タイトル:【虐】 飼い実装虐待祭り 後編
ファイル:【虐】飼い実装虐待祭り 後編.txt
作者:ジグソウ石 総投稿数:42 総ダウンロード数:2437 レス数:7
初投稿日時:2017/01/24-01:07:30修正日時:2017/09/14-23:33:03
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 ※今回は読み物ではありません。
  癇癪を起こした子供や発作を起こしたキチ○イのように、発狂したかの如く、ただひたすら実装石をグチャグチャにするお話です。

 前回のあらすじ

 とある研究者の流した『実装石を喜ばせる者は皆不幸になる』という風説によって捨て実装が増えた町に、飼い実装の虐待をこよなく愛する男がいた。
男は捨てられる直前の飼い実装たちを引き取り、取り壊す予定のアパートを一軒貸切にして大虐殺パーティを企画する。

 一階の三部屋にいた実装石の家族を皆殺しにした男は、続いて二階の部屋にいる実装石たちを虐待せんと階段を駆け上がる!
狂気に満ちた虐待派男の宴はまだまだ終わらない!(CV.立木○彦) レッツパーリィ!(CV.中井○哉)

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 階段を上り、四号室の前に立つ。
ここにいるのは成体の三姉妹で、上の姉と下の妹は少し臆病だが比較的善良である。
問題は真ん中のやつで、こいつがとんでもない糞蟲なのだ。
それも飼い主に対して偉そうな態度をとるような分かりやすいタイプの糞蟲ではなく、人間にはしっかりと媚びて自身の糞蟲ぶりを隠しつつ、姉や妹を虐めて自分だけがいい目を見るという『隠れ糞蟲』と呼ばれるやつだ。
今回はこいつに相応しい死を与えてやろうと思う。

 ————— がちゃり —————

 下で散々実装石を虐待してきたおかげですっかりテンションが上がっていたが、とりあえずは何事もなかったかのように、ただ家に帰ってきた飼い主を装って部屋に入る。

「ゴシュジンサマ、お帰りなさいデス♪」

 俺が入ってくるや速攻で媚びてきたこいつが件の糞蟲だ。
名前をデスナという。

「デ……お、お帰りなさいデス………」

「デスゥ………」

 遠慮がちに挨拶してきたのが姉のデスコと妹のデスミである。

「うん、今日も皆仲良くしてたかな? エサはちゃんと食べたかな?」

「はいデスゥ♪」

「はいデス………」

「はいデスゥ………」

 ケージの中に置かれている三つの餌皿はどれも綺麗に空になっている。
だが俺の問いに答えるテンションの違いが、三匹の言葉が嘘であることを如実に示していた。
おそらくデスナは姉と妹を脅して自分だけがエサを食ったのだ。

 デスナのやつは自身の糞蟲性を巧妙に隠しているつもりかもしれないが、しょせんは実装石の知能である。
だいたい姉と妹の顔が若干腫れているのを見れば、脅したときに殴りつけたのがバレバレだ。
こういうときはボディを狙わなくてどうする。
こいつが糞蟲であることは前の飼い主にもしっかりとバレていて、こいつらはそのせいで捨てられたことに気付いていなかった。

「よし、じゃあ一つ質問しようか。デスナ、デスコとデスミの顔が腫れているようなんだが………どういうことかな?」

「デ、デデッ!? そ、それはアレデス。ゴシュジンサマが帰るまでの間に、ワタシたちでボクシングのレンシュウをしてたデス。前のゴシュジンサマにテレビを見せてもらったときにオボえたデスゥ♪」

「なるほど。ボクシング………ね。(よくもこんなしょうもない嘘がペラペラ出てくるもんだ)デスコ、デスミ、そうなのか?」

「デ……デス………」

「そ、そうデス………」

 デスナに脅されている二匹には本当のことなど言えないのだろう。
姉妹ともに口裏を合わせている。

「そうか、じゃあどうしてデスナだけ顔に怪我をしてないんだ?」

「そ、それは………わ、ワタシがこの二石に比べてアットウテキにツヨイからデス! オネエチャンやイモウトチャンのパンチなんて、ワタシにはイッパツも当たらなかったデスゥ」

「ほーん(棒読み)じゃあその華麗なディフェンスと軽快なフットワークを俺にも見せてもらおうか。デスコ、デスミ、お前ら二匹でこいつを殴れ」

「デ………」

「デェ?」

「デデェェッ!? ゴ、ゴシュジンサマ、ナニを言い出すデスゥ!」

「いや、だって俺も見たいし。ほらほら、二匹とも早く殴りかかれよ。俺が許可してんだから遠慮すんな。ボッコボコにしてやれ」

「デェェェッ!?」

「デェ………ゴシュジンサマがそうおっしゃるなら………」

「やらせていただきますデスゥ………」

 デスコとデスミがふらりと歩き出し、デスナのほうへと近づいていく。
その赤と緑の目は、今まで虐げられてきたことに対する怒りと怨み、そしてそれを公然と晴らせることに対する喜悦でギラギラと輝いていた。

