タイトル:昨夜、mayスレの方でバルサン!バルサン!うるさかったから…つい…
ファイル:バルス!.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3668 レス数:0
初投稿日時:2006/08/25-00:43:05修正日時:2006/08/25-00:43:05
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よお、俺だ。「」だ。
最近ようやく職も見つかって
都心に近いマンションに引っ越してきたんだが。
ここ、眺めは綺麗だし駅やコンビニまで近くて
家賃もここらへんじゃ一番安い方なんだけど
かなり、っていうか大量にアレが出るんだよな。
そう、あの黒い悪魔……そして、緑色の糞蟲が。

いや、ゴキブリだけならニート時代に見慣れたもんなんだが
さすがに実装石だと洒落にならん。
まぁ、実装石とは言っても仔実装とも親指ともつかないサイズなんだが
それでも変に知能があるようで
損害がゴキブリとは比較にならんくなってきてるんだ。
最近なんか、台所のタンク下に置いておいた食料類に
数十匹群がってるのを見つけたし。
ゴキブリじゃ開けられないお菓子の袋も
何故かあける事が出来るんだよな。
ってか、あんな生物が無数にこの部屋に巣食ってるかと思うと
まさに背筋が凍る思いだ。
いったい、どっから湧いて来るんだ?
ここは七階だぞ?まったく……どうなってんだ?

幸い動き事態はゴキブリの比じゃないんで
見つけ次第潰す事は可能なんだが
それでも俺が来て以来
見かける数がどんどん増えてって行ってるのは
もしかして何かの悪い冗談か?
いまじゃ、寝ていても直ぐ傍を横切ってゆく有様だ。
ときどき、ゴキさんに齧られているのを見かけることもある。
何よりテチュテチュレリュレリュうっとぉしいんだよこいつ等ッ!!

ああ、もう耐えられん。
潰すたびに血と糞が飛び散って雑巾がけしなけりゃならんのも嫌だし
かと言ってこれ以上殺虫剤を浪費するのも嫌だ。
ああ、そうだ。あれを使おう。
対G決戦用に購入したあの最終兵器を!




さて、翌日。
昨日の内に準備は完璧のパーペキに整えた。
後は実行するのみ!
興奮で思わずネクタイを結ぶ手が震えていた。

「テリュー」

ああん?
あ、仔実装…いや親指か……?まぁいいか。
なんだ?なんか言ってるぞ?
ん?タンク下の棚を指差している?
ああ、そうか開けて欲しいのか。
ふふふ、哀れよのぉ……これから何が起こるかも知らないとは……
俺は棚を開けてやった。
中には喰いかけのお菓子やら砂糖やらが置いてある。

「テッリュー♪」

親指?実装が喜びの声を上げて突進してゆく。
それに続いて、同じぐらいのサイズの実装石たちも食品類に群がった。
その数、ええと、五十ぐらい?凄いなぁ今日も。
ってか、普通にバイオハザードの域だろこれ。
なんてこった、すっかり感覚が麻痺してやがる。
まぁ、いいさ。とうせ今生の別れだ。
冥土の土産にそのの食料、全部くれてやるよ。

さて、俺はまず引き戸や窓の戸締りを確認する。
うむ、問題ない。
そして、あらかじめ居間、和室、キッチン、トイレ、玄関、廊下、風呂場
と、ほぼ部屋の全域にわたって配置しておいた
赤い缶の、スイッチらしき物を踏んでゆく。
すると、次々と上部に取り付けられた噴射孔から
霧状の何かが噴出され始めた。
無味無臭のその霧は、直ぐに拡散して見えなくなる。
俺は全てを起動させると、すぐさま外へ出てドアに鍵をかけた。
これで部屋の中は一種の密閉された空間となる。
それから俺は、通勤一ヶ月目となる会社へと向かった。
なぜかこの日は、やけに心が浮き立っているのに、今更気付いた。



