タイトル:【観察】 仔実装
ファイル:仔実装.....①.txt
作者:kobeUS 総投稿数:45 総ダウンロード数:3901 レス数:5
初投稿日時:2017/03/12-09:23:48修正日時:2017/03/13-18:21:13
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  仔実装

ある日の日曜日の昼下がり、その家の住人はコンビニで買って来たスイーツをぼんやり眺めていた。

「はぁ〜これで人生2度目の大失態かぁ〜高かったのに......」



俺の名はあきとし虐待派だ!

自称、実装退治の専門家......なんか言えねぇ〜よなぁ〜



俺は、一人でお茶をしようとコンビニに行き、イチゴケーキ、シュークリームを買って来たのだが......

袋の中でゴソゴソと何かが動いている。

「くそー、託児かぁ〜何年ぶりだろう?」

寝ぼけて買い物に行ったのが間違いだった。



袋の中を覗き込むと仔実装がケーキをたいらげ、シュークリームの袋を破ろうとしていた。

「テッチィ!中々破れないテチねぇ〜」

俺が袋の外から睨み付けているのに気付いていない。

「おい!糞蟲!」

「......」

「こら!糞蟲!」

俺は、仔実装の背中を銜えていた爪楊枝で突き刺し敷いた新聞の上に放り出した。

「テッチャー!痛い!痛い!」

仔実装が新聞のうえでのたうち廻るのをじっと眺めていた。

暫く経つと痛みが引いて来たのだろう仔実装が怒りだした。


「糞ニンゲン痛いテチ!ぶっ殺させて戴きますテチ!」

「なんじゃぁ〜そりゃぁ〜?」

「可愛いワタチの飯の邪魔をするなテチ!殴らせて戴きますテチ!」

仔実装はむっくり起き上がり俺の足をペチペチ叩いて来た。

「ああ!鬱陶しい!」

俺はデコピンをくらわして大人しくさせた。

「こらぁ〜!舐めたマネしやがると殺すぞ!」

よっぽど痛かったのだろう、仔実装は震えながら俺にこう言った。

「ご......ごめんなさいテチ、糞ニンゲン、痛いけど仕方ないから特別に許してやりますテチ」

こいつは、一体何なんだろう?俺はそう思ったので......

「お前は.....一体誰に育てられたんだ?」

「ハイテチ!生まれて少しの間はママテチ、それからはお姉ちゃんテチ、そんなことお前が知ってどうするテチ!糞ニンゲンそれはプライバシーの侵害テチ!」

そうか、多分こいつは幼児教育で厳格な母親に育てられたんだろう、だから一定の敬語は使えるが、成長期に糞蟲の姉貴に育てられたんだな、だから「糞蟲語」と「丁寧語」が混じってやがるのか。

「お前は一体......姉貴にどう言われて袋にいれられたんだ?」

「ハイテチ!お姉ちゃんからは、『幸せになりやがれテス!』と言われて入れられましたテチ、何度も身の上話をさせるなテチ!プライバシーの侵害テチ!」

「う〜ん、どうも調子が狂うなぁ〜糞蟲なら糞蟲として跡形も無く叩き潰してやるんだがなぁ〜こうやって敬語を使う仔実装なんか初めてだしどうしたら良いか......」

俺は考えた挙句、敏江に相談した。



敏江は、元レディースで俺の古いダチだ。

以前、双葉城に巣食った軍隊の様な実装駆除の時に、俺の腕を見こんでのドローン駆除を提案した奴だ。

ドローンにコロリを搭載して実装共を一網打尽にして以来会う。

あの件で一気に俺の株は上がったからな。



「テチテチ」糞やかましい仔実装を段ボール箱に入れて、敏江の家のチャイムを鳴らした。

「はーい!あきとし久ぶりねぇ〜」

「そうだな、元気だった様だな!」

「あの時以来だから2年ぶりじゃない?」

「それ位経ってるかなぁ〜」

「それで例の仔実装はこれ?」

「そうだ!」

仔実装は、俺に捨てられるかもとびくびくしていたが、ニコニコしている敏江を見て捨てられないと悟った様だ。

「じゃあ、躾を頼む!」

「OK!」

俺は、敏江に仔実装を預けて帰った。



..........................................................