「デェェ! オマエらまで! ワ、ワタシに逆らうと後でどうなるか分かってるデスゥゥーッ!?」

 とうとうデスナは自身の糞蟲性を隠すこともせず、姉妹に向かって恫喝じみたことを言い出した。

「おやぁ? こいつらのパンチなんか一発も当たらないんじゃなかったのか。どうしてそんなに嫌がるんだ? もしかして俺に嘘をついたのかな?」

「デ………そ、そんなことは………」

「いけないなあ………俺は嘘をつかれるのが一番嫌いなんだ。嘘つきの実装石なんて、飼い実装として生かしてはおけないなあ………なあ?」

「デ………デデ………」

 デスナがガタガタと震えだし、パンコンして尻餅をつく。

「もう一度聞くぞ。お前は俺に……嘘をついたのか?」

「つ、ついてないデス! ワタシは今までゴシュジンサマにウソをついたことなんて一度もないデスゥゥー!」

「嘘をつくなぁっ!」

 ————— バシィッ! —————

「デギャァッ!?」

 俺はポケットに忍ばせておいた装飾用のチェーンを取り出し、鞭のように振ってデスナの頬を叩いた。
よくヤ○ザのおっさんが身につけているような趣味の悪いチェーンは一つ一つが菱形で角が尖っており、肉を削ぎ取るようなダメージを与えられるものだ。
打たれたデスナの頬は皮膚が裂け、穴が開いてそこから奥歯が見えていた。

「デギャッ! デギャァス! デギャァァァ!」

 大したダメージではないはずだが、今まで前の飼い主にも叩かれたことがないデスナは大げさに転げ回る。
さっきまで恨みを晴らしてやろうと気色ばんでいた二匹の姉妹も、飼い主である俺の突然の凶行に驚いて目を丸く(元々丸いが)している。

「もう一度聞くぞ。お前は俺に嘘をついたんだよな?」

「デヒィッ! チガウデス! チガウデスゥゥ!」

「嘘をつくな!」

 ————— バシィ! バシィ! —————

「デッギャァァァ!」

 再び鎖を振り回し、今度は×状に二発食らわせる。

「もう一度聞く。二月二日、飛○五郎という男を殺したのは貴様だな?」

「デ? デデッ? し、知らないデス!」

「嘘をつくな!」

 ————— バシィ! バシィ! —————

「ギエェェェェ!!!」

 このやり取りを見て何のことかすぐに分かった人はおそらく四十代以上であろう。
これは昭和五十二年(1977年)に放送された特撮ヒーロー『怪傑ズバ○ト』のワンシーンである。
友人の飛鳥○郎を殺した犯人を捜すため、鞭使いの主人公が殺し屋や凶悪犯の敵を倒した後で毎回詰問するのだが……相手がちゃんとしたアリバイを口にするまでずっとこのようなやり取りが繰り返され、
それがもはや拷問じゃないのかという域に達していて、本当にヒーローものかよと疑いたくなる内容なのである。(しかも友人殺しについては無実が判明した敵に『この者、極悪○○犯』と書かれたカードを投げつけて去っていく)

 この嘘つき実装石には、やはりこういう拷問が相応しい。
こいつの性格を知ってからというもの、俺はずっとこの方法でこいつを痛めつけてやろうと思っていたのだ。
そのためにわざわざこんな趣味の悪い金メッキのチェーンまで買ったのである。

「二月二日……飛○五郎という男を殺したのは貴様だな?」

「し、知らないデス! ホントに知らないんデスゥゥーッ!」

「嘘を—————」

 そんなやり取りを十分近くも続けると、デスナの体はもはやズタズタのボロ雑巾のようになっていた。
まるで鉄条網でグルグル巻きにして、それを一気に引っ張ったみたいだ。

「デッ……デヒ………デヒィィ…………」

 嬉しい誤算というべきか、まだ息があるのは大したものだ。
俺はこんなときのために持ってきたCDケースほどの大きさのベニヤ板を取り出すと、さっき下で使ったマジックペンで『この実装石、嘘つき糞蟲』と書き込み、それを手裏剣のように投げてデスナの顔面につき立てた。

 ————— ザクッ! —————

「デギュ……」(パキン!)

 デスナが絶命し、両目が白濁していく。

「デププwwwいい気味デスゥ」

「これでワタシたちは平和に暮らせるデスゥ♪」

 振り返ると、デスコとデスミが醜悪な笑いを浮かべながらデスナの亡骸を見下ろしていた。
恐怖というタガが外れたせいで押さえつけるものがなくなったというのもあるだろうが、恨み積もるデスナが拷問されているのを見て糞蟲の本性が引き出されてしまったらしい。
それにしてもこいつら、姉妹を惨たらしく殺した俺が自分たちだけは生かしてくれるとでも思っているのだろうか?

「デスコ、デスミ、お前たちは俺に対して嘘なんて言ってないよな?」

「はいデス」

「もちろんデスゥ♪」

「そうか………さっき俺が『デスナの話は本当なのか?』と聞いたとき、お前ら『そうだ』って言ったよな。あれは嘘じゃねえのか? なあ? なあ!」

「デ、デデッ!?」

「ち、チガウんデス! あれはチガウんデス!」

「嘘をつくな!!!」

「「デギャァァーーーッ!?」」


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 四号室の扉を静かに閉める。
部屋の中には『この実装石、嘘つき糞蟲』と書かれた板が顔面に刺さった死体が三つ並んでいた。
うむ、やはり姉妹は仲良くしないといけないな。

 さて、再びテンションが上がったところで次の部屋に行ってみようか。
良蟲→糞蟲→良蟲→糞蟲ときたのでもう予想はつくだろうが、次の部屋にいるのは良蟲だ。

 ————— ギィィィィ…………… —————

 五号室の扉をそっと開け、中にいるやつが出てこないのを確認したうえでゆっくりと中に入る。
扉を閉めるときも後ろ手に閉めたりせず、入れ替わるように出て行く者がいないかを確認した後、しっかりと鍵を閉める。

