走ること、競うこと、挑むこと 古来よりも人々は様々な事柄を勝負事に結び付け、またそれを鑑賞することに熱狂し愉悦しのめりこんでゆく。 例えば競馬、例えば競輪、例えば競艇 そしてこの実装石というデタラメで奇妙な生き物たちが暮らす現在の日本には この生き物たちを使ったある種目が人々の興味を大いに引いているのであった。 そう「競石〈きょうせき〉」である。 時は20XX年 10月半ば 空は快晴 雲一つない。 ここ京都競石場では実に多くの観客が詰めかけていた。 この日、年に一度の祭典クラシック三冠石競争の最終戦「菊孔賞」が間もなく開かれんとしていたのだ。 距離300m その過酷な戦いに今まで数多くの激戦を勝ち抜けてきた競争石達がついに最強の一匹の座を求めて争うのである。 紙吹雪が舞う、観客席から3000人に及ぶ人々の歓声が上がる。出走石の入場が始まった。 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! 全員で15匹の競走石たち。 この競石場はドーム型になっており、360度あらゆる方角から観客の視線と声援も罵倒も向けられる作りだ。 それぞれに好きな競争石がおり、それを一目見ようと入場する観客は数知れない。 一匹一匹に念入りに歩き方から姿勢までを見定められていく。 すべては勝つため。勝ち石に乗って配当金をふんだくるために その石達のコンディションには関心が尽きない。 競走石達の実生は過酷である。 それぞれは腕の先1cm程度、人間でいう手の部分を切り落とされて焼きつぶされており、 そこに金属製のカバーをハメられて四足歩行に慣らされて育てられている。 そして生育中でも実力が伴わないと判断されれば肉にされ、練習に耐えられずにパキンしたら捨てられる。 その苦しく険しい実生の大半を費やして生き抜いてきた猛者たちがここに集ったのだ。 ここではその出走石の中で特に注目すべき石を抜粋して紹介する。 まずは一番、一番人気のジャイアントツウカ〈通貨〉以後はウカと呼称。 三歳のころに中央競石(Jissouseki Racing Association)でデビュー。 デビュー戦となった新石戦から素質の片鱗を表したが、2戦目のヤオイ賞で大敗を喫して以降は不安定な走りを続けた。 しかし、この年の最終戦となった香港国際カップにおいて、大逃げを打つ戦法に活路を見出す。 翌年に本格化し、初戦のバレンタインヒデーデスから毎ニッチ王冠まで宝柄記念と重賞5勝を含む6連勝を果たす。 片足だけが薄い色をしているのが特徴。 続いて二番、二番人気のゴールドチョップ 以後はゴルと呼称。 中央競石賞最優秀3歳石にノミネートされたことがある。 殺月賞、有石記念を制覇した。 後に天能賞(春)を制覇しGIを6勝、計13勝を挙げて、阪神競石場で8戦6勝と無類の強さを誇った事から「阪神巧者」と呼ばれる事になる。 〈それはまだ別の話になるので割愛〉 特徴としてその肌の白さを上げられる。 このゴルはアルビノであった。髪から肌まで白く、その見た目と実力をもって人気も上々。 その総合的な能力はこの会場の石で一番なのではと目されるのだが、残念なことに気分屋で糞虫なので、 その実力がいかんなく発揮されるかは神のみぞ知るである。 そして三番人気・・・は少し飛んで十番、ヘルコンドルブワサ。以後はヘルと呼称。 注目すべきはその見た目である。この石は石主が虐待派として知られている。 その特異な石主の趣味によって大いに染められた競走石なのだった。 髪や服は全て奪われ、顔には鳥を模したアイマスク。尻にはその線にそってデカデカと掘られたピンクのハート型の入れ墨、 肩や腹、体各所にタバコを押し付けられて出来た火傷キズがある。 その見た目の禍々しさから多くの観客が目を反らす、しかし一部の観客は大きく前のめりになってカメラの拡大と解像度を 最大にしてまでその姿を捉えていた。 虐待派たちである。 虐待をうけて育てられ、それでもこの様な大きな会場への出場権を勝ち取る。 それはどんな競走石でもなしえなかった偉業であり、その姿は、実装石達を憎み恨みときに玩具として使いつぶしてきた 虐待派の心をいつしか掴んでしまったのであった。 彼らの心は概ねこうだ 「俺もいつかあんなタフな実装石を〇してみたい。どんな泣き声をあげるだろう?どこまでパキンせずに堪えられるだろう?」 