「実装石、出てらっしゃい!」

私が呼んだら仔実装が頭だけを出して周囲をきょろきょろ見ながら、痛い事をされないと思ったのか段ボールからゆっくり出てきた。

やっぱり、野良は泥だらけで臭いし汚い。躾は家の中でしないといけないから生活圏は室内になるしやっぱり綺麗にしないと。

「汚いから体を洗うわよ。それと糞も出さなくっちゃ」

私は、ドドンパを飲まして糞を全部出させ、洗面器にお湯を入れてソープを使って綺麗に洗ってやった。

「温かいお湯テチィ〜、糞ニンゲン褒めてやるテチ、有難うございますテチ」

デコピンを食らわせ「『ニンゲンさん綺麗にして貰い有難うございます』でしょう!」

「そ.....そうでしたテチ、許してやるテチ」

又、デコピン「『許して下さい」でしょう!」


服を洗い、ドライヤーで体を乾かせ偶々家に有った古い仔実装の服を着せたら......

「よし!どこから見ても飼い実装ね。綺麗になって良かったわ!」

「ハイテチ!頼みもしないのに綺麗にしやがって、可愛いワタチが余計に引き立つテチ、糞ニンゲン御礼を言ってやるテチ、有難うございますテチ」

デコピンを食らわして「『綺麗にして戴いて有難うございます。ワタチとても嬉しいテチ』でしょう!」



綺麗になった仔実装を机の上に置いて。

「名前も付けないとねぇ〜『テチテチ』言ってるから<チー>にするね。お前の名前は今日から<チー>よ。」

「有難うございますテチ!早速、名前まで付けやがって嬉しいテチ、糞ニンゲン大いに喜ばせて戴くテチ」

私は、仔実装の乗ってる机を≪ドン!≫と叩いて「オイ!糞蟲、お礼位ちゃんと言えよな!『有り難うございます。良い名前を付けて戴きとても嬉しいテチ』これからはそう言えよ!早く覚えないと体をバラバラにして殺すぞこらぁ〜!」

「テチャァ〜ごめんなさいテチ!糞ニンゲ.....」

≪ドン!≫「ニンゲンさんだろがぁ〜!これからは言いたくても『糞』は、付けるな!解ったかぁ〜!」

「わ......解りましたテチ、く...いやニンゲンさん」



それから、私が会社の休みの日には徹底的に言葉使いの教育、普段の生活態度についても厳しく指導した。

とはいうものの私は、素直なこいつに愛着が湧き、飼い実装の登録をした。

でも、贅沢はさせなかった。着る服もショップで一番安い緑の実装服2枚を洗い替えに買っただけだ。

トイレも自分で出来る様に躾をした。風呂に入れば、手の届く範囲は自分で洗わせ、体を拭くのも自分でさせた。当然着替えも。

寝る時も「オイ!ニンゲンさん寝ますテチ、布団を敷きやがれテチ!」が「お布団敷いて寝ますテチ、お休みなさいニンゲンさん」に変っていった。

私、ブリーダーできるかも?なんてね、何考えてんだろう。

ある日、私はあきとしを「仔実装も随分と態度が変わり言葉使いも丁寧になった」と言って、公園に来るように言った。




............................................................