 なぜこんな面倒なことをするのか。
実はこの中にいる親仔(親実装&仔実装五匹)には、俺が虐待派であることを前もって伝えてあるのだ。
そして次に俺がこの部屋に入ってきたとき、お前らを皆殺しにすると宣言した。

 もちろん良蟲である親仔は俺に平伏して命乞いをした。
それに対して、俺は一つの条件を出した。
この部屋の中で好きな場所に隠れ、俺に見つからなければ生かしておいてやるというものだ。
もうお分かりだろう、今回の遊びはかくれんぼなのである。
まあ……実装石の知能でいくら隠れようと、部屋の中という縛りがあってはそうそう隠れおおせるものでもない。
しかもこのアパートは取り壊す予定なので、この部屋から出してもらえない以上、俺が殺し損ねたところで死は確実なのだが。

 今回のゲームを面白くするために、俺は一つ実装石側にも有利なアイテムを用意してやった。
実装石は高所に上れないため、そのままでは隠れ場所が床上にあるものの物陰に限定されてしまう。
そうならないよう、あらゆる家具の傍に上まで登れるハシゴをつけてやったのだ。
さらに冷蔵庫はもちろんあらゆる戸棚や引き出しを開けっ放しにして、非力な実装石が自分で開けなくてもいいようにしてやった。

 さて、さっそく親仔を探していくとしようか。
まずは入口の傍にあるキッチンからだな……

 シンクの中を覗き見てみる。
ここにも上がれるようにハシゴがかけてあるが、もちろんこんな分かりやすい場所には一匹もいない。
いや、一度キッチン台に上がった後にシンクの中に落ちて出られなくなっている間抜けがいないかと期待したのだが……排水溝や三角コーナーも確認してみたが、ここにも仔実装はいない。

 ならばとキッチン台の下を探してみる。
この台の扉には包丁が引っ掛けてあるので、親実装がそれを持ち出してこちらに攻撃を仕掛けてこないかもしっかり警戒していたのだが、包丁もそのままだ。
鍋やヤカンの入った暗い戸棚を覗き込んでみるが、それらしい姿はない。

「くぉらぁっ!!!!! どこ行った糞蟲どもぉっ!!!!!」

 大きな声で叫び、威嚇してみるが反応はない。
実装石はこういうふうに大声で威嚇されると「デヒィッ!」という悲鳴を上げたり、ぶりぶりと糞を漏らす音や臭いを放つのでいれば分かるかと思ったが、どうやらここにはいないらしい。

 次はシャワー室とトイレだ。
トイレは洋式であり、便座カバーや水を溜めるタンクの蓋も外してハシゴをかけてある。
ここに入ろうとすれば転落して溺れるのは必至なので、これまた引っ掛かっている間抜けがいないかと期待したが……いない。

 ならば便器の下や裏はどうだろう?
このトイレは狭いので、便器の下は入り組んでいてなかなか探しづらいのだが……小さい仔実装ならば十分ここに隠れられる。
俺はトイレ掃除用のブラシを取り出すと、それで便器の下や裏側をガシガシと払ってみた。

「テチィィッ!?」

 お! さっそく一匹発見!
小さい体を生かして隠れていたようだが、見えないところまで道具でひっかき回されてはどうしようもなかったな。
逃げ惑うそいつの頭巾を掴んで持ち上げ、耳のリボンを見てみる。
そこには番号が書かれていて、何女なのかが分かるようになっているのだ。
こいつは四女か。

「はーい、まだ隠れてる皆さん、聞こえるかなぁー? 四女ちゃんアウトー!」

 そう言いながら、四女の頭を左右から指で圧迫していく。

「テヂャァァァッ!?」

 みしみしと音を立てて頭蓋骨が軋み、ぱきぱきと割れて脳が傷ついていく。

「テギュゥ……イタイテチ……オメメガミエナイテヂィィ………」

 両目玉は砕けた頭蓋からこぼれて飛び出し、すでにトイレの底に沈んでいるのだから見えないのは当然だ。
さらに力を込めていくと、四女の頭は梅干のようにぶじゅりと潰れた。

「ピジュ……」(パキン!)

 潰れた四女を便器に放り込み、探索を再会する。
四女の死を知った親あたりが「デェェ!」と悲嘆の叫びを漏らすかとも思ったが、隠れるのに集中しているのはなかなか立派なもんだ。
もしかしたら五女あたりを抱えているのかもしれないな。

 続いて冷蔵庫の中を探してみる。
冷蔵庫やチルド部分にはいないようだ。
おや? よく見ると冷凍庫の引き出しが閉まっている。
開けておいたはずなのだが……かけておいたはずのハシゴも倒れているな。

 もしやと思って引き出しを開けてみると、作った氷を溜めておくトレイの中で一匹の仔実装が首だけを出して凍りついていた。
リボンを見ると三女のようだ。
冷凍庫を開けっ放しておいたことでトレイの中にあった氷が溶けていたところに、ハシゴをよじ登ってきた仔実装が隠れようとして水の中にはまったのだろう。
そして水位が低かったおかげで顔を出すことはできたものの、その後、他の姉妹もしくは親実装がこいつを隠れさせるために引き出しを閉めたことで再び冷却が始まり、凍りついてしまったものと思われる。
開いているときには作動が止まり、扉を閉めると冷凍や冷蔵が始まるという構造を知らないとはいえ、実に間抜けな死に方だ。

