近所のコンビニに昼飯を買いに行くと、出入口近くに親仔連れの実装石がいて、 店内の様子をうかがいながらこそこそ隠れていた。 …うん、『隠れているつもり』なのだろう。 隠れる場所などないのにガラスにくっついて身を隠したつもりになっているようだ。 俺は店に入ると昼食を適当に選んでカゴに入れ、そしてガラスに貼り付いて 店内を覗き込んでいる実装親仔を見て、とある商品もカゴに入れた。 * 俺は会計を済ませて買った昼飯をリュックに入れると、一緒に買った『マイバッグ』を これ見よがしにぶら下げて店の出入口に向かった。 ガラスに貼り付いている親実装を見ると、そいつは不気味に笑ったように見えた。 …託児、来るか? 俺が実装親仔に気づかないふりをしてコンビニから出ると、背後から何者か… と言っても親実装しかいないが…が近寄ってきた。 気づかれないように視線を向けると、仔実装を抱えている。 実装石の身長では背中のリュックには届かないから、 託児するなら右手のマイバッグに来るはずだ…。 まぁ、背中のリュックに投げてくる可能性もないわけではないので警戒しながら、 俺は『その時』を待った。 …右手にかかる重さに変化があった。 ちらりと見下ろすと、マイバッグに仔実装がしがみついている。 『デププ…』 親実装の笑い声が少し後方で聞こえた。 上手く託児できたと思いほくそ笑んでいるのだろう。 『チププ…』 手元で仔実装の笑い声が聞こえる。 この手の思慮の浅そうな糞蟲は、もし中に食べ物が入ってたら見境なく食っちまって 代わりに糞を垂れるタイプの奴かもな。 それなら全く心が痛まないぜ!元々痛まないけど! 仔実装は俺が見下ろしているとも気づかず、笑いながらマイバッグの中に入っていった。 『テヂィィィィッ!?』 マイバッグの中から仔実装の悲鳴が上がる。 中を覗くと、そこには血まみれの仔実装がいた。 【託児対策マイバッグ『トゲトゲ痛いテチ!』(メイデン社製)】の効果はバツグンだ! これはバッグの中にトゲがついていて、託児された仔実装を傷つけるという、 託児対策のためだけに作られたバッグなのだ。 トゲは半透明で仔実装には視認しづらく、またバッグの底には若干の重りが入っていて 仔実装がしがみついても揺れにくく、中に入りやすい作りになっている。 バッグが空とバレると中に入らない場合もあるので、内部にセットされた匂い玉で 誘引できる仕組みになっている(匂いが切れたら飴玉などで代用可能)。 ま、物を運ぶには向かない、託児対策という名の虐待用品なのは明らかなんだが… この際それは置いておこう。 『テヂャァァァァ!』 トゲが刺さって痛いのだろう、仔実装は中でイゴイゴしている。 やたらに手足を動かすもんだから、ますます刺さって血が出ている。 『デェッ!?』 そして少し離れた位置から、仔実装の悲鳴を聞いた親実装が血相を変えて走ってきた。 俺の足元まで来ると、泣きながら両手を振り上げてデスデスと訴えてくる。 仔を助けろとか何とか言ってるのだろうが、一応リンガルアプリを起動してみる。 『デスデスゥ!(ワタシのムスメを助けるデスゥ!)』 「おいおい、人様のバッグに勝手に仔を入れておいて、 なに勝手なこと言ってるんですかね…?」 『デズゥゥゥゥ!デスゥ!デスゥ! (ごめんなさいデス!許してあげて欲しいデス!このとおりデス!)』 親実装に嫌味を言ってやると、そいつは土下座し始めた。 どこで覚えたのか知らないが中々やるじゃないか…だがな! 『デスゥ!デスゥ!…(チラッ)…デスゥ!デスゥ!…(チラッ)… (許して下さいデス!…許して下さいデス…!)』 合間合間にこっちの顔色見てんのバレバレなんだよな~~。 「チラチラと人の顔色うかがってんじゃねぇ!」 『デギャアアアア!(痛いデスゥゥゥ!)』 俺は親実装を軽く踏みつけてやった。 さらに、マイバッグをぶんぶん振り回してやる。 『ヂィィィ…ィィ…!(ママ助けてテヂィーーー!)』 『デズゥゥゥ!デズァァァァ!(お願いデス!ムスメが死んじゃうデスゥ!)』 マイバッグの中から仔実装の悲鳴が響き、親実装は踏みつけられたまま、 血涙と共に必死さを感じさせる声で泣き始めた。 ま、この辺で一度バッグから出してやるか。 『ヂィィィ…(ママ…)』 『デェッ!デスゥゥゥゥ!(ムスメェ!大丈夫デスゥ!?)』 マイバックをひっくり返すと、血とウンコまみれの仔実装が転がり出てきた。 顔も身体も血だらけ、服は穴だらけ、パンツは漏らした糞であふれて、 前後の髪はトゲに引っ掛かったのかあちこち抜けていた。 おまけに左目はトゲが刺さって完全に潰れていたが、 そのおかげで強制出産モードは免れていたと言えよう。 