俺が、指定された公園に行くと小さな籠を持った敏江が待っていた。

籠の中を開けると中に正座した仔実装がいた。

仔実装は俺を見るなり頭を下げて土下座の様な格好で挨拶をした。

「こんにちは、ニンゲンさん、お久ぶりテチ」

「お!おおっ!久しぶり、元気だった様だな」

「おかげさまで元気テチ」

「お前、言葉使いも大分丁寧になったなぁ〜」

「有難うございますテチ」

仔実装はニコニコして礼を言った。



「敏江、ずいぶん迷惑かけたなぁ〜」

「ずいぶん仕込んだのよ!」

「悪い、ごめんな」

俺達の方を向いて退屈そうにしている子実装を敏江が気を利かして地面に降ろし「遊んで来て良いから」と言うと喜んで遊び出した。

俺はその後ベンチで敏江と話込んだ.....すると、今迄そこにいた子実装が居ない。



ここは、先日駆除があったから野良はいないはず.....何故だ!もしかして人間に?

俺達は、公園内を探し回り公園の端にある自動販売機の裏に廻ると目に入って来たものは.......

2匹の成体飼い実装にボコボコに殴られてぐったりしている仔実装だった。

「オイ!しっかりしろ!オイ!」

「テ......ニ.....ニンゲンさん」殆ど虫の息だ。

敏江も遅れて駆けつけ抱き上げ「チー、しっかりして!」と呼んだが「テ......」≪パキン!≫




「デスゥ〜ワタシ達は、最近運動不足気味だったデス、少し遊んでやったらそのざまデス」

「野良の癖に飼い実装みたいな綺麗な服を着て生意気だったデス、だからワタシ達が成敗してやったデス!」

こいつらの飼い主だろう愛護派のババアがニヤニヤして後ろにいる。

そのババアの横には、この実装共のガキが4匹いて「汚い仔実装は死ぬテチ」と一緒になって野次を飛ばしていた。

「さあ!メリーちゃん、ハッピーちゃん帰るわよ!」

「ちょっと待てよ!糞ババア!」

「な......何ですか?貴方、私を糞ババアですって?一体何様の積もりよ!年上に向かって!口のきき方に気付けなさいよね!」

「そりゃあ気を付けるよ!常識のある年寄にはよ!てめえの様な非常識な奴には、糞ババアで良い位だぜ!」

「し......失礼な!その失礼な口のきき方は言語道断!絶対に許しませんからね!貴方何処の誰ですか?」

「てめえの飼いが俺の飼いを殺したんだよ!ちゃぁ〜んと首輪も付けていた。これは、他人の飼いに危害を加えた、飼い実装法違反と器物破損だぜ!いくら金を積んでも書類送検はあるだろうな!つまり前科者だ!あんたはよ!」

「ふん!そんな野良殺したって.......」



その時敏江が「おまわりさんこっちです!こっち!」2人の警官を連れて来た。

「貴女が飼い主さんですか?飼い実装に手を出したり、出させたりしたら犯罪ですよ!少し署に御同行を戴いてお話を聞かせて下さい!」

「な......何を言うのよそんな法律聞いた事ないです!」

「御存じないんですか?今年の3月1日に飼い実装法が改正されました。飼いが飼いに危害を加えたら飼い主さんの責任になると言う事を、最悪、実刑若しくは罰金となります。今回の改正はかなり厳しいですよ!

それから、対象の飼い実装は焼却処分か状況によっては、警官の射殺処分も止む無しと言う事になります、テレビのニュースで毎日放送されてますよ!」


もう1人の警官がリンガルで「お前の飼い主は誰だ!」と質問した。

すると実装は、「デププ、あの糞ババアデス」と言って飼い主の方を指した。

「こんな.....こんな糞蟲飼っていない.....いないです!」

「それは調べればすぐに解ります。被害者もおられるし、本官に御同行を戴けないとなると、この上に公務執行妨害が付いてしまいます。そうなれば書類送検どころでは済まなくなりますよ!」

「えっ!こ......公務執行妨害になるの?......ですか.......」

すると、ババアはもう逃げられないと観念したのか、俺達に頭を下げて謝り出した。

「その実装は私が飼い主です。ごめんなさい、貴方達の仔実装を殺してしまって、とても気が済まないとおもうけど、この実装をどうにでもして下さい!いくら私が注意しても一向に聞いてくれないので......」

