天と地と −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 俺は2匹の実装石と、その家族を飼っている。 どうしても、あることを試して見たくなり、3年程前に、公園のトイレで拾ってきたものがベースだ。 この2匹にはとんでもなく金が掛かっている…。 君は最近の虐待派には珍しい、”道を探求する者”だと聞いた…。 君に、2匹の内、1家族を任せて見ようと思う。 期間内、無事に生かしつつ、地獄を見せてやれる自信があるかね? ほぉ… 大した自信だな…何?只の実装石じゃないですか? まぁ、1週間…君の精神が耐えられるなら十分だと思うが…。 何も聞かずに、こいつらの正体が判り、地獄を見せてやれれば、 わが師に、弟子入りの推薦状を書かせてもらうよ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− − 3年前… − 当時の俺は、虐待師として壁にぶち当たっていた…。 俺は肉体的な加虐、反応に醒めていた…一通りの知識を習熟し、教えられるだけではなく自ら研究し、 ある程度の虐待方法も身に付けた。 しかし、何かこう、実装石の痛がる姿にゾクゾクするモノが無くなっていたのだ。 自然と、精神的な研究へとシフトしていた。 真剣に虐待師を目指す人間が誰でも、繰り返して通る道なのだそうだ。 そんなある日、俺はふと思い立ったことを試したくなり、公園に出向いていた。 その実験には、どうしても人に飼われた経験のない純粋な野良が必要だった。 俺は、複数の両目の赤く腹の脹れた実装石が小走りに駆け込み、親仔実装が列を成して出てくるトイレに入り込む。 トイレ付近には、無防備な生まれて間もない仔実装を獲物にしようとする飢えた実装石や、 それらや、出産を終えて疲れてたり、仔を連れて歩みの遅い親(仔も含む)を犯して食おうというマラ実装、 人間が入ろうとすると騒ぐ精神過敏な親等の馬鹿も多いので、 手近なものから、声をあげないように首をひねって千切っては捨てていく。 和式便器では、2匹が出産待ちをして、出産を終えた親仔が男性小便器を使って、 仔実装を洗う姿が見受けられた。 全て処分だ…。 この公園唯一の実装石理想の出産設備と化している和式便器では3匹の実装石が居た。 1匹は出産を終え、タイルの上で産んだ仔とじゃれ合いながら、取り残しの膜を舐め、 「デス、デス、デス、デ…」と仔の数を何度も指差しで数えなおしている。 どうやら、手足の数である4つ以上の数が認識できないので8匹の仔を把握しようと必死なようだ。 残り2匹は、便器の踏ん張り場所を分担して、懸命に踏ん張る準備をしている。 突然、顔を見せた人間に戸惑っているようだが、既に産気づいているのでどうしようもない。 2匹とも、スカートを捲くり上げ、片手で押さえると、 片手で器用に下着を下ろして片足を上げて下着を除けると、出産準備完了となる。 便器を跨ぎ、腰を少し降ろして「デズズズゥ…」「デッズゥー…」と力みだす。 「テチィ?」 仔実装が2匹ほど、俺に気が付いて足元まで来ている。 右手を口元に持っていき、右に小首をクイクイ傾げながら何度か鳴き、 俺が殆ど反応しないので、両手をパタパタ動かして見上げたり、 両手を胸元に当てて、俺の足元に頬や体を密着させ、気を惹こうとしている。 まったく、本能がさせるというにはあまりにもイラつく行動だ。 指差しで数を数えていた親の視界にそれが入ったのか、慌てて仔を呼び戻そうとする。 その目の前で「テ!」「ペ!」と言う聞き取れないほどの悲鳴とブチっという擬音がする。 