ナショナルジソフロント 「皆さんこんばんは 今週もナショナルジソフロントの時間がやってまいりました 司会と進行は私、秋山美穂と解説に実装生物研究の専門家である 守屋敏明名誉教授をお迎えしお送りします」 オーディエンスの拍手のなか二人が一礼すると 毎度おなじみのOP映像とテーマソングが流れ 番組のタイトルロゴのCGがデカデカと浮かび上がった 今週取り上げるのは「山実装」であった 一旦スタジオに画面が切り替わり 司会が山実装に関しての簡単な説明を執り行う 山実装はかつて日本の山岳地帯に広く分布していた 独自の生態を有する実装石で コミュニティを形成し共同生活を行うほか冬には冬眠をする事や 30年前のグルメブームのおりに乱獲が進み現在では 個体数が半分くらいにまで減っている等が説明された 司会の説明が終わると解説が今回の内容について解説する 今回取り上げるのはそんな山実装の生態を最新の撮影機材を用いて撮影し 今まで分からなかった貴重な映像の撮影に成功したというものである そして司会の「さあ今週も実装ワールドを見て行きましょう」 の合図で画面が切り替わった ***************************************************** 映し出された映像には山実装のコミュニティが上空から映されていた 季節は秋に差し掛かる頃であり そこには来るべき冬に備えて準備作業に勤しむ 山実装達の様子が映っていた これはドローンに高性能小型カメラを搭載して写したものだと言う説明の後 何度も移動しカメラのズーム機能をフルに使ってその生態を捉えて行った また画面下には「これは土地権利者からの特別な許可を得て行っている」との 注意書きが流れる ドローン自体は極めて静寂で高い高度を維持している事もあり 山実装達は気づ掛けていないようだ その時突然みすぼらしくなった成体が映し出された 春に生んだのであろう仔を4匹ほど連れて歩いているのだが 何故か元気がない 足取りも重くフラフラとしてる 「これはまた珍しいものが見られるかもしれませんね」 と一言解説が述べた 仔達はそんな母親が心配なのか周囲に付き従い常に様子を見ていた すると突然母親がのけぞったかと思うと全身の穴から血を吹き出して 仰向けに倒れ動かなくなったのだ あまりにも突然な事に司会が不安げに解説に尋ねる 「先生…これは一体何が起きているのでしょうか?」 すると解説は目を輝かせて興奮気味に語り出した 「これはですね山実装が日々のストレスに耐えられなくなって 偽石を自壊させてしまったのですよ」 もう既に全身でワクワクしている解説に司会がやや引いていた ***************************************************** CMの後先ほどまでの興奮が収まった後解説が 改めて山実装の生活環境に付いて説明を開始した 「山実装は自然環境下で生きるにあたり常に緊張を強いられ そしてストレスに耐えながら生きています 元々実装石はストレスに弱いのですがにも拘らず 山実装達はこの環境下で生きる選択をしているのです これをご覧ください」 そう言ってスタジオの背後のモニターに指し棒を向けると そこには二体の実装石の解剖の様子が映し出されていた 「向かって右が一般的な実装石の偽石部分です 偽石を保護するための膜に覆われていて 多少の負荷では崩壊しないようになっています そして左が山実装の偽石です先程のと比べても 偽石を包む保護膜がはるかに分厚いのがわかります これにより通常であれば自壊死している ストレスにも耐えられるのです」 画像が切り替わり 先程の偽石を包んでいる膜が切開されて偽石が摘出されようとしていた デギャアッ! 偽石を取り出した瞬間実装石の悲鳴がスタジオに響き渡った 突然の絶叫に司会が少し驚いている 「先生…麻酔とかはしていないのですか…?」 すると解説は涼しい顔をして答える 「いいえ、そんな処置は施していませんっ そもそも実装石には麻酔が利かないのですから」 更に今度は山実装の偽石の摘出が始まった 膜に弾力があり固く分厚いためか切開には何度もメスを入れて やっと開くことができ中から偽石が取り出される …グウウッ… 僅かに小さなうめき声を上げたが山実装はその後沈黙していた 「さすがですね声を上げる事で外敵に位置を悟られないように 無駄な悲鳴を上げないようにしている 人間に依存し甘えている野良や飼いでは絶対ない行動ですよ」 解説が嬉々として説明する 「それでは取り出した二個の偽石を比べてみてください 明かにその違いがわかると思いますが」 確かに並べられたその差は一目瞭然であった 一般的な実装石の偽石は半透明な緑色をしているのに対して 山実装のそれは黒ずんでおりところどころにヒビが入っていた 「先ほども言いましたが山実装は生まれてから様々なストレスに耐えながら 生きている関係で偽石への負荷が大きいのです 