そんな虐待派たちの眼差しをしっかりと感じ取りつつ、ヘルはゲートに向けて歩いていく。 そして15番、ハラボテエフェジー。その姿を見て、観客席が大きくざわつく。 なんなんだあいつ!?なんなんだアイツ!!遊びでやってるんじゃないんだよ!! 多くの観客がその石を見て声をあげる。この石は今大会において最も奇怪であり奇妙な競走石だった。 その経歴は今までで一度も出走経験がない。 何かの功績があって出場権を得たというわけではない、完全に素人臭い競走石だった。 しかも名前の通りである。その両目が緑色であり腹が出ている。 四つ足で歩いているとその度に腹が地面に擦れる。 土を見ると左右の足の跡の真ん中に太い一本線がずいーっと残るほどだ。 そこまで出走石に不足があるのかと騒ぐ観客もいた。いったい誰が石主なのだろうか? この大会にあんな石が参加できようはずがないのに。それだけに全ての観客の視線をこのハラボテエフェジーは奪ってしまったのだった。 ある意味、こちらも要注意であるといえる。 そして戻る。三番人気だ。 7番、マテナイフクコナイ。以後はマテと呼称。 このマテこそが本作の主人公である。 元々は気性が難しく、逸走や勝負に身が入らずに身を高くして走るなど問題行動も多い石であったが、四歳の頃に3月の阪神競石場で初勝利。 その後、二ムバレーシングクラブ賞(500万円以下)を勝利すると、東京優瞬のトライアル競走であるプリンシパルスゲーテチに出走。 このレースでウカに次ぐ2着となった。 菊孔賞のトライアル競走であるカンべ新聞杯では、スタートから1番人気に推されたウカが逃げる中、 直線に入ってからもウカの足色は衰えず逃げ切り濃厚と思われた矢先、マテはレース場の一番外から桁外れの脚を繰り出し、 差を引っくり返して驚異的な末脚で重賞初勝利となり、今大会の優先出走権も獲得した。 〈マテちゃん・・・・今回は私、負けないデス。逃げ切ってみせるデス〉 僅かにウカの視線のはしにマテが写り込んだその時、ウカの心に炎が燃え上がったのだった。 それぞれの競走石が順々にゲートに収まっていく。 ドキドキと鼓動が高鳴る。レース開始の合図ゲートが開かれるその時を今か今かと待つ。 石達の髪をふいの風が撫でていく。その時だ。 「ん?・・・・クンクン・・・・デデッ!?」 ウカは吹いた風の中にとても覚えのある香りを捉えたのだ。 「デスゥ!!ご主人様!ご主人様きてくれたデスー!?」 ウカは酷くあわて始め、なんとゲートの下をイゴイゴと腹ばいになってくぐり始めてしまったのだ。 ヨイショヨイショと潜り抜けると、なんとレースが始まってもいないのにコースに入り、その香りの元を探し始めた。 香りの元は直ぐに突き止めることができた。 ゲートからほど近い観客席の一番下の最前列、多くの立ち見のファンが柵の周辺で熱狂的に石達を見守る中に、その姿はあった。 「ご主人様!ご主人様!!ウカはここデスー来てくれて嬉しいデッスーン!!」 その人物はオペラグラスを通してウカを見ていた。ウカが自分を見つけてくれたのが分かるとそれを外し、優しく手を振ってくれた。 ウカがご主人様と呼んだその子の名は、華麗堂 夏〈かれいどう なつ〉14歳。 ウカの石主であり、日本有数の大企業 華麗堂グループ総帥の孫娘である。 実装石を心から愛する愛護派団体「I LOVE J」の中心的メンバーとして知られる才女だ。 ウカはそんな彼女の12歳の誕生日の時に祖父から与えられた競走石だ。そのため石主は祖父だが、実質的な所有者は彼女である。 ジャイアントツウカという名前を考えたのも夏であり、そのトレーニングや生育に関しての一切を手配したのも夏である。 ありったけの愛情を注ぎ、デビュー前にもかいがいしく世話を焼いていた所を目撃されていることから、世間一般的には 実装石に多大な愛情をもって接する愛護派としての知名度も高い。 ウカはそんな大好きな夏のもとに駆け寄ろうと必死で走ってきた。 しかし直ぐにスタッフに囲まれて引き戻されてしまう。 その間にも体をよじらせてイゴイゴと蠢き、夏に手を必死で伸ばすウカの姿を彼女は温かく見守っていた〈表面上は〉 「まったく、なんとも無様、恥さらしなことしてくれますねジャイアントツウカは!お嬢様の顔にドロを塗るつもりですか」 夏の隣では護衛兼お目付け役としてスーツ姿のレディがともに見守っていた。額に大きな青筋を立てて怒っている。 