親が「デスゥゥゥゥゥ!」と、両目が零れ落ちんばかりに見開いて絶叫する。 6匹の仔は、それぞれ、絶叫、パンコン、パニック、自失呆然、嘔吐、そして、ショック死までと… 様々な反応で、珍しく楽しませてくれる。 糞蟲種だろうが、愛情種だろうが、この生まれて間もない間は、 同じ細胞から派生している”血族リンク”が有効で、親から余計な教育情報が無い分、 親姉妹に対しては、どれも同様に非常に敏感で愛情が深い。 俺は、その余計な情報の無い無垢な仔実装が必要だった。 しかし、コイツラは、俺の目的を達するには、やはり、余計な情報が入り込んでいる。 ”家族”という余計な概念が成立している…。 俺が、その親仔に近づく…さしもの2匹の出産実装も、虐殺の現場を見てしまう。 「「テチァァァァァ…」」 「デベビァァァァァ!!」 「デァ!」 「デスゥ!?」 1匹は、驚きのあまり、排泄口が一気に弛緩して、ポチャポチャと仔が連続して水面に零れ落ちる。 しかも、出産に際して、腸の途中から閉塞されて仔が通る産道が胎内から通じるものが、 パニックで両方が緩んでいるのか、軟便と仔が入り混じってボトボトと便器に落ちる。 糞と共に水面に落ちた仔は、保護膜と大量の糞尿に埋もれて、もがいても身動き一つ出来ない。 もう1匹の方は、金隠しの縁を握って「デスゥゥゥ…」と震えだす。 こちらは、恐怖で萎縮して、排泄口が思い通りに開かない様子で、 やや黄色掛かった、半透明の液体がポタポタと滴り、仔の頭らしき緑色のものが僅かに見えているが、 排泄口がヒクヒク痙攣するばかりで、一向に出てこない。 この力の何分の一かでも、普段発揮できれば、人間が不快を感じる不潔さの元となる、 感情脱糞、糞モレ…それによる下着の汚れ、異臭が少しはマシになるというのに…。 俺は、まず、仔を零した親実装を捕まえる。 仔を吐き出し終わって、しかも、仔が助からないと認識したのか、自分だけでも逃げだそうとした。 片足に下着を引っ掛けたまま、駆け出すソイツの髪を掴んで持ち上げる。 胴体と頭を握り、もう1匹に見せ付けるようにゆっくりと胴と頭を逆にねじりだす。 もう1匹が、産みたくても産めない状態なのをいいことに、久しぶりに悪戯心が顔を出してしまった。 「デ!デ!デェ!!デェェェェェズゥゥゥゥゥゥ…」 実装石の体構造はデタラメだ…。 本人が認識できないうちに、首を180度捻ったら、何の問題もなく体は機能するのに、 こうして、ゆっくりと認識させながら捻ると、死には到らないが、 絶叫して延々と痛みを感じ、頭と胴体の連動が失われていく。 頭は元気に叫んで、涙や鼻水、涎を撒き散らしているが、 首から下は、脳からの命令が伝わらず、硬直して痙攣するだけの”オブジェ”をタイルの上に置いてやる。 まぁ、このまま放置すれば、どの道、機能が再生して首から下も動くようになる。 もっとも、頭の向きはそのままなので、頭と胴体の機能が連動しても、独力で元に戻せないので、 正常に生活はおろか、この場から歩いて移動することすら不可能なのだけどな…。 その間、痛みに頭だけが叫びを上げ続ける、まさに”置物”として機能するだけだ。 それを見せつけつつ、必死に金隠しを掴んで力み続ける実装石を観察する。 両目は極限まで見開かれ、涙も目の色と同じ液体となり、透明の鼻水と共に滝の様に溢れている。 ( ● A ○ ) な口がだらしなく開いたままなのだが、上下の歯はガチガチと音を立てて噛み合わされている。 