タイトル:【愛】 ジ・ソ・ガ・シ・ラ・フゥ~(虐待なし)
ファイル:商人実装のグルメ.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:481 レス数:2
初投稿日時:2023/09/22-13:04:07修正日時:2023/09/22-13:04:07
←戻る↓レスへ飛ぶ

【商人実装のグルメ】
【双葉公園北口近く エサ配布所の廃棄ハンバーガー】


仔実装用のピンク服が余っていると言うので引き取ったデスが、予想を上回る破れ具合だったデス。
元飼いだというお客が大事に保管していた物デスが、どうせもう着られないのと
冬に備えて食料が欲しいと言うので、たくさんの木の実と交換したデス。
デスが、これでは商品にならないデスから、『服屋さん』に修繕してもらわないとデス。

『服屋さん』とはその名のとおり実装服を扱う商売をしている実装石デス。
ワタシは『服屋さん』の住む公園北西に行き、木の実を渡して修繕を頼んだデス。

「こういう訳デス…ちゃちゃっと修繕して欲しいデス」
「わかったデス、ちょうどピンクの端切れがあるからそれで縫うデスゥ」

『服屋さん』の家の中にはあちこちから集めた様々なサイズの実装服がずらりと並んでいるデス。
ワタシもここから仕入れて別の実装石に売ったりするのデス。
『服屋さん』はピンクの端切れを使って、あっという間にピンク服を修繕したデス。

「はい、できたデス。その服、うちに売らないということは、これからお客の家に行くんデス?」
「えぇ、そうなんデス。北群れのボスが娘にピンク服を着せたいそうデス。
 すぐにサイズが合わなくなるだけだと思うんデスが…あのボスは仔に甘いんデス。
 …では、ありがとうデス!」

ワタシは『服屋さん』にお礼を言って、彼女の家を出て北群れのボス宅に向かったデス。

   *   *   *

双葉公園には東西南北に実装石の群れが暮らしていて、その内の北群れのボスが今回の客デス。
そのボスは仔に甘いと評判で、そのせいかボスの仔はワガママデス。

「いやぁ、助かったデス…ワタシの娘がピンク服を着たいと駄々をこねてデスね…。
 飼い実装が着てるのを見たんデスかね、まったく困ったものデス」
「ママ、余計なことを言わないでいいテチ!それよりこの服、破れた跡があるテチ。
 …もっと良いのはなかったんテチ?」
「申し訳ないデス、必死に探したんデスが…でも修繕してあるデス」
「まったく使えないテチ!」

これは糞蟲デスね…。
そのうちニンゲンサンの判定に引っ掛かって間引かれるに違いないデス…。
でも商売は商売デス、ここは笑ってやり過ごすデス。

「もし、もっと良いのが見つかったら優先的にお届けするデス」
「当然テチ!」
「こらこら娘よ、少しは加減するデス。
 …商人さん、ご苦労だったデス。これは今回の報酬デス」

商談は上手くまとまり、ワタシは商品と交換でコンペイトウの入った袋をもらったデス。
ボス宅を出てワタシが袋の中を確かめると、コンペイトウが8粒も入っていたデス。

「さすがボス実装、気前が良かったデス。デスが…」

コンペイトウを見たら…腹が、減ったデス…!

・
・・
・・・

「…よし、ゴハンを探すデス」

貰ったコンペイトウは保存が利くし取引の材料に使えるのですぐに食べる訳にはいかないデス。
ワタシは公園北口近くにあるエサ配布所の存在を思い出し、そこへ向かったデス。
確か今日は配布の日だったデス…!