 ………いや、待てよ? こいつ本当に死んでいるのか?
なにせ食用のやつは真空パックに入れられても仮死状態になるだけで、パックを開ければ復活することもあるというデタラメ生物だ。
一度試してみる価値はあるな……

 プラ製のトレイをぐいぐいとねじって壁面と氷の間に隙間を作り、氷の塊を取り出す。
それを鍋の中に放り込むと、ガスコンロにかけて火をつけた。
もしも仮死状態になっていただけなら、そのうち溶けた水が沸騰して悲鳴を上げてくれるだろう。

 火にかけたガスコンロはとりあえず放置して、他のやつらの探索を再開する。
あとは仔実装二匹と親実装だけだ。

 テーブルの上、テレビの裏、コタツの中を探してみるがどこにもいない。
次はタンスの上を……と思ったら、すぐ下で一匹の仔実装がぺしゃんこに潰れていた。
残ったリボンに書かれていた番号は1、長女である。
どうやらタンスの上に登ろうとしている最中にハシゴが倒れ、落下してしまったらしい。
チッ……自分の手で殺してやりたかったのに。

「テヂュアァァーッ!?」

 長女が勝手に死んだことを悔しがっていると、キッチンのほうから悲鳴が聞こえた。
ああ、さっきガスコンロにかけておいたやつが復活したのか。
やはり仮死状態になっていただけのようだ。
鍋の中を見ると、三女が沸騰しかけたお湯の中でばしゃばしゃと暴れていた。

「アツイテチ! アツイテチィィ!」

「あっははは! 寒さの次は熱さか。忙しいこった」

「たすけテチ! ニンゲンサン、たすけテチィィィ!!!」

「ふっふふふふ、知らんな。もっと苦しめ。お前らが苦しめば苦しむほど俺は楽しいんだ」

「テヂャァァーーーッ!!!!!」(パキン!)

 三女はさんざん暴れまわった挙句、偽石を崩壊させて死んだ。
水面にぷかりと浮かんだ顔が多少水ぶくれになっていて、茹でダコのように真っ赤になっているのが実に面白い。
俺は実装石を焼殺するのも大好きだが、同じ熱傷でも沸騰したお湯によるものはまた赴きが違っていいものだ。

 さあ、続いて残りの三匹を探すとしようか。
とはいえあとは押入れぐらいしかないはずだが……

 押入れを開けてみると、そこには親実装が五女を抱えて震えていた。
何のひねりもないところに隠れやがって………これだから知能の低いやつとのゲームは面白くない。
ただ、隅っこで仔を抱えてぶるぶると震えるその様だけは実に愛おしい。
その顔、そのポーズ、これぞ人間に対する実装石のあるべき姿とでもいわんばかりの哀れっぷりだ。
これほど嗜虐心をそそる姿が他にあるだろうか?

「見つかったからには……どうなるか覚悟してるだろうなあ?」

「デヒィィ……お、お願いデス……ワタシはどうなってもいいデスから、この仔だけは助けてほしいデスゥゥ」

「チィィ……ママ、コワイテチィィ……」

 俺はそう言われると仔実装のほうから殺したくなる性質(たち)なのだが、今回は逆にしてやるか。

「よし、じゃあこれからお前を三十発殴る。それでお前がまだ生きてたら仔は助けてやろう」

「デッ……!」

「どうだ? この取引、受けるか?」

「わ、わかったデス。でも、ヤクソクは守って欲しいデス」

「………いいだろう(ニヤリ)」

 親実装を押し倒し、その胴体の上に馬乗りになる。

「デ、デェェ………」

「行くぞオラァッ!」

 ————— バコォッ! —————

「デギャッ!」

「もう一丁!」

 ————— バキャッ! —————

「デギャゥ!」

 右、左、右。
次々と親実装の顔面にパンチを叩き込む。
親実装の頭が潰れてしまわないよう絶妙に手加減した、拳の角をガツガツと当てて痛めつけるだけのパンチだ。
だんだん楽しくなってきて、頭の中でノリノリの曲が流れ始める。

「テーテレッテ〜♪ テーテレ〜♪ テーテレッテ〜♪ テーッテレーテーッテ♪(イン○ィ・ジョ○ンズのテーマ)」

 右! 左! 右! 右裏拳! 左! 右! 左! 左裏拳!
映画『イン○ィ・ジョ○ンズ 魔宮の伝説』でイン○ィ博士がターバン男をマウントパンチでボコボコにするシーンを思い出しながら、親実装の顔を殴りまくる。

 ————— バキッ! ベキッ! バキャッ! ベキィ! —————

「デビャッ! ブビェア! ギャウッ! ブギャァ!」

 手加減したパンチとはいえ、痛めつける目的なので親実装の顔はたちまち原形を留めないほどボコボコになる。
そういえば、もはや何発打ったか数えるのを忘れているな。
まあどうせ実装石は三つぐらいまでしか数えられないので、三十発を超えても文句は出まい。

 ————— グジャッ! ベジャッ! ブジャッ! グチャッ! —————

 いくら手加減していてもだんだん肉は潰れてゆき、噴き出した血のせいで親実装の顔がぐじゅぐじゅの血袋のようになっていく。
そろそろ限界かな?

