タイトル:【観察虐】 オナモミが絶滅危惧種なんて…
ファイル:ある群れの最期.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:802 レス数:6
初投稿日時:2023/05/19-19:33:31修正日時:2023/05/19-19:33:31
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——虹浦町。
つい先日、ある実装石の群れが、隣町の公園からこの双葉公園に『渡り』をしてきた。
成功率5%以下とも言われる『渡り』だが、この群れも多くの犠牲を払いながら『渡り』を行い、
たどり着いた公園のボス実装とも話をつけて群れの一員として迎えられた。
群れが少し大きくなった事で、町役場に寄せられる公園の周辺住人からの騒音や悪臭の訴えが増えた。

「どこテチィ?見つけてやるテチ」
「テチュッテチュッ!絶対見つからないテチ!」
「そこテチ!」
「見つかっちゃったテチィ…」
渡ってきた群れの仔実装たちと、元から公園にいた仔実装たちが、無邪気にかくれんぼをしている。
かくれんぼと言っても仔実装のやる事なので、体が隠れきらない草の陰に隠れるとか、
その場に頭を押さえてしゃがむだけとか、バカ丸出しの光景である。
なお親実装は、親実装同士で公園の案内などの交流をしているのでここにはいない。

「この草むらに隠れるテチ!ワタチはかしこいテチィ!」
渡ってきた仔実装の一匹(仮にミドリとする)が、草むらに隠れることを思いついた。
それを見ていた、元々公園にいた仔実装の一匹(モトミとする)は、
「その草むらは…!テチィ…間に合わなかったテチ…」
何かを言いかけたが間に合わず、ミドリは草むらに入ってしまった。
…少しして。
「テェェーン!テェェーン!」
草むらから、か細い泣き声が響いてきた。

「ミドリちゃんの声テチ?でも姿が見えないテチ…モトミちゃん知らないテチ?」
「…ミドリちゃんは、トゲトゲの実がある草むらに入っちゃったテチィ」
「テェ?大変テチ!助けに行くテチ!」
仔実装たちが草むらに近づくと、確かに草の間に仔実装の服や髪が見える。
「ミドリちゃん、だいじょぶテチ?」
「たすけテチ!ワタチの髪に何かが絡まって痛いテチィ!テェェーン!」
ミドリが隠れた草むらには、オナモミが群生していたのだ。
その実は髪に付くと絡まって中々取れないため、注意するよう言われている場所だった。

「とにかく草むらから引っ張り出すテチ!」
仔実装たちは、自分の髪にトゲトゲが付かないように気をつけながら、
ミドリの服を引っ張って草むらから助け出した。
だがミドリの髪や服には、トゲトゲしたオナモミがびっしり付いてしまっていた。
「テェェーン!テェェーーーン!取っテチィー!」
ミドリは赤と緑の涙を流しながら、モトミや他の仔実装たちに頼んだ。
しかしオナモミは強く掴むと痛いので、仔実装たちは躊躇している。
「…じゃあ、まずは前髪のから取るテチ」
意を決したモトミが、ミドリの前髪に付いたオナモミをひとつ掴み、引っ張った。
「チュアァァッ!テチィィーー!」
「我慢するテチ、ちょっとの辛抱テチ!」
「やめテチィ!ワタチの髪が抜けちゃうテチィィー!」
「もうちょっとで取れそうテ——」ぶちっ

一瞬、二匹の動きが止まり、静かになった。
ミドリは何が起こったのか分からないという顔をしていたが、
モトミの手に握られた自身の髪のひと房を見て、叫び始めた。
「テチャァァーー!ワタチの髪が、髪が抜けたテッチャァァーー!」
「ご、ごめんなさいテチ!でもトゲトゲを取ろうとしただけで、わざとじゃないテチ!」
「テヂャアアァァー!」
ミドリはパンコンしながら血涙を流し、その場に座り込んで手足をイゴイゴとバタつかせる。
モトミはミドリの抜けた髪を握ったままオロオロしている。
その時、他の仔実装が笑い始めた。
「チププププ…禿テチ」
「トゲトゲの草に自分から飛び込んで禿になりに行った、おバカな糞蟲テチィ!」
ミドリはそれを聞くと、信じられないと言った顔で涙目のまま他の仔実装を見上げた。