「良いじゃないの五代。あの程度の暴走ならウカにはいつものことだわ」 「しかし」 「良いのよ。今回の菊孔賞、ウカにはなんとしても優勝を勝ち取って貰わなきゃ。それが叶ったら他はどんなムーブを見せたって 可愛いアクシデントで済むじゃない」 「・・では、もしも優勝が叶わなかった時は?」 五代は一度ゴクリと生唾を飲んだ。それに対して夏はしばしば黙したが、ふいに答える。 「それはもちろん・・・私の愛石〈あいいし〉に弱い役立たずは要らないわ。 あの子は先のカンベ新聞杯で黒星を付けられてるんだし、今回まで負けるような愚図の糞虫は用済みよ。 お爺様に頼んでお肉にしてもらおうかしらぁ」 そう言って夏はフフと微笑みを見せるのだが、五代は気づいた。 お嬢様の目が笑ってない。 華麗堂夏。 世間では実装愛護派として知られるその表の顔。その裏には一度でも敵対したもの、見放したものにはけして容赦をしない。 徹底的なまでにすりつぶしゴミクズのようにして捨てる暗黒面を彼女は併せ持っていた。 今回のレース結果がどれだけ自分の残りの実生にとって重要であったのか、 ご主人様の本性がいかなる邪悪か、ウカはまだ知らない。 「さあ実況の石星さんどうですか」 「ハイ、ジャイアントツウカのトラブルが発生しましたがそれ以外は順調にゲートに入っていきます。 後二三匹になりましたね。 ナリタドンブリも今ゆっくりと引かれていきました」 「ナリタドンブリも入りましたね」 「今日はバラオソヒダも大人しいですね」 「さて後一匹になりましたあと一匹ですねもう」 「メグロダンベルが入って体制完了になります」 「ハイ、14番メグロダンベルが入りますと体制完了になります。第三コーナーからのカメラの300m地点からのスタート地点です」 「さて、ゲートが開きました」 15匹の競争石が一気に駆け出す。 最初は横一列だったものが徐々に形をかえ、各々の作戦にあわせて速度の違いが出始めると 二つから三つの団子のような集団を作り始めた。 その後ろから実装石と同じ数だけの騎手がムチを片手に駆け出していく。 騎手というが、彼らの役割は指導役である。大きく遅れた個体や異常行動を起こした個体に対してムチを与えるために後ろからついていく。 実装石は足が遅い生き物であるので、騎手達も早歩き程度でついていける。 「さて大歓声を受けて15匹が飛び出しました。前に出たのは八番ヤマトスカードレッド、 おっとしかし他の石達に挟まれて窮屈なようです。 ちょっと後退であります。 一番ジャイアントツウカ、11番トラブルターボ、この二匹の先行争いでスタートしました」 「先頭を行くのはあのワキアオブツウカを母に持つジャイアントツウカ、二番手にトラブルターボであります。 その後ろでヤマトスカードレッドが画面の左端にチラッと見えました。 ヤマトスカードレッドの青いリボンが揺れています。 その後ろで十番ヘルコンドルブワサが二番ゴールドチョップの前に居ます。 ちょっと内側の方を走っています。 その後ろに七番マテナイフクコナイが走っています。」 「丁度スタートしてから30mの標識を過ぎていきますが、何秒でいくのか。 今のタイム一分一秒です」 「てっちゅてっちゅてっちゅ」 各競走石、額に汗して駆けていく。 その走りは元々が四つ足の動物ではないので手足をただ前後に振り子のようにふってシャカシャカと走る。 どの石も余力を残しており、逃げる側も油断はできないし追う側も常に後ろから追い越すタイミングを図っている。 が、この競石においてトラブルはつきものである。 「おっと各石、少しペースが落ちているようです。 後ろを走っていたメグロダンベル、先行と徐々に距離が離されていきます」 「ちっ!なにやってんだこのクソノロマ!」 そうやってペースが落ちすぎた石に対しては担当の騎手が鞭を振るう。 「デッ!?デベッやめるデスーニンゲンサン!!わたしもう無理デスー走るのイヤになったデスー!!」 ベシベシベシッと複数回に渡ってその身に鞭を受けるメグ〈メグロダンベル〉。 どうやらあまりの過酷な稽古の中で心がすり減り、闘志を失ってしまったようだ。 しかしその言葉は騎手には届かない。 競石の騎手にはいくつかの規則が存在している。 一つ、レース中はリンガルの携帯禁止。実装石のワガママな意見に耳を傾けてムチの振るいを鈍らせないため。 一つ、鞭はその競走石が闘志を取り戻して予定した速度で走りを再開させるまで続けるべし。 