「ふむ……そろそろ三十発かな?(実際には倍近く殴ったような気がするが)」

「デ……デビュ……」

「おっと、死ぬなよ。死んだらお前の仔も殺すぞ」

「デブュゥゥ………」

 親実装の顔は丁度いい具合に腫れ上がり、そのせいで目も塞がって見えなくなっていることだろう。
とりあえず親実装を放置し、さっき鍋で煮られて死んだ三女の死体を持ってくる。
さらに三女の体を握って骨をボキボキと砕き、グニャグニャになったそれを親実装の口の中に突っ込んだ。

「デフ……?」

「いいか、今お前の口に入れたものを食え。そうすれば助けてやろう」

「デ………」

 何とか助かろうと思ったのか、親実装は俺の言いつけどおり口をモゴモゴ動かして仔の死体を食う。
俺はそれを確認すると、冷蔵庫の中からすでに常温になった栄養ドリンクを持ってきて親実装の顔にかけてやった。

 たちまち炭酸飲料のようにしゅわしゅわと泡が立ちはじめる。
顔の傷が一気に治ったりはしないが、まぶたの腫れを引かせるには十分だ。
そしてぼんやりと目が見えるようになってきた親実装は、自分の口から出ているものを見た。

「デ……デデ……………デフゥゥゥゥゥゥッ!????」(パキン!)

 親実装は自分の口からはみ出ていたもの—————三女の頭部を見た瞬間に絶命した。
自分で自分の仔を食ってしまった(実はすでに死んでいたのだが)のを知り、ショックのあまり偽石が崩壊したのだ。

「はーい、親実装ちゃん残念! 死んじゃったので五女ちゃんも死亡かくてーい」

「テ………? テチャァァァッ!」

 それまで少し離れた場所で震えていた五女が、俺の宣言を聞いたとたんに悲鳴を上げてパンコンする。

「た、たすけテチ! 死ぬのイヤテチャァァ!!!」

「ふんっ!」

「テヂュブ……」

 あっさりと五女の体を踏み潰す。
もっと楽しんでもよかったのだが、まだ見つかっていない次女の行方が気になるのだ。

「うーん、次女のやつはどこに隠れたんだ? 隠れそうな場所は全て探したはずなんだが……」

 もう一度キッチンのほうを探してみるか—————そう考えて一歩踏み出した瞬間、俺は足元にあった長女の死体を踏んでしまった。
この部屋には靴を履いたまま上がってきていたし、すでに五女を踏み潰していたので足の汚れは気にしないが、糞が山盛り詰まった実装石の体というのはやはり気持ち悪い感触だ。

「あちゃ……踏んじゃったよ」

 足元を見ると、長女の死体のそばに倒れたハシゴが転がっている。

「………待てよ?」

 よく考えたら、俺はさっきタンスの上を見ようとして途中で止めたのではなかったか。
長女が落下して死んでいたので、登っている最中にハシゴが倒れたのだと思い込んでいたが、もしもそれが“倒れた”のではなかったとしたら?

 俺はコタツをタンスのそばに寄せると、天板の上に登ってタンスの上を覗き込んでみた。
………いた。
次女がタンスの上の一番奥、下からは見えない場所に座っていた。

「見ぃつけた♪」

「テ……テヒャァァァァ!?」

「上手く隠れたじゃねえか。さすがの俺も見落とすところだったぜ」

「テ、テェェ……」

「一つ質問してもいいか? お前、もしかして自分がそこに登った後、続いて姉が登ってこようとしている最中にハシゴを落としたのか? カモフラージュのために?」

「テ……!」

「その顔は図星か。なかなかやるなお前、飼い実装にしとくには惜しい糞蟲っぷりだぜ」

「テェェ……」

「いやいや、俺は褒めてるんだぜ? はっはっはっはっは!」

「テ………テププ……テップップップップ♪」

 褒められたことで見逃してもらえるとでも思ったのか、次女は俺の高笑いを真似るように笑い始める。

「ま、見つけたからには殺すんだけどね」

「テヒィィーッ!? そ、そんなのないテチィイー!」

 逃げようとする次女に素早く手を伸ばし、捕まえて持ち上げる。
そして机の引き出しからホッチキスを取り出すと、まずは次女の口をバチンと塞いで叫び声を上げられないようにした。

「ンーーー!(テヂュゥゥゥ!)」

「さて……何本目に死ぬかな?」

 南斗○拳の伝承者のように呟きながら、次女の体に何度もホッチキスの針を打ち込んでいく。
垂れ耳の犬のように耳をたたんでバチンと留め、手足の先を潰さんばかりにガチャガチャと何度も挟み、糞を漏らせないように総排泄孔を挟んで塞ぐ。
背中の肉をつまむようにして、まるで雑巾の縫い目のように連続して針を打ち込んでいく。
さらにホッチキスで挟まずに針だけを一本出して、コの字型のそれを片目に直接突き刺した。

「ンーーー! ンンゥゥーーー! (テヂャァァァァ!)」

 全身が少しずつホッチキスの針まみれになり、手の中でイゴイゴともがく次女の感触を存分に楽しむ。

「んー、やっぱりこうやってもがく仔実装の感触はいいなあ。めしゃっと潰しちゃうのは簡単だけど、この『必死で生きようとしている者の命と尊厳を踏みにじる』感がたまらんわ。この愉悦………
 ユダヤ人を拷問、虐殺してたナチスのSSなんかもこんな気分だったのかねえ」

