俺はミドリという実装石を飼っている。 性格は大人しくて扱いやすいが、最近は我儘なことも言うようになってきた。 そろそろ飼い替え時かもしれないな。 そんなことを考えながらミドリの様子を眺めていると、テレビを見ていたミドリが 俺の方を振り返って何か言いたそうにしている。 テレビで流れているのは、夏休みのレジャーについての番組のようだ。 嫌な予感を感じながら、俺はそのテレビ番組をよく見てみた…。 * * * 【海の場合】 その番組では、海のレジャーの様子が流れていた。 水着を着た男女が海で楽しく遊んでいる。 小さな子供は浮き輪を漬け、若い女性は肌もあらわな水着を着て喜んでいる。 それを見ていたミドリは、ついにその一言を口にした。 「ゴシュジンサマ!海に行きたいデス!」 「駄目だ。お前泳げないだろ」 俺はきっぱりと断った。 泳げない実装石を連れて海に行くなど面倒なだけだし、何より俺はインドア派なのだ。 だがミドリは引き下がらない。 「浮き輪を使えば平気デス!ついでに悩殺水着も買って欲しいデス!」 浮き輪買うのは決定事項かよ…やはり糞蟲化が進んできたみたいだ。 これはもう駄目だな。 俺はある決断をし、ミドリにダンボール箱を差し出した。 「よし分かった。海に行こう…この箱に入れ」 「デププ…ニンゲンサンたちを私の水着姿で悩殺するデス…」 ミドリは気味悪く笑いながら箱に入った。 頭の中の幸せ回路がどんな光景を見せているか知らないが…いや、大体想像はつく。 ともかく俺は箱を持って家を出ると、近くの川に行って箱を川面に浮かべた。 川の流れに乗って揺れるダンボール。 ミドリはようやく異変に気づいたらしく、声を上げた。 「デデッ!?ここは川デス!海じゃないデス!」 「知らないのか?川を下っていくと海に着くんだ。じゃあなー」 俺は次第に遠ざかる箱に手を振った。 「ゴシュジンサマ待ってデス!助けてデス!」 ミドリは箱の中でうろうろしたり手を振ったりしていたが、やがて浸水したのか箱は水没した。 川の中で水音をたててもがいていたミドリは、やがて沈んでいく。 「ガボガボガボ…助け…ガボガボ…ゴシュジ…ガボガボガボ……」 あぁ、沈んでしまった…ミドリ、海に行くって約束を果たせなくてごめんな。 * * * 【山の場合】 その番組では、山のレジャーの様子が流れていた。 山のキレイな景色や、山にある牧場で牛を眺める親子。 小さな子供はソフトクリームを美味しそうに舐め、父親は家族に焼肉を焼いている。 それを見ていたミドリは、ついにその一言を口にした。 「ゴシュジンサマ!山に行きたいデス!」 「駄目だ。お前の短い足じゃ山歩きなんて無理だろ」 俺はきっぱりと断った。 実装石を連れて山歩きなんてペースが合わなくて疲れるだけだし、何より俺はインドア派なのだ。 だがミドリは引き下がらない。 「ゴシュジンサマが抱っこするデス!ついでに牧場アイスも買って欲しいデス!」 俺が抱っこするのは決定事項かよ…やはり糞蟲化が進んできたみたいだ。 これはもう駄目だな。 俺はある決断をし、ミドリにダンボール箱を差し出した。 「よし分かった。山に行こう…この箱に入れ」 「デププ…牧場レストランで焼肉食べ放題デス…」 ミドリは気味悪く笑いながら箱に入った。 頭の中の幸せ回路がどんな光景を見せているか知らないが…いや、大体想像はつく。 ともかく俺は箱を持って家を出ると、近くの神社でやっていた祭りに出かけて風船を大量に買って ミドリが入った箱に括りつけた。 箱が浮かび始めるとミドリはようやく異変に気づいたらしく、声を上げた。 「デデッ!?ここはジンジャデス!山じゃないデス!それになんで浮いてるデス!?」 「今日は良い風が吹いてるだろ?この神社から風に乗って行くと山に着くんだ。じゃあなー」 俺は次第に浮かび上がる箱に手を振った。 「ゴシュジンサマ待ってデス!助けてデス!」 ミドリは箱の中でうろうろしたり手を振ったりしていたが、カラスが突いて風船が割れ始めた。 次第に数を減らす風船にしがみついていたミドリは、徐々に高度を下げていく。 「助けてデス!カラスあっち行けデス!ゴシュジンサマ!風船が割れ————チベッ」 あぁ、墜落してしまった…ミドリ、山に行くって約束を果たせなくてごめんな。 ~終~

| 1 Re: Name:匿名石 2023/09/07-21:33:21 No:00007940[申告] |
| 河川や山にゴミを棄ててはいけません
キチンと〆て実装ゴミの日に出しましょう! と言うか「あんたのいらん物はわしもいらん」看板思い出すので ショップも粗大ゴミより安く出戻り(末路はお察し)システムとか作った方がいいな 販売時に出戻り保障付きとか |
| 2 Re: Name:匿名石 2023/09/09-01:49:41 No:00007950[申告] |
| 買い換え需要で二度美味しい |
| 3 Re: Name:匿名石 2023/09/14-04:27:30 No:00007962[申告] |
| 短絡的だけど箱に詰めて燃やすのかと思ったわ |