休日のランニング途中、公園のベンチに腰掛け一休みする事にする。 ただ走るだけはしんどすぎる。少しは自分を労らないとね。 「ふー…」 「デェェェェ……」 俺の一息に合わせて地面から声がした。視ればベンチの下には倒れた実装石。 「おいおい大丈夫かお前?」 耳をつまみ上げて質問する。 まぁ大丈夫じゃないのは明らかなんだけど。 「水が…水が欲しいデスゥ…」 やはりというかこの暑さにやられ、ダンボールハウスに戻る気力も無くしベンチの影へと対比したようだった。 ちょうど俺の背負ったリュックには水の入ったペットボトルが入っている。 「あぁ良いよぉ」 そう言って仰向けに倒した実装石の口元目掛けてゆっくりと水を溢してやる。 何度かむせつつも実装石はちゃんと水を飲んで元気を取り戻した。 「生き返るデスゥ!」 「この暑さはたまらないねぇ。野良の君達はよっぽどだ」 野良にはエアコンも休日もない。 むしろよくこの再生力だけが取り柄の軟弱な存在が今日まで生きてこれたものだと感心する。 「そうデス!ワタシは偉いデス!分かったらアマアマ寄越すデスッ!」 早速の糞蟲ムーヴ。 だが俺は気にしない。 「「ちょうど金平糖があるんだ。運が良いねぇ君」 リュックの中の小瓶から金平糖をひとつ取り出すと実装石は狂喜したように跳び跳ねた。 「デシャシャシャシャ!使える奴隷デス!ワタシの魅力にメロメロデスゥ!」 暑さにやられているのかもとから馬鹿なのかよく分からないことを言いながら金平糖を頬張っていく。 実に気色の悪い笑みだ。 「もうひとつあげたい物があるんだ。受け取ってくれるかい?」 「供物デスゥ?はやく寄越すデスゥ。でもつまらないものだったら殺すデスゥ」 最早コイツはお姫様にでもなった気でいるのだろう。 無駄に上機嫌すぎて腹が立つ。 ともあれ俺は準備をしなくてはならない。リュックを漁り必要なものを取り出していく。 そうして出てきたのは使い古された雑巾の切れ端と別の白く濁った水の入ったペットボトルだ。 まずペットボトルの蓋を開け、雑巾全体を濡らしていく。 雑巾が水分を吸いきれないほど吸収したら絞りすぎないよう細く捻ってやった。 「さぁ出来たよ実装ちゃん。口を開けて~」 「なんデスゥその汚い布切れは?ワタシには相応しくないデスゥ」 「良いから開けろって言ってんだよ」 あくまで笑顔のまま、片手を顎に持っていき頬を二本の指で摘まむようにして口を開かせる。 「ほーら俺からのプレゼント受け取ってね~」 「や、やめるデス無礼デス殺してやるデギャァァァァァァァァ!」 雑巾を口に突っ込むと同時、実装石は絶叫した。 手を離し、地面に落ちた後も血涙を流しながらパンコンし、ゴロゴロと転がり回っている。 今実装石の口に入っている雑巾を濡らした水は大量の塩を溶かした塩水だ。 元々えげつない量の塩を溶かした水であるが真水と金平糖の味に慣らされた口に急激な塩分は特に効くだろう。 「夏場は塩分補給も大事だからねぇ。塩水なら水分も補給できて一石二鳥だよ」 「デギャァァァァァ!ヴェッ!ヘッ!ドゥビジャァァァァァ!!」 俺の言葉を聞く暇もなく絶叫し転げ回る姿には爆笑の一言だ。 奴隷と侮っていた相手からこんな屈辱を味わわされるなど完全に想定外だっただろう。 「だっ!んぐっ?!出せデスゥ!今すぐこれをだひぇデスゥゥッゥ!」 しかし意外とガッツがあるのか再び俺に命令してきた。 転げ回ったせいで全身糞と砂まみれだがそんなことに構っている余裕はないだろう。 「ああ良いよ」 だが俺は実装石にそう言ってリュックの中からゴム手袋を取り出した。 それも使い捨てではなくトイレ洗浄用の長く厚手のやつだ。 「ふんっ!」 「ヴェギャ!」 地面に膝を付き、再び口を開かせる。 痛みで実装石が暴れようとするが手元に体重をかけて喉を潰しながら動きを止めさせた。 「うーん。口が小さすぎてこのままじゃ無理だなぁ」 「ヴェェェェェェェ!?」 俺の言葉に実装石が悲鳴をあげる。 だが安心してほしい。こんな時の用意も俺はしておいたのだ。 「えーと摘まむもの摘まむもの…あったあった」 言いながらリュックを漁り道具をひとつ取り出した。 「さあ助けてやるぞ実装ちゃん」 口中の塩に悶え通も俺の言葉に僅かに顔が綻んだように見える。キモい。 「今だっ!」 すかさず手にした道具を実装石の口の中へと飛び込ませる。 狙うはその前歯! ベキンッ!という音と共に実装石の前歯が二本へし折られた。 俺の手元には工具のペンチが握られている。 「ヴェギャァァァァァァァァ!」 突然歯を折られて大絶叫する実装石。いやー痛そうだ。 「君の口が小さいんだから仕方ないだろう。さぁもっと穴を拡げていくぞ!」 「ま、まっデギャァァァァァァァァ!ジャァァァァァァ!ハジャアアアアアアアアア!!!」 2本、3本、また2本。俺がペンチで歯を挟む度に複数本が折れていく途中で砕けた歯が幾つか口の中に消えていったがまぁ許容範囲内だろう。吐き出したくても雑巾が喉まで行っててえずくのすら困難みたいだし。 「よし!抜歯は順調だ!」 歯をあらかたへし折り血塗れの口内に満足する。 実装石はというと痛みでいっぱいいっぱいなのか血涙を流し続けながら目をカッと見開きプルプル震えながら脱糞することしかできない。というか糞の体積が実装石の半分以上あるぞこれ。 「しかし久知野中が血の池だ。まだ処置していない歯があるかもしれんというのに…」 『先生!整理食塩水準備できました!』 裏声で助手を演じながら先程の塩水入りペットボトルを用意する。 「よしっ!それで口内を洗い流せっ!(ギュッ」 『はいっ!』 顔を引き締めながら助手俺に指示し、実装石の口の中へと勢いよく塩水を落としていく。 「ゥエロボブギョヴェヘェェェェェ!!」 意味不明な悲鳴と共にパンツを突き破るほど脱糞し、実装石は動かなくなった。 塩水の塊を放り込まれた上に歯を折られ更にその傷口に塩水を追加。流石に偽石が崩壊したようだ。 「さて、処置完了!ランニングの続きだ!」 俺は糞まみれになった手袋を捨てると道具を片してランニングを再開した。 すぐに糞も死体も実装石に食われて消えるだろう。 いやぁランニングを続けるには自分を労らないとね!