一つ、前方や後方に向けて鞭を振るうのは禁止。それによって石を転がして順位を人為的に操作することを防ぐためだ。 一つ、石を叩くのはあくまでも指定された鞭だけを使用。他の道具や手段を用いての暴行の一切を禁止。など 「俺だってこんなこと好きでやってんじゃねえんだよ!早く走れオラ!!」 そう言いつつ、その騎手はニタリと不気味な笑みを浮かべていた。 「でべっでべっでべっ」 どんどんと石の体が赤く腫れあがっていく。肉がさける。走ろうとしても体が思うように動けない。 「てべ・・もう・殺・・てく・デ」 「デーデー鳴くひまがあったら走れってんだよ糞が!」 その目が白く濁り始めていたのだが、騎手は叩くのに夢中になっていた。 力いっぱいに最後のひと振りを見舞う。 メグの体が大きく横に吹っ飛んだ。 柵に体を叩きつけられる。 その体の中からパキンという小さな音がしたかと思うとメグは初めてニコッと笑って絶命した。 「おーっこれはどうしたことか、メグロダンベル落石です」 落石とは落馬の競石版のような用語で、出走石が再起不能になった状態をいう。 つまるところ失格である。 「あちゃーやりすぎちまったか」 と漏らすも、その騎手は差ほど気にも留めてないようにメグの死体を抱えてコースを去った。 この競石においてこの程度の落石は日常的なことだった。 後方を走っていたいくらかの実装石は、視界の端からそれらを見ていた。 「コイツは落ち着いてられねえデス」 「ちょっと速度上げるデス?」 ナリタドンブリバラオソヒダがペースを上げ始める。 だが、これは悪手だった。 二匹とも前半は抑えめに後半から速度を上げて追い抜きをかけるタイプなのだが、まだ100mも通過しないうちから追い抜きをかけてしまう。 結果、いつもと違う行動は当石の破滅を招く。二匹がともに足をもつれさせて転倒してしまった。 追いついた騎手がそれに鞭を打ち据える。 バシンバシンバシン! 「でひゃー!やめてデスニンゲンサン!」 「わたし走るデス!叩かれたら立てないデス!だから叩くの待ってデスー!」 しかし二匹の声は無慈悲な騎手には届かない。 残りの12匹は好調に差を開いていく。 以上の三匹に賭けていた観客たちはもう希望がないと知ると地面に伏して涙を流し始めた。 そして先頭集団が100m地点を通過して直ぐのことだ。 とある一匹の競走石に変化が。 「くっ!・・・もうダメです限界です」 意外や意外。 それは本来なら優勝候補と見られていた一匹、白毛のゴールドチョップであった。 「デブプププ!お前たち、よくこんなお遊びで本気になれるデスー高貴な私はお先に失礼するデッスーン!」 というやいなや、ゴルの速度が段々と落ち始める。後続の石達がどんどんとゴルのことを追い抜いてしまう。 「アハハハハハハハ!やっぱ馬鹿だぜアイツ!また悪いクセが出やがった!!」 「うわー!まじかよ!いやだああああああああああああああああああああああ!!頼む走ってくれええええええええええ!!」 観客席は絶叫と爆笑が合わさり、地獄と化していた。 絶叫はゴルが勝てると信じて賭けていたファンであったのだろう。 後に発覚することだが、この時のゴルは単勝1.9倍というダントツ一番人気であり、多くのファンが石券を買っていたとされ、 その総額12億円という大金をとした石券がこのレースの大敗によって紙きれへと変わったという。 後に爆笑していた側の観客はいう「ゴルに賭けた方が悪い」 ゴルはその後最後尾だったハラボテエフェジーにさえ追い抜かれて立ち止まり、騎手が来るのを待っていた。 「ゴルゥ・・・・てめえ、またそれか?今日という今日は容赦できねえぞ!」 騎手を務めていたAさんは額にいくつもの青筋を立ててゴルを睨む。その視線を下からジーっとゴル見つめ返していた。 そして無言でゴルは自らのパンツを脱ぎだすと、その尻を突き出すのだ。 「デッスーン、Aさん待ってたデスー! 早くこのイケナイ駄石ゴールドチョップにオシオキしてくださいデッスーン!」 そういうと二度三度と尻を左右に振るのだった。 「いい度胸だなーおい!いつもいつもその場の気分で走ったり止めたり! おめえの悪趣味なドM趣味に俺を突き合わせるんじゃ! ねえ!」 ぱちーん!! 音高くAさんの鞭がうなる。 「あんっ」バシーン 「OH!」バシーン 「そうですーそこが良いデスー!もう辛抱たまらんデスー!