『テヂェェェェェン!テヂィェェェン! (痛いテチィィ!おめめ片っぽ見えないテチィィィ!)』 『デビャアアアア!(ワタシのムスメのキレイな目がデスーーーっ!)』 血だらけで泣き叫ぶ我が仔の惨状に、血涙を流して泣く親実装。 俺はそんな仔を見下ろし、親実装を踏んでいた足をどけると言ってやった。 「さーて、お前らをどう処分してくれようか?」 『デェェ…?(まだ何か酷いことするデス…?)』 「まだ?何言ってんだ、親のお前は何も罰を受けてねーだろ! 仔の方も、勝手に人のバッグに潜り込んで勝手に怪我しただけだっつーの!」 『ヂュワァァァァ…(もう痛いの嫌テヂャアア…)』 『デスゥゥ!デスゥゥゥゥ! (許して下さいデス!これ以上酷い目に遭ったらこの仔死んじゃうデス!)』 親実装は地面に頭を擦りつけて土下座を続けた。 今度はチラチラと顔色をうかがってこない。 そこまで本気なら、まあ多少は手心を加えてやらんこともない。 ぶっちゃけ、早く帰って昼めし食いたいし。 「そうだな。仔は勘弁してやるよ。あとは親のお前だけだ」 『デェェ…?(な、何するデス…?)』 「仔はお前のせいで痛い目見たんだから、親のお前も同じ目に遭わないとな!」 『デェッ!?(ど、どういうことデス!?)』 俺は涙目の親実装の頭巾を掴んで持ち上げ、手足をバタつかせる親実装を 無理やりマイバッグの中にねじ込んだ。 『デジャギャーーーッ!(翻訳エラー)』 このマイバッグは仔実装は楽々入るサイズだが、親実装には狭い。 狭いが、無理に入れれば入れられないこともない大きさだ。 もちろんそんなことをしたら、トゲが身体中に刺さりまくる。 『デギャジギギュワーーーーッ!(翻訳エラー)』 『チュアァァァーーー!(やめテチュアアア!ママを許しテチャアア!)』 親実装の悲鳴を聞いて、うずくまっていた仔実装が立ち上がり、 泣きながら俺の足をポスポスと叩いてくる。 まあ、俺の目的はこの親仔を駆除することじゃなくて、 託児するとどうなるか思い知らせることだからな、この辺で勘弁してやろう。 俺はマイバッグを逆さにして親実装を地面に落としてやった。 『…デギギャッ!(翻訳エラー)』 『テッチュアアアアーーー!(ママーッ!)』 親実装は血塗れで服もボロボロ、パンツは糞まみれ、両目は潰れ、 後ろ髪はあちこち引っかかって抜け、前髪に至っては房ごとちぎれていた。 『デ…デェ…デギャアアアアアァァァァ!? (何も見えないデスゥ!ワタシのおめめどうなったデスゥ!?)』 「うるせぇ騒ぐな!これでお前らへの罰は終わりだ。 …託児なんてするもんじゃないって解かったか?」 『デェ…デェェェェ…(…託児なんて馬鹿なことして…すみませんでしたデスゥ…)』 「よし、じゃあもう行け!今後は人間に迷惑かけるなよ!」 『デェェェ…(はいデス…申し訳ありませんでしたデス…)』 ボロボロになった親仔は、手を繋いでふらふらと去っていく。 『デェェ…(何も見えないデス…ムスメ、手を引いて欲しいデス…)』 『テェェェェン、テェェェェン!(ママァ…体中が痛いテチィ…)』 肩を寄せ合って、全身から血を流しながら遠ざかっていく親仔を見ながら、 俺は大きく息を吐いた…これにて一件落着。 親仔二匹で目がひとつ…無事に帰れるかは分からないけど。 これからは親仔で大人しく生きていってくれ(傷が再生するまで生きられればな)。 さーて、家に帰って昼飯でも食おっと! あと…マイバッグはちゃんと洗っておかないと臭くなるな。 トゲ部分は取り外し可能だし、丸ごと水洗いできるので手入れは楽だ。 せっかく買ったんだし、買い物に行く時は毎回持ち歩くとしよう。 次はどんな家族が託児してくるか楽しみだ。 ~終~

| 1 Re: Name:匿名石 2023/08/22-10:58:31 No:00007815[申告] |
| 勧善懲悪で後味が良いですなあ |
| 2 Re: Name:匿名石 2023/08/28-04:34:25 No:00007872[申告] |
| 命は取らないんだから優しいデス |
| 3 Re: Name:匿名石 2023/09/07-23:37:56 No:00007943[申告] |
| 託児で仔が入るのを防ぐんじゃなく入った仔を痛めつける道具が売ってるあたり実装世界は趣味がいいぜ!
再利用も出来るとかエコだなあ |
| 4 Re: Name:匿名石 2023/11/12-03:05:30 No:00008450[申告] |
| リサイクルできてエコロジー!
実装ちゃんもリリースしてエコロジー! ナイスエコロジー! |