「じゃあ!署まで御同行願います」

ババアはうなだれて、もう1人の警官に連れられて警察署に向かった。

「それじゃあ!後の事はこちらで処理します。実装は逃亡を謀り本官が、射殺したと記載して置きますので!」と言って警察署に帰って行った。

あの警官達、実装を俺たちに始末させてくれのか。やっぱり実装法なんて警官の裁量一つでどうにでもなる様だな。

警察はそれ程、実装法に重きを置いてなのか。それにあの警官は虐待派の目をしていたもんな。




俺は隙を見てそお〜と逃げようとする【ハッピーちゃん】に「おい!待てよ糞蟲」と呼び止めて回し蹴りを食らわせ......

「デッ......」≪パキン!≫顔面を捉えると偽石が割れた。

すると「デスゥ〜」「テチャァ〜」「テチィ〜」「テッチ」「テッチ」残りの飼い実装共が一斉に逃げ出した。


だが「テ.....」≪パキン!≫ 「チ......」≪パキン!≫ 「ャ......」≪パキン!≫ 「......」≪パキン!≫仔実装4匹の首が宙を舞った。

敏江が落ちている木の枝で仔実装を打ち首にした。

「昔から木刀使った喧嘩得意だもんなぁ〜相変わらず凄い腕だぜ!」

更に逃げている【メリーちゃん】を追いかけて、木の枝を刀の様に使い≪ドビシューゥ!!≫両足を切断した。

「デ......デジャァ〜!痛い!痛い!二......ニンゲン早くワタシを助けるデスゥ〜!」

敏江は、実装の腹を踏んで動けない様にして抑え込むと......

「オイ!糞蟲覚悟しな、私のチーを殺した恨み倍にして返してやる!苦しみ悶えて死ね!」


バシッ!「デジャァ〜!」ビシッ!「デギャァァァ〜!」

敏江の使ってる木の枝は、未だ生木で先の方が細くなってムチの様にしなる

あいつは、実装の切断した足の断面を叩いている。死ぬ以上に苦しい拷問だ。

「私のチーをストレス解消なんかに使いやがって!」ビシッ!「デギャ〜ァ!」「簡単には殺さないからね!」バシッ!「デ、デギャ〜ァ!」敏江はその場で何度も何度も実装を叩いた。

息が上がる程まで実装を痛めつけた敏江は、これが最後とばかりに思い切り実装の足をビシッ!すると「デ.......」≪パキン!≫偽石が割れて死んだ。


敏江はがっくりして、死んだ仔実装の方にとぼとぼ歩いて行った。

仔実装を抱き上げて、急に大声を出し泣き出した。

「ごめんね、チ〜、助けられなくて......」

そして、俺の方を向いて「やっぱり私は実装が嫌い.......こうも簡単に仲間を殺す実装が......」

「そうか」

俺は、泣き崩れる敏江にそれ以上の声が掛けられなかった。


FIN






































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1 Re: Name:匿名石 2017/03/12-10:09:56 No:00004507[申告]
おかえり、待ってました!

変な敬語を話すチーが面白かった

糞蟲の仔達もあっさり殺さずにもっと苦しめてから
殺して欲しかった
2 Re: Name:匿名石 2017/03/12-19:10:07 No:00004508[申告]
やっぱり事前に丁寧な実装の描写があると後の爽快感がいいですね
それにしても実装法、穴だらけ臭いのがいかにも実装生物の扱いらしくていいね
3 Re: Name:匿名石 2017/03/12-23:28:04 No:00004511[申告]
下手に細かくすると悪人ばかりが穴を突いて楽するようになる
緩くしておいた方が普通の人や警察の取締にはいいんだ
4 Re: Name:匿名石 2017/03/13-12:48:52 No:00004514[申告]
おう、戻ってきたか。
変な敬語の仔実装は興味を引かれた、引きがあっさりしすぎてる気がしたがこれは逆に実装世界の厳しさ表現として秀逸かも?
5 Re: Name:匿名石 2023/07/22-18:53:25 No:00007606[申告]
あっさり死んだなチー
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