「な、何言ってるテチ!悪いのはワタチの髪を抜いたコイツテチ!
 コイツこそ糞蟲テチ!仕返しにコイツの髪をみんなで抜くテチ!」
だが、仔実装たちは耳を貸さずに笑い続ける。
しまいにはモトミもその中に加わっていた。
「オマエがトゲトゲを取れと言うから取ってやっただけテチ!
 文句を言われる筋合いはないテチ!…まあ、おバカな糞蟲には禿がお似合いテチュ♪」
「みんな、次はコイツのお服に付いたトゲトゲも取ってやるテチィ!」
「チプププ…ワタチたちはやさしくてナカマ想いテチュゥン♪」
仔実装たちはミドリを抑えつけると、その服に付いたオナモミを取ってやると言って
皆で彼女の服を千切り始めた。
「テヂャアァァーー!やめるテチャァァーーッ!」
服のついでに後ろ髪も毟られ、ミドリはあっという間に禿裸にされてしまった。

「…酷いテチュ…ワタチはただトゲトゲを取って欲しかっただけテチ…テェェーーン!」
糞を漏らしながら泣きじゃくる禿裸のミドリ。
それを見ながら、他の仔実装たちは無様で惨めな彼女の姿を嘲り笑う。
「今日からオマエはワタチたちのドレイテチ!」
「ドレイの仕事はみんなのウンチを食べることテチィ♪」
「ウンチの話をしてたらウンチしたくなってきたテチ!さっそく食わせるテチ!」
仔実装たちはそれぞれパンツを下ろすと、座り込んで泣いているミドリの周りに糞をし始めた。
「ウンチ気持ちいいテチューン♪」
「高貴なワタチたちから出た物を食べられるなんて、オマエは幸せものテチュ~ン♪」

そこへ親実装たちが帰ってきた。
ミドリはその中に自分の親を見つけると、涙を流しながら叫んだ。
「ママッ!ママッ!たすけテチ!」
「デ?その声はミドリデス?…でも、そこにいるのは禿裸デス。
 ワタシの仔は禿裸ではなかったデス…」
「こいつらに髪と服を毟られたテチィ!ママ、こいつらに仕返ししテチ!」
ミドリは必死に母親に訴えるが、母の態度は冷たかった。
「…禿裸にされる様な事をしたオマエが馬鹿なんデス。
 もうオマエはワタシの仔ではないデス。そこでウンチドレイとして生きろデス」
母としては、馬鹿な娘のために群れ内で揉め事を起こすより、
渡って来たばかりの公園に受け入れられる事の方が大事であった。
「ママッ!見捨てないテチ!」
「チププ…オマエのママもオマエをウンチドレイと認めたテチ」
「さぁ、ウンチを食べるテチ…!」
「テチュアァァーーッ!」
泣き叫ぶミドリの口に、糞がねじ込まれて行った…。

*

一週間後。
役所の委託を受けた駆除業者が、公園にやってきていた。
「先輩、この公園ってこんなに実装石がいたんですね」
「ここ数日で、騒音や悪臭の訴えが急増したそうだ。
 どこかから『渡り』してきた群れが合流したんだろ」
「でも、みんなネムリで一網打尽にしたから安心ですね」
「あぁ、残るは奴らの便所にいる蛆実装の駆除だけだ」
公園の実装石たちは、業者が撒いた実装ネムリをコンペイトウだと思って
一斉に拾い食いした事で、眠りに落ちて回収袋に詰め込まれた。

「それにしても、自分たちの糞を食わせた同族を非常食にするって…おぞましいですよね」
「ま、違う生き物なんだ。生態も色々だろ…あったあった、この穴が奴らの便所だ」
そこにはいくつかの穴が掘られ、ダンボールの切れ端で蓋をされていた。
中には糞が溜められ、蛆実装がうごめいて糞を食っている。
「レフー」「プニフー」「レフレフー」
「レフレフ鳴いてら…じゃあ殺虫剤を噴霧して、と」
「「「レピャァァーー!!」」」 パキン
「はい全滅…おや、こっちの穴には仔実装がいますよ?」
業者のひとりが覗き込んだ便所穴には、糞まみれの仔実装…ミドリが座り込んで泣いていた。
「テェ…?テチッ、テチィ!」
ミドリは業者に気づいたのか、顔を上げて泣きながら何か訴え始めたので、
業者は一応リンガルを起動させてみた。
「ワタチは悪くないのに、糞蟲たちが寄ってたかって髪と服を毟ったテチ!
 アイツらをこらしめて欲しいテチ!そしてワタチを飼っテチ!
 飼ってくれたらワタチを可愛がらせてやるテッチュ~ン♪」
と、まぁこんな感じのことを言いながら媚びているようだ。
もう一度言うが、糞まみれである。