 そう、自分が決して殺されない安全な立場から、脆く儚い存在を蹂躙する—————これに勝る愉悦など存在しない。
『カ○ジ』の利○川も似たようなことを言っていたが、これこそ究極の快楽なのだ。
まあ『退廃的な快楽に溺れた、堕落した人間にとって』という枕詞がつくだろうが……

「よっしゃあ、ラストいってみようか。お前はなかなか楽しませてくれたから、少しばかり慈悲深い殺し方をしてやろう」

 ここまでやっておいて今さら慈悲深い殺し方もあるかと思うかもしれないが、この状態だからこそできる方法というものもある。
俺は前の住人が残していったであろうオンボロ扇風機から伸びていた電源ケーブルをハサミで切ると、切り口の皮膜を剥がして銅線をむき出しにした。
さらにほぐした銅線を、次女の体を覆っているホッチキスの針の隙間に絡めてゆき、灰皿の上に乗せる。

「安全確認! ゴム手よーし!」

 自分が感電しないよう、トイレ掃除用のゴム手袋をしたうえで、電源ケーブルのプラグをコンセントに挿し込んだ。

 ————— ぱぢぢぃっ!!! —————

「ンブビュゥゥッ!!!」

 すぐにコンセントからプラグを抜く。
一瞬にして感電死した次女を見てみると、実装石が死んだときには白濁するはずの両目が焦げて真っ黒になっていた。
全身に刺さっていた針が電極となり、体中を電気が駆け巡ったのだ。
電気椅子が人道的な処刑方法だというなら、これも慈悲深い殺し方であろう。
見事に上手くいったな。

 さて、次はいよいよ最後の部屋だ。
今度は糞蟲の親仔(親実装と十匹以上の仔実装)である。
ここは初心に返って、また『実装石をこうやって殺してやりたいと思っていた漫画のワンシーン』を再現しながら思いっきり虐殺してやることにしよう。


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 ————— ドガァン! —————

 ドアを乱暴に蹴破り、六号室に入る。

「デ、なんデスニンゲン! ワタシのラクエンになんの用デシャァァ!」

 入るや否や、偉そうな親実装が威嚇してきた。

 俺はこいつら親仔を眠らせた状態でこの部屋に連れて来た後、ずっと姿を見せないまま飼育してきた。
というよりも、眠っている時間帯に餌だけを補充し、後は放置していたのだ。
そのせいでこいつはすっかりここを『勝手に餌が出てくる楽園』だと勘違いし、自分をその主だと思い込んでいるのである。

 親実装を無視し、周囲にいる仔実装たちに目をやる。
どいつもこいつも増長し、親実装がすぐにこの人間をやっつけてくれると思い込んでいる糞蟲ばかりだ。
俺は部屋の外に置いておいた金属製の檻(タワー型PCほどのサイズ)を担いできて床に下ろすと、そいつらを四〜五匹ばかり中へと放り込んだ。

「テチィィッ! このクソニンゲン! カワイイワタチになにをしやがるテチィ!」

「チププwww こいつもウツクシイワタチのミリョクにメロメロテチ。ワタチをさらってもっとスバラしいラクエンに連れていくつもりテチwww」

「テチュ〜ン♪ こいつはあたらしいドレイニンゲンテチ? さすがママテチ。ニンゲンなんかみんなワタチたちのドレイテチィ♪」

 好き勝手なことを抜かしやがって………今すぐ地獄に放り込んでやるから覚悟しろ。

 檻に貼り付けておいたガムテープをビリビリとはがすと、押さえつけられていたものがバネ仕掛けで起き上がる。
仔実装たちの前に立ち上がったのは、長さ五〜十センチほどの無数の釘であった。
釘は床面だけでなく、横や天井からも林立していた。

 俺は檻から伸びている鎖を掴むと、それを思い切り引っ張って檻を持ち上げ、床に叩きつけた。

「くらえーっ! 『傷刻○獄』!!!」

 ————— ガシャァン! —————

「「「テヂャァァァッ!?!?!?」」」

 檻が床に叩きつけられた瞬間、檻の中にいた仔実装たちに無数の釘が突き刺さった。
これぞ『闘将!!○麺男』に出てきたラー○ンマンの幼馴染、傷○牢・犬操(しょう○くろう・けんそう)の必殺技『傷○牢獄』である。
檻の中に閉じ込められた者は檻が地面に叩きつけられるたびに、無数の針に全身を突き刺されて死ぬまで苦しむのだ。

「そりゃぁぁっ!」

 ————— ガシャン! がしゃん! ぐわしゃん! —————

「「「テジュァァァァッ!!!」」」

 檻が床に叩きつけられるたびに仔実装たちが悲鳴を上げる。

「デェェーッ!? や、やめるデスゥゥーッ!」

 ようやく目の前の人間が危険な存在であると認識したのか、親実装が俺の足にぽふぽふと殴りかかる。

「テヂィィィッ! オネチャやイモウトチャになにをするテチャァ!!! ママとワタチタチがブッコロしてやるテチィ!」

他の仔実装たちも参加して俺に蹴りを入れたりしているあたり、こいつらはとことん人間を舐めくさってやがるらしい。
だが俺はそんな連中を無視して、なおも檻を床に叩きつける。

「テ、テヂィィィィ」(パキン!)

「イ、イタイテチ……イタイテチィィィ」(パキン!)

「な、なんで……なんでカワイイワタチがこんな目にあうテチィィ……」(パキン!)

