タイトル:オムニバス5連発ドッカ~ン!
ファイル:オムニバス5連発ドッカ~ン!.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:836 レス数:7
初投稿日時:2017/04/08-18:42:10修正日時:2017/04/08-18:42:10
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オムニバス5連発ドッカ〜ン!




●PART-16「ストーカー」

 やばい。
 やっぱり、間違いない。

 さっきから、俺の後ろを誰かがつけている。

 駅を降りて、アパートのある住宅街に入った辺りから、ずっとだ。

 おいおい、これ、もしかしてストーカーって奴?!

 ちょっと待てよ、俺、いったい誰にストーキングされてるわけ?
 そんな事しそうなヤンデレちゃんに、心当たりないんですけどぉ!

 って、ストーカーが女とは限らない? 面識がある奴とも限らないって?
 ど、どうしよう……もし、なんかの犯罪に巻き込まれる前兆だったら?!

 ふ、振り返ってみようかな……思い切って。
 で、でも、もしそいつと目が合って、めっちゃヤバイ顔してたらどうする?!

 あ、待てよ。
 あの交差点を左折したら、俺のアパートへの近道じゃないか。
 じゃあ、とっとと逃げ込めばいいのか、部屋に!
 って、俺のアパートの場所バレるのは怖いなぁ……

 あ、ストーカーだったらもうとっくに知っているかもな。
 じゃあ、どのみち同じ事か……はぁ。


 よ、よぉし、いち、にぃの、さん! で、振り返るぞ。

 ——いち……にぃ……のぉ………さんっ!!


 ……だ、誰もいない?!
 どういうことだ?! 確かに足音がしてたのに?!
 おかしいなぁ、俺、疲れてるのかなぁ。

 はぁ、早よアパート戻って、さっき買ったプリンでも食おうっと。



 数分後、帰宅して一息ついた俺は、夜中にも関わらず、叫び声を上げてしまった。


 END.




●PART-17「無人の街」

 長い渡りを経て、ようやくたどり着いた、新しい街。
 しかし、そこには、誰も人がいなかった。

 いや、人だけではない。
 実装石も、野良猫もいない。
 それどころか、家々の明かりも点いておらず、人の生活感も全く感じられないのだ。

「これは、いったいどういうことデス?」

「ママ! ニンゲンサンが居ないってことは——」

「ニンゲンサンのオウチの食べ物、食べ放題テチー!」

「なるほど! 確かにそうデス!
 全く、うちの子供達はめんこい上に賢いデスー♪」

 野良実装の一家は、長旅に疲れた身体を休めるため、ひとまず手近な家屋への侵入を試みた。

 侵入は、驚くほどあっさり成功した。
 もっとも、人間の姿が全く見られないから、当然ではあるのだが。

 しかし、野良実装達の憶測は、完全に外れていた。
 家屋はもう相当長い間放置されていたようで、食べ物など全く見当たらない。
 家財には分厚い埃が積もり、食器や包装紙、用途がわからない道具などがあちこちに散乱している。
 開け放たれた戸棚には、倒れた調味料の瓶が数本あるだけで、彼女達の飢えを満たせるものは全く
なかった。
 
「デェ、ニンゲンサン不用心にも程があるデス……」

「ママ、レイゾーコはどうテチ?」

「冷蔵庫なんて良く知ってたデス?
 さっき見たら、開けっ放しのまま放置されてたみたいデス。
 きっともう、中の物は腐ってるデス」

「テェ……お腹空いたテチュ……」

「仕方ない、お仲間を捜して、ゴハンのありそうな場所を教えてもらうデス」

 家屋を出た野良実装親子は、宛もなく街を彷徨い始めた。

 やがて公園に辿り付いた親子は、そこに複数の人影があるのを見止め、歓喜の声を漏らした。

「ニンゲンサン、居たテチ!」

「いっぱい媚び媚びして、オイチイゴハンを貰うテチュ♪」

「おや、良く見ると仲間もいるみたいデス!
 きっと、この公園がこの辺の人達の溜まり場なんデス〜!」

 急いで公園の敷地に入り込もうと、野良実装の親子は懸命に走り出した。

 しかし、彼女達は気付かなかった。

 もう夜が近いにも関わらず、公園やその周辺の街灯は、全く点灯していない。
 近辺の家も、全て暗いままだ。
 にも関わらず、この公園内には——否、その周辺の道路も含めて、ぱっと見た限りでも二十人くらい
の人が居るのだ。