出産の使命…いや、実装石にとっては使命より欲求か… それと、目の前で人間にもたらされた恐怖に対する防御本能か… 産み落とすべきか、安全な場所に逃げるか、このまま動かずにやり過ごすか、葛藤している姿は、実に見ていて心地が良い。 どうやら、この親は動かないことで、風景の一部になりきり、人間をやり過ごそうという本能で動いているようだ。 仔は既に頭がだいぶ出てきているが、排泄口が一向に弛緩しないため、じつにもどかしい出入りを繰り返している。 頭が完全に排泄口から出るまでは、仔実装は仮死状態を保ち呼吸をしない。 それでも、あまりにも時間が経過すると、仮死から立ち直れなかったり、活動を開始することもある。 どの道、仔が産道を塞いでいる状態は親の身体にとってもよろしくは無い。 それだけに親も焦りが、自身の精神の均衡の限界まで揺らいでいる。 実に楽しめるが、俺の目的は天然、かつ、産みたての仔実装なので、 ここは産んでいただかないと、俺も困る…。 そうこうしている間に、仔実装が蘇生を開始したのか、排泄口周りがモゴモゴとおかしな動きを開始する。 「デデェ!デッスゥ〜…」 それが刺激となって、ようやく出産機能が働きだす。 舌を突き出して天を仰ぎだす。 当人は、産むのを押さえて居たい様だ。 ポトリ…「テェェェェェ…」弱々しい産声で蛆体の仔が着水する。 蛆実装より幼い”おたまじゃくし”と呼称すべき存在だ。 蛆体ではあるが、まだ、全体が蛆実装より小さく尻尾が短い。 鳴き声から普通の仔実装のようだ。 仔は、生まれてから数分間は、まるで浮きの様に頭が水面に浮かぶように出来ている。 膜は若干の水溶性があり、水に浸かると完全には溶けないが、粘力が弱まり、 舌で器用に口の周りの粘膜を取り、自力で呼吸することも出来る。 しかし、体の粘膜は自力では取ることが出来ない。 取れなければ、確率的には少ないが、身体全体や手足の初期成長機能が停滞して蛆体のままになる危険もある。 初期成長が発生する5分間内に膜を誰かに取ってもらわないと蛆実装になる危険も多い。 蛆実装には、先天的未熟児と、この膜残りでの2種類のパターンが存在する。 後天的成長変異性蛆実装は、蛆体から仔実装になるのとは逆に、 手足の初期成長用の栄養分が体内にとどまって、胴体が間延びして尻尾が付いているようになる。 知能も、成長停止して、泣き声が退化して、まったく成長しなくなる。 ここから、遅いなりに、手足が成長して親指実装や仔実装に成長できるものも存在するが、 知能の成長は著しく遅いため、一旦、蛆実装になってしまったものは、長生きできないのが通例だ。 この最初の仔は、”胎内”から出て時間がたっているので、成長変異する危険が大きい。 でも、後天的蛆実装は、発生確立が少ないため、ひよっとすると普通の仔かも知れないのでキープしておく。 ゴム手袋をして、下を向いて手を伸ばそうとしている親実装の手より早く、 その仔実装を水中から引き上げ、タオルで膜をふき取って、親実装の横に置く。 すると、先刻の事も忘れ、親実装は安心したのか、 俺から顔を外して正面を向いて「デェェェズゥゥゥ」と力むことに集中する。 ポチャ…「テッチィ〜♪」 俺が引き上げて横に置く。 こいつも、”胎内”から出て時間がたっているだろう…無視!というかキープしておくか…。 ポチャ…「テッテレ〜♪」 三匹目は、膜を取ると、用意してきたタオルを敷いた箱に収める。 親は、俺が手助けしてくれると思ったのか、ひたすら力むことに集中して見ていない。 どうも、俺が”自分を気に入った””手助けしてくれる”とでも思い込んでいるのだろう。 『おめでたいヤツだ…』 ポチャ…「レッフゥゥゥゥゥン」 ちっ、天然蛆か…助ける価値も無いので放置…。 