サイコーデスーAさん!!」 他の石達は絶対に嫌がるはずの鞭のオシオキだが、このゴルだけは違った。 というかAだけが特別であるらしく、ゴルには今まで三人の騎手がついていたのだが、 その中で何の苦労もなく出走するのもAが後ろについている時だけ。 そしてこの様にオシオキを自ら求めてレースを投げ出させるのもAただ一人であった。 バシンバシーンベチコーンペチペチペチ 「頼むからよぉ。もう走ってくれよー。俺もう泣きたくなってくるぜー」 実際、Aの鞭は叩き続けるほどにその威力は衰える。 繰り返しの鞭打ちの中で、ゴルがこの程度では動かせないのをご存知だからだ。 ゴルはしばらく四つん這いで背中や尻に叩きつけられる痛みを楽しむと、足上げ腕上げ寝そべり起き上がり、 体のあらゆる角度から鞭を味わおうとイゴイゴと動き回るのだ。 「あんっ、良いデスーそこデスーAさん好きデスー愛してるデスー Aさんの赤ちゃん産んであげても良いデスー」 Aにとっての不幸中の幸いは、規則によってリンガルの持ち込みが出来ないのでゴルの言葉を聞く必要がないことだろう。 不幸なのは規則によって落石するか走り始めるまで「叩き続けなくてはならない」ことだ。 「もう頼むよーどうしたらお前真面目にレースしてくれるんだよー俺もうお前のツラ見るのもイヤなんだよー」 べしべしべしべしべしべしべし 「(*´A`)イイですー私もう足腰立たなくなってきたデスー Aさんに種付けしてほしくてクソ袋降りてきちゃってるのが分かるデスー Aさんもっと私をいじめるデスー私の思い受け取るデスー!!」 いうやいなや、ゴルの体がブルルッと痙攣すると総排泄口から液状のクソがブシャーと噴出した。 それはまさにゴルのマジアクメ本気グソというべき液体であり、その量と強烈な臭いと勢いがAへの愛の重さを物語っていた。 そのクソ汁によって、Aのシューズが汚された。 「・・・・・こっの糞虫!!」 Aは怒りに肩を震わせると、疲れてきて上がらなくなってきた腕に渾身の力を込めてゴルを打ち据える。 べんべんべんべんべんべんべんべん!! 「ヘロー、モーニングマイウィップデース! キスミーキスミープリーズデスー! ンーナイススケベスメルデス!ンーマッ! オォウ!ザッツァエキサイティング!ワンダホォーデスー! ペチペチワンダホォーデスー! ワンモアプリーズデス、ンーマッ ンーマッ ンーマッ! ラァブ…アイラァブ、ユアスケベウィップデス! アイウォントゥ、ユアスケベウィップデス! ギブミー!プリーズギブミーデスー!」 「もう勘弁してくれよぉ・・・」 最後の力を振り絞って鞭を振るったのも通じず、Aは地面に手をつきorzしてしまった。 そして地面にポタポタと涙を落とす。 その時である。 「・・・・クンクン・・・・は!?」 Aは未だかつてない異臭を感じ取った。 頭を上げるとゴルがいた。 ゴルはハアハアと荒い呼吸を繰り返しながら、Aに向けて総排出口を手で開いてクパァしていたのだ。 そしてAの視線に気づくと、ゴルは仰向けのまま自分の手の片方を顎にのせ、おあいそのポーズをしながらAの事を見つめていた。 「・・・・・」 Aは何も言わなかった。 その目は何の感情も写さず光が失われていた。 もうどうなってもイイやと成っていた。 自分の競石の騎手人生が終わってもどうにでもなれと、 Aは自分の片足を大きく上げてミラクルシュートの態勢に入る。 そこへ他の会場スタッフがあわててAに駆け寄ると、彼とゴルを回収してコースから引き離していった。 波乱に満ちた菊孔賞、そのレースはまだ半分を漸く超えた所である。 後編へ続く ぶたやろう コメント 今回は想定よりも大分長くなってしまったので分割です。 後編が書き上がりましたら投下しますので、どうか楽しみにしていただけたら幸いです。 ではまた ノシ 誤字修正 2023/05/04 大業→偉業 パラオソヒデ→バラオソヒダ 〈実在していたことが判明したので修正〉 トリ〇ルターボ→トラブルターボ

| 1 Re: Name:匿名石 2023/04/11-00:50:08 No:00007033[申告] |
| マジアクメ本気グソとは大したパワーワードだ
後編待ってます。 |
| 2 Re: Name:匿名石 2023/04/13-12:59:22 No:00007038[申告] |
| 競馬ネタとは珍しい
後編が楽しみです |