 もうすぐ、真っ暗闇になるというのに、何をするでもなく、たたずっと立ち尽くしている。

「コンバンハデス、ワタシ達は、遠くの町から来たばっかりデス。
 いきなりですみませんが、どこかでゴハンが貰えそうな場所はありませんかデス?」

 野良実装の親は、近くに佇んでいた同じ実装石に話しかけた。
 しかし、返事はない。
 
「もしもし、どこか具合でも悪いんデス?」

 心配そうに尋ねてみると、その実装石は、ゆっくりと顔をこちらに向けてきた。
 灰色に濁った両目で、じっと野良実装を見据える。

「テチャアァァ〜〜!!」

 その途端、背後から、子供達の悲鳴が響いて来た。
 慌てて振り返る野良実装の腕を、喋らない実装石が掴む。

「デェ?! は、離してくださいデス! 子供達に何かが——」

「テチャアァァァッ!! ま、ママアァァ〜〜……チュベッ!!」

「ヂャアァァァァ!! ……ジュプッ」

「こ、子供ちゃん?! 子供ちゃあぁぁん?!」

 薄暗がりの中、先ほどまで佇んでいた人間達や実装石達が、子供達の居た辺りに集まっていた。

「———ぎ、ギャアアアアァァァァァ?!?!」


 野良実装の腕に、激しい激痛が走ったのは、その直後だった。 


 END.




●PART-18「おおぞらをとぶ」


 晴れた空、白い雲。
 春の訪れを示す、色とりどりの花々。
 陽気に誘われ、外に繰り出した大勢の人々、そして実装石。

 それらが今、私の眼下を、通り過ぎていく。
 目にも止まらぬ速さで——

 ああ、私は。
 一週間ぶりに覚える快感と引き換えに。

 今、大空を飛んでいる。

 さようなら、ご主人様。
 さようなら、お医者様。

 ぶち割ったガラスの破片が頭に刺さって、ちょっと痛いけど。


 私は今、眼前に発生した白い錐状の雲を、突き破る。

 数秒後、私は、濁った緑色のアーチを空中に描きつつ、空の彼方に散った。


 END.




●PART-19「おつかい」


 ワタシ、ミドリデス♪
 三つになる、カワイイ可愛い飼い実装ちゃんデス♪

 今日は、ご主人様に、おつかいを頼まれたデス。
 とっても急ぎのご用事みたいで、ご主人様はちょっと焦って、大声を出していたデス。

 ウフフ♪ 可愛い飼い実装ちゃんのワタシチャンが、一人でおんもに出るから、不安なのはわかるデス♪
 でもね、でもね、ミドリはね、ちゃんと一人でおつかい出来るんデス☆

 だってだって、テレビでニンゲンサンの子供がおつかいに行く番組を、たくさん観てお勉強したから
デス!

 おつかいは、早く済ませないといけないんデス。
 だから、ワタシは急いでおうちを飛び出すデス。
 ご主人様の傍を離れるのはちょっと怖いけど、しょうがないデス。

 ご主人様、ワタシの帰りを待ってて欲しいデス♪


 ——デェ? ワタシとしたことが、うっかりデス。
 肝心のおつかいの内容、詳しく聞くのを忘れたデス。

 「アヤクニゲオ」って、どんな物デス?
 どこで売ってるんデス?

 仕方ないから、おうちに戻って、ご主人様にもう一回聞いて来るデスー♪


 ——アチアチアチィ! 暑い! アチィ!! 

 ギャアアァァァ! ゴシュジンサマアァァァ!!

 ——……


 END.




●PART-20「影の棲む家」

 としあきは、去年の秋に、新しい家に引っ越して来たばかりだ。
 しかし何故か、二階の自室にいると、誰かの視線を感じる。
 家族に聞いてみても、そんなことはない、気のせいだの一言で言いくるめられる。
 だが、としあきにはどうしても、誰かの視線を感じずには居られないのだ。

 彼は、特に神経質な人間ではない。
 まして、過去に精神的な病気を患った経験もない。
 それどころか、誰かの視線を感じるという経験すら、殆どした覚えがない。
 にも関わらず、自分の部屋の中でだけ、視線を感じてしまう。

 年が明け、冬も過ぎ去り、新年度も近づこうという頃になっても、その感覚は治まる様子はない。

 もしかして、慣れない新生活で、気付かないうちにノイローゼになってしまったのでは?
 そう考えたとしあきは、抵抗はあったものの、精神科に通院してみたものの、診察結果は異状なし
だった。


 ある日、とうとう我慢ならなくなったとしあきは、思い切って部屋を変えてみた。
 物置にする予定だった隣の部屋を、強引に新しい自室にして、そこに荷物を運び込んだのだ。

 しかし、それでも、謎の視線を感じてしまう。
 もしかしたら、この家には何か呪われた因縁めいたものがあるのでは? とまで考えたが、そういった
話はなかった。
 まして、そういう話がとしあきより苦手で敏感な両親が、そんないわくのある物件を購入するとは
思えなかった。