水面で無邪気に頭だけで浮かんで「レフレッフー♪」と泳いで居やがる。 ポチャ…「テチィー」 五匹目も正常そうなので、膜を取って箱に収める。 さて、無事に目的は達したか…。 箱の仔実装は、蛆体から早くも手足が伸びだし、 服が身体全体を包んでいたものから、頭巾とスカートと靴部分に分離している。 あと数分もすれば、白い前掛けも発生して、今の倍に身体が大きくなり、体長10cm程の立派な仔実装になるだろう。 「テチィ〜♪」「テチュテチュ♪」 箱の中なので、外の状態から隔離されている。 彼女達には、親から受け継いだ実装石としての生態本能以外の余計な記憶が存在しない。 この世にたった2匹の姉妹しか存在していない。 この2匹にとっては… それ以外には、箱を覗く俺を親と認識しているようだ。 まぁ、実装石はすぐに、種族の違いだけは認識する様になるから、完璧なインプリンティングは出来ない。 ほんの僅かでも賢く愛情があれば、まだ、”育ての親”という認識はしてくれるだろうが…。 俺はゆっくりと箱のふたを閉じて、肩から提げたケースに収容する。 その間にも定期的にポチャポチャ、テチレフテチレフと親は仔を生んでいる。 俺の予想通り、最初の1匹は、後天的蛆実装に成長して、親の足元を「レフレフ」と纏わり付いている。 2匹目は、普通に手足は生えたが、身体の大きさがそのまま前掛けが発生した。 どうやら、後天的親指実装になったようだ。 1匹目を「レチレッチィィィィ」と楽しそうに触っている。 そうしている間に、3匹目の蛆が、水中に沈み始めて、能天気な鳴き声から、 瀕死の「レヒァァァァァ!レヘェェェェェェ!!」と叫びながら水を飲み始めている。 ”おたまじゃくし”から体が膨らんで、重みやバランスが変化したためだろう。 その声に、親が異変を感じたようだ。 さっきまで、代わりに仔を拾っていた俺のほうに向き直る。 しかし、俺がニヤニヤと見ているだけなので、「デェ!?」と首をかしげながらも、 叫ぶ仔達が気になって仔を産みながらも、前屈みで手を伸ばして、触れた仔を掬い上げる。 野良に何かを期待していたわけでもないが、どうも、あまり頭のよろしくない親だ。 水中に沈んでコポコポ空気を吐く蛆実装は目に入っても状況が理解できていないか無視している。 仔実装を抱え、ペロペロ舐めながら、下からは新しい仔の頭が出てきている。 膜取りした仔を横に降ろすと、再び、金隠しを掴んで力みだす。 『もう、用もないし…始末しておくか…』 俺はケースを一旦、タイル床に降ろして、 親実装を「おい!」と呼び止める。 「デスゥ!?」親実装が俺の声に顔を横に向けた瞬間… 「ご協力ありがとうございまし…たぁ! っと」 ヒュン! ブチァ! 「デベ…」 脳天唐竹割が、親実装の脳天に直撃する。 親実装が足を踏ん張っていただけに、衝撃はモロに身体に吸収され、 親実装の脳天が潰れ、キレイにめり込んで皮膚が裂ける。 目玉がポンと零れ、視神経と思われる紐状の物でブランと垂れ下がっている。 下半身は懸命に踏ん張ったまま、上半身…両手はあちらこちらと宙を動き回る。 産んでいた仔は、衝撃で一気に”射出”され、ベシャ!と頭から水面に叩きつけられ、 顔面が平たく潰れた状態で、膜の付いたままの身体をくねらせ沈んでいった。 その上から、僅かに遅れて液状化した糞がジャーっと勢い良く散布される。 脳が潰れた為か、親実装は、その瞬間から声を発することなく、パクパクと口が開閉し、 舌がレロレロと飛び出し、運良くタイミングが合って、ブチッと舌が噛み千切られて吹き飛び床に落ちる。 