タイトル:【駆除】 OSOMA60 1
ファイル:OSOMA60 1.txt
作者:特売 総投稿数:42 総ダウンロード数:720 レス数:2
初投稿日時:2023/08/25-00:54:06修正日時:2023/08/25-00:54:06
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OSOMA60 1

俺の名は敏明
しがない農家の跡取り息子だ

先日畑を荒らす土竜実装を専門の駆除業者を呼んで駆除してもらったのだが
にも拘らず農作物の食害被害が収まらなくて困っていた

最初は野生動物の仕業ではないかと思ったが
食べ散らかした作物に付いていた独特の歯形
そして現場付近に残された緑色の糞
現場周囲の状況からして実装石によるものと判断した

そう畑の作物を荒らしていたのは土竜実装だけではない
第三の存在がいたと言う事だ

また被害にあっているのも俺の所だけでない事も分かった

それは先日の村の寄り合いに参加した時の事であった
同じように農業で生計を立てている人たちが集まって何やら話し込んでいたのだ
何の話かと聞くと最近ここいら一帯の農家の畑で
実装石によると思われる食害被害が広がっていると言うのだ

しかも畑を荒らしているのは同じ個体のようで
後分かっている事と言えば単独で行動しているようなのだ

狡猾な事に一度被害にあった畑にはすぐ戻らず
離れたところの畑に移動してそこでまた畑を荒らす
これをひたすら繰り返しているらしい

一度味を占めたなら同じ畑に何度でもやってくるのが実装石の常なのだが
コイツは違う
余程賢いのか警戒心が他の倍は強いのだろうと話していた

また荒らされた痕跡を画像に記録している人もいたので
自分が持っていた画像と照らし合わせて
ほぼ同じ個体による仕業であると判明した

このまま個別に対応していても埒が明かないという事で
今度改めて対策会議を開こうと言う話になった
そこに居合わせた人たちと携帯のアドレスを交換し
詳しい日時が決まったらメールをすると言われた

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それから3日後に村の公民館の一室を借りたと言うメールが送られてきた
対策会議の詳しい日時と参加予定の人の名前が書かれており
来週の土曜日の夜に集まる事になった

そして会議当日の日となった
勿論農家には休日なんてものはない
今日の会議に合わせて早めに作業を終わらせ
一旦自宅に戻って風呂と食事を済ませ公民館へと向かった

公民館に到着して借りている部屋を確認して向かうと
既に今回呼ばれた人達が全員いた
まだ始まる10分前だったので改めて皆に挨拶をした後
手元に渡された資料に軽く目を通し時間を潰した

そして時間となり各々が席に着席した

冒頭で挨拶をしたのは今回の会議を提案して準備をしてくれた
佐久間という人物だった
歳は俺とほぼ同じくらいという感じだった

彼の説明によると件の実装石による作物の食害被害は
昨年の夏頃から発生しており
その後被害件数が増えていったというのだ

当初はねぐらを特定し捕獲しようと考え
被害が発生した畑を全て調べ上げ割り出そうとしたが無駄に終わった
そして決まったねぐらを持たない穴持たずじゃないかとされた

また通常は畑を荒らすことを覚えた実装石は
同じ畑に何度もやって来る習性があり
それを利用して罠を仕掛けたり監視を続けることで駆除してきたのだが
奴は一度荒らした畑には繰り返し現れず
次にまったく違う場所に現れては消えるを繰り返すので
常に後手に回っていた

それもあって被害にあった後に慌てて監視カメラを設置した農家も多いのだが
まだ一度もその姿をとらえていないと言うのだ
まるで忍者のような神出鬼没っぷりである

唯一判明しているのは畑に残された足跡から駆除業者がおおよそのサイズを試算したことがあるのだが
足のサイズと歩幅そして地面への沈み具合からして
60㎝級のサイズだというのだ

野良実装でそこまで大きくなるのは稀なのでおそらくは
捨てられた飼い実装が野生化した可能性があるというのだ
一連の狡猾さも元飼いというなら納得がいく

飼い実装は飼育環境下で飢えや外敵を心配しなくてよい事もあって
その脳のリソースを知恵に多く回せるのだ

それもあるから安易な飼い実装の投棄は固く禁じられているのだが
飼育モラルに欠けたものが多いのも実装石飼育者の特徴なのも始末が悪い

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今後の対策や行動ルートの特定の為にはもっと多くの監視カメラの設置が望ましいのだが
かと言ってその設置費用は馬鹿にならずしかも自前でやるしかない事もあり
なかなか進まないのが現状である
結局のところ今出来る事と言えば各自で警戒を続けていくしかないという

だが悪い話ばかりではない被害のほどを佐久間氏達が中心となって
村役場に直訴したおかげで専門の対策室が設けられたというのだ
役場としても広範囲に被害を与えしかも今までとは異なる行動をとる
今回のケースを危惧しているのだという

その実装石が産んだ仔は親から行動を学ぶだろうし
あるいはその様子をみて同じ事を模倣する個体が発生する可能性があるのだと
役場としてはそうなる前に駆除したいと言うのだ

確かにこれ以上ずる賢いのが増えるのは厄介だからな
役所も重い腰をあげざるを得ないということか

今後は被害にあった際に現場の画像データーを蒐集する事と
速やかに対策室へ画像を添付したメールを送る事
またできるだけ現場の状態を保存しておき
対策班による調査に協力することが決まった

ホワイトボードに役所の受付時間と連絡先のメールアドレスと電話番号が書かれ
皆それをメモしていた

最後になり佐久間氏から一つ提案があった
それは件の実装石にコードネームを付けようというものであった
ホワイトボードに大きくそれは書かれた

OSOMA60

それが与えられたコードネームであった

某北の地で数年にわたって家畜被害を出してきた熊のコードネームをもじったものだという

OSOMAとは某民族で糞を意味する言葉から持って来たもので

これは現場で必ず糞をする特徴から発想を得たと言う

そして60はこの実装石の推定サイズから取ったのだと
佐久間氏は得意げに説明していた


このコードネームは特に誰も異論を唱える者がいなかったので
そのまま決定となった

                         続く

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1 Re: Name:匿名石 2023/09/08-05:54:49 No:00007947[申告]
狡猾な実装石ほど悪質なものはないね…
2 Re: Name:匿名石 2023/11/12-23:58:46 No:00008461[申告]
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