「糞まみれで媚びてるよ…先輩、ネムリもう一個ありますか?」
「ほら、その糞蟲に食わせてやれ」
業者がミドリの入れられていた穴に実装ネムリを投げ込むと、ミドリは大喜びで受け取った。
「チプププ…さっそくコンペイトウをくれるなんて、
 バカニンゲンはワタチの魅力にメロメロテッチュゥン♪」
そしてネムリを食べると、ミドリはすぐに眠りに落ちた。
こうして、公園内のほぼ全ての実装石はネムリで捕獲されて業者が回収。
念のために飼い実装として登録されていたり、チップの埋め込まれた個体がいないか確認した上で、
飼いの個体がいれば飼い主に連絡し、それ以外は処分場に運ばれる事になる。
(なおこの自治体では、実装石の便所で飼われていた蛆実装は、その場で処分する事になっている)

*

実装石たちが、回収袋の中で目を覚まし始める。
「デ…ここはどこデスゥ?」
「テチ?なんでウンチドレイの禿裸が一緒にいるテチ?」
「ワタチはバカニンゲンに飼われるはずなのに、なんでこの糞蟲どもと一緒テチャァ!?」

周りで何かが燃えるような音がする。
「なんか暑くなってきたテチ…」
「暑いデス、オマエあっち行くデス!」
「狭いから仕方ないデシャアア!オマエこそどっか行くデジャア!」
「暑いテチ!バカニンゲン、早くワタチを飼っテチィ!」

袋の中の実装石たちに火が燃え移るにつれ、悲鳴が響き始める。
「テチャァァーッ!熱いテチャァァーーッ!!」
「デェェーーッ!高貴なワタシだけでも助けるデジャアアーーッ!!」
「助けテヂィィーーッ!!」
「バカニンゲン、さっさとワタチを飼うテヂャアァァーーー!」

回収袋は完全に火に包まれ、中の実装石たちは火だるまだ。
「デジャァ…」
「テ…テ…」

やがて、火の勢いが治まる頃には、実装石たちの叫び声は聞こえなくなった。
「……」

*

『渡り』を受け入れた事で、双葉公園の実装石たちは駆除される事となった。
だが、実装石はあちこちに腐るほどいる。
次の群れが公園に棲みつくのも、そう遠いことではないだろう。

—終—

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1 Re: Name:匿名石 2023/05/19-20:16:26 No:00007193[申告]
ハゲ裸だろうと何だろうが野良の実装石なんて他の動物からすれば皆等しく餌か駆除対象の害虫でしか無いんだよね
2 Re: Name:匿名石 2023/05/20-02:08:10 No:00007195[申告]
感動した!
良い話だ
3 Re: Name:匿名石 2023/05/20-02:33:49 No:00007196[申告]
渡りが成功しても実装石は幸せにはなれない
面白い話デス
4 Re: Name:匿名石 2023/05/20-10:04:02 No:00007197[申告]
渡りなどの連中が既存コミュニティどう馴染もうとするかって意外と書かれていないので興味深くて面白いテーマだった
仲良く遊んでたのがあっという間にリンチに発展したり
やらかし側の保身からの加虐増長への変わり身の速さや、並々ならぬ苦労で連れて来ただろう子をあっさり捨てる親とか見どころ満載で良かった。
まあ仮でも名前付いてると読んでて飼い実装っぽく感じちゃうけど
5 Re: Name:匿名石 2023/05/20-11:40:01 No:00007198[申告]
オナモミ懐かしい…。うちの地域ではひっつき虫なんて呼ばれてたなぁ
確かにアレ実装石だったら服に髪にくっつきまくりそうですね
6 Re: Name:匿名石 2023/05/24-03:38:25 No:00007218[申告]
駆除してもまた次の群れが来ちゃう辺りどうしようもないナマモノだよなあ
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