、これらの行為が恒常的に行われる事は、100パーセントの駆除が事実上不可能である以上、 「糞蟲化」のスパイラルを増進させる負の側面を常に持っていると言える。 此処で考えられる手法として「選択的駆除」と言うものが挙げられる。具体的には「知的水準が高く 社会性に富む家族」をあらかじめ一定以上保護し、その上で残余の実装石に対して一斉駆除を行うと 言う手法である。 駆除後は地域に再び「優れた固体の家族」を放し、山実装のそれに近いコミュニティを形成させ 「実装石に実装石を管理させる」事で適正な環境を維持すると言う手法である。 又、優秀なコミュニティによる地域実装の自主管理は実装石にネガティブな偽石情報を与える事を避け、 正しい情報をもった個体の優勢化を図る上でも極めて効果的な施策といえる。 尚、優秀なコミュニティに対しての給餌は冬季等の非常時のみに留め、基本的に餌は与えない事を 地域住民に徹底する必要がある。これは彼らが本来の生態系に近い形でスポイルされずに種を維持する 為の基本的要件となる。 又、地域内での虐待嗜好者の徹底的な取り締まりが必要である事は言うまでも無い。これは過度の人間 に対する不信感を植え付けられた実装石は確実に「糞蟲化」する偽石情報を蓄積する事になるからである。 2,無計画な「愛護」の禁止及び実装石の商取引の完全禁止 実装石の自立自治を促す為に、無計画な給餌や増して自然界にない人工の食物を与える等の行為は 避けなければならない。その点に関し、社会の実装石愛護の形は依然として認識が低く遅れている と言わざるを得ない。「一時の幸福を与えて、直後にそれを奪う行為は虐待である」と言う認識を 徹底させる必要がある。「持続可能な自立支援」こそが愛護の本質であるとの啓蒙活動を行う必要が 認められる。 又、広く産業として定着している感のある実装石関連産業であるが、業者による実装石取り扱いの 実態は極めて悪質かつ杜撰であり、無計画な愛護と悪質な虐待の温床以外の何物でもないとの意見 も多数存在する。今後は可及的速やかに実装石の商取引に法的規制を行い、ペット実装の譲渡は 原則として愛好家間の無償譲渡のみを認める方向性を示す事が必要である。 3,虐待防止の為の法整備と法執行権限を持つ取締機関の創設 前述の如く、「糞蟲化」の最大最悪の要因は「虐待の横行」にあると言える。しかしながら、 従来の動物愛護法における実装石の扱いは極めてあいまいであり、より対象を明確化し、 実装石の適正管理と虐待撲滅を目的とした法整備、及び虐待常習者に対する厳しい刑罰と 専門性の高く、強力な法執行権限を有する専従の捜査・取締機関の創設が必要である。 上記、三施策の迅速な実施こそが、最も効果的な実装石被害の抑止方法であると考える。 結び 本論は政府諮問委員会の緊急なる要請に基づき作成したものであり、学術論文ではなく 政策の骨子を提言する体裁となった。著者は所謂「象牙の塔」に篭る類の一学徒であり、 こうした提言に決して熟達している訳ではなく、聊か読みづらいものとなってしまった事を 諸兄に御詫びもうしあげるとともに、一市民として、又一介の「糞蟲好き」として委員諸兄 の本提案の真摯なる検討をお願い申し上げ、結びとさせて頂く。 どうか宜しくお願い申し上げる 20XX年M月D日 双葉大學理学部 緑川 実