※



「テチ?」

異変に一番最初に気付いたのは仔実装サイズの一匹だった。
テェ? なんだか体がおかしいテチ?
なんだか、どんどん眠くなってきたテチ……
まだネンネする時間には早いテチ……
でも、やっぱり眠いテチ……オヤスミテチー……
そして、バランスを崩して流し台の上から床へと転げ落ちた。
ベチッ!という肉の潰れる湿った音がやけに大きく響く。
頭から落ちた仔実装は、脳漿を盛大にぶちまけて、眠るように死んだ。
それを見た他の親指実装や仔実装は
何が起こったのかは正確に理解はできなかったが。
「何かが起こった」事だけは理解した。
そして、一種の恐慌状態となった。
皆々が「大変テチー」「大変レリュー」だのと叫びながら
「」の部屋中を駆けずりまわり始めたのだ。
そして、そのパニックは物陰に潜んでいた残りの実装石達にも伝染した。
これは、パニックになった実装石には良く見られる光景だが
この行為が奴等の命運を分けた。
本来ならば、先ほどの仔実装のように
静かに死ねる程度の濃度で薬品が散布されていたのだが。
急激な運動によって激しくなった呼吸が
必要以上に薬品を摂取させてしまったのだ。
これによって、実装石達は静かに死ぬどころか
真っ先にやられた肺のお陰で呼吸する事も出来ず
体から酸素だけが消費されてゆく苦しみを味わいながら
のた打ち回って血涙と糞を撒き散らし、むごたらしく死ぬ事になってしまった。

「テギャァァ!! く、くるしいテチィィ……!」
「デ、ガ、ギャ、ギギギギ……」
「チベェ……ッ!」
「……!……!」

そして、このような現象は部屋の至るところで行われた。
そのせいで、部屋の中は一種の阿鼻叫喚の地獄と化した。
いや、肺をやられているせいで声自体はそれ程大きくは無いのだが
それでも、無数の苦悶のうめきが渦巻く「」の部屋は
やはり地獄と形容するに相応しかった。
そして、この怨嗟渦巻く地獄の如き光景は
部屋の中の実装石全てが死に絶えるまで続いた。



※



久し振りに午後七時前に帰れた。
今日は調子が良く、ノルマをあっという間に達成できた為だ。
そして、他の社員の仕事を押し付けられずに済んだのは
幸運だったのかもしれない。
俺は鼻歌を歌いながら、ドアの鍵を開けた。
そして、玄関に入った俺を出迎えたのは……

「うをっ!何だこの臭い……!」

思わず手で鼻を覆ってしまった。
やべぇ、こいつぁへヴィだぜ……!
取り合えず電気をつけると
俺の目に信じられない物が飛び込んで来た。
仔や親指サイズの実装石の死体だ。
しかも、玄関から見渡しても三桁にあまるほどの数だ。
恐るべき「霧バルサン」……
しかも、全ての実装石が例によって糞を垂れ流して死んでいるため
糞の臭いが半端じゃない!

くっそぉ……!
俺は後悔した。
まさか、こんな事になるとは思わなかった。
これだから実装石ってやつぁ……。死んでも人様に迷惑をかけやがる。
なんでゴキさんみたいに人目のつかないところで死ねないんだ!
ファック!
だが済んだ事は仕方が無い。
俺は取り合えず清掃業者を呼ぶことにした。



※



その後、大家さんと色々と話し合い
取り合えず追い出されるような事は無くなった。
ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間。
その代わりに、清掃代金は俺持ちになってしまった。
まぁ当たり前か。
ああ、諭吉が飛んで行く……!

ま、そんな事があっても会社は休ませてくれない。
今日も今日とて労働労働。
ああ、人生ってすんバラスィー。
みんなもバルサンを使うときは気をつけようぜ!





その後、「」の部屋に実装石やゴキブリが再び現れることは無かったという。
しかし、幾つかの謎は残った。
なぜ、地上七階に位置する「」の部屋に実装石、
しかも仔実装や親指実装のサイズばかりが住み着いていたのか?
なぜ、蛆ちゃんや成体実装が現れなかったのか?

この謎を解けるのは……そう!モニターの前の君だけだ!
諸君の健闘を祈る!




























 —終劇—







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