保護膜が頑丈なのも偽石を守るというよりも自壊防止の意味合いが強いのです 本当ならとっくに偽石が砕けて死んでいるような事態の中を 生きねばならないという厳しい環境で生きていくためにそうなったのです」 そこで司会が質問をする 「では先生先ほど見た山実装の突然死はどういう状態で起きるのでしょうか」 するとモニターが切り替わり実装石と偽石を表す簡単な画像が映し出された 「山実装は生まれてから常にストレスに晒されて生活しています それは日々蓄積していきやがてそれに耐えられなくなった偽石が崩壊することで この突然死が起きるのです その為個体差はありますが生まれてから約3年で自壊死します 一方でコミュニティの知識階層は約6年ほど生きますが これは生活環境の差があると思われます」 ***************************************************** 更に解説は話を続ける 「山実装は春に生まれた仔が成体になりますので 突然死もまた決まった時期にまとめて起きる傾向があります これによって労働力の定期的なリフレッシュが図られる一面もありますが 一時的とはいえ労働力の低下が起きてしまいます それを補う手段として秋仔の利用が起きるのです 突然死は夏が終わる頃に多く起きますがそれと同時に 二年目の成体がメインとなって秋仔を生み育てます 育成期間は春の仔と比べて短く半月程で労働に投じられて行きます とは言えまだ非力なので餌集めや仕分け落ち葉集めなど 数が揃うと効率が良い場面に投入されて働かされます そして秋が深まる頃に仔消しと言って一斉に服や髪を奪った後に 谷底に突き落とす等で処分するのです」 一通りの解説が終わったところで再び画面が切り替わる 今度は夜の山林のようだ ドローンには暗視装置付きのカメラが搭載されている そこには頂上を目指して列をなして進む仔実装と それを誘導する成体の様子が映っていた それを見た解説は再び興奮した面持ちで喋り出した 「これは本邦初公開の映像ですね 先程説明した仔消しの儀の様子です 今までもその様子を捉える事は困難とされていましたが ドローンの使用でこうも簡単に撮影できるとは… いやはや撮影技術の進歩は素晴らしいですね」 暫くすると森の奥に集められ順番に3匹ずつ連れて行かれ その先の方で更に成体が複数いてあっという間に 仔実装の服と髪を奪い谷へと投げ込んでいる 「仔実装は悲鳴とか上げないのですか? またそれで他の仔が気が付いて逃げたりとかしないのですか」 司会は疑問に思って尋ねた 「どうやら秋仔を連れて行く時にこれから向かうのは楽園だと言って 連れ出している様なのです 教育期間が短い事もあり秋仔は物事を深く考えず 言われたままを信じるようなのです 谷に落とされる際に悲鳴を上げていても それは楽園に行けた喜びの歓喜の声だとでも言っているのでしょう」 そしてしばらくの間仔消しの様子が映し出されていた 頂上へと登っていく仔実装の群れはあたかも 黄泉平坂を進む亡者の列の様であり 衣服と髪を奪う様子は奪衣婆のそれを彷彿させた 次にスタジオに画面が切り替わると司会最後の纏めにかかった 「今回は貴重な山実装の生活の様子が見られて大変面白かったです 先生も普段では見られない位に興奮していましたね」 ここで解説に振っていく 「はい…突然死の瞬間や仔消しの様子など 今まで動画で捉えることが出来なかった貴重なものばかりで とても有意義な時間でした 山実装に関する研究に大きな進展が期待できますね」 そしてEDのテーマとともにテロップが流れて来る 再び二人が一礼した後今回の衝撃映像が幾つか流れて行き フェイドアウトしていった …次回のナショナルジソフロントは謎に包まれている実蒼石の野生種の生態にせ… 私はTVのチャンネルを変えた 終

| 1 Re: Name:匿名石 2023/09/03-10:16:51 No:00007930[申告] |
| こういう自然番組みたいなの大好き
秋仔を投げ捨てるのは食料が不足した年でもやるんだろうか… |
| 2 Re: Name:匿名石 2023/09/05-17:16:23 No:00007935[申告] |
| >秋仔を投げ捨てるのは食料が不足した年でもやるんだろうか…
山実装は基本同属食いはしないようですよ 蛆実装は何故かノーカンみたいだけど |
| 3 Re: Name:匿名石 2023/09/07-21:51:30 No:00007942[申告] |
| 山実装が奇しくも虐待派がやる様に偽石固めてるの面白いな
同族喰い基本是としない山実装が食糧にもならない仔有りで越冬なんて不効率あんまりしないだろうね 合わない環境下で糞蟲化リスクを潰しながら何とか生活しているのがいいな |
| 4 Re: Name:匿名石 2023/09/29-18:32:43 No:00008054[申告] |
| ーもしかしてこの番組を観ていたのは
ジッ君の飼い主なのかな? |