 檻の中の仔実装たちはまるで百舌の早贄のように釘に刺さり、次々にパキン死していく。
そして十回ほど続けたところで、ついに中の仔実装たちは全滅した。

「デェェーッ! む、娘たちぃぃっ!? こ、このクソニンゲン! なぜワタシの仔を殺したデッスァァ!!!」

 なおも俺に攻撃を加える親実装を無視し、俺は手近にいた仔実装の一匹を捕まえ、そいつの体を自分の胸で抱き締めるようにして締め上げた。

「熊○圧搾!!!」

「テジュォエ……!」(パキン!)

 俺の腕に抱き締められた仔実装の胴体が轢断され、両目を白濁させて絶命する。
これぞ『闘将!!拉○男』に出てきたラー○ンマンの幼馴染、筋肉拳・蛮暴○(きんにくけん・バンボ○)の必殺技『熊胴○搾』(ただのベアーハッグ)である。

「殺すつもりはなかったんだーっ!」

「テギュェ……!」(パキン!)

「殺すつもりはなかったんだー!!!」

「ギュベェ……!」(パキン!)

 図らずも子供を殺してしまったせいでタガが外れ、村人を虐殺した蛮○狼のごとく次々と仔実装を絞め殺していく。
なぜだ! 傷刻牢○操のほうはゆで作品お得意の『死んだはずなのに何事もなかったかのように復活して味方になる』をさせてもらったのに、
同じラーメ○マンの幼馴染キャラでありながら、なぜ○暴狼だけが復活させてもらえなかったんだ!(アニメ版では救済されてラーメン○ンの妹と結ばれてたけど)
顔か! 傷○牢犬操のほうがイケメンキャラだからか! 筋肉こそ正義の俺は蛮暴○のほうが好きだったのに!!!

 あまりにも理不尽な俺の怒りにつき合わされ、十匹以上もいた仔実装はついに全員が哀れな死体と化した。
親実装は上半身と下半身の分かれたその亡骸を両手で抱えながら、「オロローン……オロローン……」とアホな声で泣き続けている。
さて、こいつにも勢い任せの一撃で死をくれてやるとしようか。

「オロローン………仔がみんな死んでしまったデスゥゥ………ど、どうしてこんなヒドイことをするデスゥ!?」

「てめえが人間様に偉そうな口をききやがるからだろうがぁーっ!」

 ————— ドゴォ! —————

「ゲベェ!」

 顔面に蹴りを入れられ、親実装が部屋の端まで吹っ飛ぶ。
俺は部屋の冷蔵庫を開けると、そこに入っていた『き○この山』を取り出し、それを持って親実装の前まで歩いていく。
そして親実装のそばに座り込むと、目の前でぼりぼりと食らい始めた。

「この赤子茸はワシらの貴重なタンパク源じゃーっ。てめえらに食わせるぶんは一本もねえ!」

 親実装にとっては意味不明であっただろう。
これも『闘将!!○麺男』に出てきたラ○メンマン最大のライバル、屠殺鬼・玉○(とさつき・ぎょく○う)の台詞である。
この親実装はこいつの必殺技で葬ってやることにしよう。

 テーブルの上に立ち、倒れた親実装を見下ろす。
そしてその腹めがけて、アン○ニオ猪○にも劣らぬ見事なフォームでニードロップを敢行した。

「玉王○狼封!(ぎょくおう○ロップ)」

 ————— めぎゃぐしゃ! —————

「デギェア!!!!」(パキン!)

 これぞ玉○の必殺技、『玉王怒○封』(ただのニードロップ)である。
胸から下が破裂して中身をぶち撒けた親実装は、ラー○ンマンのように「は、はじめての敗北だ……」などと呟くこともなく、実装石らしい呻き声を上げて絶命した。

「ふぅぅ〜っ、スッキリしたぜぇ」

 実に爽快な気分だ。
前々から考えていた、実装石相手にやりたかった漫画のシチュエーション再現を完全にやり切ったのだ。
しかもその相手が甘やかされて育った元飼い実装たちともなれば、その快感も倍増である。
俺は得体の知れない充足感を味わいながら、六号室を出てアパートの入口へと戻っていった……


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「よっ、終わったのか?」

 アパートを出ると、一人の男が声をかけてきた。
このアパートの大家である門矢守(かどやまもる)である。

「ああ、マジで楽しかったよ。今回はサンキューな」

「いやいや、実装石の虐待が趣味って点では俺もお前も仲間だしな。飼い実装どもにこのアパートを実装臭と糞塗れにしてくれた礼ができると思えば安いもんさ」

 そう言いつつ、門矢は後ろに置いてあったポリタンクの一つを持って玄関へと向かう。
そしてポリタンクの蓋を外すと、中の液体をとぽとぽと流し始めた。

「お、おい、それって……」

「ああ、灯油だよ」

「っておい! 自分のアパートに放火でもする気かよ!」

「ご名答♪」

「ご名答って……」

 門矢は楽しそうに笑いながら、壁に沿って灯油を撒いていく。
そしてアパートを一周ぐるりと回ると、残っていたポリタンクを庭に面した窓から投げ入れた。

「マジでやる気かよ」

「ここは周囲に建物もなけりゃ森もないし、どっかに飛び火して迷惑かけることもないだろ? それにこうすりゃ解体の手間が省けて、解体業者に払う費用が安くなるかもしれんし」