その舌を食べ物と勘違いした蛆実装と親指実装が先を争うように喰らい付く。 どちらも、生後間も無さ過ぎる段階なので、親に何が起きたのか理解できていない。 動いていれば、2匹には満足なのだ。 もう1匹も「テチュテチュ♪」言いながら初期成長している段階なので理解すらできずに能天気なものだ。 その3匹の目の前で、親実装を、今度は蹴りこんで、和式便所の深い部分に落とす。 流石にコレは、初期成長を終えた2匹の蛆と親指には、状況が理解できる。 千切れた舌の両端を食み合っていた2匹は、 「テリュ!」「レヒィィィ!」と尻餅をつき、パンツを染め、隙間から軟便を撒き散らす。 親指と蛆は、それでも、舌を放さずに腰を上げ、それぞれが別方向に逃げようとする。 チリィ物同士では、足のある親指の方が力が強いので、親指が引きずる形で移動する。 「レ!レ!レ!」頭の悪い2匹は、舌を離せば良いものを、懸命に銜えたまま移動していく。 特に蛆は、引きずられているのに懸命に身体を強張らせて反対方向に移動しようとして、 身体がコロコロと意思に反して転がされ、引きずられ、それだけで怪我をしているようだ。 『まったく、それでも餌を離さないのは馬鹿と食欲のWパンチで救えないな…』 俺は、便器の深い部分にグシャグシャと親実装だったものを、水面に居た仔実装達共々蹴り潰して埋めていく。 見事に実装肉塊で、本来、水の溜まっている部分が埋められる。 まぁ、1回水を流せば、水が溜まって便器全体が水槽になるけど、 最初にそれをする実装石が公園に何匹いるか…そして、そいつは、流れず溢れる水に大パニックだろう。 『それを見るのも面白そうだ…』 一通り満足した頃、初期成長を終えた仔実装1匹が、上体を起こしてキョロキョロ首を振っている。 先程までしていた親の声がなくなって不安なようだ。 「テチィ…テチ…テェェェェェェンテェェェェェェェン」 『鳴いても無駄だよ、親はあの中だよ』 でも、流石に可愛そうに見えたので、 「ハイ泣かない泣かない」と声を掛け、頭をなでる。 仔実装はそれに安心したのか、口元に両手を当てて目を ( ⌒ A ⌒ ) と変化させて頬を赤らめる。 俺は、そのまま片手で後ろ髪を掴み、撫でてる手で頭をクッと固定して、一気に髪の束を引き千切る。 ブチブチ!「テチァ!!」 かなりの束が根元から抜けている。 仔実装は、何が起きたか、痛み以外は、まだ、十分に対応できるほど頭が回転していない。 頭巾をどけて、見事に円形に禿げた頭を見て、笑いを堪えながら、 再度撫でてやると、「テチュテッチュー」と後頭部アルシンド…いや、落ち武者状態で微笑む。 そして、そいつの髪束を持っている手で、仔実装を抱えてやる。 ケースも肩に掛け、トイレを出ようとしたとき、親指と蛆が、まだ出口に向かって移動を続けていた。 もう、蛆は全身傷だらけなのだろう、服に明るい緑や赤のシミが浮かんでおり、 糞を漏らした筋が床に引かれ、殆どなすがままの状態…。 それで、まだ餌を銜えているのは見上げたものだ。 親指の方も、蛆より力があるとは言え、殆ど差の無い体格で引きずり歩いているために、 「レチ〜〜〜〜〜〜…レチ〜〜〜〜〜…」と親の舌を両手で引きながら肩で息をしている。 俺は、内側から勢い良く、ドアを締める。 バタン! 「レチ!」「レヘァ!!」 扉を開くと、戸と向かいの壁に、鮮やかな緑のシミが2つづつ付いていた。 トイレを出る頃、トイレの中から、 「デスゥ!デビ!デスッ!」と言う呻きとガタン、バタンと騒がしい音が聞こえてくる。 首を捻った実装石が、慌てて走ろうとしてデタラメにぶつかっている様だ。 