   *   *   *


————エサ配布所。
この地域の人間が、実装石を定期的にチェックする場所。
地域実装の登録チップが埋め込まれた実装石には、状態を確認したうえでいくらかのエサを与える。
登録がまだの実装石には、登録チップを埋め込んでからエサを与える。

この配布所で糞蟲のチェックが行われ、引っ掛かった個体は間引かれる。
他にも様々な方法で、糞蟲や無登録野良実装の排除を行っている。
地域実装の数が増えすぎた場合は、糞蟲排除の基準を厳しくする。


   *   *   *


エサ配布所には大勢の仲間が集まっていたデス。

「思ったとおり、今日は配布の日デス」

今日の配布はエサの種類を選べるようデス。
1~4までの袋が用意されて、それぞれ匂いが違うデス。
…今日のワタシの腹は何腹デス…?ワタシは今、何が食べたいデス…?

1バンは…行列が長いデス…。オニクの絵が描かれた実装フードの絵の袋デス。
2バンは…サカナの匂いデス…。今日はサカナの気分じゃないデス。
3バンは…くだものデス…。甘い匂いがするデスが、今ひとつデス…。
4バンは…オニクの匂いデスが、匂いが薄いデス。そのせいか人気がないデス。

「うーん、並んで食べるのは嫌デス。4バンのオニクにするデス!」

ワタシはニンゲンサンの検査を受けた後、4バンの袋を受け取って家に帰ったデス。

   *   *   *

【廃棄ハンバーガー】
 ニンゲンサンのお店で作られたけど
 美味しく食べられる期限が切れたハンバーガー。
 まだまだ美味しそうなのにもったいないデス…。

家に帰ったワタシは紙袋からハンバーガーを取り出したデス。
それは冷めていたデスが、袋から出すとオニクの匂いが漂ってきて思わずよだれが出たデス。
ワタシはよだれを拭き拭き、手を合わせて食前の挨拶をしたデス。

「いただきますデス…」

————むしゃっ
うん、うんうん…!これは美味しいデス!
少し乾いたパンと匂いの強い挽き肉がよく合うデス…!

————むしゃむしゃ
よく分からないけど美味しい味のする茶色いソースが最高デス!
これはきっとステーキというものに近い食べ物デス…!

————もぐ、もぐ
まったくニンゲンサンはこんな美味しいものを作るなんて凄いデスゥ…!
一緒に挟まれてる酸っぱい野菜も口の中をさっぱりさせてくれるデス!

ワタシが夢中でハンバーガーにかぶりついていると、
それはあっという間になくなってしまったデス…でも、私のお腹は大満足デスゥ…。

「…ふぅ、ごちそうさまデス」

ワタシはペットボトルに溜めてあった水を一口飲むと、ゴロリと横になったデス。
今日はもう一件取引があるデスゥ、でもそれまでちょっとひと眠りするデス…。
ワタシはお腹が膨れた満足感を感じながら眠りに落ちたデス。


~終わり~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スレに投下したスクを大幅に加筆修正しました。
孤独のアレのパロが入っています。

あと随分と実装石に優しい社会なのは気にしないでください。
世界観としては以下のような感じ。


いわゆる「実装石が存在する普通の世界」とは少しだけ違う、
「少しだけ発達した実装石」が暮らす世界。

実装石は少しだけ進歩的な生活を営み、人間との関係も少しだけ良好である。
労働石として人間に雇われ、労働に従事する実装石も大勢いるし、
野良であっても自治体や地域住民に管理された、地域実装と呼ばれる個体が多い。

もちろん人間の一部には虐待派もいるし、実装石の中には糞蟲も存在するが、
普通の世界と比べれば少しだけ理知的な実装石であり、害獣扱いはされていない。

この世界の双葉公園の地域実装として、一匹の『商人実装』が暮らしている。
実装石から物品を入手して、他の実装石との間で物品を仲介するのが仕事だ。
実装石に貨幣の概念はないが、手に入りやすいものなら木の実と交換したり、
入手困難なものならコンペイトウと交換で入手する。

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため9658を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2023/09/22-21:12:45 No:00008003[申告]
実装石が商売してる様子で昔の割烹じそ屋だったかな。
ああいうのを思い出しますね。
2 Re: Name:匿名石 2023/09/29-13:40:45 No:00008050[申告]
おもしろい
元ネタドラマの雰囲気がいい感じに出てて好き
戻る