「ええー………お前の発想、普通に怖いわ」

「人家が離れてて消防に通報されることもないだろうから、完全に焼け落ちるまで邪魔は入らんしな。それに………」

「それに?」

「……まあいいや、とりあえず見てなって」

 門矢のやつは手馴れた手つきでマッチに火をつけると、それを玄関の中に放り込んだ。
たちまち爆発せんばかりに炎が上がり、アパート全体が火に包まれる。

「危ないからちょっと離れたところで見るぞ」

「おいおい、もしかしてこれが燃え尽きるまで一晩中見てろってか?」

「すぐに面白くなるって」

 そう言われ、燃えるアパートを数分ほど眺めていると………

「「「「「デ(テ)ギャァァァァァァッ!!!!!!!!!!」」」」」

 突然、実装石の凄まじい悲鳴が響き渡った。

「な、なんだ!? 実装石の悲鳴? 馬鹿な、中にいた連中には全員殺してきたはずだぞ!」

「お、始まった始まった。熱さでネムリの効果が切れたらしいな」

「はぁっ!?」

「実はさ、今日お前が来る前に、処分施設からもらってきた元飼い実装をありったけダンボールに入れて、天井裏やら畳の下やらにぎゅうぎゅう詰めにしといたんだよ。全員実装ネムリで眠らせといたから、
 さすがのお前もやっぱり気付かなかったか」

「ってことは今、あの中は………」

「うん♪ 実装石にとっての大焦熱地獄(エグゾダス)♪」

「テジャァァァァァァァッ!!!!!」(パキン!)

「アツイテチ! アツイテチィィィッ!!!!!」(パキン!)

「レッピャァァァァァァァ!!!!!」(パキン!)

「デッズァァァァァァァァァァ!!! アヅイデズゥゥゥゥゥッ!!!!!」(パキン!)

「うーん、庭で数十匹の野良実装どもを燃やしたこともあったけど、やっぱ建物丸ごとってのは派手さが違うなあ。ほれほれ、見てみろよ。畳の下から出てきたやつが縁側の窓のところでイゴイゴ暴れてるぞwww
 ひゃっほぉぉう!!! 汚ねぇ花火だぜぇ!」

「……………うわぁ……………うわぁぁ……………」

 あれだけイカれまくった虐殺行為をしといて何だが、さすがの俺もこれにはドン引きである。
というか、こいつと俺では虐待派としてのレベルが違う。
俺はどちらかというと、実装石という生物が持つ醜さや糞蟲性へのイラつきを虐待することで解消している感がある。
それに対して門矢のやつは『それが美しい』という美学、完全に趣味性のみで実装石を燃やしているのだ。

 まるでヒーローショーを眺める子供のようにウッキウキの表情で燃えるアパートを見つめている門矢の横顔を見ながら、俺は格の違いを見せ付けられてすっかり意気消沈していた。
虐殺している最中はあんなにテンションが上がっていたのに、殺し方にもこだわるモノホンの虐待派を前にしては、自分のやっていたことがまるで児戯に思えてくるのだ。
もっと……もっと精進せねば。

 俺は果てしのない虐待道に思いを馳せながら、燃え盛るアパートに向かってさらなる精進を誓うのであった。


-END-


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 あとがき

 はい、ようやく後編が書きあがりました。
前編の修正で五号室で使うはずだったネタを消費してしまったので、新しいネタを思いつくまでに時間がかかってしまったのです。

 ちなみに、今回のネタが微妙というのは作者自身分かってます。
あくまで今回はそういうネタというか、実装石を虐待したくてしたくてたまらなくなってしまった自身のリビドーを発散させるためだけのネタなので、
徹頭徹尾、作者自身が『実装石が本当にいたらこういう虐待をしたいと思っていたやり方』を正月のテンション任せにぶっ込んだだけです。
それゆえ、ただのキチ○イと“本物の虐待派”との対比も最後に入れてみました。

 次回はいよいよ今までのキャラオールスターズみたいなのをやりたいと思っているのですが、ちょっと忙しくなってきまして……完成がいつになるか微妙です。
その前に、前に書いた未公開の長編をちょっとずつ投下していくのも考えているのですが……そちらはそちらで楽しみにしてくださると嬉しいです。

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1 Re: Name:匿名石 2017/01/24-04:20:01 No:00003986[申告]
待ってました!
特大のキャンプファイヤー!
2 Re: Name:匿名石 2017/01/24-19:59:58 No:00003990[申告]
前後編乙です。懐かしいネタの数々と緩急で笑いが止まりませんでした!!
でも、火事になっても誰も通報しないぐらい交通の便が悪い所にアパート建てんなし!
3 Re: Name:匿名石 2017/01/24-20:29:52 No:00003994[申告]
でも、俺は1つの方法でまとめてやっちまう友人よりいろいろあれこれ仕組む主人公の方が好きだぜ
4 Re: Name:匿名石 2017/01/25-20:00:26 No:00004014[申告]
懐かしいネタだったw
最後の大火葬もこれはこれで爽快かも?
5 Re: Name:匿名石 2017/01/26-04:14:17 No:00004020[申告]
大火葬はビジュアルで見てみたくなるね
6 Re: Name:匿名石 2017/04/03-22:12:03 No:00004615[申告]
アパートの大家は放火の主人公か
7 Re: Name:匿名石 2017/04/04-02:47:13 No:00004617[申告]
素晴らしい火葬!!
それまでの流れもすごかった!!
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