トイレから出られたら大したものだ…。 トイレを出てから、潰した実装石の最後の仔を地面に降ろしてやる。 初期成長を終えたみたいで、さっそく、抱えていた俺に”選ばれた”と勘違いしているのか、 盛んに手にじゃれつこうとしている。 「テチィ〜ン♪テッチィ〜ン♪」 口元に手を当て、小首を何度も傾げて気を惹こうとしだすソイツの目の前に、 手を差し出して、掌を開いてみせる。 そこには、びっしりと短い髪の毛の束がある。 「テチィ?」 『まったく、鈍いなぁ』 俺は、髪を見せつけながら、片手で仔実装のフードをもう一度剥ぎ取り、手を残っている髪に持って行って触らせ、 続いて、手をズラして無理やり引き抜いてザラザラするハゲの部分に持って行かせる。 「テ?テェ!テテェ!?テチァ!?テチェァァァァァァァァァ!!」 見る見る、仔実装の顔が歪み、青くなっていく。 「テテテテテテテチァーーー…テェェェェェェェンテェェェェェェェェェェェェェン」 やっと、掌の髪束が、自分の物だと理解したようだ。 片手で、何度も後頭部の髪のある部分と無い部分を撫でながら、片手を伸ばし、 マヌケに口をあけたまま、ヨタヨタと手に近づいてくる。 その目の前で、まさに掌を返して髪を下に落とす。 ふわふわと髪がバラけて舞い散る…。 「テチィ!テチィ!テッチーーーーー…」 仔実装は、舞い散る髪を集めようと必死だ。 掻き集め、舞って行く髪を追いかけ、その間に、集めた髪が手元から零れて風によって別の方向に飛ばされ始める。 何度かそれを繰り返し、疲れたのか、手元に残る髪を大事そうに抱えて座り込み、 再び、無くなっている後頭部を触りながら、手元の髪を眺める。 そして、手元の髪を後頭部に持って行っては、くっつけようと必死だ。 そして、付かないことが理解できると、残った髪束を手に、俺の元に近づいてくる。 (どうして、ワタシにこんな酷いことするの?飼ってくれんじゃないの?) そんな表情で弱々しく寄って来る。 俺は、それを横目で見ながら公園を歩き出す。 面白いので、携帯電話の実装リンガル機能を使ってみる。 仔実装は懸命に俺を追いかけながら懸命に、 「テチィテチィ!テチテチテチィィィィィン」(ニンゲン待って!待ってワタチを連れて行って欲しいテチィ)と叫ぶ。 俺が手加減して歩いても、仔実装の全力疾走になる。 「テチーテチーテッチィテチァテッチィーーーーー」(イヤーイヤー…こんな姿じゃ生きていけないテチ責任取るテチィーーーーー!) 仔実装の足がもつれて転ぶ…。 「テチィ!テチィ!テェェェェェン…テチテチテチィィィテッチィィィィィィン」(ママ!ママ!エ〜ン…ママは何処テチィ!痛いテチ助けて欲しいテチィィィィ) ガサガサ… 茂みから覗く野良が居る…どんどん増えている。 この仔実装は、無駄に大声で鳴き過ぎる。 自分で危険を呼び寄せたのだ。 まぁ、生まれてすぐ、俺が処分したので、そんな知恵が無くて当たり前なのだが…。 俺は、リンガルを切って歩き出す。 仔実装は、まだ泣いている声がするが、俺が無視して背を向けたことで、 茂みの実装石達は危険が無いと思い、茂みからゾロゾロと仔実装に向かって歩き出す。 「テチテチテチ?テッチィ〜ン♪テエッ!?…テチィ!テ・テ・テ・テ・テチィ!テ・テチィ♪…テ・テチァァァァァァァァァァ…」 実験材料さえ手に入れば、他は興味が無い。 思っていたより楽しめたので、悪戯してしまったけどな… −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 〜 天と地と 1話 完 〜