 としあきは、徐々に膨れ上がる疑問と恐怖心に耐えかね、悩んだ末に学校の友達に相談することにした。

 友達は、としあきの話を真剣に聞いて、それではその部屋に泊まってみようと提案してくれた。
 そして早速その日の晩に、泊り込みを始めた。

 だが、友達には視線なるものが感じられない。
 そしてまた、その日に限り、としあきにも視線が感じられなかったのだ。


 納得がいかないとしあきに、友達はとある可能性を示唆した。
 実はこの付近にある河川敷には、昔から野良実装が多数住み着いているという。
 その中のいくらかは、人間の家屋に勝手に侵入し、食べ物などを漁る害獣行為を行っていたことがある
そうな。
 最近は駆除も進み、そういった話は殆ど耳にしなくなったというが、もしかしたらそういった悪質個体
が、この家に住み着いているのかもしれない。

 特に、春先とはいえまだ肌寒い日が続く昨今なら、暖を取るためにエアコンの使われる部屋の付近に
忍び込む事などもありうるだろう、と。

 としあきは、学友の言葉をヒントにして、早速家屋を調べてみることにした。
 しかし、所詮素人のとしあきに、何が出来るものでもない。
 野良実装らしき者の存在や痕跡は、全く発見出来なかった。

 尚も続く謎の視線に、とうとう耐え切れなくなったとしあきは、両親に懇願した。

 あまりに必死で訴えるとしあきの態度に、両親は重い腰を上げた。
 実は母親も、最近キッチンのテーブルに置いた筈のお菓子が消えたり、妙に臭う汚れが床に点在して
いる事に気付き、悩んでいたのだ。

 事態を重く受け止めた父親は、専門の業者に調べてもらうことにした。


 翌日、早速としあきの家にやって来た害獣駆除業者は、としあきの部屋を中心に、屋根裏や床下を徹底
調査した。

 結果、ねずみが数匹と、また一階の床下に住み着いていた野良実装三匹の家族が発見された。
 野良実装は、破損した床下収納や設置の脆くなった床の一部を外し、家屋内に侵入して、餌を物色して
いたのだ。

 野良実装はとしあき宅の一階の床下で出産、家から強奪した食料で育てていたようだ。

 菓子の空袋やコンビニの惣菜のものと思われる空容器、使用済みの割り箸、空の牛乳パックやペットボトル
なども発見されたようだ。

 ようやく視線の正体が判明し、としあきをはじめ、家族は揃って安堵の息を漏らす。

 だがそんなとしあきに、駆除業者の一人は、突然真剣な表情で呟いた。


「——今すぐ、警察に連絡してください」


 END.




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1 Re: Name:匿名石 2017/04/08-19:59:13 No:00004623[申告]
イイ!とてもイイ!!
これは夏にも見たいネタですわ!!
2 Re: Name:匿名石 2017/04/09-01:27:08 No:00004624[申告]
なんでもかんでも詳しく説明してしまうのも野暮だが
省略し過ぎるのもちょっと分かりにくい
こんな解釈で合ってるだろうか?

PART-16「ストーカー」
託児狙いの実装石につけられていたっていうことだろうか?

PART-17「無人の街」
ゾンビ?

PART-18「おおぞらをとぶ」
強力なドドンパで空へ飛んで音速を越えたっぽい?

PART-19「おつかい」
これは全然わからなかった

PART-20「影の棲む家」
床下に死体でも埋まっていた?
3 Re: Name:匿名石 2017/04/09-05:14:28 No:00004625[申告]
1>>2
19は自宅が火事になってご主人様から「早く逃げろ」と命令されたのをおつかいと勘違いしたんじゃないかな。
せっかくご主人様に救ってもらったのに、自分から焼身自殺する形になってしまった喜劇。
4 Re: Name:匿名石 2017/04/09-07:42:22 No:00004626[申告]
前のオムニバス連発も省略し過ぎでオチが弱かったが
まったく成長してないな
5 Re: Name:2 2017/04/09-09:56:17 No:00004627[申告]
>>3

なるほど、「アヤクニゲオ」は「はやくにげろ」か
どうもありがとう
6 Re: Name:匿名石 2017/04/09-10:40:03 No:00004628[申告]
最後のは、実装石の生活圏は一階の床下とキッチンまでだった、
つまり、主人公の居た部屋の視線の正体は実装石とは別という事。
7 Re: Name:匿名石 2017/04/10-13:05:59 No:00004630[申告]
ん?同じ人?実は割と待ってたんだけどw
話の感想としてはオカルト怪談的な技法がもどかしくも面白いな。
最後のは割り箸で実装石以外の潜入者が居るってわかったわ、ある程度実装スク読んでないと気付かないトリック技法だな。
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